2016/07/31

160730湘南2-3川崎(J1 #23)

湘南2-3川崎(Shonan BMWスタジアム平塚)

FC東京との多摩川クラシコ(J1 #22)に勝利してのアウェイ湘南戦。
J1リーグで年間及び2ndステージの首位に立っている。

先発はFC東京戦と同じ。
大塚は8試合連続、橋本は3試合連続で先発。
それぞれレギュラーを掴んでいる。
28日の練習で負傷したとの情報があったエウシーニョも出場。
サブもまったく同じ顔触れ。

湘南はここまで年間16位で3連敗中。
前節欠場したFW高山薫(23)が復帰。
特別な黒い「七夕記念ユニフォーム」で登場。
実際に見るのは初めてだったが、10シーズンを迎えるとのこと。

1stステージでの対戦は、3月5日、等々力で4-4(J1 #2)のドロー。
ボールをキャッチしたソンリョンへのチャージが流された影響で失点を重ねる。
柏から移籍してきたエドゥアルドが、終盤のパワープレー要員で川崎デビュー。
現在、長期離脱中の森本が最後に同点ゴールを決めるなど、かなり昔の印象。

■1st half
湘南は予想通り激しいプレスを仕掛ける。
1トップのFW端戸仁(17)、2シャドーの高山、FW大槻周平(19)が激しい勢いで走る。
前線と連動しながら、ラインを上げてコンパクトに戦う。

しかし、川崎は湘南のプレスを苦にしない。
絞られた狭いパスコースに向かってダイレクトパスを果敢に通す。
湘南は縦にパスを通されると、そのままゴール前まで運ばれて勝負されていた。

18分、MF石川俊輝(16)の右からのクロスに高山が合わせるが、ゴールは入らない。
湘南は前半だけで5本、CKを獲得する。
FKも含め、MF下田北斗(22)とMF藤田征也(14)の2人がボールに近づく。
トリックプレーなどいろいろな工夫が見られたが、決定機は作れなかった。

32分、川崎が右サイドから攻撃を仕掛ける。
右側に湘南の選手を寄せておいて、中央の中村が左サイドの車屋に展開。
藤田が車屋に向き合うが、藤田の背後には大きなスペースが空いている。
スピードに乗ったメイア・ルアで藤田を華麗に抜き去ると、GK村山智彦(1)と1対1。
村山はニアに寄りすぎてしまい、車屋は大きく空いたファーサイドに左足でゴール。
大久保が最後に触るが、車屋のゴールと認められ、プロ公式戦初ゴールとなった。

■2nd half
後半、高山はキャプテンマークを黄色から青色に変えた。

48分、中村が前方のスペースに向かって素晴らしいスルーパス。
走りこんだ車屋のクロスは、大久保の足元にぴたりと届き、そのままゴール。

2点差となると、湘南はプレスが鈍くなる。
前線を2枚交代して、フレッシュな選手で再び走り出そうとする。
しかし、60分。橋本の右からのCK。
中央で小林がヘッドで叩き付けて3点目が生まれる。
川崎にとってこの日唯一のCKだったが、決めきった。

3点差となって、ようやく湘南は反撃を始める。
余裕を持った川崎は、省力化を図ってラインを上げない。
そのためカウンター主体の攻撃となる。
選手間の距離が開いて、ボールを持つ時間が短くなった。
ボールを回そうとしても、湘南のプレスにひっかかる。
川崎は選手交代に伴って、システムを何度も変更したが、奏功しなかった。

湘南は63分にFW大竹洋平(7)、90分にDFアンドレ・バイア(4)がゴール。
あと1点まで迫ったが、足が止まった川崎を相手に同点にはできなかった。

■summary
湘南は3点を失うまでいいところがなかったが、その後は素晴らしかった。
63分に大竹のゴールが生まれると、チーム全体の活力が復活。
それまでもたくさん走っているのに、さらに精力的に走り続けた。
走行距離が短いはずの川崎の方が、先に動けなくなった。
称賛に値するハード・ワークを見ることができた。
見ごたえのある楽しいゲームを作り出した。

川崎は選手交代がうまくいかなかった。
武岡で守備を固めるのは良かったが、エドゥアルドの投入で最終ラインが混乱する。
最初は谷口をボランチに上げたが、ボールが持てないとみると谷口を下げて3バックに。
するとボランチに下がる中村がバイタルを空けるため、湘南の攻撃を受け続けた。

ロスタイムにはボールをつなぐことを諦める。
クリアボールを前方に割り切って蹴り出すだけ。
風間監督になってからは記憶にないスタイルで、1点差を守り切ることに専念した。

2位鹿島、4位広島が敗れ、それぞれ勝ち点差が8と17に広がる。
3位浦和は勝利。勝ち点5差を保ち2位に浮上した。
J1リーグは残り11試合。
第26節では浦和との直接対決がある。
次の甲府戦(J1 #24)、鳥栖戦(J1 #25)で勝ち点を積み上げ、大島の帰還を待ちたい。

■goal
63大竹洋平(7) 90アンドレ・バイア(4)
32車屋紳太郎(20) 48大久保嘉人(13) 60小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 大竹のゴールは触ったものの止められず。26分、バックパスの対応でミスあり。
エウシーニョ(18) 6.0 短いドリブルで攻撃のバランスをとった。きちっと戻って守備でも活躍する。
井川祐輔(4) 5.5 順調だったが、3点差となってからのシステム変更を統率しきれなかった。
谷口彰悟(5) 5.5 高い打点のヘッドで湘南のクロスを跳ね返した。ボランチでは生きなかった。
車屋紳太郎(20) 7.5 素晴らしいゴールとアシストで勝利を導く。攻守にスピードを生かした。
中村憲剛(14) 6.5 車屋へのパスを2本供給。13分、ミドルをポストに当てる。最後は動けなくなった。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 ハイボール処理で競り勝ちながら、縦に攻撃的なパスを繰り出した。
小林悠(11) 6.0 完璧なヘッドで6戦連続ゴールを決める。ボールを受ける機会が少なかった。
大塚翔平(27) 5.5 技術の高さは見せたが、特徴あるプレーができなかった。埋没してしまう。
橋本晃司(7) 6.0 小林のゴールをCKでアシスト。16分にFKをバーに当てるなど、キッカーとして光る。
大久保嘉人(13) 6.0 ワンタッチで、らしいゴールを決める。パスも正確だが、決定機に絡めなかった。

■sub
66(27)武岡優斗(17) 5.5 守備に奔走。77分にPA近くでファウルを与えるなど、不安定さも見られた。
75(18)エドゥアルド(23) 5.0 アンドレ・バイアに高さで78分、90分と競り負ける。ラインを上げられず。
80(7)田坂祐介(6) 5.5 88分、大久保のクロスをヘッド。ゴールラインを割ったように見えたが、判定はノーゴール。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 湘南の勢いに交代策やシステム変更で対抗したが止められず。しかし、勝利を得る。

■referee
家本政明 5.5 中立的だがファウルやイエローの判定が多い。88分の田坂のゴールの判定は難しい。誤審は技量的に当然。