川崎フロンターレの2023シーズンを振り返る第1回目(前編)。
2年ぶりのタイトルとなる天皇杯優勝を飾ったが、J1リーグは8位。
CBやFWに負傷者が相次いで、夏まで調子は上がらなかったが、秋になって復調した。
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2月17日のJ1リーグ開幕戦 横浜FM戦(J1 #1)のスタメン。 |
公式戦は53試合だった。
J1リーグ34、ACL6、YBCルヴァンカップ6、天皇杯6。
さらに7月にバイエルン・ミュンヘン戦(PSM)があった(公式戦に含めます)。
2022年は49試合で、4試合の増加。
2021年は53試合、2020年は41試合、2019年は50試合、2018年は47試合だった。
■J1リーグ 8位
勝ち点50 34試合14勝8分12敗 得失点差+6
首位神戸とは勝ち点21差で、2012年以来11年ぶりの8位に沈んだ。
2013年からの10年間はすべて6位以上で、8位以下となるのも11年ぶり。
ベストイレブンには、脇坂が選出された。
■アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL) GL首位突破
グループステージIグループ 1位 6試合5勝1分 得失点差+11
第5戦までの5連勝で、首位でのグループステージ突破を決めた。
ACLは秋春制で、決勝トーナメントは2024年に開催される。
■YBCルヴァン・カップ(YLC) GL敗退
グループB 3位 6試合2勝2分2敗 得失点差+5
GL1位浦和、2位清水と勝ち点8で並んだが、直接対決の結果で3位となりGL敗退。
■天皇杯 優勝★
6試合4勝2分(PK2勝) 得失点差+6
新潟戦(天皇杯 QF)と柏戦(天皇杯 Final)のPK戦を勝ち抜いて優勝。
3年ぶり2度目の天皇杯タイトルを獲得した。
前回優勝の2020年は縮小大会で、2回戦から出場する通常大会で初優勝。
■バイエルン・ミュンヘン戦(PSM)
1試合1敗 得失点差-1
2023ブンデスリーガジャパンツアーとして、バイエルン・ミュンヘンと国立競技場で対戦。
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柏戦(天皇杯 Final)での優勝決定直後。 |
53試合のプレー時間の合計は、5,303分。
この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
ロスタイムは、観戦記録とフロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。
exdrives における各試合の採点から、出場時間に応じて各選手の平均採点を計算した。
チーム全体の平均採点は、5.968点。
過去のチーム全体の平均採点は次のとおり。
2022年 5.960点
2021年 6.151点 J1リーグ優勝
2020年 6.073点 J1リーグ・天皇杯優勝
2019年 5.943点 YBCルヴァンカップ優勝
2018年 5.883点 J1リーグ優勝
2017年 6.036点 J1リーグ優勝
2016年 6.028点
2015年 6.014点
2014年 5.870点
■high player (season)
53試合で1,000分以上出場した21選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
カッコ内は2022年、2021年の順位。
在籍していない年は (-)、1,000分未満の出場の年は (x) とした。
1,000分以上出場したのは、2022年は19選手(49試合)、2021年は19選手(53試合)。
1位(5位, 2位) ソンリョン(1) 34試合3396分出場 平均採点6.21 ベンチ15試合
2位(x, -) 瀬古樹(16) 46試合2917分出場 平均採点6.201 ベンチ6試合
3位(13位, 13位) 脇坂泰斗(14) 46試合3806分出場 平均採点6.196 ベンチ1試合
4位(10位, 4位) 車屋紳太郎(7) 26試合2326分出場 平均採点6.14 ベンチ0試合
5位(3位, x) マルシーニョ(23) 29試合1792分出場 平均採点6.13 ベンチ0試合
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新潟戦(天皇杯 QF)でPK2本を止めたGKソンリョン(1)を囲む選手たち。 |
チョン・ソンリョンを最も高く評価した。
加入8年目。4月、新加入の上福元直人(99)にレギュラーを明け渡すが、7月に奪回。
天皇杯新潟戦で2本、柏戦で1本のPKを止めてタイトル獲得に貢献した。
