2020/12/20

201219柏2-3川崎(J1 #34)

柏2-3川崎(三協フロンテア柏スタジアム, 14:00KO, 5,137人/6,000人)

いよいよ今シーズンのJ1リーグも最終節。
新型コロナウイルス感染症による中断を経て、7月から再開した今シーズン。
全日程を消化するために尽力したすべての関係者に感謝したい。

快勝した浦和戦(J1 #33)から中2日。
最後まで今シーズンらしい過密日程で、アウェイ柏戦を迎える。
2019年は柏がJ2リーグだったため、2年ぶりの日立台となる。


晴れていても寒かった日立台。

先発は、浦和戦から6人を変更する。
 新たに山村、田中碧、旗手、齋藤学、ダミアン、長谷川が先発する。
 谷口、脇坂、家長、小林悠、三笘がベンチスタート、中村憲剛はベンチ外となった。
ベンチには、宮代が新たに入り、下田が外れている。


守田英正(6)。
ゲームキャプテンを務める。

柏はJ1リーグで15勝7分11敗の7位。
 得点王争いで、FWオルンガ(14)が27得点で独走中。
 2021年1月4日にはルヴァンカップ決勝を控えている。

11月初旬、選手5名、スタッフ11名が新型コロナウイルスに感染。
 チーム活動を休止して、J1リーグ2試合とルヴァンカップ決勝を延期した。
 延期された2試合を組み込み、ミッドウィーク開催が3週続く厳しい日程。

等々力での対戦は、川崎が勝っている。
 200711川崎3-1柏(J1 #4)

■1st half
柏はオルンガへロングボールを入れていく。
単純な縦ポンだが、オルンガの圧倒的な力でチャンスを作った。

14分、クリスティアーノ(9)のシンプルなハイボールを、オルンガと山根が競る。
山根を吹き飛ばして簡単に抜け出して、GKソンリョンを交わして先制ゴール。
4分と23分にもオルンガは1人で決定機を作っていた。

柏のプレスは弱めで、川崎は余裕を持ってビルドアップ。
中盤の底に守田、田中碧、旗手が代わる代わる入っていく。
左サイドからは、長谷川と登里のコンビネーションで攻めていった。

30分、登里の左クロスを田中碧がヘッド。
CKも7本と多く、柏を押し込んで揺さぶったが、決定機は少なかった。
川崎がやや押し込んでいたものの、オルンガ・システムも強力だった。

■2nd half
後半スタートから、三笘と家長を投入して巻き返しを図る。
しかし、直後の46分、北爪健吾(14)が右サイドを突破してクロス。
GKソンリョンが飛び出さず、クリアもできないまま、瀬川祐輔(18)が追加点を決めた。

2点差となったが、川崎が次々と攻め込んでいく。
48分、田中碧の右CKを、ファーの家長のヘッドで1点差に戻す。
家長は田中碧の近くに立っていたが、するするとファーに動いていた。

家長が敵陣の深い位置で溜めることで、柏の守備を下げていく。
川崎が全体で押し上げて、ハーフコートで組み立てる。
ダイレクトパスを駆使して、スペースに走り込んでいく。

55分、少し持ち上がったGKキム・スンギュ(17)が、三笘へ痛恨のプレゼントパス。
三笘がダミアンに送ると、無人のゴールに正確に蹴り込んで同点とする。

その後も川崎が攻め続ける。
柏はボールを運べず、縦のロングボールも精度が低い。
さすがのオルンガも、山村とジェジエウに挟まれて勝てなくなった。

81分、カウンターから脇坂のパスを受けた三笘がドリブルして家長にスルーパス。
家長が落ち着いてGK右脇を射抜き、逆転ゴールを決めた。

柏はここから反撃を試みる。
クリスティアーノを中心に、川崎を押し込んで、分厚い攻めを展開。
 90分、仲間隼斗(33)のループシュートがバーを叩く。
 90+2分、古賀太陽(4)のシュートはわずかに左。
90+8分、柏の右CKを防がれて、試合は終わった。

