2024/09/15

240913川崎3-2鳥栖(J1 #30)

川崎3-2鳥栖(U等々力, 19:00KO, 18,397人)

YLC準決勝進出を決めた甲府との第2戦(YLC QF #2)から中4日。
 代表ウィークが終わり、J1リーグが再開する。
 次の水曜日にACLEが開幕するため前倒しされ、金曜日の夜開催。

高井幸大はフル代表に参加し、9月5日のホーム中国戦で初出場。
 9月10日のアウェイ・バーレーン戦には出場せず、チームに戻った。
 川崎U-18出身として、8人目の代表入り。
 今回の代表には、板倉洸、三笘薫、田中碧とともに4人のU-18OBが含まれる。


先発は、甲府とのYLC第2戦から3人が変わる。
 新たに先発するのは、第2戦の後半から入って活躍したVW際、エリソン、遠野の3人。
 三浦、山田新、マルシーニョがベンチに回る。

8月に鳥栖から移籍してきた河原創は、先発で早速の古巣対戦。
 また、河原創は川崎でのJ1リーグ初先発、アイダルはJ1リーグ初出場。

ベンチ入りは、YLCの9人からJ1リーグの7人に戻る。
 代表帰りの高井は、ベンチスタートとなった。


サガン鳥栖は、J1リーグで7勝3分19敗の20位。
 J1リーグ3連勝(川崎戦(J1 #29)を含む)の札幌に抜かれて、最下位20位となった。
 代表ウィークには試合がなく、中13日の日程。

8月9日、成績不振で川井健太監督を解任。
 7月まで仙台(J2)ユース監督だった木谷公亮が、後任監督に就いている。

5月のアウェイは、高井がプロ初ゴールを決めたものの、鳥栖が大勝。
 240515鳥栖5-2川崎(J1 #14)

この試合に先発した11人のうち、5人が夏に移籍。
 菊地泰智は名古屋(J1)、長沼洋一は浦和(J1)、手塚康平は柏(J1)、横山歩夢はバーミンガム・シティFC(ENG)、そして河原創は川崎。
 さらにJ1リーグ12得点のマルセロ・ヒアン(99)は、左大腿直筋損傷(全治8週間)で離脱中。
 もちろん移籍した分、補強も行っていて、4か月前とはチーム構成が大きく変わった。

2013-18年に川崎に在籍した森谷賢太郎(19)は、ベンチ外。

■1st half
鳥栖は5バック1ボランチと珍しいシステムを採用。
 ラインを高く敷こうとはするが、押し込まれてゴール前に張り付いてしまう。
 7分、遠野が左サイドからミドル。
 9分、エリソンの落としを脇坂がシュート。
11分、大島がバイタル左隣の橘田に優しく渡す。
 橘田のロングシュートは、寄せてきた原田亘(42)に当たってゴールに入った。
33分には、VW際の右クロスを、エリソンがPA内で競り勝って落とす。
 脇坂が流し込んだが、VARでオフサイド判定となった。

鳥栖は、1トップ富樫敬真(22)へロングボールを蹴っていく。
 リードを11分に許したあと、攻撃の突破口となったのは右サイド。
 LSB橘田を手前に引き出し、スペースを突いて右クロスを入れる。
 23分、久保藤次郎(24)の右クロスを楢原慶輝(37)が折り返して、福田晃斗(6)がヘッド。
 29分、日野翔太(18)の右クロスを富樫がジャンプヘッドするも、バーに当たる。
 45+3分、1ボランチ西矢健人(33)のロングシュートは、GKソンリョンが弾き出した。

■2nd half
51分、佐々木旭が3度、鳥栖の左からのボールを繰り返し跳ね返す。
 クリアは3度とも小さく、鳥栖に拾われてさらにボールを入れられる。
 最後は福田のボールを富樫が落とし、久保が同点ゴールを叩き込んだ。
 GKソンリョンは福田のボールに飛び出したが、触れなかった。

