シーズンオフを前に、アジアツアー2022が開催される。
8日間の日程で、タイで2試合、ヴェトナムで1試合が組まれる。
なお、タイでの2試合は、2022Jリーグアジアチャレンジinタイへの参加となる。
まずは、BGパトゥム・ユナイテッドFCと対戦する。
J1リーグ最終節のFC東京戦(J1 #34)から中6日。
チャナティップにとっては、母国タイへの凱旋となる。
アジアツアーに参加していない選手は、次のとおり。
フル代表参加:谷口彰悟(5)、山根視来(13)
U19代表参加:永長鷹虎(26)、高井幸大(29)
母国へ帰国:GKソンリョン(1)、ジェジエウ(4)、ダミアン(9)
(非帯同(発表なし):登里享平(2)、大島僚太(10)、小塚和季(17))
GK丹野研太(27)は、11月6日に契約満了が発表されたが、帯同する。
U18(第2種登録)の松長根悠仁(34)も参加している。
先発は、FC東京戦から大幅に入れ替わった。
続けて先発するのは、シミッチ1人だけ。
チャナティップは、インサイドハーフで先発する。
ベンチ入りは9人となった。
12人まで交代できる試合だが、そこまで選手を帯同していない。
BGパトゥム・ユナイテッドFCは、タイ・リーグ1に所属。
ACLでは、2021年にベスト16、2022年にベスト8に進出。
手倉森誠監督が指揮していたが、10月に解任された。
ティーラシン・デーンダー(10)はベンチスタート。
かつて広島(J1)と清水(J1)でプレーしていた。
■1st half
川崎は左サイドから、チャンスを作り出していく。
4分、佐々木旭がカットインからシュート。
宮城天もシミッチからのパスを受け、8分に左クロス、17分にシュート。
右サイドは、松井、瀬古、遠野が組んだ。
ただ、シミッチからパスが届いても、その先を崩せなかった。
1トップの知念は、強い体幹を活かして突破する。
ドリブルで仕掛け、31分には右からシュート。
パトゥムは、5バックの最終ラインを高く押し上げる。
しかし、2トップのコンハード(20)とリドル・コーエン(21)はプレスに出ない。
コンパクトな陣形だが、川崎の中盤、特にシミッチに余裕を与えた。
24分、コンハードの左からのシュートは、GK安藤がセーブ。
続いてサンティパープ・チャンゴム(22)の無回転ミドルも、GK安藤がキャッチした。
45+1分には、カノポン・プスパコム(48)がフリーでミドルを狙う。
■2nd half
後半スタートから、GK丹野、橘田を投入。
暑さもあってスペースが空き、最終ラインの突破を許し始める。
パトゥムに押される状況で、先制点は川崎が奪った。
57分、宮城天が右の遠野に流すと、ふわっとクロスを入れる。
ファーに走り込んだ知念が、DFよりも高く飛んでヘッドでゴール。
パトゥムは63分、同点に追い付く。
ジャロエンサク・ウォンゴーン(11)がPA内のコンハードにパスを入れる。
コンハードは山村を背負いつつ、ターンしながら右足でゴール。
スコアが次々と動き、65分の川崎の攻撃。
マルシーニョの左クロスがDFに当たり転がっていく。
バイタルから駆け寄った橘田が、ゴール右上に美しいミドルを決めた。
70分、スルーパスにコンハードが抜け出すと、山村がレイトタックル。
ボールに触ることなくコンハードを倒すと、レッドカードが提示された。
10人となった川崎は、LSB佐々木旭をRCBに回す。
73分、新たに松長根をRSBに投入し、RSB松井をLSBに動かした。
その直後、松長根が自陣から大きくクリアする。
前線に残っていたマルシーニョがボールを拾うと、DFとGKを抜いてゴール。
数的不利ながら、あっさり2点リードとすることができた。
急造の最終ラインは落ち着かなかった。
75分に佐々木、76分に車屋とボールロストを繰り返す。
パトゥムに攻められながらも、逃げ切った。
■summary
秋春制のタイ・リーグ1は、現在シーズン中。
パトゥムは、ハーフタイムで5人を交代するなど、選手を多く入れ替えた。
