2020/12/27

201227川崎2-0秋田(天皇杯 SF)

川崎2-0秋田(等々力, 13:05KO, 9,772人/12,000人)

優勝を飾ったJ1リーグが終わり、残るは天皇杯。
第100回目の天皇杯は、新型コロナウイルス感染症のため規模が縮小される。
J1リーグからは、1位2位のみが準決勝から出場することとなった。
初戦となる準決勝は、J3リーグを制したブラウブリッツ秋田との対戦。

逆転で勝利した柏戦(J1 #34)からは中7日。
決勝は国立競技場となるため、引退する中村憲剛にとって最後の等々力となる。


先発は、柏戦から4人が変わる。
 新たに谷口、大島、家長、三笘が先発する。
  大島は、G大阪戦(J1 #29)で右腓腹筋を肉離れして以来の復帰。
 ベンチに回るのは、山村と長谷川。齋藤学はベンチ外となる。
 さらに登里は、柏戦のロスタイムに左鎖骨を骨折し、全治2カ月半でベンチ外。
 LSBには、柏戦ではインサイドハーフだった旗手が回った。
ベンチには、中村と、G大阪戦で右大腿骨と右脛骨を骨挫傷した車屋が復帰する。


ブラウブリッツ秋田は、J3リーグで優勝し、J2リーグへの昇格を決めた。
天皇杯は準々決勝から出場し、福山シティFC(広島県1部リーグ)に3-1で勝った。
J3リーグ最終節から中2日で準々決勝、そして中3日で川崎戦を迎える。

川崎との対戦は2016年の天皇杯2回戦以来となる2回目で、4年ぶり。
 160903川崎3-1秋田(2016 天皇杯 R64)


「この絆を胸にいつか必ずここに戻ってきます!!」

2016年9月3日の約束が果たされる。
2回戦だった舞台は、準決勝となりました。

■1st half
秋田はスタートから5分ほどプレスを掛けたが、すぐに撤退してブロックを組む。
コンパクトな陣形を保ちながら、川崎にボールを持たれても決定機を与えない。

GKもDFもボールを奪うとFW井上直輝(16)と中村亮太(9)へロングボールを入れる。
FKはもちろん、スローインですらロングスローでゴール前に放り込んできた。

川崎は最初のプレスに戸惑ったが、すぐにボールを握った。
CBの2人の横に守田、田中碧、大島が次々に下りてきて組み立てる。
バイタルが空いてくると、細かく横パスをつないで崩していった。

8分の守田、29分の大島のシュートはGK田中雄大(21)が防ぐ。

そして39分の先制点は、美しいパスワークから。
左の大島から田中碧、中央の家長へと動かし、ダミアンから大島に戻ってきてスルーパス。
三笘が縦に抜け出して、1トラップでゴールを決めた。

45分にもドリブルで抜け出した田中碧のシュートがバーに当たっている。

■2nd half
後半も川崎の時間が続いていく。

しかし、54分、秋田に最大のチャンスが訪れる。
谷口がロングボールの行方を見誤り、FW井上がGKと1対1となる。
背後から谷口が迫る中、井上のシュートはGKソンリョンに弾かれた。

川崎はボールを渡すことなく攻め続けるが、なかなか2点目が入らない。
62分にダミアン、73分に小林悠がシュート。
ようやく83分、田中碧がFKをきれいに沈めて、試合は決まった。

■summary
秋田はボールをつながず、ひたすらロングボールを蹴り込んだ。
FW井上と中村が右側でボールを待ち受けて、CB谷口とLSB旗手と競り合った。
しかし、ほとんど勝つことができず、川崎の攻撃を耐え忍ぶ時間が長くなった。

それでも、4-4-2の守備はとても粘り強かった。
左右に揺さぶられても、ゴール前のスペースを埋め続け、決定機を与えない。
さすがにバイタルは空いたが、川崎のロングシュートは入らなかった。

3年前は、激しいプレスを仕掛けて川崎のパスを封じた。
今日は主導権を握るサッカーではなかったが、1点を巡る勝負には持ち込み、善戦した。


川崎は2つのゴールが決まるのが遅く、苦戦した。
先制点は前半終了に近く、追加点も後半終了近くとなった。
スコアだけを見れば完勝だが、秋田にゴールを決められる可能性もあった。

ただ、守備に走り回ることもなく、体力を温存しながら、順当に勝つことができた。
次は中4日で天皇杯決勝(天皇杯 Final)。
今シーズン2つ目のタイトルを、中村憲剛とともに勝ち取りたい。

■goal
39三笘薫(18) 83田中碧(25) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 54分、井上のシュートをセーブ。安定していたが、飛び出すのは遅め。
山根視来(13) 6.0 9分、36分とCKの戻りをロングシュート。43分、50分には右クロス。
ジェジエウ(4) 6.0 ほとんど仕事がなかった。79分、秋田のカウンターをファウルで止める。
谷口彰悟(5) 6.0 ロングボールを競って跳ね返した。54分、判断ミスから決定機を与える。
旗手玲央(30) 5.5 3試合目のLSBで、無難にプレー。49分、55分とフリーでのパスミス。
守田英正(6) 6.5 中盤の底でリスクを踏まえつつチームを操縦する。8分、17分とシュート。
田中碧(25) 6.5 ピッチを広く走り回る。45分、バーに当てる。83分、華麗なFKを決めた。
大島僚太(10) 6.0 復帰戦。繊細なパスで組み立てた。39分、三笘のゴールをアシスト。
家長昭博(41) 6.0 34分、ボレーシュート。右のスペースに開いて、ボールを引き出した。
ダミアン(9) 6.0 ポストプレーで踏ん張った。31分、ヘッド。62分、ターンからシュート。
三笘薫(18) 6.5 サイドに張るだけでなく、中側にも入ってプレーする。39分、決勝ゴール。

■sub
67(30)車屋紳太郎(7) 6.0 復帰戦。LSBの本職らしいポジショニング。ハイボールも競った。
67(9)小林悠(11) 6.0 73分、家長のパスからシュート。90分、長谷川のクロスをヘッド。
81(18)長谷川竜也(16) 5.5 90分、左クロス。もっとドリブルで仕掛けていきたい。
86(10)中村憲剛(14) 5.5 等々力でのラストプレー。じっくりボールを動かして時間を使う。

■bench
丹野研太(27) 山村和也(34) 脇坂泰斗(8) 

■coach
鬼木達 6.0 危うさを感じることなく、勝利した。交代枠を1つ残したのはもったいない。

■referee
山本雄大 6.5 厳しいチャージが多い秋田へ、前半にイエローを2枚提示し、落ち着かせた。

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■おまけ

中村憲剛(14)の等々力ラストマッチ。
86分、大島僚太(10)と交代して登場。

ロスタイム、セットプレーの守備。
先頭に立ってラインを整える。

深く一礼して、ピッチを後にしました。