2016/04/30

160429G大阪0-1川崎(J1 #9)

G大阪0-1川崎(市立吹田サッカースタジアム)

前節浦和戦(J1 #8)に敗れ、首位から2位に順位を下げた。
ガンバの新しいホーム、市立吹田サッカースタジアムが完成した。
川崎は初めてのプレーする。
これまでの万博記念競技場では、J1リーグで3分8敗。
YNCとACLで勝ったことはあるが、去年、天皇杯4回戦でも万博で敗れている。

ガンバが出場しているACLの影響で、GW初日の金曜日開催。
開始前には通り雨もあったが、晴れて青空が広がる。
13時キックオフ。やや気温は高め。

先発は浦和戦から2人が変わった。
車屋と森谷が先発。ケガの田坂と出場停止のエウシーニョが外れた。
浦和戦で10針縫う裂傷を負った奈良は出場する。

右SBにはいつもと逆のサイドとなる登里が回る。
谷口が大島とボランチを組み、中村がトップ下に上がる。
ベンチには、4週間のケガから長谷川が戻ってきた。

ガンバはJ1リーグでは4勝4敗。
8位と調子が上がっていない。
ACLでは1試合を残して予選リーグ敗退が決まっている。

■1st half
川崎は縦に早くボールを展開する。
2ボランチが持つと、中村と森谷が下りてきてボールを受ける。
前線との距離感が良く、きちっとパスを回せていた。

ガンバはFWパトリック(29)へのロングボール主体。
FW宇佐美貴史(39)がサテライト的な動きを見せる。
奈良とエドゥアルドが2人を自由にさせず、チャンスは少ない。

20分過ぎから川崎の時間帯。
22分、中村のスルーパスに抜け出した小林がGK東口順昭(1)と1対1。
小林は左にかわして抜け出したが、東口の足がかかって倒れ込む。
PKのように見えたが、接触が弱かったためか、ノーファウルの判定。

29分、森谷からのパスを受けた中村が、小林とワンツーでGKとの1対1を迎える。
シュートはわずかに右に外れたが、多くのパスがつながる美しい展開だった。

30分、ようやく先制する。
大久保が右の小林にパスを出して、するするとゴール前へ。
小林が切り返してクロスを上げ、ヘッドで大久保が決めた。

32分、パトリックと15分に接触していたソンリョンが倒れ込む。
立ちあげれず、新井がスクランブルで出場する。

43分、ユースから昇格1年目のDF初瀬亮(35)が、角度がないところからシュート。
新井がパンチングで防ぎ、ゴールは決まらなかった。

■2nd half
1点を追うガンバは攻勢を仕掛ける。
64分、パトリックを下げてFW呉屋大翔(23)を投入。
この交代でロングボールが少なくなり、細かくボールをつないでくる。
宇佐美も左サイドに張り出したが、登里が攻め上がりを自重してマークにつく。

川崎は自陣に押し込まれる時間が続くが、陣形を維持する。
大島と谷口が、最終ラインに吸収されることなくバランスを取る。
後半だけで9本のCKを与えたが、崩される場面は少なかった。

最も危なかったのは82分。
MF今野泰幸(15)のスルーパスで呉屋が新井と1対1となる。
飛び出してきた新井の股を抜くシュートを放つが、わずかに左に外れた。

終盤、選手交代で試合を終わらせる。
84分、ネットをボランチに投入して中盤を引き締める。
90+3分、三好を入れ、ボールホルダーに向かって前から追った。

■summary
ガンバのプレスは弱め。
FWも献身的に守る浦和と異なり、パトリックと宇佐美は守備での動きが少ない。
そのため、川崎の最終ラインとボランチは余裕を持ってプレーできた。

中村と森谷が中央に位置取り、パスの距離感が絶妙。
左右にウィングを置くいつものスタイルよりも機能した。
ボランチがプレスを掛けられても、前後左右にパスコースを用意できた。

20分からの決定機を多く作り、30分に大久保が決めた。
リードしてからは、パスをつなぎながら攻撃を仕掛ける。
フリーになる動きと素早いパス出しで、いい形で展開できていた。
シュートは少なくなったが、悪くはなかった。

ガンバの攻撃はパトリックと宇佐美が主体。
ロングボールで前後の距離が遠くなり、全体的な押し上げが少なくなった。
もっとバイタルでボールを動かすことができれば、チャンスは増えたと思う。
CKも13本あって、ゴール近くには迫ったが、決定機は少なかった。

J1リーグでは、ガンバとのアウェーでの初勝利。
ガンバがJ2に降格した2012年にも負けている。
万博では勝てなかったが、新しいスタジアムで勝てた。

浦和戦の敗戦から立ち直って勝利を収めた。
まだまだ首位の浦和とは勝ち点2差にとどまる。
次から次へとゲームがやってくる。
ケガ人が続出する中、負けないことが大切なこと。

■おまけ











市立吹田サッカースタジアムは素晴らしい競技場。
観客席がピッチに迫り、角度ある高い客席でとても見やすい。
ただ、屋根が大きいため、芝の生育は少し厳しいかもしれない。

また、観客が退出する動線がとても貧弱。
大阪モノレールの万博記念公園駅までの歩道の広さが十分でない。
33,941人と観客が多かったこともあり、1時間経ってもスタジアム周辺の混雑は続いた。
別ルートを作ったり、臨時で歩道を広げるなど、人の流量を増やすよう改善を期待したい。

■goal
30大久保嘉人(13)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 15分、パトリックに激突されるがボールは離さず。32分に交代。
登里享平(2) 6.0 馴れない右SBだったが守備をそつなくこなす。攻撃は控えめだった。
奈良竜樹(3) 6.5 ケガをおして出場。宇佐美をマークして自由にさせず、サイドに追いやる。
エドゥアルド(23) 6.5 パトリックへのロングボールを競りあう。60分、パトリックに抜かれるが自らカバー。
車屋紳太郎(20) 5.5 左SBで守備で貢献。攻め上がって空けたスペースをカウンターで狙われる。
谷口彰悟(5) 5.5 ボランチで出場。CBからボールをもらって前を向く。後半、危険なパスミスが増えた。
大島僚太(16) 6.0 ボールを失わず、小気味良くリズムを作った。45+3分、宇佐美のシュートをブロック。
中村憲剛(14) 6.5 22分、小林へスルーパス。29分にはGK1対1となるが外す。前のポジションで躍動した。
小林悠(11) 6.5 22分に素晴らしいトラップで東口との1対1を作る。大久保のゴールをアシスト。
森谷賢太郎(19) 5.5 パスを受けるポイントとなる。前半はピッチにシューズが合わないのかミスを多発。
大久保嘉人(13) 6.5 30分、難しいクロスを頭でゴール。前節より走れていた。39分、PA前でFKを与える。

■sub
32(1)新井章太(30) 6.0 キック精度に難があった。83分、呉屋に股を抜かれるが、ゴール左に外れる。
84(19)ネット(21) 5.5 ボランチに入り、ボールホルダーに寄せて中盤のスペースを埋めた。
90+3(14)三好康児(26) 5.0 3分間の出場で、前線からチェイス。イエローカードをもらう。

■bench
橋本晃司(7) 長谷川竜也(16) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 6.5 登里の右SBという苦しい策を成功させた。中村と森谷の配置で中盤を活性化した。

■referee
山本雄大 5.0 東口が小林を倒したところはPKをとるべきだった。間の取り方が悪く、試合が荒くなってしまった。