2019/10/14

191013鹿島0-0川崎(YLC SF #2)

鹿島0-0川崎(カシマサッカースタジアム, 19:00KO, 19,127人)

YBCルヴァンカップ準決勝は、等々力での第1戦(YLC SF #1)を3-1で勝利。
中3日で迎える第2戦は、カシマでのアウェイゲーム。

前日、台風19号が関東を直撃した。
そのため、15時から19時にキックオフ時間が変更された。
4時間の遅れは観客に大きな影響を与えるが、チケットの払戻しはなし。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)も中止され、追加副審をゴール横に配することとなった。


先発は、第1戦から4人を変更する。
山村、中村、阿部、小林を先発させる。
第1戦で負傷交代の馬渡和彰はベンチ外で、新たにマギーニョがベンチに入る。

YLCのU21枠は、田中碧がU22日本代表に招集されたために免除される。


鹿島は第1戦から先発6人を変更した。
U21枠では、FW上田綺世(36)が連続して先発する。

鹿島が決勝進出するためには、2点差の勝利が最低条件。
さらに、アウェイゴール(1点)で川崎を上回ることも必要となる。
1点差の勝利では、川崎が勝ち抜ける。

■1st half
両チームともに静かな立ち上がりとなった。
鹿島は、第1戦のように最初からのスパートは見せなかった。
プレスも控え目にとどめ、失点のリスクを抑えてきた。

川崎はゆっくりと焦らずボールを回していく。
右サイドで登里と家長、左サイドで車屋と阿部が組み立てる。
13分と25分に下田、22分に中村、27分に家長がミドルシュート。
37分には阿部が抜け出して、GKクォン・スンテ(1)と1対1となった。

鹿島はパスコースを封じられ、ビルドアップが遅くなる。
土居聖真(8)や白崎凌兵(41)が下がって組み立てても、打開できない。
21分と38分に左SB小池裕太(26)がクロスを入れるが、チャンスは少なかった。

■2nd half
鹿島はHTに投入したFW伊藤翔(15)が上下左右に動き、揺さぶっていく。
川崎の運動量が落ちはじめたこともあって、PA近くでのプレーが増える。

川崎は52分に長谷川、57分に大島を投入する。
長谷川が左サイドでキープし、大島はパスで鹿島のプレスを破った。
この2人のおかげもあって、膠着状態に戻すことができた。

鹿島は64分、単独で攻めることができるFWレアンドロ(11)を投入。
守備をある程度割り切って、人数をかけて攻めてきた。
81分にはレアンドロがニアを狙うが、GK新井にキャッチされる。
チャンスを多く作ることができず、ゴールを奪えなかった。

■summary
鹿島は2点が必要だったが、攻める手立てを探せなかった。
ボランチの永木亮太(6)と名古新太郎(30)がボールを受けられない。
動き直しが少なく、小林悠と中村憲剛のチェックに封じられた。

前線の上田綺世は、山村と谷口に挟まれる時間が長かった。
背後を狙ったり、ポジションを工夫して動くことで、もっと貢献したかった。

守備では川崎のボールホルダーに強く寄せないため、ボールを奪えない。
川崎のアウェイゴールを避けたかったのは、理解できなくもない。
ただ、第1戦を終え、2点のビハインドの状況だった。
リスクを負ってでも、早い時間からゴールを求めたかった。


川崎は多くのチャンスを作りながら、ゴールを決められず。
37分の阿部、48分の小林、54分の守田、68分の大島のシュートをGKクォン・スンテが防ぐ。
クォン・スンテが素晴らしかったとはいえ、スコアレスは物足りない。

ただ、第1戦のリードを考えれば、ベストな内容で十分な結果。
鹿島に勢いを与えないまま、90分を費やして試合を終えた。

決勝はコンサドーレ札幌と、2週間後の10月26日に対戦する。
YLC(YNC)では、これまで4度決勝に挑んだ。
直近の2年前も含めて、4度すべてが準優勝だった。
気負うことなく、いつものプレーを見せてほしい。