同点とされた川崎が反撃に転じる。
 後半から投入された山田新が、力強いポストプレーを繰り広げる。
61分、大島が奪われるが、すかさず三浦が身体を入れて奪い返し、FKを獲得。
 クイックで大島がPA内に転がし、脇坂のラストパスを家長がきれいに合わせてゴール。

再びリードした川崎は、反撃を抑えていたが、89分。
 堀米勇輝(21)のシュートを橘田がブロックし、さらに久保がシュート。
 ブロックに入った三浦が、顔に向かうシュートを手で防いでPKを与えた。
 清武弘嗣(55)がPKを沈めて、再び同点となる。

90+10分、GK朴一圭(77)のロングボールをアイダルが跳ね返してカウンター。
 橘田、三浦とつないで、マルシーニョが山田新にラストパス。
 山田新には合わなかったが、キム・テヒョン(20)のクリアが戻ってくる。
 そのまま山田新が押し込んで、決勝ゴールとなった。

■summary
鳥栖は、90+1分の同点ゴールから勝負に出る。
 残留圏17位湘南とは勝ち点8差なので、ドローでは状況は大きく変わらない。
 90+10分のGK朴一圭(77)のロングボールも、逆転ゴールを狙ったもの。
 結果としてカウンターを浴びて失点したが、勝利を求める選択は妥当だった。

5バック1ボランチのシステムは、珍しいが悪くなかった。
 今夏加入の1ボランチ西矢健人が、バランスを上手く保っていた。
 ゴールを決めた久保藤次郎や清武弘嗣も、今夏の加入。
 これだけ多くの選手が入れ替わったにも関わらず、互角に戦っていた。


川崎は押される時間帯もあったが、常にリードを奪った。
 ハーフタイムでエリソンから山田新へ交代し、2人の特徴の差を生かした。

橘田健人は、RSB、LSBそしてボランチと、複数ポジションをこなす。
 河原創のボランチ起用の目途が立ち、この起用方法が続くものと思われる。

次は中4日でのアウェイ蔚山HD戦(ACLE GL #1)。
 ACLの大会方式が刷新され、新しくACLEとなって、いよいよ開幕する。
 なんとかドロー以上の結果を得て、帰国してほしい。

■goal
11橘田健人(8) 61家長昭博(41) 90+10山田新(20) 
51久保藤次郎(24) 90+1PK清武弘嗣(55)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 45+3分、西矢のミドルをパンチング。51分、飛び出したが触れずに失点。
VW際(31) 6.5 38分、40分とドリブルで前進。右クロスも多く入れる。残念ながら早めの交代。
佐々木旭(5) 6.0 富樫へのロングボールを抑え込む。50分、3度のクリアはすべて小さくなった。
アイダル(44) 6.0 蹴り込まれるハイボールへの対応に強さを発揮した。49分、ロングシュート。
橘田健人(8) 6.0 1ゴール。LSBでは久保の仕掛けに背後を狙われる。RSBからボランチへ動く。
河原創(19) 6.5 暑さの中、最後まで走り続けて中盤を引き締めた。57分、ミドル。CKも担当。
大島僚太(10) 6.0 1アシスト。2分、ボレー。52分、中央をドリブル。両足を攣って69分に交代。
脇坂泰斗(14) 6.0 9分と59分に決定的なシュート。61分、大島のクイックに反応して1アシスト。
家長昭博(41) 6.0 1ゴール。運動量は少なめでも、技術の高さで貢献した。69分からトップ下へ。
エリソン(9) 6.0 強力なポスト。16分、クリアボールをキープ。19分あたりで右足首を痛める。
遠野大弥(17) 5.5 7分、左からミドル。5分、58分にロスト。もっと動いて守備を崩してほしい。

