2021/10/28

211027川崎3-1鹿島(天皇杯 QF)

川崎3-1鹿島(等々力, 18:00KO, 9,776人/12,000人)

J1リーグ優勝が大きく近づいた清水戦(J1 #33)から中2日。
 2か月ぶりとなった天皇杯は、鹿島との準々決勝。
 等々力での開催で、水曜日の18時キックオフ。

観客上限は、清水戦と同じく12,000人。
 ゴール裏1階は、ワクチン・検査パッケージ用のJFAシートとして発売された。
VARはなく、審判団は通常の4人制となる。

今年の天皇杯は、長野と千葉にPK戦で、清水に90分で勝利している。
 210609川崎1(4PK3)1長野(天皇杯 R64)
 210721川崎1(4PK3)1千葉(天皇杯 R32)
 210818川崎2-1清水(天皇杯 R16)


中2日だけど、先発は清水戦と同じ11人。
ベンチには新たに遠野が入り、宮城天が外れた。


鹿島は、J1リーグで17勝5分11敗の5位。
 天皇杯はYSCC横浜、栃木、長崎に勝っている。
 日程は中3日で、川崎より1日分の余裕がある。

今シーズンの対戦は、川崎が2勝している。
 210530川崎2-1鹿島(J1 #17)
 210922鹿島1-2川崎(J1 #32)
天皇杯での対戦は、2016年大会の決勝以来、5年ぶりとなる。
 170101鹿島2-1川崎(天皇杯 Final)

■1st half
川崎は右サイドで家長を中心として、脇坂や山根が絡んでいく。
 4分、11分、31分(2本)に山根、12分に家長が右クロスを入れた。
鹿島の左サイドハーフ、アルトゥール・カイキ(17)の立ち位置があいまい。
 そのためLSB安西幸輝(2)の負担が大きくなって、蹂躙されてしまう。
土居聖真(8)やファン・アラーノ(7)がボールを追い掛けても、簡単に抜け出される。
 プレスの効果が薄く、川崎のパス回しで延々と走らされた。

32分、脇坂の左CKを、CB町田浩樹(28)のオウンゴールで先制に成功。
 OGといっても、マルシーニョと競り合った町田のミスはなく、仕方ない失点。

鹿島はディエゴ・ピトゥカ(21)がロングボールを入れる。
 チャンスは少なかったが、40分、スルーパスで土居が抜け出す。
 GKソンリョンをサイドまで釣り出したが、シュートはできなかった。

■2nd half
48分、マルシーニョが左サイドでポイントを作って、内側の脇坂へパス。
 フリーの脇坂が強いボールを蹴ると、旗手がコースを変えてゴールが決まった。
さらに続いて51分。
 家長のリターンパスを受けた脇坂が、PA手前から美しい左足ミドルを決めた。

3点差となった54分、鹿島は荒木遼太郎(13)と和泉竜司(11)を投入。
 特に荒木のポジショニングが秀逸で、この2人を中心に川崎を押し込んだ。

川崎は守勢を強いられながらも、時間を進めていく。
 76分と77分の決定機はGKソンリョンが弾き出して、耐え続ける。
 90分、リフレクションを荒木に押し込まれて、1点を失う。
 しかし、3点リードは大きく、安全なまま試合を終えた。

■summary
鹿島はサイドハーフの2人、右のアラーノと左のカイキの守備貢献が少なかった。
 特に左では、家長、山根、脇坂のトライアングルに対して、数的不利となる。
 安西だけでは対応できず、縦の突破を許し、深い位置からクロスを上げられた。

ビルドアップはピトゥカが頼りで、質の高いパスを供給していた。
 ただ、出所がひとつなので、川崎にロングボールを予測されてしまう。
 54分に荒木が入るとかなり改善したが、すでに3点リードされていた。


ユニフォームに顔を埋める荒木遼太郎(13)。
個人としては1ゴールを決めましたが、敗戦が悔しかったのでしょう。

川崎は、J1リーグの2試合で接戦を演じた鹿島を圧倒した。
 日程的な不利を感じさせず、ボールを握り続けて、3ゴールを奪う。
 セカンドボールへの出足が早く、ボールロストしてもすぐに奪回した。

家長は珍しく右サイドに居続けた。
 いつもなら中央や左サイドまで自由に動き、局面での数的有利を作るところ。
 今日は右サイドから確実に崩せていたため、その必要がなかった。

終盤は大量リードと日程による体力差もあり、鹿島に押し込まれる。
 GKソンリョンを中心に90分まで無失点で凌ぎ、荒木にゴールを許したが余裕があった。

天皇杯はこれでベスト4に進出。
 準決勝ではJ1リーグ終了後の12月12日、大分と対戦する。

次の公式戦は、中6日で浦和戦(J1 #34)。
 J1リーグ優勝には、残り5試合で勝ち点4が必要な状況。
 2位横浜Fマリノスが勝ち点を落とせば、この浦和戦で優勝が決まる可能性もある。
 まずは目の前の試合に、良い内容で勝っていきたい。

■goal
32OwnGoal 47旗手玲央(47) 51脇坂泰斗(8) 
90荒木遼太郎(13)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 集中してセーブを続け、90分まで失点せず。76分、ループを掻き出す。
山根視来(13) 6.5 右サイドを駆け上がってクロスを入れる。対面する安西を苦にしなかった。
ジェジエウ(4) 6.5 ボールを強く跳ね戻す。28分、ロングシュート。56分、クロスをクリア。
谷口彰悟(5) 6.5 深く押し下げられても、慌てることなく守り続けた。23分、縦パスをミス。
登里享平(2) 6.0 29分、ダミアンにスルーパス。良いポジションに立ちビルドアップを主導。
橘田健人(22) 7.5 全力疾走して広大な範囲をカバー。カウンターを浴びると素早く戻った。
脇坂泰斗(8) 7.5 3ゴールに絡む大活躍で、勝利に貢献。滑らかなタッチで中盤を支配した。
旗手玲央(47) 6.0 1ゴール。45+2分、右クロス。90+4分の直接FKは、わずかに外れた。
家長昭博(41) 6.5 抜群のキープ力を見せた。63分、自陣でのファウルでイエローをもらう。
ダミアン(9) 6.0 CBをサイドに引き出す。45+3分、FKをヘッド。GKまで鋭くプレスする。
マルシーニョ(23) 6.5 オフサイドは多いが、左サイドで仕掛ける。4分と23分にシュート。

■sub
67(23)大島僚太(10) 5.5 70分、見事なトラップから抜け出した。81分、ボールカット。
67(2)車屋紳太郎(7) 6.0 72分、左クロス。80分、遠藤康(25)にレイトタックルを受ける。
67(9)知念慶(20) 5.5 90+3分、独走したが、背後からピトゥカにイエローで止められた。
75(41)小林悠(11) 5.5 90+1分、大島からラストパスを受ける。右サイドで戻って守った。
77(8)山村和也(28) 6.0 バイタルを埋めて、中盤を落ち着かせる。90+1分、FKを獲得。

■bench
丹野研太(27) 遠野大弥(19) 

■coach
鬼木達 6.5 中2日でも選手を変えず、圧勝する。大量リードで早めに交代した。

■referee
村上伸次 6.0 分かりやすく明確なジャッジ。終盤、鹿島のラフプレーは制御できなかった。

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