2016/04/17

160416FC東京2-4川崎(J1 #7)@

FC東京2-4川崎(等々力)

J1リーグ首位で迎える第27回多摩川クラシコ。
前節鳥栖戦(J1 #6)から中5日。
先発は7人が同じで、新たに車屋、原川、森谷、田坂が入る。
車屋はケガから復帰し、原川はJ1リーグで初先発。

外れたのは谷口、ネット、大島、登里。
大島は当日朝の発熱でベンチ外となり、残りの3人はベンチに回った。
先発の予定だった大島に代わり、原川が起用されたものと思われる。
谷口がJ1リーグで先発しないのは、2014年8月23日の横浜FM戦(2014 J1 #21)以来。

FC東京はACLを戦いながら、ここまで3勝3敗の9位。
昨年J1リーグ4位に導いたマッシモ・フィッカデンティに代えて、城福浩が新監督。

14日と当日未明に、熊本で大きな地震が起きた。
熊本出身の車屋と谷口に対するチャントが、最初に歌われる。
試合開始前にはスタジアム全体で黙祷が捧げられた。

■1st half
試合開始から両チームともコンパクトな陣形。
FC東京は、中村と原川のパスコースを切りながら、緩いプレスを仕掛ける。

4分、エドゥアルドが胸でトラップしたところをMF田邉草民(27)にさらわれる。
そのままカウンターでFWネイサン・バーンズ(16)がゴール。
エドゥアルドは頭でパスを出すべき局面で、判断のミスが失点につながった。

11分、中村がフリーでボールを持つ。
オフサイドラインから飛び出した大久保にロングパスを通す。
DF徳永悠平(2)がラインよりも下にいたため、オフサイドを取れなかった。
DF小川諒也(25)が追いすがったが、大久保のトラップとシュートの技術が上回り、同点ゴール。

FC東京はバランス良く守ってカウンターを仕掛ける。
川崎はバイタルを締め切れず、バーンズにチャンスを作られた。
しかし、コースを消される中でも執拗にパスをつなぎ、MF米本拓司(7)とMFハ・デソン(14)を走らせていた。

■2nd half
後半、FC東京のプレスは少しずつ緩み始める。
50分に大久保のシュートがバーを叩き、54分には小林がゴール前でフリーになる。
谷口からのロングボールをうまく処理してGK秋元陽太(47)をかわし、小林とゴールのあいだには誰もいない状態の「超」決定機。
練習でもありえないほどのチャンス。
蹴り込むだけだったが、シュートができなかった。

56分、小川のFKをFW前田遼一(20)が一歩前に抜け出してボレーでゴール。
前田の動き出しとシュートの質の高さが素晴らしかった。

再びビハインドを背負い、川崎は少し焦ってパスを出す。
リードしたFC東京は、守備に人数を割きながらボールを奪えばカウンターを仕掛ける。
59分、64分とバーンズが決定機を迎えるが、外してしまう。

76分、小林がPA内の大久保にパスを入れる。
大久保は4人に囲まれながらもボールを動かし、米本に倒されてPK。
確かに足はかかっていたが、米本とFC東京にとってPKの判定は厳しかった。

大久保がPKを決め、81分。
エウシーニョが斜め前方の小林に向かってグラウンダーのパスを入れる。
小林はトラップで徳永を振り切ってゴール。
54分よりも格段に難しいシュートだったが、決めてくれた。

FC東京の攻撃を凌ぎながら、ロスタイムの90+2分。
中盤でボールを持った中村がドリブルで右サイドに流れる。
米本がマークに付くが、コーナー近くで時間稼ぎされることを警戒してゴール側を空けてしまう。
PA内まで中村に入り込まれて、逆サイドのエウシーニョがフリー。
中村のセンタリングを頭で押し込み、試合を決めた。

■summary
後半、FC東京は1点リードの74分にバーンズ、同点の76分に前田を交代させた。
バーンズはカウンターでボールを持つと、なかなか止められなかった。
前田はGK秋元からのロングボールをことごとく味方に渡していた。
前半からFC東京の攻撃を支えていた2人がいなくなったことが、川崎の大きな勝因となった。

FC東京のボランチは前半から動かされて、後半、運動量が落ちていた。
プレスで川崎の攻撃を封じていたのだから、交代枠はボランチに割くべきだったと思われる。

川崎は狙っていたゲームプランを具現化した。
コンパクトなFC東京に苦しんだが、走らせて間延びさせて崩し切った。
2失点は良くなかったが、これを上回る決定力で勝つことができた。

首位はキープしたが、2位鹿島、3位浦和も勝ち、勝ち点差は1のまま。
次は中3日でヤマザキナビスコカップの柏戦。
エドゥアルドが契約上出場できないが、YNCはまだ予選突破のチャンスが残っている。
次の週末は、J1リーグで3位の浦和をホームに迎える。
内容ある楽しい試合を見せてほしい。

■goal
4ネイサン・バーンズ(16) 56前田遼一(20)
11,77PK大久保嘉人(13) 81小林悠(11) 90+2エウシーニョ(18)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 2失点ともにチャンスが少なかった。キャッチとリスタートが安定。
エウシーニョ(18) 7.0 58分に右SBからウィングに位置を上げ、試合を決める1アシスト1ゴール。
奈良竜樹(3) 6.0 何度もボランチにパスをつなぐ。前田のポストプレーを止められなかった。
エドゥアルド(23) 5.5 1失点目につながる胸トラップは判断ミス。それでも落ち込まずに守備を続けた。
車屋紳太郎(20) 5.5 ケガからの復帰戦。攻撃はまずまずだったが、35分に谷口と交代。
原川力(15) 6.0 J1リーグ初先発。中村とのバランスが良かった。後半、ボールをもらう動きが少なくなる。
中村憲剛(14) 7.5 2アシスト。決定機を演出してゴールを生んだ。ゲームを支配した。
森谷賢太郎(19) 5.5 ボランチのパスコースを作ろうと動いたが、ボールを受けられなかった。
田坂祐介(6) 6.0 サイドに張って多彩なパスを繰り出したが、素早い寄せに苦しんだ。
小林悠(11) 7.0 54分に超決定機を作るが外す。81分に難易度の高い決勝ゴールを決める。
大久保嘉人(13) 7.0 2ゴール。50分、ループシュートでバー直撃など攻撃を牽引。ロスタイムにレイトタックルでイエローをもらった上に自ら受傷した。

■sub
35(20)谷口彰悟(5) 6.0 左SBに入る。75分からボランチ。前にボールを出した。
58(19)武岡優斗(17) 5.5 投入直後の59分、ミスから決定機を与える。少しずつ落ち着く。
75(15)登里享平(2) 5.5 85分にドリブルでPA内まで攻め込む。リードした時間帯はしっかり引く。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド・ネット(21) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 的確な采配で逆転勝利を導く。車屋の見切りは早く、原川は長かったように思う。

■referee
西村雄一 5.0 PK判定は流すべきで、試合結果を動かした。これ以外は妥当なジャッジだった。