■sub
HT(9)山田新(20) 6.5 決勝ゴール。48分、54分にシュート。ロングボールの受け皿となった。
60(31)三浦颯太(13) 6.0 61分、大島のロストをカバー。89分のPKは顔を守るもので仕方ない。
69(10)高井幸大(2) 6.0 代表帰りはベンチスタートとなり、RCBで出場。76分、ボールカット。
69(14)マルシーニョ(23) 6.0 終盤での登場で、スピードがより効いた。90+6分、CKをヘッド。
81(17)瀬川祐輔(30) 5.5 右FWに入る。90+5分、右クロスでCKを獲得。
90+9(5c)小林悠(11) 6.0 90+12分、右サイドから強烈なミドルを放った。
(c:脳振盪の疑いによる交代)

■bench
山口瑠伊(98) 

■coach
鬼木達 

■referee
長峯滉希 6.5 J1リーグの担当2試合目とは思えない冷静なジャッジ。笛が遅くなったがPK判定も妥当。

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2024/09/12

240908甲府1-1川崎(YLC QF #2)

甲府1-1川崎(JITリサイクルインクスタジアム, 18:00KO, 10,273人)

YBCルヴァンカップ準々決勝第1戦(YLC QF #1)から中3日。
 等々力で1点リードして、アウェイ小瀬で第2戦を迎える。

小瀬でのプレーは、2017年8月27日(2017 J1 #24)以来、7年ぶり。
 当時は"山梨中銀スタジアム"だったが、2021年から"JITリサイクルインクスタジアム"となった。

高井幸大は、フル代表招集のため、第1戦に続いて不在。


先発は、第1戦から6人と中規模に入れ替える。
 続けて先発するのは、橘田、アイダル、佐々木旭、河原、脇坂の5人。
 新たにGKソンリョン、三浦、大島、家長、山田新、マルシーニョが先発する。

 GK山口、山本、瀬川、エリソン、遠野がベンチに回り、車屋はベンチ外となった。

前週の札幌戦(J1 #29)の先発と比べると、9人が同じ。
 第1戦でのターンオーバーから、フルメンバーに戻した形となった。
 札幌戦でベンチスタートだったアイダルと河原が先発に入り、ポジションを掴みつつある。

ベンチには新たにVW際、丸山、小林悠が入る。
 丸山は、6月2日から左腓腹筋肉離れで離脱していたが、復帰する。
 GK早坂、田邉、ヒカルド、ゴミスが外れた。


甲府は、第1戦から先発3人を変更。
 新たにヘナト・アウグスト(21)、中山陸(14)、三平和司(9)が先発する。
 1トップには三平が入り、アダイウトン(51)が左サイドに回る。

2020-23年、川崎に所属した神谷凱士(29)はベンチに入った。

■1st half
甲府は、1トップ三平を先頭に、強めにプレスを仕掛ける。
 アダイウトンの1トップだった第1戦よりも、パスコースを制限できていた。
 ボールを回収すると、左サイドのアダイウトンが縦に攻めていく。

川崎は、ビルドアップが少し停滞していた。
 RSB橘田とLSB三浦は、甲府のウィングバックに寄せられて自由が少ない。
 中央から進めていたが、ゴール前は5バックが手厚くて、シュートまで至らない。

24分、佐々木旭が、囲まれた状態の橘田に出して奪われる。
 中山陸が左サイドからカットインしてミドル。
甲府の攻勢が続いて、30分、連続2本目のCK。
 荒木翔(7)が蹴ると、CB孫大河(3)が三浦を振り切ってゴール。
 2戦合計でのスコアは、同点となった。

40分、河原の右クロスに抜け出したマルシーニョがシュート。
 至近距離からだったが、GK渋谷飛翔(88)がストップした。

■2nd half
ハーフタイムから、RSBにVW際を投入する。
 VW際は、細かくドリブルを交えながらプレスを剥がす。
 甲府の動きが落ち始めたこともあり、ビルドアップが改善した。
 49分、50分と山田新がクロスに飛び込んでヘッド。

