J1リーグ開幕の横浜Fマリノス戦(J1 #1)に敗れて、中7日。
第2節は、カシマスタジアムでの鹿島アントラーズ戦。
マリノス戦で退場したジェジエウは、出場停止。
車屋紳太郎は、右ハムストリング肉離れで6週間の離脱。
第1節に先発したCB2人がともに不在となった。
また、U20代表に、高井幸大と永長鷹虎が招集された。
U20アジアカップ(3月1日(水)~3月18日(土))に参加する。
高井の不在は、DFが足りない現状で小さくない影響がある。
先発は、マリノス戦から4人を変更する。
山村と大南が2CBを組み、中盤に大島とシミッチが入った。
遠野と体調不良が伝えられた佐々木旭の2人がベンチに回る。
ジェジエウは出場停止、負傷の車屋はベンチ外となった。
ベンチには、ユース昇格組の松長根悠仁が入った。
DFにアクシデントが続く中、公式戦2試合目で初のメンバー入り。
鹿島は、2022年のJ1リーグは4位だった。
2022年8月8日に就任した岩政大樹監督が、2年目の指揮を執る。
開幕戦ではアウェイで京都に勝ち、中6日。
川崎から移籍した知念慶(13)は、3トップの左で先発する。
2022年の対戦は、川崎の2勝だった。
220226鹿島0-2川崎(J1 #2)
220827川崎2-1鹿島(J1 #27)
■1st half
5分、鹿島が先制する。
鈴木優磨(40)の左クロスを、中央の知念慶(13)が見事なヘッド。
知念はオフサイドラインぎりぎりだったが、ゴールは認められた。
鹿島は早い時間に先制したこともあり、攻めてこない。
最終ラインを低く構えながら、厚くブロックを組んだ。
FKを得ると、遠くともゴール前に選手を上げて蹴り込んでいく。
37分、大南の縦パスを奪って、カウンターを仕掛ける。
藤井智也(15)の右クロスから、最後はディエゴ・ピトゥカ(21)がシュート。
川崎は多様なパターンで打開を図るが、チャンスを作れない。
知念がRCB山村のパスコースを切り、鈴木がシミッチをケアしていた。
そのためLCB大南からのビルドアップが多く、可能性があったのは左サイド。
マルシーニョがRSB常本佳吾(32)と対峙して、LSB橘田やLIH大島が加勢した。
右サイドの家長は安西幸輝(2)にマークされ、山根の攻め上がりが少なく崩せなかった。
■2nd half
後半も鹿島は守備的な戦術を続け、自陣に引き籠る。
56分、佐々木旭がLSBに入ると、縦にスムースに運べるようになる。
ただ、PA内は植田直通(55)と関川郁万(5)が固めていて、決定機を作れない。
鹿島は55分、樋口雄太(14)の右CKを中央の関川が完璧なヘッド。
しかし、GKソンリョンの正面を突いて止められた。
川崎は79分、3人を交代する。
山田新と家長の2トップ、瀬古樹と橘田の2ボランチに組み替える。
しかし、直後の80分、仲間隼斗(33)の抜け出しを山村が止めてしまう。
VARでDOGSOと判定され、83分にレッドカードが提示された。
川崎は10人となったが、攻撃を続ける。
84分、瀬古樹のアーリークロスを山田新がPA内でトラップ。
88分、山田新がロングパスを競って、左CKを獲得する。
そして89分、瀬古樹の左CKから。
垣田裕暉(37)のクリアを大南が折り返し、家長のバイシクルを山田新が捩じ込んだ。
山田新はユニフォームを引っ張られながら、同点ゴールを決めた。
鹿島は90+3分、垣田が左サイドを単独でドリブルする。
数的有利だったがサポートは少なく、チャンスを作れない。
90+4分、遠野のボール奪取から、山根がふわっと右クロス。
飛び出したGK早川友基(29)は触ることができず、遠野に絶好機が訪れる。 遠野の強いシュートは、ゴールライン上で関川が渾身のブロック。
跳ね返りを橘田が続けてシュートすると、荒木遼太郎(10)が手で止めてレッドカードPKとなった。
90+8分、家長のPKは弱く転がり、GK早川がキャッチ。
しかし、家長が蹴るより先にGK早川が動いていて、VARでPKのやり直しとなる。