その前には中5日でガンバ大阪戦(J1 #29)がある。
上向いてきた内容を保ちながら、良い結果を出したい。

■goal


■judge
新井章太(21) 6.0 81分、レアンドロのシュートを防ぐ。キャッチもキックも安定していた。
登里享平(2) 6.5 流れを制御しながら右サイドを守る。フリーで待ちパスコースを作った。
山村和也(34) 6.5 上田に仕事をさせず、ハイボールを競り続ける。11分、危険な横パス。
谷口彰悟(5) 7.0 カウンターやロングボールを華麗に防いだ。34分、58分にCKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 6.5 ライン沿いでプレー。53分、名古に突破される。64分、鋭いクロス。
下田北斗(22) 6.5 13分、25分とミドルシュート。周囲を上手くサポートして動かした。
守田英正(6) 7.0 トラップで相手を剥がす。54分、ミドル。67分、カウンターを防いだ。
家長昭博(41) 6.5 鋭いドリブルと仁王立ちキープで自由にプレー。89分、緩めのシュート。
中村憲剛(14) 6.0 最後までプレスを頑張った。88分、決定機を外す。パス精度は低め。
阿部浩之(8) 6.0 37分の決定機はGK正面。スペースを埋めるために走る。早めの交代。
小林悠(11) 6.5 48分、フリーでシュート。自陣まで欠かさず戻って、守備に参加した。

■sub
52(8)長谷川竜也(16) 6.5 62分、PA内でシュート。左サイドでキープして時間を使った。
57(22)大島僚太(10) 6.5 復帰2試合目。縦パスを入れていく。68分、ミドルシュート。
90+1(11)ダミアン(9) 5.5 1トップに入る。時間が短く、プレー機会は少なかった。

■bench
ソンリョン(1) マギーニョ(26) 脇坂泰斗(28) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 早めの選手交代で、鹿島に傾いた戦況を改善。完璧な内容で決勝に進んだ。

■referee
東城譲 5.0 ファウルの基準が一律でなかった。もっとスムーズに裁いてほしい。

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■おまけ

インタビューを受けて、遅れてアウェイゴール裏にやってきた中村憲剛(14)。サポーターにずっと手を振りながら帰っていきました。

大岩剛監督にあいさつに出向く山村和也(34)。
ホームゴール裏からはブーイング。握手が終わると素早くアウェイ側へ戻りました。

2019/10/10

191009川崎3-1鹿島(YLC SF #1)

川崎3-1鹿島(等々力, 19:00KO, 18,412人)

湘南戦(J1 #28)の勝利から中2日。
10月の代表ウィークに入り、鹿島とのYBCルヴァンカップ(YLC)の準決勝を迎える。


先発は、中2日ということもあって、湘南戦から4人を変更。
右SBに馬渡、前線に脇坂、長谷川、ダミアンが新たに入った。
守田は右SBからボランチに回ることとなった。

ベンチには、7月7日の鳥栖戦(J1 #18)で負傷していた大島が復帰した。

田中碧はU22日本代表に招集されていて不在。
そのため、YLCの21歳以下の選手を1名以上先発させるルールは免除される。


鹿島はJ1リーグ首位で、川崎と同じ中2日の日程。
ACLは準々決勝で敗退したが、天皇杯を含めて国内3冠の可能性を残している。
21歳のFW上田綺世(36)が先発する。
なお、U22日本代表にDF町田浩樹(28)が招集されている。

今季は等々力で対戦があり、ドローだった。
 190301川崎1-1鹿島(J1 #2)

■1st half
10分、鹿島がカウンターから先制点を奪う。
駆け上がったレアンドロ(11)の右クロスを白崎凌兵(41)が決める。
川崎は人数が足りず、中央で谷口が1対2の状況を作られた。

1点は失ったものの、川崎はじっくりとプレー。
両サイドでは、SBとSHにボランチが加勢して3人で崩す。
中央でも脇坂がボールをもらうとドリブルで前に進んだ。

鹿島のプレスは緩めで、PAの3辺からゴールを目指した。
22分、脇坂の右クロスにダミアンがヘッド。
26分、車屋の左クロスを胸トラップしたダミアンがバイシクル。
そして、27分。守田が待望のプロ初ゴールを決めて同点とした。

37分、馬渡和彰が左足を痛めて、山村と負傷交代。
登里を左SBから右SBに回すなど配置を組み替えたが、混乱はなかった。
42分、ダミアンが決定的なヘッドを放つが、GK曽ヶ端準(21)がキャッチした。