優先すべきはリーグ戦であり、親善試合らしい采配となった。
暑い気候に合わせて、縦に早い攻撃を仕掛けてきた。
トラップやパスの技術は高く、ミスが少なかった。
コンハードの攻撃力も脅威となっていて、良いチームだった。
主力を揃えて戦っていれば、勝てたかもしれない。
川崎は、巧みに主力組とサブ組を組み合わせた。
知念慶、シミッチ、橘田、マルシーニョといった主力が活躍。
逆に松井蓮之、佐々木旭、瀬古樹は、特長を発揮できなかった。
多くのチャンスは作れなかったが、3ゴールを決めることができた。
70分、山村がレッドカードで退場してしまう。
RCBの位置から左に吊り出され、コンハードのスピードを見誤ったもの。
仕方のない面もあったが、不要なプレーだった。
10人となった最終ラインは混乱したが、勝つことができた。
マルシーニョのゴールで2点差としたことも大きかった。
次は中2日、アジアツアー2戦目となる札幌戦(PSM)。
フレッシュな選手たちを再び起用したいところ。
特に五十嵐と松長根には、プレー時間を長く与えたい。
■goal
63コンハード(20)
57知念慶(20) 65橘田健人(8) 74マルシーニョ(23)
■judge
安藤駿介(21) 6.0 24分、コンハードとサンティパープのシュートを止める。仕事は少なかった。
松井蓮之(25) 5.0 2分、6分とロストを繰り返す。ぎこちない動き出し。ガツガツと強く守った。
山村和也(31) 3.5 ハイボールをクリア。63分、コンハードのゴールを許す。70分、一発レッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 LCBから持ち上がりつつ配球する。47分、左クロス。76分、安易なロスト。
佐々木旭(15) 5.5 4分、60分にシュート。相手に寄せすぎては抜かれた。最後はRCBに移った。
シミッチ(6) 6.0 両サイドにロングボールを届ける。周囲に余裕があり、ロストも少なかった。
瀬古樹(16) 5.5 セットプレーを担当。ポジションの工夫を続けるが、あまりボールに触れず。
チャナ(18) 5.5 26分、ターンして2人を抜いて前にドリブル。71分、カウンターからシュート。
遠野大弥(19) 6.0 右FWで出場する。11分、右クロス。57分、ふわっとしたクロスで1アシスト。
知念慶(20) 6.5 31分、シュート。57分、先制ヘッド。ポストプレーから、力強く前に運んだ。
宮城天(24) 6.0 8分、42分、60分に左クロス。17分、シミッチのパスからGK1対1のシュート。
■sub
HT(6)橘田健人(8) 6.5 落ち着いてコースを射貫くゴール。80分、90+2分にインターセプト。
HT(21)丹野研太(27) 6.0 66分、ピティワット・スクチタマクン(36)のシュートをブロック。
62(20)小林悠(11) 5.5 69分、ポストプレー。10人となり守備に重心を置く。90分、FKを獲得。
62(24)マルシーニョ(23) 6.5 65分、チャナのパスからシュート。74分、1人で持ち込みゴール。
73(16)脇坂泰斗(14) 5.5 79分、ドリブルで横に運んでキープする。81分、90分にFKを蹴った。
73(18)松長根悠仁(34) 6.0 RSBでトップチームデビュー。74分、1アシスト。80分、FK獲得。
87(19)五十嵐太陽(28) 5.5 88分、CKをクリア。89分、脇坂のパスを受け、右から仕掛けた。
■bench
早坂勇希(22) 家長昭博(41)
■coach
鬼木達 6.5 バランス良く選手を起用した。松長根をデビューさせる。
■referee
ソンクラン・ブンミーキャット 6.0 落ち着いたジャッジ。山村のレッドは妥当。
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AT+1+4