2018/08/02

180801浦和2-0川崎(J1 #19)

浦和2-0川崎(埼玉スタジアム, 19:00KO, 28,215人)

台風12号の影響で湘南戦(J1 #18)が開催中止(延期)となった。
 湘南戦があれば中3日だったが、長崎戦(J1 #17)から中9日と間隔が空いた。

長崎戦の先発から阿部がケガで外れ、左のWGには長谷川が入った。
 ベンチには森谷、齋藤が入り、下田が外れた。

浦和はJ1リーグ9位。
 第18節では首位の広島に勝ち、中3日。
 等々力での対戦(J1 #12)は、浦和が0-2で勝利している。

■1st half
川崎も浦和もボールを持つと相手をハーフコートまで押し込む。
 ただ、どちらかといえば、川崎がボールを持つ時間が長かった。

7分、浦和のショートカウンター。
 LSB車屋が上がって空いた右サイドに武藤雄樹(9)が走り込む。
 釣り出されたCB谷口が判断を誤り、武藤に抜け出されてからのクロス。
 CB奈良とRSBエウシーニョも戻り切れず、フリーの興梠慎三(30)がループでゴール。

失点した川崎は、15分あたりから立ち直る。
 押し込みながら、左、右、中央のスペースを使い分けて攻めていく。
 31分、37分と抜け出した小林悠が決定機を迎えたが、GK西川周作(1)が止めた。

■2nd half
浦和は5バック2ボランチで自陣を固める。
 暑い気候を踏まえて、プレスは控えめとして、体力を温存した。

川崎はパススピードを早めて、ボールを失ってもプレスを続ける。
 66分には小林悠がGKと1対1となったが、前半と同じように西川が防いだ。

浦和は押し上げが少なくなり、ロングボールをFWに当てるのみ。
 川崎は鈴木、知念、齋藤を次々に投入するが、局面を打開できなかった。
 かえって中村とエウシーニョが下がったことで、攻め手がなくなってしまう。
 ロスタイムには鈴木がPKを与え、2点目を失った。

■summary
小林悠は素晴らしい動きを見せて、31分、37分、66分と決定機を迎える。
 いずれも西川に防がれたが、あまりにもシュートが簡単すぎたのかもしれない。
 逆に西川は、小林の動きを最後まで見切って、シュートを身体に当てた。
 素晴らしいセーブを何度も見せてくれた。勝利の立役者といえる。

小林悠はクロスボールからも、18分、45+1分、85分にヘディングシュート。
 多くのチャンスがありながら、残念ながらゴールを決められなかった。

ボランチの守田と大島は、お互いを確認しつつ、補完的なポジションをとる。
 一方が動いて攻め上がると、一方が斜め後ろに下がって控える。
 後半になっても守田の動きが落ちることなく、バランスを保ち続けた。

今年のJ1リーグは、浦和に2敗のダブルを喫した。
 とはいえ、結果は出なかったが、多彩な攻撃パターンから決定機を作り出した。
 今後とも良い内容を維持し、勝ち点も積んでいきたい。

■goal
7興梠慎三(30) 90+1PKファブリシオ(12)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 86分、森脇良太(46)のシュートをストップ。失点は仕方がない。
エウシーニョ(18) 5.5 ドリブルで相手を呼び寄せて、攻撃にアクセントを加えた。
奈良竜樹(3) 5.5 ロングボールを跳ね返す。37分の小林へのラストパスなど、パスも及第点。
谷口彰悟(5) 5.0 7分、対応を逡巡して武藤の突破を許す。これ以外は良く守っていた。
車屋紳太郎(7) 5.5 短い間合いで対峙しても、後ろに戻さずに仕掛けていった。
大島僚太(10) 6.0 積極的に縦にパスを入れ、ロングシュートも狙う。ミスが少なかった。
守田英正(25) 6.0 フリーになってパスを受ける。55分の強烈なミドルはGK正面だった。
家長昭博(41) 5.5 キープ力を生かせなかった。58分のミドルはわずかにゴール右。
中村憲剛(14) 6.0 前からプレスを仕掛ける。よく追いかけ、よく走っていた。
長谷川竜也(16) 5.0 相手が5バックでスペースが少なかった。守備も戻りが遅かった。
小林悠(11) 6.5 秀逸な動きで数多くの決定機を迎える。ゴールは決められなかった。