■2nd half
後半も鹿島はカウンターを狙っていった。
55分にはレアンドロの突破から、上田がフリーでシュート。
ただ、可能性の低いプレーが多く、チャンスを作れなかった。

川崎はボールをつなぎながら、徐々に広がっていくスペースを使う。
52分のダミアン、54分の家長、72分の脇坂のシュートでゴールに近づく。

そして、76分に阿部、79分に大島を投入して勝負に出る。
82分、大島の縦パスを受けた阿部が、ダイレクトで脇坂にラストパス。
脇坂のシュートはDFに当たってゴールが決まった。

85分にも脇坂の右CKを山村がシュート。
GK曽ヶ端が弾いたボールを、阿部が豪快に蹴り込んだ。

■summary
鹿島は守りを主体としながら、川崎の縦パスを狙った。
ボールを奪えば、川崎の守備が整う前にカウンターを仕掛けた。

技術が高い選手が揃っていて、コントロールミスは少なかった。
しかし、川崎の守備を動かすパスが少なく、チャンスを作れない。
出しどころに困ってボールを戻しては、川崎の押し上げを許した。

守りは川崎のパスを封じることができず、耐える時間が長くなった。
中盤を締めることができなくなって、終盤、大島と阿部に蹂躙された。

アウェイゴールは決めたが、あと少しだけ我慢したかった。
第2戦は少なくとも2点が必要となったが、不可能な状況ではない。


川崎はフリーの選手に緩めのパスをつないだ。
ミスせずボールを運んでいって、ゴール前でスピードをあげる。
楽しい攻撃を仕掛ける面白い内容で、3ゴールで快勝した。

家長が圧倒的なキープ力を見せて、中盤を統率した。
しかし、大島が登場すると、その家長すらも脇役となった。
1ゴール1アシストの阿部も、大島の素晴らしさには叶わない。
そのくらいまばゆい輝きを放ち、試合を決めた。

次は中3日、アウェイで鹿島との第2戦(YLC SF #2)。
台風19号が接近しているため、予定通りの開催が危ぶまれる。
第1戦では中村、小林を休養させ、2点差を付けている。
さらにアウェイゴールを決め、余裕のある展開で決勝に進みたい。

■goal
27守田英正(6) 82脇坂泰斗(28) 85阿部浩之(8) 
10白崎凌兵(41)

■judge
新井章太(21) 6.0 プレー機会は少なかったが、ハイボールの処理やキックが安定していた。
馬渡和彰(17) 6.0 サイドライン沿いに高い位置でボールを受けた。左足を痛めて途中交代。
谷口彰悟(5) 6.5 パスも守備も良かった。ただ、19分、パスを奪われてカウンターを許す。
車屋紳太郎(7) 6.5 CBから左SBに移動。サイドを駆け上がり、ダミアンにクロスを入れる。
登里享平(2) 6.0 落ち着いたプレー。後半、攻め急ぐチームを家長とともに安定させた。
下田北斗(22) 6.5 中2日でも豊富な運動量。65分にミドルシュート。セットプレーも担当。
守田英正(6) 6.5 細かいドリブルでプレスをかいくぐった。27分、待望のプロ初ゴール。
家長昭博(41) 7.5 圧巻のキープ力とドリブルを披露。54分、鋭く切り返してシュート。
脇坂泰斗(28) 7.0 トップ下でプレー。72分、カウンターからシュート。82分に決勝点。
長谷川竜也(16) 6.0 左サイドから何度も仕掛け続けた。30分、ダミアンにクロス。
ダミアン(9) 6.5 連動してプレスを掛ける。美しいトラップから多くのシュートを打った。

■sub
37(17)山村和也(34) 6.0 突然の出場でも安定していた。55分、カウンターで競り負ける。
76(16)阿部浩之(8) 7.5 1ゴール1アシスト。ダイレクトプレーで素晴らしい結果を出した。
79(22)大島僚太(10) 8.0 復帰戦だったが、ゲームチェンジャーとなる。異次元のプレー。

■bench
ソンリョン(1) 中村憲剛(14) 知念慶(20) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 7.5 馬渡のアクシデントに的確に対応。ラスト15分の仕掛けで勝利を呼んだ。

