J1リーグ2ndステージの初戦、第26回多摩川クラシコ。
FC東京のホーム(J1 #9)と同じく、23,793人と多くの観客が入った。
アウェイゾーンも、いつもよりも大きく配置されている。
2週間前の鹿島戦(J1 #17)の先発メンバーに中村、大島が入り、森谷、船山がベンチに。
4日前のドルトムント戦(PSM)の前半メンバーからは、中村が入り、船山が外れている。
■1st half
川崎はポゼッションして、FC東京のプレスをかわしてサイドに散らす。
PAの中には進入できなかったが、バイタルから多数のミドルシュートを放った。
ミドルの精度は高くなかったが、少しずつFC東京のプレスを緩めていく。
FC東京は守備が中心となった。
攻撃はDF太田宏介(6)のセットプレーに頼る。
ボールを持っても、崩してくることが少なかった。
木村主審がファウルを多くとっていて、FW前田遼一(20)がファウルを多くもらう。
前田は器用なFWで、笛を吹かせるプレーも上手だった。
35分すぎからは、FC東京のプレスが弱まり、川崎のパスが回るようになる。
パスを出すタイミングが早くなって、ボールが動く時間が増えた。
■2nd half
後半になると、FC東京はますます動けなくなってくる。
特にボランチの米本拓司(7)と梶山陽平(10)がボールホルダーに寄せられない。
これによってボランチの谷口と大島が前を向いて、ボールをさばく。
52分、バイタルでパスを回し、レナトがPA左の小宮山にパス。
大久保がFC東京の最終ラインをゴール前に張り付ける。
空いたスペースにクロスを入れて、フリーのエウシーニョが右アウトサイドでゴール。
難しいタイミングだったが緩やかなシュートでコースを突き、4試合連続ゴール。
その後も、63分の大久保など、多くの決定機を作る。
73分、レナトがPA手前でドリブルしてファウルをもらう。
レナトは壁の上をゆっくり抜くFKを決めて2点差となった。
厳しいコースではなかったが、GK権田修一(1)の反応が遅れた。
3枚の交代カードを少しずつ使いながら、ゲームを終えた。
■summary
川崎はドルトムント戦と大きく変わったところはない。
ただ、ドルトムントの質があまりにも高く、相対的に良く見えた。
4日前はパスやトラップの小さなミスが致命傷となったが、FC東京戦では問題とならなかった。
1stステージよりも、ボールを持って逡巡することが少なくなった。
クオリティを上げていくのは簡単ではないが、続けていってほしい。
FC東京はフィッカデンティ監督による守備的なチーム。
FW石川直宏(18)が走ってカウンターを仕掛けて、前田がファウルをもらう。
セットプレーが一番のチャンスで、1stステージ2位と結果を出している。
ただ、結果が出なければ、観客にとって見どころが少ない。
ドルトムント戦から中3日だった影響は見られず、動けていた。
ケガ人も戻ってきて、杉本や三好ですらベンチに入れない。
次も中3日と連戦が続くので、コンディションをキープできるかが重要となる。
■goal
52エウシーニョ(18) 74レナト(10)
■judge
新井章太(30) 6.5 クロス対応、リスタートの判断が的確。5分に石川のシュートを止めた。
武岡優斗(17) 6.0 13分にミスパスで決定機を与えたが、スピードと対人の強さで対処。
井川祐輔(4) 6.5 中央に構えて守り切った。90+4分、ゴール前まで走ってシュート。
車屋紳太郎(20) 6.5 左サイドを封じる。最終ラインからパスを的確につないでいった。
小宮山尊信(8) 7.0 良い動きで何度もフリーになる。52分のクロスによるアシストは完璧。
谷口彰悟(5) 6.5 少し前目のポジションでボールを受けた。ボランチで空中戦を制した。
大島僚太(16) 6.5 細かなパスワークの中心。65分、安易なボールロストでピンチを招く。
エウシーニョ(18) 7.0 52分のゴールは芸術的だった。47分のイエローは少し酷な判定。
中村憲剛(14) 6.5 守備の役割が軽い攻撃的MFで出場。パスをたくさんもらって、輝いた。
大久保嘉人(13) 6.0 ミドルを放っていって、73分に決定機があったが、決められず。
レナト(10) 7.5 キレのあるドリブルで、FC東京の守備陣を混乱させた。FKは完璧。
■sub
84(18)田坂祐介(35) 5.5 公式戦での復帰戦。右ウィングに入る。プレー機会は少ない。
88(10)小林悠(11) 5.0 ロングボールやポストプレーを受けきれなかった。
90+1(13)船山貴之(15) 5.5 相手ボールを追いかけたが、攻撃する機会はなかった。
■bench
西部洋平(21) 角田誠(3) 山本真希(6) 森谷賢太郎(19)
風間八宏 6.5 中村を戻して機能させる。2点目を取ってから早く選手交代させたかった。
■referee
佐藤隆治 5.0 偏ることはなかったが、軽いコンタクトまでファウルと判定していた。