■summary
柏はオルンガの強さを生かして放り込んできた。
シンプルにハイボールを入れるだけで、決定機を作ってくれる。

2点をリードしたものの、守備では踏ん張れなかった。
ラインが下がりっぱなしとなり、中盤のスペースを埋められない。

ルヴァンカップ決勝(YLC Final)は、同じく縦に早いFC東京との対戦。
どのようにオルンガのパワーを発揮させるのか、楽しみ。


GK桐畑和繁(1)。
この日、退団が発表されました。

川崎のターンオーバーはしっかりと機能した。
2点のリードを許したものの、前半から柏の守備を動かし続けた。
柏の運動量を徐々に落とすことで、後半、3ゴールで仕留めた。

最後に攻め込まれてもがっちり守って、逃げ切った。
今シーズンの勝ちパターンを遺憾なく発揮しての逆転勝利。

J1リーグの日程をすべて終えた。
 2017年、2018年に続く3回目のJ1リーグタイトルを獲得。
 34試合で26勝5分3敗、88得点31失点で得失点差+57。
 記録的な成績で、チャンピオンとなった。


そして、残っているのは天皇杯。
 中7日の準決勝(天皇杯 SF)から出場する。
 対戦相手は、ブラウブリッツ秋田(J3)、福井ユナイテッドFC(北信越リーグ)、福山シティFC(広島県1部リーグ)のいずれかで、20日の5回戦、23日の準々決勝の結果で決まる。
 しっかりと勝利して、元日の決勝に駒を進めたい。

■goal
14オルンガ(14) 46瀬川祐輔(18) 
48,81家長昭博(41) 55ダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 7.0 4分、23分にオルンガとの1対1を防ぐ。10分、88分にクロスをキャッチ。
山根視来(13) 5.5 14分、オルンガとハイボールを競ったが完敗。61分、2人を抜いてクロス。
ジェジエウ(4) 5.5 23分、オルンガに競り負ける。試合が進むと安定感を取り戻していった。
山村和也(34) 6.0 長短のパスでビルドアップに貢献。41分、イエロー。45分、CKをヘッド。
登里享平(2) 6.0 長谷川と三笘を使っていく。90+5分、競り合いで倒され、肩の負傷で交代。
(12月23日、左鎖骨骨折で全治2ヶ月半程度と発表された。)
守田英正(6) 6.0 プレスが緩く中盤を制圧。4分、オルンガへのミスパス。50分にもロスト。
田中碧(25) 6.5 縦横無尽に動いた。右CKで1アシスト。30分、登里の左クロスをヘッド。
旗手玲央(30) 6.0 正確なトラップとドリブルが効いていた。54分、72分とロングシュート。
齋藤学(19) 5.5 スペースが少なく、前に出れず。14分、左クロス。40分、左から仕掛ける。
ダミアン(9) 6.0 27分、強烈なボレー。55分、決定機で確実にボールをゴールに届けた。
長谷川竜也(16) 6.0 俊敏さを生かしてプレー。15分、1人抜いて左クロス。復帰後のベスト。

■sub
HT(16)三笘薫(18) 7.0 左サイドから次々と切り裂く。2アシスト。73分、80分にシュート。
HT(19)家長昭博(41) 7.5 圧巻の逆転劇の主役を演じる。72分にも決定機。右サイドを蹂躙。
78(30)脇坂泰斗(8) 5.5 滑らかなボールタッチ。78分、三笘へのパスから逆転ゴールを生む。
78(9)小林悠(11) 5.5 1トップでプレスを先導。78分、ボール奪取。プレー機会は少なかった。
90+7(2)谷口彰悟(5) 5.5 負傷した登里に代わって、最後のCKシーンで投入された。

■bench
丹野研太(27) 宮代大聖(20) 

■coach
鬼木達 6.5 大きくターンオーバーしつつ、選手交代でギアを上げて、逆転勝利に導く。

■referee
飯田淳平 6.0 コンタクトの多い展開となったが、落ち着いてコントロールした。

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