2016/03/20

160319甲府0-4川崎(J1 #4)

甲府0-4川崎(山梨中銀スタジアム, 14:00KO, 9,567人)

2試合ホームが続いて、開幕戦以来のアウェイ。
 とはいっても、川崎からはほど近い山梨中銀スタジアム。
 浦和、大宮、柏あたりと比べても、行きやすいと感じる。

朝から雨が降っていて、天気予報も芳しくはなかったが、午後は晴れた。
 14時のキックオフ時点では青空が広がって、気温も上がっていた。
 ゴール裏はアウェイ側のほうがびっしり埋まっている。


名古屋戦(J1 #3)をインフルエンザで欠場した小林悠が先発に復帰。
 森谷(左WG→右WG)、エウシーニョ(右WG→右SB)、谷口(右SB→左SB)、車屋(左SB→左WG)と時計回りに4人のポジションを動かした。
 狩野は先発からサブに回り、エドゥアルド・ネットが初のベンチ入り。
 橋本と三好がサブから外れている。

■1st half
甲府は序盤から、小林悠と大久保の2トップに対して5バックで守る。
 自陣深く下がっているので、大島と中村へはプレスがかからない。
 両サイドにスペースがないため、中央から攻略を仕掛ける。

7分、中央で小林悠がドリブルを仕掛けるがファウルで止められる。
 ここで得たFKに対して、甲府は10人全員で壁を作る。
9分、この壁の上をきれいに抜いて、中村がゴール左上に決める。

先制されても甲府は攻めてこない。
 攻撃はFWクリスティアーノ(9)とFWニウソン(10)の2人にお任せ。
 2人の個人技で仕掛けるが、サポートが少なく単発。
 守りで引き過ぎているため、攻撃で人数をかけられなかった。

25分、中村の右CKから大久保がシュート。
 DFに防がれ、こぼれたボールを谷口が拾ってターン。
 倒れながら最前線の森谷に柔らかいパスを出す。
 ゴールを背にした森谷は、トラップで前を向き、GKとの1対1を制してゴール。

2点差となっても、甲府はまだ動かない。
 ようやく40分すぎから、前に人数をかけてくるようになる。
 43分にはクリスティアーノのシュートがバーを叩くが、決まらなかった。

■2nd half
後半、甲府は早い選手交代を行うが、やはり攻めてこない。
 川崎の攻撃もバランスを取りながら。ゆっくりした時間が流れる。

66分、中村がショートコーナーで大島からリターンを受ける。
 中に人数を揃えていたが、クロスは出さずにそのままシュート。
 GK河田晃兵(1)が空けていたニアサイドを抜き、今日の2ゴール目を決めた。

3点差となって、やっと甲府は前に出てくる。
 クリスティアーノを中心に、ゴール前でプレーする機会が増える。
 チャンスは作れていたが、ゴールは決まらない。

余裕を持った川崎は、田坂、森本、エドゥアルド・ネットを相次いで投入。
 少しずつ間延びしてきたため、オープンな展開となってくる。

87分、ネットから田坂へ縦パス。
 トラップで華麗に前を向いた田坂が、森本とのワンツーで抜け出してゴール。
 奇しくも、交代出場した3選手だけで、中央から崩し切った。

■summary
甲府は自陣に引きこもってワンチャンスを待つゲームプラン。
 しかし、失点を重ねてもプランを変えてこなかった。
 クリスティアーノが奮闘していたが、1人で趨勢は動かせない。

3点目を失ってから、攻撃に人数を掛けて押し上げてきた。
 ただ、3点差を30分で追い付くのは、かなり難しい。
 早い時間に失点したのは仕方がないが、同点を狙う姿勢をせめて見せてほしかった。
 あまりにも消極的で、4ゴールが決まりつつも、見どころが少なかった。


川崎は早くに先制点、次々に追加点が決まる理想的な展開。
 サイドは閉じられていたが、中央から果敢に攻撃した。
 ボールを持っても奪いに来ないので、ゆっくりしたペースをパスを回し、圧勝した。
 田坂やネットなど、テストの要素が強い選手起用も行うことができた。

次は代表ウィーク。
 ナビスコカップの予選が始まる。
 小林悠がフル代表、大島、奈良、原川がU23代表、ソンリョンが韓国代表に招集される。
 原川を除いたレギュラー4人が抜けるので、代わりの選手のプレーが楽しみ。

■goal
9,66中村憲剛(14) 25森谷賢太郎(19) 87田坂祐介(6)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 後半、すべてのシュートを止めきる。ハイボールをしっかりキャッチ。
エウシーニョ(18) 6.5 サイドは狭かったが、独特のリズムのドリブルで、中央を突いた。
奈良竜樹(3) 6.5 ボールに向かって出るところと引いて守る判断が的確。躊躇がなかった。
エドゥアルド(23) 7.0 ニウソンにきちっと競り勝った。トラップ良くパスも前に出す。
谷口彰悟(5) 6.5 ボランチの横で組み立てる。1アシスト。1年以上続くフル出場が途切れる。
大島僚太(10) 6.5 足首痛を抱えつつも、ショートパス、ドリブルでミスがなかった。
中村憲剛(14) 8.0 2ゴールともにゴラッソ。バランスを崩さずゲームをコントロールした。
森谷賢太郎(19) 6.5 バイタルでボールを受ける。完璧なトラップでゴールを決めた。
車屋紳太郎(20) 6.0 ウィングとしては役目が少なかった。3点差となってサイドを攻撃する。
大久保嘉人(13) 6.0 余裕がある展開で、流し気味だった。足を気にする姿が目立った。
小林悠(11) 6.0 復帰戦で動きはまだまだ。77分にGK1対1となったが決められなかった。

■sub
73(5)田坂祐介(6) 6.5 左ウィングでパスを引き出す。ゴールの1つ前のトラップは芸術的。
77(19)森本貴幸(9) 6.5 ハイボールやポストで頑張る。田坂のゴールを完璧にアシスト。
85(10)ネット(21) 6.0 公式戦デビュー。ボールロストはなかったが、位置取りは今ひとつ。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 6.5 選手交代は少し遅かったが、起用した3人がそれぞれ機能した。

■referee
佐藤隆治 5.0 試合結果に影響はなかったが、ファウルの判定が川崎に偏っていた。