■referee
西村雄一 5.5 ファウルの判断が一貫しない。どちらかのチームに偏ることはなかった。

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■おまけ

 大島僚太(10)。
 3か月ぶりの復帰戦。

2019/10/07

191006湘南0-5川崎(J1 #28)

湘南0-5川崎(Shonan BMWスタジアム平塚, 19:00KO, 13,084人)

神戸戦(J1 #27)に敗れてから中7日。
アウェイで湘南ベルマーレと対戦する。
10月に入って涼しくなったが、19時のキックオフ。


先発は、神戸戦と変わらない11人。
ベンチも同じ7人となった。


湘南はJ1リーグで15位。
10月4日、曺貴裁監督の選手及びスタッフへのパワーハラスメントがJリーグに認定された。
8月から曺貴裁は指揮を外れ、高橋健二コーチが采配する。

等々力での対戦は、川崎が勝っている。
 190419川崎2-0湘南(J1 #8)

■1st half
序盤から湘南は鋭いプレスを仕掛けてくる。
川崎に余裕を与えないことで、互角に戦うことができた。
しかし、プレスが少しでも緩めば、川崎が前進していく。

15分、下田の左CKの流れから、逆の右サイドの家長がクロス。
谷口が軽く合わせると、DF岡本拓也(6)に当たりオウンゴールとなった。

先制に成功すると、川崎が一方的に攻め立てる。
湘南のプレスを十分に引き付けて、プレスの逆を突いてパスを入れる。
スルーパスを交えながら、修正が遅い湘南の5バックを崩していく。
21分、26分、35分とゴールを積み重ねた。

■2nd half
後半になると、川崎はペースを緩めていく。
湘南のプレスを正面から受けてしまい、ボールを長く保てない。

湘南はロングボールを入れて、セカンドボールを拾う。
55分に投入されたFWクリスラン(20)の高さを活かしてきた。
57分、鈴木冬一(28)の左クロスをクリスランがヘッド。
数は少なかったが、ゴールに近づくことができた。

川崎はリードを踏まえて、時間を進めていく。
プレスに苦しみつつも、途中出場の長谷川や脇坂が仕掛けた。
73分の脇坂、89分の阿部のミドルは、GK秋元陽太(1)がファインセーブ。
81分の脇坂のミドルは、ぎりぎりで防ぐものの、跳ね返りを長谷川に押し込まれた。

■summary
湘南はピッチ上で何をすべきか判断できず、失点を重ねた。
5バックの受け渡しがあいまいで、きちっと締めることができない。
背後に走り込まれて、スルーパスを通された。

1点目を失ってから前半終了までは、可哀想なくらい混乱していた。
GK秋元陽太は、前半、何度も作られた決定機を防げなかった。
後半は良いシュートストップを見せたが、すでに点差が大きくなっていた。

J1リーグ残り6試合で、J1J2入れ替え戦対象の16位鳥栖と同じ勝ち点の15位。
厳しい状況だが、パワハラが認定された曺貴裁を監督に戻すのは非現実的。
高橋健二コーチが結果を出せないなら、J1残留に向けて新たな動きが必要と思われる。


川崎は混乱する湘南に勝利することができた。
縦にパスをどんどん入れて、攻撃を続けていった。
良い内容で結果も出したが、相手の状況に大きく助けられたともいえる。

次は中2日、ルヴァンカップ鹿島戦(YCL SF #1)。
ホームの利を活かし、良い結果でアウェイの第2戦に向かいたい。

■goal
15OwnGoal 21中村憲剛(14) 26阿部浩之(8) 35小林悠(11) 81長谷川竜也(16) 

■judge
新井章太(21) 6.0 57分、クリスランのヘッドをギリギリで防ぐ。プレー機会は少なかった。
守田英正(6) 6.0 33分、PA内に進出してシュート。52分、ダブルタッチで2人を抜き去る。
谷口彰悟(5) 6.5 15分、ヘッドでOGを誘う。クリスランの高さに手こずるが、完封する。
車屋紳太郎(7) 6.0 守備の判断もパスも良かった。プレスを受けたら右足も使いたい。
登里享平(2) 6.5 序盤、ファウルをもらい時間を作る。21分、マイナスクロスでアシスト。
下田北斗(22) 6.0 運動量で支える。プレスに苦しんでロストが多かった。20分、ミドル。
田中碧(25) 6.5 中盤でしつこく相手に食い付いた。77分、ループ。90+1分、右クロス。
家長昭博(41) 7.0 鋭いドリブルで仕掛けた。35分、アシスト。45+1分、ボレーシュート。
中村憲剛(14) 6.5 21分のゴールを皮切りに、26分、33分とスルーパスを通していった。
阿部浩之(8) 7.0 26分、GK秋元のニア上を抜いてゴール。正確なトラップで時間を作る。
小林悠(11) 6.5 反転するポストプレーで前を向く。52分の決定機はDFに当てる。1ゴール。