90+11分、今度は家長がしっかりと正面に浮かせて決めた。
両チームに退場者が出て、10人対10人で続くロスタイム。
90+15分、ようやく笛が吹かれた。
■summary
鹿島は善戦したが、最後に川崎の逆転を許した。
5分、知念のヘッドで先制することで、主導権を握った。
自陣ゴール前の密度を上げて、植田と関川を中心にクロスを跳ね返す。
川崎の細かいパスを出足鋭くカットして、決定機を与えない。
最終ラインを低く設定することで、中盤にはスペースが生まれる。
その広大なエリアを、3トップの藤井、鈴木、知念が献身的にスライドして守る。
川崎の自由を奪ったが、守備の負担は大きく、攻撃に比重を置けなかった。
知念慶は、FWでレギュラーを確保している。
先制ゴールは決めたが、結局、68分の交代までシュートはこの1本だけ。
長いプレー時間をもらう以上、継続的にゴールを奪う結果が求められる。
川崎は上手く攻撃できないまま、リードされて終盤を迎えた。
先発の中盤は、シミッチ、大島、脇坂とパッサーを並べた。
マリノスと異なり、鹿島がブロックを組んだため、パスでは崩せなかった。
遠野や瀬川のような走り回る選手を、組ませる選択肢もあったと思われる。
山田新は、鮮烈なプロ初ゴールを決めた。
ユース同期の宮代も悪くなかったが、今後の先発起用を期待したい。
次は中6日でホーム湘南戦(J1 #3)。
開幕から2試合続けてのレッドカードで、次は山村が出場停止。
CBは、大南と出場停止明けのジェジエウが組むことが予想される。
これ以上のアクシデントなく、湘南戦を迎えてほしい。
■goal
5知念慶(13)
89山田新(20) 90+11PK家長昭博(41)
■judge
ソンリョン(1) 6.0 55分、至近距離の関川のヘッドを左手で止める。プレー機会は少なかった。
山根視来(13) 6.5 知念とハイボールを競る。徐々に攻撃参加を増やした。90+4分、右クロス。
山村和也(31) 4.5 41分、宮代へクロス。45+2分、ボレー。80分、DOGSOでレッドカード。
大南拓磨(3) 6.0 スピードを活かして広い範囲を守り、ビルドアップを担う。37分、パスミス。
橘田健人(8) 6.5 先発したLSBでは窮屈だった。56分からアンカーに動くと、中盤を制圧した。
シミッチ(6) 5.0 10分、右CKをヘッド。43分、左クロス。球離れが遅くなり、鹿島に狙われた。
脇坂泰斗(14) 5.0 密集エリアに埋没し、細かなパスミスが目立った。43分、ヒールシュート。
大島僚太(10) 5.5 アンカー左脇に落ちて受ける。パスコースが少なかった。45+2分、ミドル。
家長昭博(41) 6.5 本調子でないが、10人となって無双の働き。1アシスト。PKを確実に決める。
宮代大聖(33) 5.0 植田と関川に挟まれてプレー。47分、山根のパスからターンしてシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 スペースなく、常本を抜けなかった。20分、ボール奪取からドリブル。
■sub
56(6)佐々木旭(5) 6.5 ドリブルを交えながらビルドアップ。強い当たりで守備でも貢献した。
72(10)遠野大弥(17) 6.5 78分、シュート。90+4分、ボール奪取した流れから決定的シュート。
79(14)瀬古樹(16) 6.0 手数を掛けず、シンプルにクロスを入れて逆転に導いた。CKやFK担当。
79(33)山田新(20) 7.0 89分、ゴール。プレスを仕掛け、85分、88分にロングパスを受ける。
79(23)瀬川祐輔(30) 5.5 右ウィングでプレー。90+3分、90+4分と右サイドでパスをつなぐ。
■bench
上福元直人(99) 松長根悠仁(27)
■coach
鬼木達 7.0 離脱する選手が多く、選択肢が限られる中、劇的な勝利を呼び寄せた。
■referee
西村雄一 6.0 難解な局面が続く中、VARの助けを借りながらジャッジした。
189,600views
AT+3+15