甲府の攻撃は単発となり、チャンスを作れない。
 67分、三平がPA内でVW際に倒されたが、PKはなかった。

71分、川崎はエリソンを投入して攻勢を強める。
 76分、家長のクロスを、エリソンがフリーでシュート。
 82分、橘田の左クロスを、エリソンがヘッド。

延長が近づいてきた90+3分。
 VW際の右クロスを、抜け出した遠野がヘッドで叩き込んだ。

■summary
甲府は前半、プレスを頑張って2戦合計で同点に追い付いた。
 後半になると運動量が落ち、川崎に主導権を握られる。
 それでも5バックが踏ん張っていたが、ロスタイムに失点した。
 第1戦のビハインドを取り戻すことはできたが、ペース配分が最後に響いた。

2022年の天皇杯で優勝し、ACL出場、YLCシード獲得と続いたサイクルが終了。
 これからJ2リーグの戦いに戻るが、左胸に星は輝き続ける。


川崎は、YBCルヴァンカップで準決勝に進出。
 タイトルの可能性が大きくなったことは、歓迎すべきこと。
 ただ、これからACLEも始まるので、日程は過密となってくる。
 その中で、最大の目標であるJ1リーグ残留を成し遂げる必要がある。

次は中4日で、J1リーグ鳥栖戦(J1 #31)。
 内容は良くなくとも、勝ち点3を獲得したい。

■goal
31孫大河(3)
90+3遠野大弥(17) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 83分、木村卓斗(34)のクロスをパンチング。プレー機会は多くはなかった。
橘田健人(8) 5.5 前半のRSBではバックパスが目立った。後半のLSBでは大島の近くでサポート。
佐々木旭(5) 6.0 プレスを受けながらも組み立てる。57分、アダイウトンの突破を食い止めた。
アイダル(44) 6.0 26分、中山陸のシュートをブロック。パスコースに詰まると大きく蹴り出す。
三浦颯太(13) 4.5 31分、孫大河のマークを外して失点。全体的にミスが多く、前半のみで交代。
河原創(19) 6.5 縦への意識を高く持ちながらプレー。最後まで運動量も保った。90分、ミドル。
大島僚太(10) 6.0 華麗なボールタッチでスタンドを沸かせ続ける。ただ、ゴールには直結せず。
脇坂泰斗(14) 5.5 39分、72分にFKを直接狙う。40分と74分のシュートは、ブロックされる。
家長昭博(41) 6.0 54分、シュート。寄せられた状況でパスを届けられても、難なくキープした。
山田新(20) 5.5 22分、河原の縦パスを受けてシュート。43分、49分、50分にクロスをヘッド。
マルシーニョ(23) 5.5 40分、河原のクロスを決定的なシュート。49分、ドリブルでカウンター。

■sub
HT(13)VW際(31) 6.5 1アシスト。ドリブルでも貢献。67分、ロストして三平にPA内タックル。
71(23)遠野大弥(17) 6.5 首を振って叩き付ける決勝ヘッド。82分、ライン上で止めて左クロス。
71(20)エリソン(9) 5.5 76分、シュート。82分、決定的なヘッド。84分、深すぎるタックル。
80(14)瀬川祐輔(30) 5.5 90分、回転してノールックの右クロス。90+3分にも右クロス。
90+5(10)山本悠樹(77) 5.5 リード後に投入される。プレー機会はほとんどなかった。

■bench
山口瑠伊(98) 丸山祐市(35) 山内日向汰(26) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 6.5 VW際、遠野の投入で準決勝を手繰り寄せた。リード後の山本の投入も的確。

■referee
池内明彦 6.0 ストレスを感じさせないジャッジ。ただ、リスタートの位置は直しすぎ。

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2024/09/07

240904川崎1-0甲府(YLC QF #1)

