2024/04/30

240428広島2-2川崎(J1 #10)

広島2-2川崎(エディオンピースウイング広島, 14:00KO, 26,051人)

スコアレスドローとなった東京V戦(J1 #9)から中7日。
 4試合連続ノーゴールが続いている中での広島戦。
 ゴールデンウィークに入って、ここから日程が密になってくる。

会場は、エディオンピースウイング広島。
 広島市中区基町に新設された球技専用スタジアム。
 これまでの広域公園陸上競技場とは異なり、市内中心部にある。

高井幸大は、引き続きU-23アジアカップのため不在。


先発は、東京V戦から3人が変わる。
 新たにGK上福元、遠野、家長が先発する。
 GKソンリョン、ヒカルド、山田はベンチに回った。

ベンチには、ジェジエウと山本が入り、田邉とゴミスが外れた。

なお、当初先発予定だったのはソンリョン。
 ウォーミングアップで腰に違和感があり、上福元が先発することとなった。
 試合中、ソンリョンはベンチに座っていたが、アップはしなかった。


広島は、J1リーグ4勝5分の3位で、まだ負けていない。
 水曜日にルヴァンカップ奈良戦があって、中3日の日程。
 ターンオーバーは少なめだったので、体力的には不利な状況。

2023年の対戦は、1勝1敗だった。
 230611川崎1-0広島(J1 #17)
 230819広島3-2川崎(J1 #24)

■1st half
広島は塩谷司(33)、中野就斗(15)、佐々木翔(19)の3バック。
 マンツーマン気味で守りながら、要所でプレスを仕掛けてきた。

川崎はGK上福元が2CBの間に立ってビルドアップする。
 アンカー橘田のランニングや、VW際のドリブルなどで運んでいく。
 脇坂が絡むと美しいトラップやパスワークで抜け出した。
押し込んでも、広島にブロックを組まれると崩せない。
 家長は左サイドにも動いてパスを要求するが、打開できない。

広島は縦に素早く運び、セットプレーでチャンスを作る。
 19分の越道草太(32)、23分のマルコス・ジュニオール(10)の決定機は、GK上福元が止めた。

38分、攻め上がった瀬川のパスが奪われて、カウンターを浴びる。
 マルコス・ジュニオールの左クロスは、GK上福元が弾いてゴール前を流れる。
 さらに組み立て直すと、佐々木翔の左クロスを大橋祐紀(77)がヘッドで決めた。
 飛び出したGK上福元は、ボールに触ることができなかった。

リードした広島は、プレスを仕掛けていく。
 45分、松本泰志(14)のミドルは、GK上福元が触ってバーを叩いた。

■2nd half
後半から投入された小林悠が、いきなり決定機を迎える。
 46分、瀬川のラストパスからのシュートは、GK大迫敬介(1)が止めた。

このあと、広島の素早いプレスバックで川崎はボールを持てなくなる。
 広島は、正確なパスワークからシンプルにゴールを目指す。
 押し込まれた川崎は、PA近くでのファウルが増えていった。

46分、越道の右クロスを東俊希(24)がヘッド。
53分、越道と大橋が続けてシュート。

川崎はロングボールを蹴って、打開していく。
 64分、左サイドをマルシーニョがスプリントして、FKを獲得する。
 このFKを脇坂が蹴り、混戦から小林悠が押し込んで同点とした。

72分、遠野のラストパスからマルシーニョが決定的なシュート。
 この場面で小林悠が負傷すると、投入直後の山田新が結果を出した。
 74分、家長のラストパスを山田新が流し込んで、5試合ぶりにリードを奪った。

しかし、直後に満田誠(11)の右クロスを加藤陸次樹(51)が同点ゴール。
 たった1分間で、久しぶりのリードは失われた。

暑さの中、お互いにオープンな展開となっていく。
 81分、88分に大橋が決定的なシュートを放つが、どちらもGK上福元が止める。
 川崎もマルシーニョの走力を活かしつつ、対抗していった。
 カウンター合戦となるが、ドローに終わった。

