2024/02/15

240213山東泰山2-3川崎(ACL R16 #1)

山東泰山2-3川崎(済南オリンピックスポーツセンター, 18:00KO(19:00JST), 46,273人)

2024シーズン初戦は、ACLノックアウトステージのラウンド16。
 2試合制の山東泰山戦は、先にアウェイに赴く。

ACLは2023-24シーズンから秋春制となった。
 グループステージは昨年9月から12月まで行われ、5勝1分で首位突破。
 ノックアウトステージは2月から始まって、決勝は5月に行われる。

Jリーグは春秋制なので、シーズンオフを挟み選手が入れ替わる。
 ただ、ACLでは同大会の背番号の入れ替わりを認めていない。
 そのため、Jリーグの背番号と異なる選手が出る。
 例えば、29番から2番に変更する高井幸大は、ACLでは引き続き29番でプレーする。
 新加入のエリソンは9番だが、すでにダミアンがACLで着用済なので、89番を着用する。


先発は、GKソンリョン。
 最終ラインが右から佐々木旭、ジェジエウ、大南、瀬川。
 アンカーは橘田で、インサイドハーフに脇坂と新加入の山本。
 前線は、家長、新加入のエリソン、マルシーニョが並ぶ。

ベンチ入りは、ACLのため12選手。
 新加入選手では、ファン・ウェルメスケルケン際、丸山祐市、ゼ・ヒカルドが入った。
 また、大卒新人の山内日向汰も、プロ初の公式戦でメンバー入りを果たした。

 ACLは外国籍枠5人、ACL枠1人のため、パトリッキ・ヴェロンが外れている。


山東泰山は、ACLグループステージを4勝2敗で2位通過。
 横浜Fマリノスに2敗を喫したものの、残り4試合を全勝した。
 川崎とは、初めての対戦となる。

FWで先発するヴァレリ・カザイシュヴィリ(7)は、蔚山現代(KOR)から移籍。
 2023年12月12日の蔚山現代戦(2023-24 ACL GL #6)でも出場していた。

RSBで先発するガオ・ジュンイー(28)は、2014年に富山、2015年に福岡でプレーした。
 当時の登録名は高准翼(コ・ジュンイ)だった。

■1st half
山東は立ち上がり、精力的にボールに寄せてくる。
 荒れたピッチに苦しむ川崎は、低い位置でロストを繰り返す。
 山東がショートカウンターを仕掛けると、中央から真直ぐゴールを狙う。
 ただ、川崎の2CBが自由を与えず、ソンリョンが壁となって先制を許さない。

20分ほどで、山東の勢いは収まる。
 ようやくピッチに慣れた川崎がボールを運べるようになる。

24分、脇坂の左CKをリー・ユアンイー(22)がハンド。
 獲得したPKをエリソンが右に蹴って、初ゴールを決めた。

続いて33分。
 佐々木旭のインターセプトから家長が右ワイドで溜めて、1列内側の脇坂に預ける。
 脇坂の右クロスをマルシーニョがダイビングヘッドで押し込み、2点差とした。

45分、山東が山本のパスミスから決定機を作る。
 右クロスをチェン・プー(29)がシュートするが、GKソンリョンが至近距離で止めた。

■2nd half
川崎は、マルシーニョのカウンター頼りとなる。
 51分、脇坂のラストパスでマルシーニョが抜け出す。
 しかし、GKワン・ダーレイ(14)が1対1で止めてみせた。
 61分にも家長のクリアボールからマルシーニョが独走するが、GKワン・ダーレイが止めた。

山東は攻勢を強め、川崎はゴール前に張り付いた。
 67分、左から中央に振られて、フェイ・ナンドゥオ(32)がミドルを決める。

1点差とした山東は、ますます攻勢を強める。
 サイドからクロスを入れ続け、マテウス・パト(8)やジャジソン(4)を狙った。
72分、丸山を投入して3バックとして必死に跳ね返す。
 しかし、セカンドボールを拾えず、さらにクロスを上げられた。
75分、左CKをクリザン(9)が合わせるが、右ポストに当てる。
 続けてカザイシュヴィリが2本シュートするが、丸山と橘田がブロックした。

