2016/03/13

160312川崎3-2名古屋(J1 #3)

川崎3-2名古屋(等々力, 19:00KO, 16,513人)

湘南戦(J1 #2)に続いてのホームゲームは中6日。
 3月中旬の土曜日、19時キックオフ。
 16,513人と観客も少なく、寒くて厳しい環境だった。

先発には、湘南戦でサブだったエドゥアルドが入る。
 小林悠がインフルエンザの影響で、急遽欠場した。
  外れる予定だった森谷が先発メンバーに名を連ねた。
 エドゥアルドはLCBで出場する。谷口がRSBに回り、エウシーニョが1列上がった。

サブには橋本が今シーズン初めて入っている。

名古屋はここまで1勝1分で、川崎と同じ勝ち点4。
 他チームは第3節をすでに終えていて、勝ったチームが首位に立つ。

■1st half
序盤は川崎が攻勢に出る。
 2ボランチに対するマークが緩く、面白いようにパスがつながる。
6分、大久保のミドルレンジのパスから、エウシーニョが中央に切れ込んでゴール。
 パスワークで名古屋DFを揺さぶり、美しい軌道を描いたゴールだった。

その後も攻勢を続けるが、20分過ぎから名古屋が守備パターンを変える。
 中村と大島の2ボランチの間にFWが立って、パスコースを切る。
 ボランチがボールを持っても、フリーで受けられる選手が見つからない。
 前へのパスが届きにくくなり、シュートを打てない。

26分、ほとんど攻撃できなかった名古屋がワンチャンスを仕留める。
 FWシモビッチ(9)がポストで落として、MF松田力(38)がゴール。
 守備の人数は揃っていたが、広いスペースをカウンターで使われた。
 松田にはエドゥアルドが付いていたが、早いタイミングのシュートで寄せられなかった。

■2nd half
後半開始から、狩野に代えて森本を投入。
 森本が前線で動いて名古屋のラインを押し下げて、間延びさせる。
 ボランチも早く縦に入れることでプレスを外していた。

押し込む時間帯が長くなったが、そのぶん両SBは上がりっぱなし。
 攻撃は厚いが、カウンターにさらされると、人が少なく厳しくなった。

63分、MF永井謙佑(11)が左から中央にドリブルで切れ込んでシュート。
 谷口がドリブルに付き切れず、永井をフリーにしてしまった。

1点ビハインドとなって、69分、RCBの奈良に代えて中野を投入する。
 中野は左ウィングに入り、森谷が右ウィング、谷口がRCB、エウシーニョがRSBとなる。

75分の中村のCK。
 DF安田理大(33)が水を飲んでいて、スペースを空けてしまう。
 ショートコーナーから、中村がそのスペースを使ってセンタリング。
 GK楢崎正剛(1)を越えるボールを、大久保が頭で叩きこんで同点とする。
 楢崎はラインを割ったと強くアピールするが、映像では出ていないようにも見えた。
 ただ、安田のプレーは油断によるもの。残念だった。

80分、永井が1点目と同じように中央からシュート。
 ゴールネットを揺らしたが、松田がプレーに関与したとしてオフサイド判定。
 松田はGKソンリョンを倒したため、単純なファウルでもよかった。

84分にはスローインから森本が落として中村がミドルシュート。
 ゴール中央に向かい、バウンドしてコースが逆に動き、GK楢崎は止められず。

逆転された名古屋はセットプレー中心に力強く仕掛ける。
 惜しいチャンスは作るが、ロスタイムに井川を投入して逃げ切った。

■summary
名古屋はカウンターとセットプレー頼みの攻撃。
 つないでくることはなかったが、単純な攻撃であっても脅威を生み出した。
 FWシモビッチは高さだけでなく、ポストプレーも上手かった。
 動き回る永井、松田と役割が整理され、少ない人数でも効率的に攻めた。

川崎は試合開始からスムースにシュートまで持ち込めていた。
 前半途中でリトリートされたため膠着したが、後半に入ると再度、攻め続けた。
 押し込む時間が長く、両SBが高い位置まで進出したため、カウンターはCB2枚で守る。
 シモビッチの高さと永井のスピードを生かすロングボールへの対処で後手に回った。

加入して2週間のエドゥアルドが初先発し、谷口がRSBに回る。
 エウシーニョを1列上げたが、小林悠が欠場したため、前線は迫力を欠いた。
 後半、森本が入ると改善されたが、ゴール前の仕事は狩野には荷が重かった。

第3節終了時点で2勝1分で勝ち点7の単独首位。
 勝ち点6のチームが6つあるので、少しの差だが、うれしいこと。

■goal
6エウシーニョ(18) 75大久保嘉人(13) 84中村憲剛(14)
26松田力(38) 63永井謙佑(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 2失点ともに動けず。せめて飛びつきたい。46分、55分にビッグセーブ。
谷口彰悟(5) 5.5 RSBとしてパス交換に参加する。PA横からの右クロスは精度を欠いていた。
奈良竜樹(3) 5.5 シモビッチの高さに苦しみながら抑える。パスミスでカウンターを招く。
エドゥアルド(23) 5.5 高さで貢献する。松田のゴールは、寄せが甘くなってしまった。
車屋紳太郎(20) 6.5 左サイドから積極的に上がってチャンスに絡む。11分、ミドルシュート。
大島僚太(10) 6.5 62分、強烈なミドルがバーを叩く。マークに付かれても前にパスを出した。
中村憲剛(14) 7.5 1ゴール2アシストで勝利に導く。守備では大島に大きな負荷を与える。
エウシーニョ(18) 6.5 左足で先制ゴール。永井のカウンター対応でポジションを下げ気味。
森谷賢太郎(19) 6.0 ギャップに入って、ボールを引き出す。決定的な仕事はできなかった。
狩野健太(25) 5.5 最前線でボールは収めるものの、ゴールに向かうアイディアが少ない。 
大久保嘉人(13) 6.5 DFを剥がし、フリーで同点ゴール。少し下がりミドルパスを供給した。

■sub
HT(25)森本貴幸(9) 6.5 決勝アシスト。53分には決定機なシュートを楢崎に弾き出される。
69(3)中野嘉大(22) 6.0 ゴールに一直線に向かっていくドリブルを見せていた。
90(10)井川祐輔(4) 5.5 クローズ要員でボランチに投入。ファウルもするがバランスを保つ。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 田坂祐介(6) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 7.0 前半途中でいったん失速してしまったが、後半の選手交代で盛り返した。

■referee
村上伸次 6.0 イエローを早めに出したが、笛は抑制的に吹いていた。

■おまけ

試合終了後のアウェイ席。
緑色の柵がいくつか倒れている。
永井のゴールの際、サポーターが柵を越えてグラウンドに侵入して倒したもの。
喜ぶのはよく分かるが、最低限のルールは守ってほしい。

Jリーグ共通観戦マナー&ルール
「フィールドには、絶対に入らないでください。」