■sub
57(16)鈴木雄斗(27) 4.5 ミスで攻撃を止めた。90+2分、レイトタックルでPKを与える。
70(14)知念慶(20) 5.5 82分、守田の縦パスをトラップしてそのままミドル。
78(18)齋藤学(37) 5.0 森脇のマークが厳しく、パスを受けられなかった。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 武岡優斗(17) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 5.5 内容は良かったが、結果を出せなかった。交代も奏功しなかった。

■referee
荒木友輔 6.5 丁寧かつバランスよく裁いた。

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2018/07/23

180723川崎1-0長崎(J1 #17)

川崎1-0長崎(等々力, 19:00KO, 22,221人)

札幌戦(J1 #16)に勝利して中3日。
J1リーグは第17節となり、長いシーズンの折り返しとなる。
初めての対決となる長崎を等々力に迎えてのホームゲーム。
19時キックオフだが、厳しい暑さが残る中での開催となった。














先発は札幌戦と同じ11人。
ベンチには武岡が入り、舞行龍が外れた。














長崎は2009年にJFL、2013年にJ2に昇格し、ついにJ1に初昇格。
ここまではJ1リーグで15位につけている。

■1st half
川崎は1タッチ、2タッチでプレーしていく。
特にバイタルでは、長崎の足が止まってしまうほど、素早くボールが回った。
バックパスが少なく、次々に前へのパスがつながった。

長崎は5バックで固めながら、カウンターを仕掛ける戦術。
ファンマ(9)と鈴木武蔵(11)がロングボールを競るが、チャンスは少ない。

川崎は4本のCK、中村の20分と40分のFKなど、ゴールに迫った。
決定機は少なかったが、その1つ前のところまで崩していた。

■half time
川崎市制記念試合で、恒例のYMCAショーが行われた。
西城秀樹氏は、今年からパネルでの参加。
過去のハーフタイムショーでの西城氏の映像とともに、ヤングマンが流れる。
赤い衣装のふろん太と一緒に、西城氏のパネルがオープンカーに乗る。
ピッチを一周して、ビッグフラッグが掲げられた。
今後も末永く、西城氏と一緒にヤングマンを歌いたい。














■2nd half
長崎は後半開始からギアを上げてきた。
プレスを強めて川崎を追い込み、大きく蹴らせて回収する。
ゆっくりとボールをつなぎ、全体を高く押し上げた。

川崎は、押し込まれた背後のエリアをカウンターで狙う。
小林がオフサイドラインから抜け出す動きを何度も見せる。

そして57分。阿部が手を使って田上大地(5)の動きを止める。
それでもファウルはなく、中村がボールを拾ってスルーパス。
抜け出した小林の1度目のシュートは、GK徳重健太(30)が弾く。
しかし、弾いたボールを拾った2度目のシュートは、きれいに決まった。

■summary
前半、川崎はパスワークが冴えてチャンスを作った。
長崎は引き気味に耐えながら、勝負を仕掛けるタイミングを伺う。

後半になると運動量が落ち、両サイド深く攻め込まれる。
1点をリードしてからは、ますますパスコースを作れず、ボールを失う。
クロスボールを跳ね返すのが精一杯となり、長崎の攻撃が続いた。

内容は良くなかったが、耐えて勝利することができた。
先発を1人も変えなかったことも、低調さの原因ともいえる。
途中出場した3人も札幌戦と同じだった。
厳しい暑さが続く中、コンディションを重視して選手を起用したい。

生命線であるパスワークのためには、ボランチがもっと動く必要がある。
これまでは、ネットが献身的にパスコースを作ってくれていた。
あらためて、彼の移籍の影響を大きく感じるが、改善していきたい。