川崎1-0甲府(U等々力, 19:00KO, 14,847人)

アウェイ札幌戦(J1 #29)での敗戦から中2日。
 等々力に戻って、YBCルヴァンカップ(YLC)準々決勝第1戦の甲府戦。
 酷暑のためか、等々力の芝は、剥がれた部分が目立った。

今年のYLCは、Jリーグの60クラブすべてが参加する。
 予選リーグがなくなり、完全トーナメント形式となった。
 準々決勝と準決勝は、ホーム&アウェイの2試合制。
 アウェイゴール2倍ルールはなく、VARが適用される。

川崎、横浜FM、甲府の3チームは、準々決勝から出場する。
 ACL2023-24でノックアウトステージに進出したことに伴うもの。

高井幸大は、フル代表に参加するため不在となる。
先発は、札幌戦から8人と大きく変える。
 新たにGK山口、車屋、アイダル、河原、山本、瀬川、エリソン、遠野が先発する。
 夏に加入した山口とアイダルは川崎での初出場、河原は初先発となった。

続けて先発する3人は、橘田、佐々木旭、脇坂の3人。
 先発を外れた三浦、家長、山田新、マルシーニョの4人は、ベンチに回る。
 GKソンリョン、VW際、大島、フル代表参加の高井の4人は、ベンチ外。

YLCは9人までベンチ入り可能で、J1リーグよりも2人多い。
 新たにGK早坂、田邉、ヒカルド、ゴミスの4人が入り、小林悠が外れた。
ヴァンフォーレ甲府は、J2リーグで10勝8分11敗の11位。
 昇格プレーオフ圏の6位まで勝ち点9差、降格圏の19位まで勝ち点12差。
 昇降格圏のどちらからも、ある程度離れている。

2022年の天皇杯で優勝し、ACL2023-24の出場権を獲得。
 ACLでノックアウトステージに進出したことで、YLCは川崎と同じく準々決勝が初戦となる。

鹿児島戦(J2 #29)から中3日の日程で、川崎より1日余裕がある。
 先発11人のうち、9人が鹿児島戦と同じとなっている。

7月2日、篠田善之監督との契約を解除し、大塚真司が新監督となった。
大塚真司は、1997-2000年、川崎でプレー(1997-98年JFL、99年J2リーグ、2000年J1リーグ)。
 5月23日にS級ライセンスを取得したばかりの監督就任となった。

2020-23年、川崎に所属した神谷凱士(29)はベンチ外。

川崎との対戦は、2017年8月27日(2017 J1 #24)以来、7年ぶり。

■1st half
甲府は1トップのアダイウトン(51)にロングボールを当てる。
 6分、鳥海芳樹(10)の鋭いミドルシュートは、GK山口が弾き出す。
 10分には関口正大(23)もロングシュートを放った。

プレスは強くなく、川崎のビルドアップには余裕があった。
 RCB車屋は、LCBアイダルを飛ばして、LSB佐々木旭へのパスを多用する。
 ボランチ河原は、常にスペースに動き続けてボールを引き出した。

甲府はゴール前で5バックを敷いて、攻撃を待ち受ける。
押し込んだ川崎は、立て続けにシュートしていく。
 21分、佐々木旭がカットインからミドル。
 22分、山本の左クロスをエリソンがヘッド。
 23分、脇坂の落としを佐々木旭がシュート。
 24分、遠野が倒れながらのボレーシュート。

そして27分、エリソンのシュートをGK渋谷飛翔(88)がセーブ。
 遠野がこぼれ球を拾って脇坂に当て、戻されたボールを叩き付けて先制ゴールを決めた。

前につなげない状態が続いた甲府だったが、終盤にチャンスを作る。
 38分、鳥海のミドルは、GK山口が触ってバーに当たる。
 40分にも右サイドを抜け出した飯田貴敬(24)がシュート。

