2024/05/09

240506福岡1-1川崎(J1 #12)

福岡1-1川崎(ベスト電器スタジアム, 14:00KO, 9,174人)

久しぶりの勝利となった浦和戦(J1 #11)から中2日。
 ゴールデンウィーク最終日の祝日の月曜日、アウェイ福岡戦。
 集客面で申し分ないスケジュールだが、観客は1万人弱だった。

U-23アジアカップは終わったばかりで、高井幸大はこの福岡戦まで不在。


先発は、浦和戦から前線の2人が変わる。
 新たに山田新とエリソンが先発し、家長とゴミスがベンチに回る。

ベンチを含めた18人のメンバーは、変わらない。


アビスパ福岡は、J1リーグで3勝6分2敗の9位。
 昨シーズン、YBCルヴァンカップを制覇して、初タイトルを獲得した。
 G大阪戦(J1 #11)から中2日で、川崎と同じ日程だが、ホーム連戦で移動はない。
 大きくターンオーバーしていて、先発8人を入れ替えている。

2016-19年に川崎に所属した奈良竜樹(3)は、先発出場する。

2023年の対戦は、川崎の3勝だった。
 230429福岡1-3川崎(J1 #10)
 231008川崎4-2福岡(天皇杯 SF)
 231020川崎4-2福岡(J1 #30)

■1st half
福岡は3バックからロングボールを蹴っていく。
 あまり精度は高くなく、競り合いに強いFWウェリントン(18)でも受けられない。
 前に出せるタイミングでも安全なバックパスを選ぶことが多かった。

川崎のCBはプレスを受けず、アンカー橘田や左右のSBに簡単に受け渡す。
 ショートパスでビルドアップして、全員がハーフラインを越える。
 福岡を深く押し込んでからも、橘田と脇坂が縦パスを狙った。

31分、遠野が左足でロングシュート。
45+2分、エリソンの左からのシュートは、GK永石拓海(1)がセーブ。
 シュートの数は限られたが、良い展開だった。

■2nd half
後半になると、両チームともに選手を入れ替えていく。

57分、橘田からのパスを右ポケットで受けた脇坂が、ゴール前に入れる。
 中央で山田新がGK永石とCBを引き付けて、ファーの遠野がシュート。
 ゴールは無人だったが、枠を外してしまった。

福岡は岩崎悠人(18)を左、紺野和也(8)を右に入れる。
 ゼ・ヒカルドからボールを奪って、両翼からゴールに迫る。
 60分、紺野の左CKをウェリントンがヘッド。
 68分、紺野のパスから重見柾斗(30)がシュート。

75分、福岡に押される展開から、山田新が1人でチームを救う。
 井上聖也(4)からボールを奪い、松岡大起(88)のファウルにも倒れない。
 最後は奈良と井上をフェイクで外して、GK永石の頭上に先制ゴールを決めた。

しかし、85分、岩崎の左クロス。
 GK上福元のパンチングは弱く、足元に届いた紺野に同点ゴールを決められた。

ここから川崎が長い時間、ボールを握って攻めた。
 88分、家長の右クロスをゴミスがヘッド。

福岡は、90+4分、FWシャハブ・ザヘディ(9)がカウンター。
 大南を振り切ったザヘディのシュートは、GK上福元が止めた。

■summary
福岡はターンオーバーの影響もあったが、悪くなかった。
 前半は、3CBまで大きく戻すプレーが多かった。
 ボールを失うリスクを考えて、積極的に仕掛けなかった。

後半、岩崎と紺野が投入されると、この2人が中心となって攻撃する。
 ゼ・ヒカルドからボールを奪うことで、川崎を上回っていく。
 優勢となっていた状況で先に失点したが、ドローに持ち込むことができた。