exdrivesにおけるMVPは、2017年に続いて2度目。
2位瀬古樹、3位脇坂泰斗も平均採点はソンリョンと僅差で、高く評価した。
逆に平均採点が低かったのは、21位高井幸大、20位家長昭博、19位宮代大聖。
2022年に上位だったシミッチは6位(←1位)、谷口彰悟は移籍(←2位)、マルシーニョは5位(←3位)。
過去の exdrives におけるMVPは、次のとおり。
2022年 シミッチ(6) 平均採点6.23。
2021年 ダミアン(9) 平均採点6.51。
2020年 三笘薫(18) 平均採点6.40。
2019年 ジェジエウ(4) 平均採点6.24。
2018年 家長昭博(41) 平均採点6.25。
2017年 ソンリョン(1) 平均採点6.32。
2016年 小林悠(11) 平均採点6.30。
2015年 大島僚太(16) 平均採点6.25
2014年 中村憲剛(14) 平均採点6.25。
■play time (season)
53試合5,304分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
カッコ内は2022年、2021年の順位。
1位(4位, 2位) 山根視来(13) 49試合4656分出場 平均採点6.04 ベンチ1試合
2位(6位, 12位) 脇坂泰斗(14) 46試合3806分出場 平均採点6.196 ベンチ1試合
3位(5位, 3位) 家長昭博(41) 47試合3596分出場 平均採点5.72 ベンチ0試合
4位(2位, 10位) 橘田健人(8) 45試合3439分出場 平均採点5.97 ベンチ3試合
5位(-, -) 大南拓磨(3) 44試合3404分出場 平均採点6.10 ベンチ2試合
山根視来が、2位脇坂以下を大きく引き離して出場時間1位。
3年連続トップだったソンリョンは、今年はサブの時期もあって6位。
出場試合数でも、山根が49試合でトップ。
メンバー入り(ベンチ入り(出場なし)も含む)は、瀬古樹と上福元直人が52試合で1位。
ベンチ入り(出場なし)は、上福元直人が32試合で、最も多かった。
■high game
各試合ごとに、出場選手の採点を出場時間に応じて平均した。
平均採点が高かったのは次の試合。
1位 231128川崎5-0ジョホール(ACL GL #5) 平均採点6.69
自由自在のポジショニングで攻め続けて5得点。ACLグループステージ突破を決めた。
2位 230419川崎6-0清水(YLC GL #4) 平均採点6.59
遠野の2ミドルから始まって6得点で圧勝。清水のターンオーバーにも助けられた。
3位 231008川崎4-2福岡(天皇杯 SF) 平均採点6.52
先制後、ダミアンのPK失敗から追い付かれるが、ピンチを凌いでゴールを決めて勝利した。
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福岡戦(天皇杯 SF)のウォーターファイト。 |
いずれもカップ戦の3試合を高く評価した。
特に天皇杯福岡戦は、タイトル獲得に向けて重要な結果となった。
■low game
逆に平均採点が低かったのは、次の試合。
53位 230409G大阪2-0川崎(J1 #7) 平均採点5.04
開幕6戦未勝利のG大阪に2失点で完敗。車屋が退場、田邉が左膝を痛めて長期離脱。
52位 230520横浜FC2-1川崎(J1 #14) 平均採点5.247
横浜FCのゴラッソ2発でリードを許した。瀬古樹の直接FKで1点を返すにとどまった。
51位 230512FC東京2-1川崎(J1 #13) 平均採点5.248
ビルドアップを封じられる。2点リードされ、宮代がゴールするが、脇坂が退場して逃げ切られた。
低く評価したのは、4月と5月のJ1リーグの3試合。
いずれもチーム力が低い時期で、実力で押し切られたもの。
■high player (game)
各試合の採点で、最も高かったのは8.5点。1回あった。
8.5 ソンリョン(1) 231209川崎0(8PK7)0柏(天皇杯 Final)★
決定機を防いで120分を無失点で終え、PK戦で1本止めて天皇杯優勝に導いた。
次に高かったのは7.5点。13回あった。
2回あったのは車屋紳太郎で、どちらも無失点に抑えてゴールを決めたもの。
7.5 車屋紳太郎(7) 230419川崎6-0清水(YLC GL #4)
7.5 車屋紳太郎(7) 230715横浜FM0-1川崎(J1 #21)
1回あったのは、次の11選手。
7.5 シミッチ(6) 230429福岡1-3川崎(J1 #10)
7.5 遠野大弥(17) 230607川崎3-1栃木C(天皇杯 R64)