■2nd half
後半も川崎がペースを握る。
 52分、ゴール前の混戦から脇坂がシュート。
 53分、瀬川のラストパスを脇坂がシュート。
そして58分、山本のラストパスをエリソンがPA内で受ける。
 細かなタッチからゴールを決めるが、VARでハンドと判定され、取り消された。

その後は、落ち着いた時間が続いた。
 88分、山田新のミスパスからピーター・ウタカ(99)が決定機を迎えるが、GK山口とアイダルが守った。

■summary
甲府は、前後半ともに攻められる時間帯を作られた。
 ただ、38分の鳥海、40分の飯田、88分のウタカと決定的な場面もあった。
 前半に1失点したが、後半の失点はVARで取り消され、1点差で第2戦を迎える。
 川崎の攻撃を耐え凌ぎ、悪くない結果で折り返すこととなった。

ホームでの第2戦は、先に失点して2点差となると厳しくなる。
 第1戦のように守備を固めつつ、同点ゴールを狙ってくると思われる。
川崎はターンオーバーしながらも優位に進めることができた。

GK山口瑠伊は、川崎でのデビュー戦となった。
 38分、鳥海のミドルをわずかに触り、コースを変えてバーに当てる。
 88分のウタカの決定機は、素早く詰めることで時間を稼いだ。
 GKソンリョンに似たプレースタイルで、最終ラインの混乱は少ないと思われる。

札幌戦で途中出場した河原創は、初の先発フル出場。
 豊富な運動量を見せ、前に向かうパスを次々と繰り出した。
 ボランチで大島と組んでのプレーも観てみたいところ。

セサル・アイダルもデビュー戦。
 LCBで車屋と組んで、無失点で切り抜ける。
 やや拙速となることもあったが、積極的に縦パスを入れていった。

ホームでの第1戦で勝利したことは、もちろん良い結果といえる。
 ただ、1点差にとどまったため、中3日で迎える第2戦(YLC QF #2)には難しさが残る。
 第1戦で休んだフレッシュなメンバーを戻し、準決勝に進みたい。

■goal
27遠野大弥(17) 

■judge
山口瑠偉(98) 7.0 38分、88分と決定機を防ぐ。70分、90+7分のミドルも安定してキャッチ。
橘田健人(8) 6.0 RSB。14分、ミドル。74分からボランチ。77分、右ポケットからクロス。
車屋紳太郎(7) 6.0 RCB。ビルドアップで佐々木旭へのパスを多用。ロングボール攻撃を防ぐ。
アイダル(44) 6.0 LCB。71分、ロングシュート。88分、ウタカのシュートをライン上でクリア。
佐々木旭(5) 6.5 連戦の疲労を感じさせずプレー。LSBからRSBに回る。21分と23分にミドル。
河原創(19) 7.0 走り続けてボール奪取を繰り返し、即座に縦パスやドリブルでゴールを目指す。
山本悠樹(77) 5.5 柔らかなパスを供給する。61分、自陣でのロスト後に相手を倒してイエロー。
脇坂泰斗(14) 6.0 1アシスト。32分、52分、53分にシュート。ゴール近くで細かなパスを出す。
瀬川祐輔(30) 6.0 右FW。13分と66分のシュートはGK渋谷が止める。素早い判断での右クロス。
エリソン(9) 6.0 22分、ヘッド。38分、ロングシュート。58分のゴールはVARで取り消される。
遠野大弥(17) 6.5 左FW。決勝ゴール。24分にもボレー。90+4分、自陣に戻ってカバーする。

■sub
74(9c)山田新(20) 4.5 88分、バックパスをウタカに渡して決定機を与える。90+1分、キープ。
(c:脳振盪の疑いによる交代)
74(77)三浦颯太(13) 5.5 87分、ウタカを倒してFKを与える。90分、PA内で飯田をストップ。
74(14)家長昭博(41) 5.5 山田新と2トップを組む。76分、軽くジャンプしながらパスをつなぐ。
83(30)マルシーニョ(23) 5.5 80分、山田新へ左クロス。89分、甲府CKからのカウンター。

