ヤマザキナビスコカップ第3節は、水曜日、新潟とのアウェイ。
YNCはここまで1分1敗で、Bグループ7チーム中6位。
そのうち2チームは1試合消化が少ない状況で、予選突破は厳しくなっている。
YNC第1節、第2節は代表ウィークだったが、第3節では代表招集がない。
先発は土曜日の鹿島戦(J1 #5)から7人が変わった。
小宮山、登里、原川は今季初出場となる。
さらに三好、狩野、橋本、ネットが先発に入った。
鹿島戦の先発メンバー6人がベンチに回る。
GK新井以外はレギュラー組がサブに控えている。
新潟はYNCで1勝1敗でBグループ3位。
土曜日のJ1リーグ福岡戦の先発から7人を変更。
MFレオ・シルバ(8)がベンチ外で、フレッシュな顔触れ。
広島から期限付移籍してきたばかりのMF野津田岳人(37)も先発している。
■1st half
試合開始から川崎は強くプレスに向かう。
ボールを奪うと、縦に早くパスをつないで押し込む。
新潟もプレスに来るが、狙いどころがあいまい。
簡単にかわされて、ボールをつながれてしまっていた。
川崎がチャンスを量産して、先制点は8分。
狩野のCKを、ニアのDF酒井聖福(23)がヘディングでクリア。
しかしボールはPA中央に向かい、谷口が力を抜いたボレーでゴール。
酒井には余裕があったが、サイド方向にクリアせず、失点を招いた。
2点目は20分、微妙な判定から。
三好のスルーパスに抜け出した狩野がPA内で倒れる。
酒井が後ろから追っていたが、少し距離があり、PKには値しないように見えた。
PKは狩野が冷静に決めた。
3点目は23分、再び狩野のCKから。
新潟はPA内に全員が戻ってゾーンで守るので、バイタルは空いている。
狩野がバイタルの原川に出して、原川のクロスにフリーの谷口が頭で合わせてゴール。
前半は川崎のいいところばかりが目立った。
新潟は1ボランチのMF小泉慶(25)の左右のスペースを使われる。
前線がプレスをかけても、中盤との距離が遠く、ネットと原川のパス交換で打開される。
3失点する前に1ボランチを修正できれば、チャンスはあったと思われる。
1ボランチは広いスペースを埋める必要があるため、個人の力量に左右される。
レオ・シルバと同じ仕事量を小泉に求めるのは酷に感じた。
■2nd half
後半、48分に川崎が追加点を挙げて試合を決める。
小宮山のクロスを三好が右足で素晴らしいトラップ。
三好のシュートはGK川浪吾郎(22)が止めるものの、こぼれ球を橋本に蹴り込まれる。
なお、川浪は大量失点したものの、多くの決定的なシュートを止めていた。
この後、新潟はワンタッチプレーが多くなり、ボールがつながる。
しかし、川崎の最終ラインを崩し切るところまではいかなかった。
ボールを持っても出しどころが少なく、バックパスに逃れると、スタンドから溜め息が漏れた。
83分にはカウンター。
三好のスルーパスに抜け出した狩野が落ち着いて決めて5点目。
88分、小宮山にアクシデント。
酒井と交錯した際に、右足首を痛める。
駆け寄った田坂がすぐに「×」を出すほど。
担架に乗ってピッチを後にしたが、少しでも軽症であることを願う。
(4/12 右足関節骨折で復帰まで5ヶ月程度と発表)
■summary
両チームは同じようにターンオーバーしたが、大きな差が付いた。
川崎はネットと原川のボランチが素晴らしく、守備陣も破綻なく守れていた。
前線が好守に積極的に動いて、パスがきちっと出ていた。
特に初出場の原川はボールを受ける動きとトラップが良かった。
パスを出すと少しだけ動いてフリーになる。
味方のパスコースを作り続けることで、攻撃の選択肢を増やしていた。
新潟は1点目の酒井のクリアミス、2点目のPKの判定が痛かった。
しかし、ボールを持っても川崎のプレスですぐに蹴り出してしまう。
守ってはプレスが効かず、ラインを上げられない。
セットプレーでマークを外すなど、いいところを探すことは難しかった。
5点差は、内容的にも妥当。
勝ち点3だけでなく、得失点差を大きく稼ぎ、YNC予選突破の可能性を増やした。
ビックスワンでは、川崎のチャンスやゴールのリプレーも流してくれた。
ホーム側の映像しか流さないスタジアムが多い中、素晴らしいこと。
帰り際、新潟のサポーターから声を掛けられた。
5月21日の再戦(J1 #13)での好ゲームを期待して、スタジアムを離れた。
■goal
8,23谷口彰悟(5) 20PK,83狩野健太(25) 48橋本晃司(7)
■judge
ソンリョン(1) 6.5 66分、FWラファエル・シルバ(10)の至近距離のシュートを防ぐ。
武岡優斗(17) 6.0 攻め上がる必要がない展開となった。安定したプレー。
奈良竜樹(3) 6.0 少ない守備機会にきっちり仕事をした。6分、79分とCKを頭で合わせる。
谷口彰悟(5) 7.5 ラファエル・シルバを封じる。CBが最も適性あると思う。2ゴール。
小宮山尊信(8) 6.0 はっきりしたクリアなど、守備で安心感があった。ケガが心配。
ネット(21) 6.5 狭いエリアでもパスを大胆につなぎ、中央エリアを支配した。
原川力(15) 6.5 マークを外す動きを繰り返すことで、ボールを中継した。
橋本晃司(7) 6.5 48分のゴールは、フェイクでDFを剥がしてから右隅に蹴り込んだ。
登里享平(2) 6.5 ドリブルで仕掛けるなど、積極的に左サイドを崩していた。
狩野健太(25) 7.0 セットプレーからチャンスを作り出す。2ゴール。
三好康児(26) 7.0 ゴールは決められなかったが、多くの決定機に絡んだ。
■sub
68(2)田坂祐介(6) 5.5 ワンツーで縦に突破し、4点差で落ち着いていた攻撃を活性化した。
78(17)エドゥアルド(23) 5.5 CBに入ったが、プレー機会が少なかった。
84(7)森谷賢太郎(19) 5.5 右ウィングに入って、ボールを追いかけた。
■bench
新井章太(30) エウシーニョ(18) 中村憲剛(14) 小林悠(11)
■coach
風間八宏 7.5 サブメンバーで好ゲームを演出した。交代枠の利用も的確だった。
■referee
福島孝一郎 5.0 PK判定は微妙だった。全体的に川崎寄りの判定が多かった。