2016/04/03

160402川崎1-1鹿島(J1 #5)

川崎1-1鹿島(等々力, 15:00KO, 23,955人)

代表ウィークにナビスコカップ2試合を挟み、2週間ぶりのJ1リーグ。
YNCではメンバーも落としたこともあって、1分1敗だった。

J1リーグは単独首位。
2位の鹿島を等々力に迎える。
なお、第5節を前日金曜日に行った浦和が勝ち、暫定で首位を譲っている。

先発にはU23代表に出ていた奈良(原川はベンチ外)、韓国代表のソンリョンが戻る。
フル代表を離脱した小林、福岡戦(YNC GL #2)を発熱で欠場した中村、2月11日の沖縄キャンプ水戸戦(TM)でケガした武岡が復帰。
今年のJ1リーグでは初めて田坂、森本が先発した。

大久保がベンチスタート、ケガで車屋、大島はベンチ外となった。
ケガ人が相次ぎ、2週間前の甲府戦(J1 #4)から先発3人が変わっている。

鹿島もYNCでは連敗を喫している。
ケガ人も少なく、代表組が戻ってメンバーは揃っている。

■1st half
鹿島は前線からプレスを仕掛けてくる。
川崎のボランチ、CBのパスコースを切って、ロングボールに追い込む。
簡単にボールを回収して、前に向かって早く攻め込んできた。

川崎は最初押し込まれたが、15分あたりからパスがつながる。
プレスをかいくぐり、ショートパスで前に進んで中央から切れ込んだ。

拮抗した中、27分。
自陣左サイドから谷口がスローイン。
森谷が戻し、前にフィードしようとした谷口がミスキック。
ゴール前に高くボールが上がり、落ちてきたところをMFカイオ(7)がゴール。
奈良はボールを見ていながら落下点に入れず、ソンリョンも触りに行かなかった。
3人のミスが重なって、過程が美しくないゴールが生まれた。
ただ、カイオのダイレクトボレーは美しかった。

36分、ボランチの森谷が田坂にボールをつける。
田坂は反転して前を向くと、ループで最前線の小林へ。
小林は鹿島DFを置き去りにして、ループでGKの頭上を抜き、エウシーニョが押し込んで同点。

■2nd half
後半開始から森谷に代えてネットを投入。
ネットはドリブルや長短のパスで、手薄なところを狙ってプレーしていた。

川崎は相変わらずセカンドボールが拾えない。
プレスされるとロングボールに逃げて、鹿島がボールを握った。
少しずつ間延びすると、鹿島の攻撃が冴える。
カイオを中心に左サイドから崩されて、PA内まで持ち込まれる。

47分のカイオ、90分のFW鈴木優磨(34)のシュートをソンリョンがセーブ。
51分の遠藤康(8)、77分の土居聖真(25)はゴールに押し込むだけのシュートを外す。
エドゥアルド、奈良が懸命にコースを切っていた効果もあるが、決まらなかったのはラッキーだった。

川崎の攻撃はカウンターが多くなる。
ゴール前まで早く運ぶが、シュートに持ち込めない。
鹿島のCB植田直通(23)と昌子源(3)にきっちり抑え込まれた。

58分には大久保を投入したが、ケガの影響で走れず、消えていた。
80分、小林とのワンツーからフリーでエウシーニョがシュートを放ったが、浮いてしまう。

■summary
見るべき価値のある充実したゲームだった。
技術水準が高く、判断のスピードも早く、目まぐるしくボールが動いた。

結果はドローだったが、後半に決定機を多く作っていたのは鹿島。
ゴールに流し込むだけの場面もあったが、外してくれてドローに終わった。

川崎にとっては、内容を考えれば勝ち点1は良い結果。
失点はお粗末だったが、守備が破綻せず、ソンリョンと両CBがゴールに立ちはだかった。
攻撃は大島が欠場し、ボールの展開力はいつもと同じではなかった。
しかし、代役を務めた森谷とネットが、それぞれの特徴を見せながらボールを動かした。
決定機やシュートチャンスは少なかったが、それなりの攻撃ができていた。

ソンリョンや最終ラインがボールを持つと、鹿島がパスコースを切ってきた。
ロングボールを蹴らされて、鹿島がルーズボールを早い出足で拾って、攻撃を続けた。
負けパターンに完全にはめられていたものの、それでも負けなかった。

J1リーグでは浦和に次ぐ2位となったが、いい位置に付けていることは変わらない。
次は中3日、アウェイでYNC新潟戦。
YNCは1分1敗で予選リーグ突破は厳しい状況。
主力に休養を与えながら、フレッシュなメンバーを起用したい。
特に、出場機会が少ないU23代表の原川のプレーを見たい。

■goal
36エウシーニョ(18)
27カイオ(7)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 45+1分の遠藤、90分の鈴木のシュートをセーブ。失点は触りたかった。
武岡優斗(17) 5.5 ケガからの復帰戦。カイオには手を焼いていたが、まずまずの出来。
奈良竜樹(3) 6.0 失点シーンは目測を誤る。52分、致命的なミスもピンチを自分で止めた。 
エドゥアルド(23) 6.5 ハードワークを忠実にやり続けて、ゴールを許さなかった。
谷口彰悟(5) 4.5 ポジションが変わりすぎて、器用貧乏に陥る。クリアミスで失点。  
森谷賢太郎(19) 5.5 ボランチ。ポジショニングとショートパスで大島の欠場を埋めた。
中村憲剛(14) 6.5 39分、72分と小林へ決定的なパスを供給。ミドルパスで攻撃を牽引。
エウシーニョ(18) 6.5 同点ゴールを決める。80分の決定機は吹かしてしまった。
田坂祐介(6) 6.0 左ウィングでボールを引き出す。カウンターを浴びても戻りは万全。
小林悠(11) 6.0 決定機をいくつか迎えたが、効果的にシュートできず。同点アシスト。
森本貴幸(9) 5.5 最終ラインと駆け引きしてスペースを生む。ロングボールを拾えなかった。

■sub
HT(19)ネット(21) 5.5 パス、トラップとも良かった。攻撃時にCBと並んでプレー。
58(9)大久保嘉人(13) 5.0 ゴール前で狙い続けたが、動きにはキレがなかった。
82(17)中野嘉大(22) 5.5 85分、PA内に入り込んでCKを獲得。ドリブルは効いた。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 ケガ人が相次ぐ中、効果的な選手起用を行って、影響を抑えた。

■referee
飯田淳平 7.0 タイミング良くカードや笛を織り交ぜて、ゲームをコントロールした。