■sub
64(41)脇坂泰斗(28) 6.5 73分にフリーでミドル。81分のミドルから5点目を産んだ。
70(14)長谷川竜也(16) 6.0 79分、89分、90+2分と左からクロスを入れる。1ゴール。
81(2)馬渡和彰(17) 5.5 左SBに入る。時間が短く、目立ったプレーはなかった。

■bench
ソンリョン(1) 山村和也(34) 知念慶(20) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 6.5 神戸戦で負けた選手たちを再び起用し、完勝に導いた。交代も適切。

■referee
高山啓義 6.0 流しすぎず、きっちり笛を吹いた。ブレが少なかった。

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2019/09/28

190928川崎1-2神戸(J1 #27)

川崎1-2神戸(等々力, 17:00KO, 22,923人)

神戸ユニバーでの神戸戦(天皇杯 R16)に負けて中9日。
J1リーグで神戸と今度は等々力で再戦する。
9月も最後の週末となり、17時のキックオフ。


先発は、天皇杯神戸戦から6人を変更。
GKに新井、左SBに登里、ボランチに田中碧、前線に中村、家長、小林が入る。
右SBに守田、左CBに車屋と配置転換する。

先発から外れたソンリョン、馬渡、山村、長谷川、脇坂、ダミアンがベンチスタート。
大きく布陣を変えたが、18人のメンバーは同じだった。


神戸はJ1リーグで9位。
川崎とは今シーズン2試合を戦っていて1勝1敗。
 190428神戸1-2川崎(J1 #9)
 190918神戸3-2川崎(天皇杯 R16)

■1st half
神戸は3バックを大きく開いて、ピッチを広く使う。
イエニスタ(8)やサンペール(6)を中心にボールを保持する。
川崎の守備でパスコースを消されたため、バックパスが多い。
GK飯倉大樹(18)が思い切って上がってパスを受けていた。

神戸のプレスも強かったが、10分あたりから川崎が前に進む。
右サイドでは、家長と守田が細かいパス交換とランを組み合わせて崩していく。
田中碧も中央から縦にドリブルでスペースに進んでいった。

44分、田中碧の縦突破を奪われて神戸がカウンター。
古橋亨梧(16)が谷口を引き寄せて、中央にラストパス。
ビジャ(7)が左足でニアサイドを抜き、ゴールを決めた。

■2nd half
川崎は神戸のプレスをうまく交わしてバイタルを使っていく。
54分、脇坂が投入されると前への推進力を発揮。
ただ、PA内まで崩すことはできなかった。

70分、イエニスタの柔らかい左クロスをフェルマーレン(4)が折り返す。
中央に詰めていた大﨑玲央(25)がヘッドを決めて2点目。

2点差となって、神戸はゆっくりとボールを回していく。
川崎は74分にダミアンを入れるが、プレスは不発。
逆に前後の距離が開き、ロングボールを入れられた。

90+1分、中村の無理矢理なパントキック。
ダミアンが競って、長谷川が抜け出してゴールを決めた。

■summary
神戸は豪華な選手たちを上手く活かして快勝。
イエニスタが存在感あるプレーを見せ、周囲を活性化する。
攻めるべきところ、守るべきところで緩急を付けていた。
パスコースを作り続け、川崎よりも長くボールを持った。

守備では積極的なプレスバックで川崎の攻撃を封じる。
高さのある3バックも良さを発揮していた。


川崎は観るべきところが少なかった。
長谷川のゴールも、つながる可能性の低いロングボールから。
パスで崩していく攻撃もあったが、最後まで貫けなかった。
ラッキーなゴールも嬉しいが、もっと攻撃を突き詰めてほしい。