■goal
57小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 58分に澤田崇(19)のシュート、83分の翁長聖(28)のクロスを防ぐ。
エウシーニョ(18) 5.5 62分に決定的なヘッドを放つ。守備に忙殺されていた。
奈良竜樹(3) 6.0 ファンマと競り合う。押し込まれても集中して守り続けた。
谷口彰悟(5) 6.0 後半は最終ラインを上げられず。割り切って中央を固めた。
車屋紳太郎(7) 5.5 仕掛けてからのクロスに精度を欠いた。34分、右クロスをシュート。
大島僚太(10) 6.0 厳しいマークを受けながらも、前を向いて縦パスを通した。
守田英正(25) 6.0 上下動を繰り返して、チームを動かす。ペース配分を向上させたい。
家長昭博(41) 6.0 10分、大島の縦パスをターンしてシュート。多くのクロスを入れる。
中村憲剛(14) 6.0 スルーパスを狙い続けた。53分、角度がないところから強いシュート。
阿部浩之(8) 6.0 14分のシュートはGKに弾かれる。後半は走り回って守備に奔走する。
小林悠(11) 6.5 決勝ゴール。長崎の最終ラインの背後を狙って駆け引きを続けた。

■sub
74(8)鈴木雄斗(27) 5.5 80分、90+2分とボレーシュートを放った。
85(14)登里享平(2) 5.5 ボールホルダーを追う。CKが続き、投入が5分ほど遅れた。
90(11)知念慶(20) 5.5 ポストプレーやコーナー近くでキープして時間を費やした。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 下田北斗(22) 長谷川竜也(16)

■coach
鬼木達 6.0 低調な内容だったが、交代策で守備を固めて勝利に導いた。

■referee
西村雄一 5.0 57分は阿部のファウルを取るべき。その判断で試合を決めてしまった。

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2018/07/19

180718札幌1-2川崎(J1 #16)

札幌1-2川崎(札幌厚別公園競技場, 19:00KO、10,711人)

天皇杯3回戦水戸戦(天皇杯 R64)を辛くもPKで勝って、中6日。
ワールドカップ中断を終えて、5月20日の清水戦(J1 #15)以来のJ1リーグとなる。

札幌ドームの天然芝を張り替えているため、厚別で開催。
猛暑に襲われる川崎とは違い、涼しいくらいの気候。
照明が仮設のためか暗く、遠くの選手の背番号は見えずらい。














先発は、テスト要素もあった水戸戦から3人変更。
奈良、大島、阿部が先発し、舞行龍、森谷、齋藤が外れた。
名古屋に移籍したネットのところに守田が入る。
現在考えられるベストの布陣。














札幌は今シーズンからミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任。
ここまでJ1リーグ5位。暫定3位の川崎とは勝ち点1差。
宮澤裕樹(10)とキム・ミンテ(20)が、前節退場して出場停止。
また、川崎からレンタル中の三好康児(41)は、契約上出場できない。

■1st half
川崎はパスをつないで押し込んでいく。
ただ、隣の選手へのパスが多いため、札幌を崩せなかった。
PAを中心に強固なブロックを築かれて、忍耐強く守られた。

ボールを奪うと札幌は、ジェイ(48)と都倉賢(9)にロングボールを入れる。
2人のポストプレーから、戻したボールを受けて2列目が縦に走り込む。
川崎の最終ラインのギャップをうまく突いていた。

先制点は42分。エウシーニョが左サイドからドリブルを開始。
パスフェイクを何度も見せ、DFが寄せるタイミングを作らせない。
中央まで進入してからのシュートを、GKク・ソンヨン(25)が弾き出せなかった。

■2nd half
1点リードした川崎は、余裕が生まれる。
1人飛ばしたミドルパスで札幌の足を止め、さらにスルーパスを狙う。

47分、51分とチャンスを迎えた小林が、52分に追加点。
PA内左側で守田からパスを受け、札幌のDFに囲まれながらシュート。
シュートはカーブを描き、ゴール右隅にきれいに決まった。