川崎は一方的に攻められていたが、手数少なく追加点が生まれた。
 79分、GKソンリョンのパントキックを山田が落とす。
 抜け出した家長がGK1対1からゴールを決めた。

再び2点差となったが、山東の攻撃は止まらない。
 86分、ガオ・ジュンイー(28)の右クロスをジャジソンの高いヘッドでゴールを許した。

残りはロスタイム。
 両ウイングを田邉とファン・ウェルメスケルケン際に代えて、逃げ切った。

■summary
山東は立ち上がり、プレスからの速攻で優位に立つ。
 ただ、GKソンリョンの好守に阻まれ、先制できなかった。
 不運なPKもあって、ホームの前半で2点のリードを許した。

57分、フェイ・ナンドゥオとマテウス・パトを投入する。
 サイドから次々にクロスを入れるパワープレイは、迫力があった。
 負けはしたが、1点差まで追い付いて、第2戦に望みをつないだ。


川崎は、新戦力の山本とエリソンが上々のデビューを飾った。
 3点奪ってのアウェイ勝利は、もちろん悪くない結果。
 2失点は余計だが、劣勢の後半を考えれば妥当だった。

後半、72分から3バックとして、低い位置でブロックを組んだ。
 しかし、山東の連続攻撃は止められず、多くのクロスを入れられる。
 特に瀬川はフェイ・ナンドゥオに対応できず、交代が遅かったかもしれない。

次は中3日でFUJIFILM SUPER CUP神戸戦(FFSC)。
 2年ぶりの出場となるが、ホーム山東泰山戦(ACL R16 #2)が中2日で控える。
 ACLに余力を残すために、思い切ったターンオーバーを行いたい。

■goal
67フェイ・ナンドゥオ(32) 85ジャジソン(4)
28PKエリソン(89) 33マルシーニョ(23) 79家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 7.5 45分、至近距離のシュートを弾く。多く浴びた枠内シュートを防ぎ続けた。
佐々木旭(5) 6.0 RSB。16分、ドリブルで内側突破。33分、インターセプトからゴールを生む。
ジェジエウ(4) 5.5 20分、CKをボレー。強いクリアを続ける。72分から3バックの中央に入る。
大南拓磨(3) 5.0 慣れない左CBだが、まずまずのプレー。2失点目はジャジソンに付き切れず。
瀬川祐輔(30) 5.0 LSB。フェイ・ナンドゥオに寄せきれず、クロスを許す。59分、イエロー。
橘田健人(8) 6.0 アンカーで広範囲の守備に奔走する。38分、マルシーニョへスルーパス。
脇坂泰斗(14) 6.0 CKでPK獲得。完璧な右クロスで1アシスト。荒れたピッチには苦しんだ。
山本悠樹(77) 6.0 8分、ボレー。前への走り出しが効果的。45分、パスミスで決定機を与える。
家長昭博(41) 6.0 右ワイドでボールを預け先となる。79分、劣勢を打破する見事なゴール。
エリソン(89) 6.0 PKで初ゴール。19分、24分に鋭いシュート。ロングボールは収められず。
マルシーニョ(23) 6.5 1ゴール。51分、61分と押される展開からのカウンターが強烈だった。

■sub
64(77)瀬古樹(16) 5.5 左サイドの守備に追われる。78分、FKを与える。90+4分、FKを獲得。
72(23)丸山祐市(35) 5.5 3バッグの左に入り、何度もクリア。82分、ゴール正面でファウル。
72(89)山田新(20) 6.0 競り勝って1アシスト。相手に寄せるプレスは、ファウルを取られた。
89(5)VW際(52) 5.5 右ウィング。タイトに寄せることで、クロスを上げさせなかった。
89(30)田邉秀斗(15) 5.0 左ウィング。90+1分、フェイ・ナンドゥオを負傷させてイエロー。

■bench
上福元直人(99) 安藤駿介(21) 高井幸大(29) 松井蓮之(25) ゼ・ヒカルド(55) 山内日向汰(26) ゴミス(18) 

■coach
鬼木達 5.5 大胆に新戦力を起用する。72分の3バックへの移行はもう少し待つべきだったか。

■referee
ムハマンド・タキ(SIN) 5.0 PK以降は弱い接触でもファウルを取り、山東寄りに吹いた。

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AT+5+10