■summary
広島はバランス良く戦っていた。
 個人に頼ることなく、周囲を使いながらパスワークで攻める。
 連動してコースを作れていて、タイトなプレーに追い込まれることは少なかった。
 サイドからのクロスも有効で、特に満田のクロスは正確だった。

エディオンピースウイング広島は、待望の新スタジアム。
 屋根付きの球技専用スタジアムで、紙屋町から歩くことができる。
 長年のホーム・ビッグアーチは、陸上競技場で屋根が少なく、アクセスに時間がかかった。
 新スタジアムとなってチケット完売が続くが、人気が継続することを期待したい。

川崎は実に5試合ぶりとなるゴールが生まれた。
 広島よりは数は少なかったが、決定機も作ることができた。

GK上福元は、ソンリョンの負傷によって緊急出場。
 1失点目では飛び出しをミスしたが、多くの決定機を止めた。
 特に88分の大橋のヘッドは極至近からのもので、素晴らしいセーブだった。
 90+5分には素早くロングボールを蹴って、山田新の決定機を作った。

小林悠は、待望の今シーズン初ゴール。
 単独でシュートに持ち込むエリソンとは異なり、動き出しで味方のパスを呼び込んだ。
 負傷交代して本人は意気消沈していたが、しっかり治してほしい。

次は中4日で浦和戦(J1 #11)。
 改善の萌芽を、着実に育てていきたい。

■goal
38大橋祐紀(77) 75加藤陸次樹(51)
65小林悠(11) 74山田新(20)

■judge
上福元直人(99) 7.5 38分、飛び出しミス。19分、23分、45分、81分、88分と決定機を止めた。
瀬川祐輔(30) 5.5 パスミスが目立ち、多くのクロスを上げられた。46分、小林悠へラストパス。
大南拓磨(3) 6.0 ハイボールを処理して、ゴール前の砦となる。28分、越道のクロスをブロック。
佐々木旭(5) 6.0 LCB。2分、24分に右サイドカバー。68分からRSB。68分、87分に右クロス。
VW際(31) 6.0 26分と54分にドリブルで抜け出す。球際では負けなかったが、ファウルも多め。
橘田健人(8) 6.5 1アンカーで幅広いエリアを駆け巡る。前に向かうパスを出す。68分からLSB。
脇坂泰斗(14) 5.5 狭いスペースでもタッチで打開した。75分、クリアが小さくなり失点を招く。
遠野大弥(17) 6.0 7分、ボレー。マルシーニョとペアで崩す。90+1分、90+2分にボール奪取。
家長昭博(41) 5.5 簡単なミスも目立ったが、後半は盛り返した。51分、イエロー。1アシスト。
エリソン(9) 5.5 1分、中央をドリブル。36分、42分にシュート。41分、肘打ちしてイエロー。
マルシーニョ(23) 6.0 72分、遠野のパスから独走するがシュートを外す。90+2分にも決定機。

■sub
HT(9)小林悠(11) 6.5 46分、GK1対1は止められる。65分、俊敏な動きで1ゴール。負傷交代。
68(31)ジェジエウ(4) 6.0 81分、加藤の独走を止める。90+2分、マルシーニョへラストパス。
68(30)瀬古樹(16) 5.5 78分、右クロス。87分、大橋のカウンターを手で止めてイエロー。
74(11)山田新(20) 6.5 1ゴール。78分、シュート。90+5分、上福元のキックでゴールに迫る。
89(14)山本悠樹(77) 5.5 瀬古樹と2ボランチを組む。90+5分、縦のループパスは通らず。

■bench
ソンリョン(1) ヒカルド(6)

■coach
鬼木達 6.0 5戦続けて勝ててはいないが、少しずつ改善している。

■referee
岡部拓人 6.0 明瞭なジャッジ。後半になるとイエローを簡単に出した。

217,900views
AT+4+7