2022/11/06

221105FC東京2-3川崎(J1 #34)

FC東京2-3川崎(味の素スタジアム, 14:00KO, 34,820人)

J1リーグ最終節、第40回多摩川クラシコ。
 神戸戦(J1 #33)から中6日で、チケットは完売となった。

首位横浜Fマリノスとは勝ち点2差の2位。
 他力だが、優勝の可能性を残している。
 3位広島とは勝ち点9差で、すでに2位以上は確定した。


先発は、神戸戦から1人だけが変わる。
 新たにジェジエウが先発し、車屋紳太郎がベンチに回る。
ベンチには新たに山村が入り、チャナが外れた。


FC東京は、J1リーグで14勝7分12敗の6位。
 LSBバングーナガンデ・佳史扶(49)が累積警告で出場停止。

塚川孝輝(35)は、7月22日に川崎から完全移籍した。
 FC東京ではレギュラーを確保していて、今日もIHで先発する。

等々力での開幕節は、川崎が勝っている。
 220218川崎1-0FC東京(J1 #1)

■1st half
FC東京はCBまで深く鋭いプレスを仕掛けてくる。
 川崎は前進を阻まれていたが、徐々に抜け出してチャンスを作る。
8分、山根の右クロスを橘田がヘッド。
11分、家長の右クロスを小林悠がヘッド。

19分、マルシーニョがゴールに向かってドリブルする。
 パスを渡された脇坂が、トラップからそのままミドルシュート。
 GKヤクブ・スウォビィク(24)の長い手が届かないゴール右隅に決まった。

川崎のペースが続いていたが、29分。
 塚川がアダイウトンをロングボールで走らせる。
 GKソンリョンの飛び出しが遅くなり、アダイウトンに足をかけてレッドカード。

10人となってからは押し上げることができず、防戦一方。
 FC東京の両SBが高く上がり、多くのクロスを入れてくる。
 苦境に陥るが、ジェジエウを中心に根気良く跳ね返していった。

■2nd half
LSBに車屋紳太郎を投入し、守備の再構築を図った後半。
 しかし、47分、塚川の右クロスをクリアしきれず、アダイウトンがゴール。
 あまりにも早い時間に同点に追い付かれてしまった。

川崎は数的不利の中、攻めなくてはならない状況となる。
 引き続き守備を固めつつ、少しずつ押し上げて人数をかけていく。

61分、川崎がプレスを仕掛けると、FC東京がバックパス。
 橘田がゴールライン際まで森重真人(3)を追いかけ、ボールを奪う。
 すかさず中央にクロスを入れると、マルシーニョがダイレクトでゴール。

多くないチャンスを活かしてリードを奪うと、再び川崎は引いて守る。
 FC東京のクロスが飛び交うようになり、ギリギリの攻防が続く。

74分、紺野和也(17)の右クロスをファーの渡邊凌磨(23)が折り返す。
 中央で待ち受けるアダイウトンが渾身のヘッドで、FC東京が同点に追いついた。

その直後のキックオフから、全体を押し上げて、PAに近づく。
 横に揺さぶってから、最後に車屋紳太郎が左クロスを入れる。
 知念慶がニアに飛び込むと、流れたボールが渡邉凌磨に当たってオウンゴール。

3度目のリードとなった川崎は、集中して守りに入る。
 80分に山村を入れて3バックを組み、FC東京のクロスを跳ね返す。
 大島、家長、知念のキープで、ゆっくり時間を進めていった。

■summary
FC東京は、GKソンリョンが退場するまでは劣勢だった。
 29分に数的有利になってから、川崎をハーフコートに押し込んだ。
 両サイドからクロスを入れて、セカンドボールを回収して攻撃を繰り返す。
 CFルイス・フェリッピ(22)に有効なクロスは届けられなかったが、アダイウトンが47分と74分の2度、同点ゴールを決めた。

川崎を追い詰めても、勝つことはできなかった。
 61分の失点シーンで、森重はキープせずクリアすべきだった。
 仮に川崎にスローインを与えたとしても、大きな脅威にならなかったと思われる。
 リスク管理を徹底できなかったことが、敗因となってしまった。

逆に75分の渡邊凌磨(23)のオウンゴールは、アンラッキーなもの。
 川崎に押し込まれ、車屋のクロスも絶妙で、避けることは難しかった。

塚川孝輝(35)は、中盤から長短のパスを繰り出した。
 川崎時代は狭いエリアでのプレーが多く、タッチの乱れがボールロストにつながった。
 FC東京では周囲にスペースが大きく、のびのびとプレー。
 守備でも貢献していて、塚川の特長が活きていた。