川崎の石野智顕GKコーチと松岡大起(88)。2022年に清水エスパルスで一緒でした。

ベンチまで挨拶にやってきた奈良竜樹(3)と談笑する鬼木達監督。隣に戸田光洋ヘッドコーチ。

川崎は先制しながらも同点ゴールを奪われた。
 ボールを持って押し込むことも、決定機も作れるようになった。
 勝つことはできなかったが、良い内容だったと思われる。

ゼ・ヒカルドは、大きなブレーキとなった。
 独特のタイミングで縦を狙うパスは効果的だが、それ以上に簡単なロストを繰り返した。
 危機意識が足りず、相手に寄せられてからトリッキーなプレーを選択して奪われる。
 攻撃の芽を捨てる結果となり、福岡のカウンターを許した。

GK上福元直人は、68分の重見、90+4分のザハティの決定機を止めた。
しかし、クロスボールへの課題も続いている。
 13分、左クロスに飛び出したが触れずに、小田逸稀(16)のヘッドを許した。
  広島戦(J1 #10)の1失点目と同じ形のミスとなった。
 紺野の同点ゴールも、クロスへのパンチングが弱かったことが原因となった。
また、75分に先制してからの10分間は、パントキックを選択していた。
 福岡に回収されて連続攻撃を許し、最後に失点してしまった。
 CBにつないでビルドアップして、最終ラインを押し上げても良かったと思われる。

次は中4日で、ホーム札幌戦(J1 #13)。
 高井幸大がU-23代表から戻ってくるが、エリソンは累積警告4枚で出場停止。
 次の水曜日にも試合が組まれていて、日程は詰まっている。
 ターンオーバーをしながら、良い内容を続けてほしい。

■goal
85紺野和也(8) 
75山田新(20) 

■judge
上福元直人(99) 6.0 クロスのパンチングが甘くなって失点。68分、90+4分に決定機を止める。
瀬川祐輔(30) 5.5 ロストもあったが、高い位置に出ていく。後半、岩崎のスピードに苦しんだ。
大南拓磨(3) 6.0 身体を投げ出してシュートやクロスを止める。90+4分、ザハティに抜かれる。
佐々木旭(5) 6.0 63分、カウンターをストップ。76分からRSB。ロスタイム、2本の右クロス。
VW際(31) 6.0  周囲とのタイミングが合ってきた。49分、長距離ドリブルで3人抜いてクロス。
橘田健人(8) 6.5 CBからボールを引き出して前に向かった。55分にRSB、76分にLSBに動いた。
脇坂泰斗(14) 6.0 57分、右クロス。66分、縦パスを受けてミドル。プレースキックも好感触。
遠野大弥(17) 6.5 31分、山田新のパスからロングシュート。57分、決定的なシュートを外す。
山田新(20) 7.5 圧巻の先制ゴール。63分、自陣に戻って守備参加。90+3分、左からシュート。
エリソン(9) 5.0 43分、自らのロストをカバーしてイエロー。45+2分、ニアを狙ったシュート。
マルシーニョ(23) 6.0 内側に入り込んでプレー。45+2分、ラストパス。54分、左からクロス。

■sub
HT(9)家長昭博(41) 6.0 右サイドで時間を生み、周囲を走らせる。88分、ゴミスへ右クロス。
55(23)瀬古樹(16) 5.5 ヒカルドにミスが続き、立ち位置が難しかった。CKキッカーを担当。
55(30)ヒカルド(6) 3.5 縦パスは悪くなかったが、あり得ないほど簡単なロストを繰り返した。
76(31)ジェジエウ(4) 5.5 RCBに入る。77分、ザヘディへのクロスを防ぐ。90分、持ち上がる。
87(14)ゴミス(18) 6.0 88分の決定的ヘッドはGKが防ぐ。90+1分、佐々木のクロスをヘッド。

■bench
早坂勇希(22) 山内日向汰(26) 

■coach
鬼木達 5.5 ターンオーバーが少なく、後半、福岡に巻き返される。ヒカルドの不出来で劣勢となる。

■referee
清水勇人 6.0 中立的な判定は好ましかった。ただ、あまりにも接触プレーを流しすぎ。

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AT+3+6