柏戦(J1 #8)から、マレーシアへの長距離移動を経て中5日。
ACLグループリーグは、2021年と同じく集中開催となった。
グループIは、ジョホール・バル(MYS)の2つのスタジアムで戦う。
今年のACLは、外国人枠の運用が変更された。
これまでの外国人枠は、大会への選手登録に対してのもの。
今年からは、試合エントリーに対して外国人枠が適用される。
外国人枠3とAFC枠1は同じだが、フレキシブルに外国人選手を入れ替えることができるようになった。
先発は、柏戦と同じ11人。
シミッチと橘田のダブルボランチで、遠野がトップ下に入る。
ACLは、10人までベンチ入りが可能(J1リーグは7人)。
柏戦と比べると、新たに車屋、高井、小林悠が入った。
車屋は、FC東京戦(J1 #1)での右肩脱臼からの復帰。
2種登録の高井は、トップチームで初のメンバー入り。
蔚山現代とは、ACLでこれまで数多く対戦してきた。
2021年はトーナメントで対戦し、PK戦で負けた。
210914蔚山現代0(3PK2)0川崎(ACL R16)
2014、18、19年にも同じグループリーグに入っている。
通算成績は、川崎の1勝3分(PK戦1敗)3敗。
横浜Fマリノスから期限付移籍中の天野純(8)が先発する。
■1st half
蔚山は、緩めのショートパスを正確に駆使してボールを運ぶ。
川崎のプレスを受けても、近くにパスコースを用意する。
ハーフスペースに縦パスを入れながら、進んでいった。
川崎は、低く構えてブロックを組む蔚山に対し、PA内まで入り込めない。
スピードを上げるように仕向けられて、ボールを失ってしまう。
失った直後の出足が鈍く、セカンドボールを拾えず、攻撃が続かない。
21分、パク・ヨンウ(6)が家長に追われ、ロングボールを蹴り出す。
前線のFWレオナルド(9)が谷口に身体を当ててトラップし、そのままゴール。
あっけなく、シンプルなプレーで先制されてしまった。
先制ゴールのあとは、川崎が徐々にゴールに近づいていく。
29分、遠野が落として、ダミアンがミドル。
32分、家長のパスを受けた山根がボレーシュート。
41分、ダミアンのパスから遠野がループを狙った。
PA内を固める蔚山を完全には崩せなかったが、チャンスは作った。
■2nd half
後半、川崎はシミッチの1アンカーに移行する。
橘田をインサイドハーフに上げることで、蔚山を押し込んでいく。
蔚山は、良い形でボールを持っても、ゴールを目指さない。
チャンスは、オム・ウォンサン(11)が49分と83分に右クロスを入れたくらい。
ボールを保ち、時間を使うことを優先していたのかもしれない。
58分、シミッチのロングボールでマルシーニョが抜け出す。
ダミアンがシュートするが、GKチョ・ヒョヌ(21)がキャッチする。
67分、マルシーニョと交代した宮城天も効果的だった。
左サイドからゴールに向かってドリブルで仕掛けていく。
75分、90+3分と力強いシュートを放った。
90+4分、脇坂の最後の左CK。
ゴール前に飛んだボールをGKチョ・ヒョヌがファンブルしてしまう。
すかさず車屋が蹴り込んで、同点ゴールを決めた。
■summary
蔚山は暑い気候もあってか、ゆったりとプレー。
近くの選手に正確な緩いパスをつなぎ、縦に入れていく。
PA外側まで進んでも、放り込むことはしなかった。
先制ゴールは、縦ポンからレオナルドが個人技で決めたもの。
良い攻撃は少なかったが、試合を上手く進めていた。
ロスタイムの失点は残念だったが、高いクオリティを見せてくれた。
川崎は酷暑の中にあってもプレスを仕掛けた。
ただ、蔚山のポジショニングの良さもあって、ボールを奪えない。
インサイドハーフが遠野1人なので、プレスに出る人数も少なかった。
時間が進むにつれて、蔚山に対して優位に立った。
なかなかゴールできなかったが、ロスタイムにドローに持ち込む。
2ボランチは、守備の安定性は高まるが、攻撃力は落ちてしまう。
後半、1ボランチとすることで、蔚山を攻略していった。
2ボランチと1ボランチを状況に応じて併用していきたい。
次は中2日で広州FC戦(ACL GL #2)。
広州FCは、ユース主体の選手となっている。
大きなターンオーバーを行った上で、しっかり勝利したい。
■goal
90+4車屋紳太郎(7)
21レオナルド(9)
■judge
ソンリョン(1) 6.0 44分のシュート、49分の高速クロスをキャッチ。パスも安定していた。
山根視来(13) 6.0 32分、PA内で左足ボレーシュート。71分、90+3分に右クロスを入れる。
山村和也(31) 6.0 落ち着いてロングパスを狙った。レオナルドへのパス供給を食い止めた。
谷口彰悟(5) 5.5 21分、レオナルドに競り負けて失点。これ以外は完璧なプレーを続ける。
佐々木旭(15) 5.5 40分、79分に左クロス。78分に右クロス。サイドからチャンスを作られる。
シミッチ(6) 6.5 絶え間なく動いてパスを受ける。58分、マルシーニョへロングパスを届ける。
橘田健人(8) 6.0 46分、細かいタッチからのシュート。シミッチの周囲を、機動的に巡った。
遠野大弥(19) 6.0 23分、左クロス。41分、ループミドル。暑すぎたため疲弊してしまった。
家長昭博(41) 5.5 51分、遠野の落としをボレー。70分にもシュート。運動量は少なかった。
ダミアン(9) 6.0 29分、ミドルシュート。58分の決定機は当たりが弱く、GKに止められる。
マルシーニョ(23) 6.5 左サイドをドリブルで持ち上がる。16分、カットインからシュート。
■sub
63(19)脇坂泰斗(14) 6.0 動きながらボールを運んだ。4本目のCKで同点ゴールを呼び込んだ。
69(8)知念慶(20) 6.0 71分、山根の右クロスをフリーでヘッド。球際に強く、負けなかった。
69(23)宮城天(24) 6.5 多彩な仕掛けからゴールを目指した。75分、90+3分に強いシュート。
69(31)車屋紳太郎(7) 6.5 最終ラインから積極的にドリブルで持ち上がる。90+4分、ゴール。
81(9)小林悠(11) 5.5 1トップに入る。プレスを先導する。90+3分、山根の右クロスを競る。
■bench
丹野研太(27) 高井幸大(29) 塚川孝輝(3) 瀬古樹(16) 小塚和季(17)
■coach
鬼木達 6.5 スタートからの劣勢の状況を立て直した。選手交代も適切だった。
■referee
ハミス・アルマッリ 6.5 一貫して妥当な基準のジャッジを続けた。
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