FC東京の最終戦セレモニー。

川崎は勝つために最適の試合運びを続けた。
 守る時間が長くなったが、陣形を保ちながら逆襲するための体力を温存した。

ここぞのタイミングで仕掛け、FC東京のミスや幸運にも恵まれて、勝利した。
 刻々と変わる試合展開で、鬼木監督の采配が冴えた。
 途中出場のGK丹野、車屋、大島、知念慶、山村がそれぞれの役割を果たした。

ソンリョンは素晴らしいGKだが、飛び出しのタイミングは不得手。
 29分、アダイウトンに先にボールを触られたあと、足を上げて倒してしまう。
 幸いアダイウトンにケガはなかったが、危険なプレーだった。
2018年5月2日の浦和戦(2018 J1 #12)10月24日の山形戦(2018 天皇杯 QF)でも一発退場。
 4年ぶりのレッドカードで、この点は改善してほしい。


J1リーグを4連勝で終えた。
 20勝6分8敗の勝ち点66の2位で、ACL出場権を獲得。
 最終節で首位横浜Fマリノスも勝ったため、3連覇はできなかった。
 6年ぶりの無冠となり、同じく6年ぶりのシルバーメダルを獲得した。

今シーズンは、さらにアジアツアー3試合が組まれている。
 次は中6日、タイでのBGパトゥム・ユナイテッドFC戦。
 いろいろな選手を試しながら、シーズンの余韻を味わいたい。

■goal
47,74アダイウトン(15)
19脇坂泰斗(14) 61マルシーニョ(23) 75OwnGoal

■judge
ソンリョン(1) 3.5 29分、アダイウトンを足で止めてレッドカード。23分の飛び出しも遅れた。
山根視来(13) 6.0 8分、右クロス。アダイウトンと長友に対応する。71分、右クロスをクリア。
ジェジエウ(4) 7.5 雨アラレのクロスを大きくクリアする。60分、フェリッピの独走を止める。
谷口彰悟(5) 7.0 22分、CKをヘッド。65分、ジェジエウとの接触で流血するも最後まで守る。
登里享平(2) 5.5 7分にインターセプト。33分、戦術的な交代となるが、笑顔で丹野を送り出す。
シミッチ(6) 6.0 9分、ロングシュート。45+1分、左クロスをクリア。守勢では高さが活きた。
脇坂泰斗(14) 6.5 19分、ミドルをゴール右隅に決める。GK退場を受けて、前半のみで交代。
橘田健人(8) 7.0 8分、ヘッド。61分、ボール奪取してアシスト。広大なスペースを埋めた。
家長昭博(41) 6.5 自陣深く戻って守備にも貢献した。最後はキープしながら時間を費やした。
小林悠(11) 6.0 13分、家長のクロスをヘッド。1人少ない中、前線から果敢にボールを追った。
マルシーニョ(23) 7.0 61分、起死回生のゴール。1アシスト。縦ポンに向かって走り出した。

■sub
33(2)丹野研太(27) 6.0 緊急出場も落ち着いていた。63分、松木玖生(44)のシュートをセーブ。
HT(14)車屋紳太郎(7) 6.5 61分、インターセプトから前に運ぶ。75分、左クロスでOGを呼ぶ。
59(6)大島僚太(10) 6.0 85分、ボールカットからFK獲得。87分、GKやCBまで連続プレス。
59(11)知念慶(20) 6.0 前線で何度もボールを追い続ける。82分、左サイドでボールキープ。
80(23)山村和也(31) 6.0 3バックの中央に立ちはだかる。90+3分、大きくクリアする。

■bench
小塚和季(17) 遠野大弥(19) 

■coach
鬼木達 7.0 10人となり、リードを2度追い付かれながら、ベストの選手交代で勝利した。

■referee
山本雄大 6.0 ジャッジにバラつきはあったが、許容範囲。レッドカードは妥当。

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AT+4+5

■おまけ

ワールドカップ日本代表の長友佑都(5)、谷口彰悟(5)、山根視来(13)への花束贈呈。プレゼンターは石川直宏と中村憲剛。長友には青赤、谷口と山根にはブルーの花束。

ソンリョン(1)の退場によるスクランブルで、自らと交代する丹野研太(27)を満面の笑顔で送り出す登里享平(2)。

コロナ禍以後では珍しい円陣。
10人となった後半キックオフ前。

丹野研太(27)と山村和也(31)。

丹野研太(27)と家長昭博(41)。

ユニフォームに顔を埋める丹野研太(27)の肩を抱くジェジエウ(4)。翌11月6日、丹野の契約満了が発表されました。

アマラオ(キング・オブ・トーキョー)、石川直宏、ルーカス。