守備では個人の技術が高い神戸からボールを奪えない。
大きく広がる3バックを、プレスで囲みきれなかった。
頑張って追い込んでも、正確なロングボールで打開された。

良い内容ではなく、天皇杯に続く敗戦は妥当な結果。
次は中7日で湘南戦(J1 #28)。
厳しい状況だが、楽しいサッカーを取り戻してほしい。

■goal
90+1長谷川竜也(16) 
44ビジャ(7) 70大﨑玲央(25)

■judge
新井章太(21) 5.0 ビジャの先制点はニアを抜かれてしまう。全体的には無難に守っていた。
守田英正(6) 5.0 右SBで家長に預けてスペースに走り込む。酒井高徳(24)をきっちり防いだ。
谷口彰悟(5) 5.0 右CBに入る。10分、小林へロングボール。良く守っていたものの、2失点。
車屋紳太郎(7) 4.5 左CBで出場。1点目はビジャをカバーできず失点。パススピードが遅い。
登里享平(2) 5.5 西大伍(22)と睨み合う。後半は、鋭いドリブルで何度も縦に仕掛けた。
下田北斗(22) 4.5 9分、横パスを相手に渡す。プレスを受けて苦しみ、ミスが目立った。
田中碧(25) 5.5 イエニスタをマーク。前にスペースがあれば果敢にドリブルで突いた。
家長昭博(41) 5.5 右サイドでキープ力を生かす。15分にミドル、90分に頭でシュート。
中村憲剛(14) 5.0 ボランチ横に下がって試合を作る。39分のFKはわずかにゴール右に。
阿部浩之(8) 5.5 10分、36分、57分、61分と多くのミドルを放つ。プレスも正確だった。
小林悠(11) 5.0 58分、車屋のロングボールをヘッド。奮闘したが、流れは変えられず。

■sub
54(22)脇坂泰斗(28) 5.0 投入直後は流動的に前に向かう。2点差になると埋没した。
68(8)長谷川竜也(16) 5.5 内側に入ってクロスを上げる。GK飯倉との1対1を制した。
75(25)ダミアン(9) 5.0 プレスは単発で空回り。90+1分、競り合ってゴールを生む。

■bench
ソンリョン(1) 馬渡和彰(17) 山村和也(34) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 5.0 攻守ともに良さを出せなかった。選手交代は悪くはないが、良くもなかった。

■referee
佐藤隆治 6.5 相変わらずの素晴らしいジャッジ。最適な判断を続け、ブレがなかった。

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2019/09/19

190918神戸3-2川崎(天皇杯 R16)

神戸3-2川崎(神戸総合運動公園ユニバー記念競技場, 19:00KO, 人)

磐田戦(J1 #26)から中3日、天皇杯4回戦でヴィッセル神戸と対戦。
ノエビアスタジアムではなく、神戸ユニバーでの開催となった。
少し風があって、9月にしては肌寒い気候。


先発は、磐田戦から2人を変更する。
GKにソンリョン、1トップにダミアンを入れた。
新井、小林がベンチスタートとなる。


神戸はここまでJ1リーグ9位。
天皇杯2回戦で北九州(J3)、3回戦で大宮(J2)に勝っている。

■1st half
お互いにプレスを掛け、コンパクトさを保つ、落ち着いた展開。
川崎は11分に下田、17分に脇坂がミドルシュートを放った。
神戸も右SBの西大伍(22)を中心に、ゆっくり攻める。

29分、川崎のゴール前で長谷川にアクシデント。
頭部を負傷してそのまま交代。小林が入って2トップとなった。

しかし、このシステム変更で神戸が優位に立つ。
川崎の2トップがプレスに出ると、阿部も追随して追いかける。
最終ラインとの距離が遠くなり、神戸の右サイドが大きく空いてしまう。
1ボランチのセルジ・サンペール(6)がフリーとなり、スペースに配球した。

38分、西が車屋を1対1で抜き去って、クロスボールを山口蛍(5)が先制点。
41分に小川慶治朗(13)、43分にも古橋亨梧(16)が決定機を迎える。
さらに45+3分、右サイドを突破した小川がクロスを入れ、古橋が2点目を決めた。

■2nd half
後半スタートから、川崎は中村を投入する。
しかし、神戸のプレスは厳しいままで、パスがつながらない。
小川と田中順也(21)、古橋がボールを強く追いかけた。

