2016/04/11

160410川崎1-0鳥栖(J1 #6)

川崎1-0鳥栖(等々力, 15:00KO, 18,402人)

ヤマザキナビスコカップの新潟戦(YNC GL #3)に完勝して中3日。
 J1リーグでは、首位浦和に勝ち点1差の2位となっている。

前節鹿島戦(J1 #5)の先発メンバーから4人が変わる。
 武岡、森谷、田坂、森本が外れ、ネット、大島、登里、大久保が入る。
  大島と大久保はケガからの復帰。
  登里とネットは、YNC新潟戦で結果を出し、J1リーグで今季初先発。
 外国人選手4人が同時に先発することとなった。
  森本はケガでベンチ外となった。
  武岡、森谷、田坂はベンチに控えている。

YNC新潟戦から中3日で、続けて先発するのは最終ライン中心。
 GKソンリョン、奈良、谷口、登里、ネットの5人。
 レギュラーが流動的になってきて、層が厚くなってきた。

鳥栖はJ1リーグで14位。
 昨年までFC東京を率いたマッシモ・フィッカデンティが新監督。
 水曜日のYNC仙台戦(YNC GL #3)と先発9人が同じ。
 川崎と異なり、大きなターンオーバーはしていない。

■1st half
鳥栖は素早く強いプレスを仕掛けてくる。
 狙いどころが明確で、サイドに追い込んで蹴らせて回収する。
 ボールを奪ったら縦に早く向かって、アーリークロスを入れる。
 FKでも同じく、中央のFW豊田陽平(11)を狙った。

4分、FKからDFキム・ミンヒョク(5)のヘッドが右ポストに当たる。
 7分にもFKをFW岡田翔平(39)がヘッド。これも右に外れた。

川崎はネットと大島の2ボランチが鳥栖のプレスに苦しむ。
 中村がトップ下、大久保がワントップだったが、ボランチから距離が遠い。
 CBからボランチがパスを受けても、出しどころが少なかった。

22分、川崎は早くもシステムを変更する。
 中村がボランチに下がり、大島が右ウィングに回る。
30分ごろから、鳥栖のロングボールを回収できるようになる。
 ボールを保持し、ネットと中村がパスを交換する。

41分には大島を田坂に交代。
 風間監督が前半途中から戦術的な交代を行うのは珍しい。
 ケガが悪化したためでなく、大島が機能しなかったため、手を打ったもの。

■2nd half
後半になると、鳥栖のプレスが徐々に緩む。
 ネットがトラップでかわし、意欲的に縦に供給する。
 左サイドの登里を中心に、PA内まで持ち込むことが多くなる。

鳥栖は引き気味になり、スペースに蹴り込むカウンター主体の攻撃。
 49分に岡田がヘッド、69分には再び岡田がGK1対1の決定機を迎えるが、いずれもGKソンリョンが防ぐ。
 54分にはDF藤田優人(8)がゴール前にクロスを入れる。

川崎は立て続けに大久保の頭で決定機を作る。
 78分に田坂、88分に谷口、90分にFKから中村がクロスを供給。
 大久保はDFを振り切ってヘディングしたが、いずれも外してしまった。

ロスタイムの目安3分が経過した94分。
 左サイドで反転して抜け出した小林のクロスを、大久保がヘッドで決めた。

■summary
鳥栖はプレスで川崎を封じてきた。
 決定機は多くはなかったが、1つでも決めていれば、勝てたと思われる。
 後半はペースを落とし、最後に大久保に決められたが、悪くなかった。
 フィッカデンティ監督らしい、負けないサッカーを展開できている。

川崎は後半、時間が進むにつれてペースを握った。
 もっと早く鳥栖の足を止めたかったが、前半、ボールを動かす時間が短く、難しかった。
 それでも、立て続けに決定機を作り、最後の最後に仕留めた。

浦和が引き分けたため、J1リーグ首位に復帰。
 ただ、2位グループの鹿島と浦和とは、勝ち点差1にすぎない。

大島は開幕時には不動の存在だったが、ケガ明けとはいえ前半途中で交代。
 ネットや原川といった新戦力、コンディションを上げてきた登里が出場。
 森谷がベンチに座ったままで、戦力の底上げが浸透している。

今後は、目の前の試合だけではなく、コンディションの管理を含め、長いシーズンを俯瞰してベストの組み合わせを探ることが重要になる。

■goal
90+4大久保嘉人(13)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 岡田の2つの決定機を止めた。ボールキャッチにミスがなかった。
エウシーニョ(18) 6.0 ドリブルで前に進めず。74分のミドルはGK林彰洋(33)がストップ。
奈良竜樹(3) 6.5 飛び出さず、中央で構えてカウンターに対処した。安定した守備に貢献。
エドゥアルド(23) 6.5 ファウルが多かったが、徐々に順応。高さを活かして抑え切った。
谷口彰悟(5) 6.0 守りはきっちり。パスは横や後ろに戻しがち。後半は積極的に攻撃に参加。 
ネット(21) 6.5 J1リーグ初先発。細かく動きながら、前に向かってボールをさばいた。
大島僚太(10) 5.0 トラップは良かったが、寄せられるとパスミスやロストが目立った。
中村憲剛(14) 6.0 43分、56分のFKを直接狙う。トップ下は機能せずも、ボランチで活躍。
小林悠(11) 6.0 1アシスト。トラップでDFの裏に抜け出す。ケガから復帰後、良くなってきた。
登里享平(2) 6.5 J1リーグ今季初出場。左サイドに大きく開いて受け、ドリブルで仕掛けた。
大久保嘉人(13) 6.5 2分、ミドルをバーに当てる。決定的なヘッドを再三外すが、最後に決めた。

■sub
41(10)田坂祐介(6) 6.5 気が利いたプレーで攻撃にアクセントを加える。61分、ミドル。
72(2)武岡優斗(17) 5.5 守備で奮闘し、78分、豊田からボールを奪う。攻撃には絡めず。
83(21)原川力(15) 6.0 J1リーグ初出場。ボランチに入る。まずまずのプレーを見せた。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 7.0 大島が不調とみると、前半途中で動く。疲れの見えた登里、ネットの交代も的確。

■referee
中村太 5.5 判定にブレが見られたが、両チームに偏りはなかった。59分、PA内で谷口が倒されたのは、PKとすべき。