7.5 瀬川祐輔(30) 230806川崎3-4G大阪(J1 #22)
7.5 ソンリョン(1) 230819広島3-2川崎(J1 #24)
7.5 マルシーニョ(23) 230915川崎1-0FC東京(J1 #27)
7.5 大南拓磨(3) 230919ジョホール0-1川崎(ACL GL #1)
7.5 橘田健人(8) 231008川崎4-2福岡(天皇杯 SF)
7.5 小林悠(11)231020川崎4-2福岡(J1 #30)
7.5 ダミアン(9) 231124川崎3-0鹿島(J1 #33)
7.5 瀬古樹(16) 231128川崎5-0ジョホール(ACL GL #5)
7.5 上福元直人(99) 231212蔚山現代2-2川崎(ACL GL #6)
■low player (game)
各試合の採点で、最も低かったのは3.0点。3回だった。
3.0 上福元直人(99) 230701名古屋2-0川崎(J1 #19)
クロスボールをファンブルして失点。他にもキャッチミスがあった。
3.0 山村和也(31) 230902C大阪3-0川崎(J1 #26)
最初のオウンゴールに関与したあと、PKを2つ与えた。
3.0 遠野大弥(17) 231029柏1-1川崎(J1 #31)
途中出場して7分後、危険なタックルを仕掛けてレッドカードで退場。
次に低かったのは3.5点。3回あった。
3.5 車屋紳太郎(7) 230409G大阪2-0川崎(J1 #7)
ビルドアップや守備は悪くなかったが、52分と60分の2枚のイエローで退場。
3.5 小塚和季(49) 230624浦和1-1川崎(J1 #18)
途中出場から4分後の一発退場。水原三星(KOR)に移籍したため、川崎での最後のプレーとなる。
3.5 高井幸大(29) 230806川崎3-4G大阪(J1 #22)
フル出場が続く中、41分にミスパスで失点、90+6分にマークを外して決勝点を許した。
■goal
今シーズンのゴール数は92(うちPK9)。
最も多かったのは、脇坂泰斗の13(うちPK4)で、チーム内得点王。
次いで宮代12(うちPK2)、遠野8、瀬川7、瀬古樹6、山田新6(うちPK1)、橘田5、ダミアン5(うちPK1)、小林悠5、マルシーニョ5。
直接FKでのゴールは、横浜FC戦(J1 #14)での瀬古樹の1つ。
OwnGoalは3つだった。
■hat trick
今シーズン、ハットトリックはなかった。
最も近かったのは、鹿島戦(J1 #33)でのダミアンで、採点7.5。
2ゴールを決めたあと、自らPKを奪取したが脇坂にキッカーを譲った。
■assist
今シーズンのアシスト数は62。
なお、ゴールした選手への直前のパスは、すべてアシストとした。
最も多かったのは、脇坂泰斗の12(うちCK5)で、チーム内アシスト王。
次いで家長7、宮代5、山根4、マルシーニョ4。
■send off
今シーズンの退場は7回と多かった。一発退場が6回、イエロー2枚が1回。
いずれもJ1リーグ。序盤にCBの負傷者が相次ぐ中、退場による出場停止も重なった。
ジェジエウ(4) 230217川崎1-2横浜FM(J1 #1) 87分にレッド。採点5.5。
山村和也(31) 230225鹿島1-2川崎(J1 #2) 83分にレッド。採点4.5。
車屋紳太郎(7) 230409G大阪2-0川崎(J1 #7) 52分と60分にイエロー。採点3.5。
脇坂泰斗(14) 230512FC東京2-1川崎(J1 #13) 52分にレッド。採点4.0。
小塚和季(49) 230624浦和1-1川崎(J1 #18) 78分にレッド。採点3.5。
大南拓磨(3) 230812川崎0-1神戸(J1 #23) 37分にレッド。採点4.0。
遠野大弥(17) 231029柏1-1川崎(J1 #31) 54分にレッド。採点3.0。
■penalty kick
今シーズンは、11回PKを獲得して、5回与えた。
獲得した11回の内訳は、J1リーグ7回、ACL2回、YLC1回、天皇杯1回。
3回がマルシーニョ、2回がダミアン、1回が橘田、遠野、山田新、松長根、瀬川、宮代。
成功したのは9回。キッカーは4回が脇坂、2回が宮代、1回がダミアン、山田新、家長。
失敗したのは2回。キッカーはダミアンと家長だった。
与えた5回のPKの内訳は、J1リーグ3回、ACL2回。
2回が山村、1回がソンリョン、シミッチ、松長根だった。
■penalty shootout
今シーズンのPK戦は2回。いずれも天皇杯で、GKソンリョンで勝利した。
230830新潟2(3PK4)2川崎(天皇杯 QF)
231209川崎0(8PK7)0柏(天皇杯 Final)★
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