2023/06/12

230611川崎1-0広島(J1 #17)

川崎1-0広島(等々力, 19:00KO, 18,051人)

栃木シティFC戦(天皇杯 R64)に辛勝してから中3日。
 J1リーグのシーズン折り返しとなる第17節は、ホーム広島戦。
 天候は小雨。湿度は高いが、気温はそれほどでもない感じだった。


先発は、栃木シティ戦から11人全員が変わる。
 その前の柏戦(J1 #15)から見ると、同じ11人に戻した。

柏戦と比べると、遠野がベンチに入り、チャナが外れた。


広島は、J1リーグ9勝2分5敗の暫定4位。
 2年目のミヒャエル・スキッベ監督のもと、好調を維持している。

2022年の対戦は、川崎の2勝だった。
 220319広島0-2川崎(J1 #5)
 220910川崎4-0広島(J1 #29)

■1st half
広島はマンマークをタイトに仕掛けてくる。
 2CBとシミッチにもごく近くに張り付き、フリーなのはGK上福元だけ。
 川崎からボールを簡単に回収しては、攻め続ける。

2分、ドウグラス・ヴィエイラ(9)のチップシュートがポストを弾く。
5分、東俊希(24)の左クロスがゴール前を抜けていく。
6分、エゼキエウ(14)が中央で抜け出すが、トラップが長くなってGK上福元がキャッチ。
8分、中央から抜け出した川村拓夢(8)のシュートは、GK上福元がセーブ。

川崎はまったくボールを持てずに、防戦一方となる。
 家長が左に回ったり、山根がボランチに動いても改善できなかった。

24分、小林悠が右太ももを痛めて、ダミアンと交代する。
 するとダミアンの圧力で、広島の3バックを押し下げていく。
 広島のマークも緩み始め、川崎が少しずつペースを握っていく。

39分、左サイドでゆったりとパス交換を繰り返し、広島を深く押し込む。
 最後は家長がPAに抜け出してシュート。
43分、脇坂がPA内に入り、そのこぼれ球を宮代がシュート。
45+1分にもカウンターから宮代がシュートする。

■2nd half
後半、大島を下げてシミッチとの2ボランチに移行する。
 広島は寄せが後手になりがちで、フリーの選手が増える。
 出向いて組み立てる必要がなくなった家長が、右サイドに張り続ける。

56分、大島のボールカットから速攻を仕掛ける。
 家長がPA内を斜めに走り込むダミアンにゆっくりとパスを送る。
 ヒールで戻したボールを完璧にトラップした脇坂が、ゴールに突き刺した。

リードを許した広島が、ボールを持つ展開となる。
 ただ、前半とは違って、スペースを狙うフリーランが少なくなった。
 川崎の守備ブロックの外側を巡るパスが増えていく。

78分、家長の横パスを拾った森島司(10)がシュート。
多くのCKを得たものの、大きなチャンスは作れなかった。

最もゴールに迫ったのは、90+1分。
 茶島雄介(25)の右CKを、佐々木翔(19)が高い打点のヘッド。
 小塚が太ももでブロックして、辛くもクリアした。

■summary
広島は試合開始から川崎を圧倒した。
 パスコースをすべて消し、ボールを奪っては速攻を仕掛ける。
 スペースを突く走り出しも効果的で、多くのチャンスを作った。
 この時間帯で先制点を決められなかったことが、敗因といえる。

マンマークは有効だったが、長くは続けられない。
 その後の時間帯では、むしろ緩んでしまうことは仕方ないところ。
 脇坂の先制ゴールの場面も、寄せが遅くなって崩された。

今後、夏場を迎えると、さらに体力的に難しい戦術となる。
 どのように改善するのか、スキッベ監督の手腕が楽しみである。


川崎は辛くも勝利することができた。
 前半、特に大南と脇坂のミスが目立ち、広島のカウンターを浴びた。
 失点せずに切り抜けて我慢できたことは、とても良かった。

広島のプレスの緩むとともに、反撃に転じた。
 ダミアンが、荒木隼人(4)とマッチアップしながらボールを迎え入れる。
 脇坂が素晴らしいトラップから先制ゴールを決めて、勝利した。

登里は、広島の右サイドをしっかり守り切った。
 ユース昇格1年目の越道草太(32)、次いで茶島雄介(25)とマッチアップ。
 宮代の加勢を仰ぎながら、素早い寄せでクロスをブロックした。

代表ウィークに入り、次は中6日でルヴァンカップ湘南戦(YLC GL #6)。
 グループリーグ突破の可能性は少なく、若手を積極的に起用してほしい。

■goal
56脇坂泰斗

■judge
上福元直人(99) 6.5 ロングパスは不発。8分の川村、35分と59分の越道のシュートをセーブ。
山根視来(13) 7.0 15分、タックル。37分、エゼキエウを止める。序盤の決定機を防ぎまくる。
大南拓磨(3) 6.5 前半、パスミスを連発。17分、イエロー。本職のCBではカバーと高さで鉄壁。
車屋紳太郎(7) 7.0 完封を主導。39分、42分に左サイドを上がる。73分、シュートブロック。
登里享平(2) 6.5 28分と48分に左クロス。広島のクロスボールに寄せていってブロックする。
シミッチ(6) 6.5 厳しく森島にマークされていたが動き回って外す。ハイボールを競り続けた。
脇坂泰斗(14) 6.5 前半、味方にパスが合わずロストを繰り返すが、56分に見事な先制ゴール。
大島僚太(10) 6.0 17分、宮代へラストパス。非凡なプレーを繰り返す。88分、座り込み交代。
家長昭博(41) 6.0 39分、71分にシュートする。79分、横パスを奪われて、決定機を許した。
小林悠(11) 5.0 24分、右太ももを痛めて交代。プレスを仕掛けたが、ボールは届かなかった。
宮代大聖(33) 6.0 43分、45+1分にシュート。左サイドに張り、広島の3バックの間隔を拡げる。

■sub
27(11)ダミアン(9) 6.5 1アシスト。ロングボールの受け手となった。35分、ロングシュート。
79(33)遠野大弥(17) 6.0 80分、左クロス。83分、瀬川のパスを受け、カットイン・シュート。
79(14)瀬川祐輔(30) 6.0 81分に自陣でクロスをクリア。90+6分、90+8分にFKを獲得した。
90(10)小塚和季(49) 6.0 90+1分、佐々木のヘッドをブロックして即座にクリアする。
90(41)山村和也(31) 6.0 3バックの中央に入り、クロスボールを跳ね返す。

■bench
ソンリョン(1) 瀬古樹(16) 

■coach
鬼木達 6.5 劣勢の状況をダミアンの投入で打開した。クローズに向けての選手交代も的確だった。

■referee
谷本涼 6.0 まずまずのジャッジ。不安定な判断もいくつかあった。

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AT+3+9