■bench
早坂勇希(22) 田邉秀斗(15) ヒカルド(6) 山内日向汰(26) ゴミス(18) 

■coach
鬼木達 5.5 ターンオーバーしながら辛勝に持ち込む。交代枠を2つ残した。

■referee
山本雄大 6.0 ジャッジは明快。イエロー3枚は出しすぎ。抑制してほしい。

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2024/09/04

240901札幌2-0川崎(J1 #29)

札幌2-0川崎(大和ハウスプレミストドーム, 14:00KO, 21,022人)

雷雨のため前半のみで中止となった浦和戦(J1 #28)から中7日。
 (浦和戦の前半のみの観戦記は、遅れましたが書きました)
アウェイ札幌戦は、新たに命名権が導入された札幌ドームで開催される。
 8月1日からの4年契約で、大和ハウスプレミストドームと呼称されることとなった。
 接近する台風10号が心配だったが、西日本側の進路となって影響なく開催された。

8月31日、瀬古樹がストーク・シティFC(ENG)に完全移籍することが発表された。


先発は、浦和戦から1人だけ変更する。
 出場停止明けの高井が復帰して、車屋がベンチに回る。

ベンチには、新たに山内が入る。
 田邉とアイダルが外れている。


札幌は、J1リーグ5勝7分16敗の20位。
 最下位だが、J1リーグ2連勝中で残留圏に近づいている。

等々力では、川崎が勝った。
 240511川崎3-0札幌(J1 #13)

■1st half
札幌は、マンマークで全線から寄せてくる。
 川崎が前進すると、すかさず5バックに移行して、ゴール前を固める。

川崎の最終ラインはビルドアップに少し苦しんだで。
ただ、中盤には比較的スペースがあり、ここを使って前進する。
 5分、脇坂の左CKを家長がヘッド。
 10分、大島のボール奪取から、脇坂がミドル。
 39分、マルシーニョがPA中央からシュート。
 41分、大島のパスを受けた山田新がシュート。

札幌は鈴木武蔵(7)へロングボールを蹴り込むが、精度は低かった。
 8分、菅大輝(4)の左クロスを近藤友喜(33)がシュート。
 31分、スパチョーク(19)がカウンターを仕掛けるが、高井がカットする。

■2nd half
後半も川崎が押し込むが、大きなチャンスを作れない。
逆に札幌がカウンターからチャンスを作った。
 50分、ループパスで抜け出したスパチョークがシュート。
 54分、鈴木武蔵が決定的なシュートを放つが、GKソンリョンが弾いた。

59分、札幌は3人を交代することで、緩み始めたマンマークを再び引き締める。
ただ、ここから川崎が続けて決定機を作った。
 66分、大島のミドルパスをVW際が落とし、家長がシュート。
 67分、左ポケットからの遠野のクロスを、家長がシュート。

71分、三浦のパスミスから札幌がショートカウンター。
 高尾瑠(2)のラストパスを、青木亮太(11)がきれいに流し込んで先制する。
 ミスパスをカバーするためVW際は前に出ていて、青木がPA左側でフリーとなっていた。
続いて80分、佐々木旭がトラップミスでボールを失う。
 青木の右クロスをPA中央で鈴木武蔵が完璧に合わせて、2点目を奪った。

■summary
札幌は押される展開ながら、勝負どころで2ゴールを決めた。
 前半、ボランチ大﨑玲央(25)が、柔らかいパスで組み立てを担う。
 守備局面に移行すると、大﨑が間延びしたスペースを埋めた。

前線の選手は、マンマークで鋭いプレスを繰り返した。
 冷房の効いた札幌ドームでも、体力的に厳しい戦術だったと思われる。
 それでも、終盤には青木と鈴木武蔵がゴールすることができた。