川崎はプレスでロングボールを蹴らせても、回収できない。
最終ラインの裏を狙われて、カウンターを仕掛けられた。
54分には小川、55分と59分には田中がゴールに迫った。

そして63分。カウンターで小川が独走。
PA内まで運んで、最後は山村の股を抜くシュート。
GK正面に飛んだボールは弱かったが、ソンリョンがトンネルしてしまった。

3点差となり、神戸がプレスを緩め、待ち受ける。
タイトに絞られていた川崎の中盤に余裕ができ、スムースに展開する。
右の馬渡を使いながら、中央からも縦パスを入れていった。

70分に小林、85分に車屋がゴールを決め、1点差に迫る。
ただ、3点差は大きく、追いつくことができなかった。

■summary
神戸は3バックを大きく広げ、ビルドアップ。
川崎のプレスの密度を薄め、スペースを作ってロングボールを入れた。
さらにセカンドボールを拾い、小川、田中、古橋がスピードで仕掛けていく。

川崎が2トップにして、守備が混乱している間に先制点を決めた。
その後もカウンターから決定機を作り続けた。
後半は押されたが、ルーカス・ポドルスキ(10)を投入。
1点差まで迫られたが、逃げ切った。
集めたクオリティの高い選手たちが川崎を寄せ付けず、完勝した。


川崎は長谷川のアクシデントによる戦術変更に失敗。
2トップではトップ下が不在となり、ルイジ・サンペール(6)が自由にプレー。
プレスが機能しなくなり、背後を鋭く狙われて失点を重ねた。

神戸は前半から強くプレスに来ていただけに、慎重に行くべきだった。
攻撃的な2トップの良さを活かせず、ウィークポイントを自ら晒した。
1失点を喫したあとからでも、1トップに戻すべきだった。

2点は決めることができたが、神戸の決定機の方が多く、結果は妥当。
夏の不調を引きずったまま、今年の天皇杯を終えた。


次はJ1リーグに舞台を変え、神戸との再戦(J1 #27)。
中9日と間隔が空くが、少しでも持ち直したい。

■goal
38山口蛍(5) 45+3古橋亨梧(16) 63小川慶治朗(13)
70小林悠(11) 85車屋紳太郎(7) 

■judge
ソンリョン(1) 4.0 63分、小川のシュートをトンネル。良いセーブも少なく、厳しい結果。
馬渡和彰(17) 4.5 好守とも酒井高徳(24)に太刀打ちできなかった。仕掛ける姿勢は見せた。
山村和也(34) 5.0 ハイボールは強かったが、スピードで狙われた。馬渡を良くカバーする。
谷口彰悟(5) 4.5 ビルドアップに迷ってプレスを受ける。58分、相手にボールを渡す。
車屋紳太郎(7) 4.5 38分、西に1対1で完全に抜き去られ、先制点を許した。1ゴール。
下田北斗(22) 4.5 厳しいプレスで余裕がなく、ボールロストを繰り返す。11分、ミドル。
守田英正(6) 5.5 パスコースなく逡巡する。後半はCBの間に落ち、広い範囲をカバー。
阿部浩之(8) 5.5 ワンタッチで打開した。56分、長い距離をドリブルで上がってミドル。
脇坂泰斗(28) 5.0 中央にスペースがなく、ボールタッチが少なかった。後半は盛り返す。
長谷川竜也(16) 5.5 左サイドで西と対峙。攻守のバランスをとる。29分に負傷して交代。
ダミアン(9) 5.0 ダイレクトパスを狙うが、受け手と合わなかった。プレスも連動せず。

■sub
32(16)小林悠(11) 5.0 2トップによる守備の混乱を修正できなかった。1ゴール。
HT(22)中村憲剛(14) 6.0 徐々にボールに触りはじめ、スルーやクロスで攻撃を差配した。
76(9)知念慶(20) 5.0 ポストプレーはあったが、ゴールにつながらず。物足りない。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2) 田中碧(25) 家長昭博(41)

■coach
鬼木達 3.5 修正がないまま、2トップで失点を重ねた。敗戦に導いてしまう。

■referee
家本政明 6.5 今日も素晴らしかった。コンタクトを許容する基準が明確。

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