局面での1対1の対決も、見応えがあった。
 右サイドから近藤友喜が仕掛け、三浦颯太が守る。
 鈴木武蔵へのハイボールに対して、佐々木旭が競り合う。
 山田新の力強い突破を、岡村大八(50)が止める。
 それぞれが互角に戦い、劣勢とならなかったことも勝因の1つとなった。


川崎は多くのシュートを放ったが、完全に崩し切った場面は少なかった。
 66分と67分の家長のシュートは決定的だったが、決まられなかった。

71分に失点を喫したあと、次の選手交代は8分後の79分となった。
 山田新が岡村に抑えられていたので、もっと早くエリソンを入れても良かったと思われる。

大島僚太をフル出場させることとなった。
 負傷明けで初めてだが、2点差でリードを許す状況で無理させるべきでない。
 また、最後はパワープレイを仕掛けたため、大島が活きる状況でもなかった。

河原創は、ロスタイムを含めて10分強のデビュー戦となった。
 プレー時間は短かったが、豊富な運動量で守備面での貢献が大きかった。
 2ボランチで、大島や脇坂、山本のようなパサーと組むと面白いと思われる。

残念ながら、札幌に負ける結果となった。
 7月末からの3連勝で少し離れることができた残留争いに、再び接近している。

次は中2日でYBCルヴァンカップ準々決勝甲府戦(YLC QF #1)。
 残されたタイトル獲得の可能性に向けて、結果を出したい。
 なお、フル代表に選出された高井幸大は、出場することができない。

■goal
71青木亮太(11) 80鈴木武蔵(7)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 2失点は仕方なし。54分の鈴木武蔵、76分の岡村のシュートを間一髪セーブ。
VW際(31) 5.5 細かなタッチでプレスを抜ける。57分にシュート。66分、家長へラストパス。
高井幸大(2) 5.5 31分、スパチョークの独走をきれいに止める。80分、ジャンプ空振りで失点。
佐々木旭(5) 5.0 鈴木武蔵とハイボールを競り続ける。80分、トラップミスが失点につながる。
三浦颯太(13) 4.5 単純なパスミスが目立ち、リズムを失わせた。近藤友喜の仕掛けを防いだ。
橘田健人(8) 5.5 22分、33分にロングシュート。味方のミスをすぐにカバー。79分からRSB。
大島僚太(10) 5.5 フル出場。29分、44分に珍しいミス。16分、66分に素晴らしいミドルパス。
脇坂泰斗(14) 5.5 10分、21分、22分にミドル。84分の直接FKなどセットプレーも良かった。
家長昭博(41) 6.0 66分、67分に決定的なシュート。相手に囲まれた状況でもパスをつないだ。
山田新(20) 5.5 岡村と激しく競る。41分、大島のパスからシュート。61分、シュート空振り。
マルシーニョ(23) 5.5 味方と絡み攻める。39分、50分にシュート。58分、脇坂のFKをヘッド。

■sub
64(23)遠野大弥(17) 5.5 67分、82分に左クロス。82分、山田新の落としからFKを獲得。
79(31)エリソン(9) 6.0 イーブンボールを回収する。82分、ヘッド。90+4分、シュート。
79(41)小林悠(11) 5.0 目立った活躍はなかった。86分、右サイドで2人に囲まれつつキープ。
85(14)河原創(19) 5.5 デビュー戦。守備では相手に鋭く寄せていった。87分、パスミス。
85(85)山内日向汰(26) 5.5 90分、タイトな状況でロスト。90+3分、左サイドでFK獲得。

■bench
山口瑠伊(98) 車屋紳太郎(7)

■coach
鬼木達 4.5 優勢な状況でリードできず。失点後の選手交代が遅く、巻き返せなかった。

■referee
小屋幸栄 6.5 素晴らしいジャッジを続ける。接触プレーのファウルの判断が一貫していた。

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AT+2+6