2点差となり、カウンター主体に移行してリスクを減らす。
ボールを失ったあとのプレスバックも早く、札幌に有効な攻撃を許さない。

72分と85分の家長のシュートはク・ソンヨンが防ぐ。
81分、登里のクロスから阿部が決定機を迎えたが、外してしまう。

90+5分、PA手前からの福森晃斗(5)のFK。
ソンリョンが辛くも弾いたが、都倉に蹴り込まれた

■summary
札幌はジェイと都倉にロングボールを入れる。
2人は競り勝っていたが、2列目以降の押し上げが少なく、攻撃は単発。
その分、守備への意識は高く、自陣のPAを空けることがなかった。
失点を防ぐことを優先しつつ、よい試合ができていたといえる。

GKク・ソンヨンは、エウシーニョのシュートを後逸して失点。
勝敗を分けた大きなポイントとなった。
しかし、後半には素晴らしいセーブを繰り返して、貢献した。

















川崎はショートパスで仕掛けても、なかなか崩せない。
エウシーニョのドリブルから先制すると、後半はパスワークが改善。
プレスを引きつけてから、縦にパスを入れてゴールに近づいた。

ワールドカップ帰りの大島は、抑え気味にプレー。
終盤に足を攣らせていたが、実戦を重ねてコンディションを戻したい。

2点差となってから、札幌に簡単にクロスを入れられた。
クロスを先に触られることが多かったが、シュートはソンリョンが防いだ。
90+5分まで失点しなかったことで、勝利することができた。

次は中3日でホーム長崎戦(J1 #17)。
ワールドカップ前よりは日程にゆとりがあるが、今後もミッドウィークの試合が組まれている。
選手をローテーションしつつ、よい内容で勝ち点を重ねていきたい。

■goal
90+5都倉賢(9)
42エウシーニョ(18) 52小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 後半、至近距離のシュートを何度も防ぐ。40分、パンチングが短くなった。
エウシーニョ(18) 6.5 GKのミスもあったが先制ゴール。守りでは戻りが遅れることも。
奈良竜樹(3) 6.5 ジェイと激しくマッチアップする。ハイボールを競り続ける。
谷口彰悟(5) 6.0 カウンターを粘り強く防ぐ。27分、都倉との1対1をブロック。
車屋紳太郎(7) 5.5 よく上がってはいたが、ドリブルで打開することができなかった。
大島僚太(10) 5.5 パスコースを作る動きは少ないものの、ミスはなかった。
守田英正(25) 6.0 大胆さと慎重さのバランスが良い。8分、レイトタックルでイエロー。
家長昭博(41) 6.5 右サイドで別格のプレー。終盤になって、3本のシュートを放つ。
中村憲剛(14) 5.5 運動量は少なかったが、要所で攻撃のスイッチを入れた。
阿部浩之(8) 5.5 精力的なランニングでスペースを埋める。81分、決定機を外す。
小林悠(11) 6.5 21分、51分と決定機を迎え、52分に技術的なゴールを決める。

■sub
77(14)登里享平(2) 6.0 守備を意識しつつ、81分、阿部にラストパスを供給。
82(8)鈴木雄斗(27) 5.5 右サイドでのパス交換をこなし、時間を費やした。
90+3(11)知念慶(20) 5.5 1トップに入る。プレー機会は少なかった。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 下田北斗(22) 長谷川竜也(16)

■coach
鬼木達 6.0 勝利を導く的確な采配だった。中村の交代はやや遅かったか。

■referee
家本政明 6.0 イーブンなジャッジ。接触プレーではファウルをあまりとらなかった。

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2018/07/12

180711川崎1(4PK2)1水戸(天皇杯 R32)

川崎1(4PK2)1水戸(ケーズデンキスタジアム水戸, 19:00KO, 3,058人)

ワールドカップ中断により、ソニー仙台戦(天皇杯 R64)から1か月ぶりの公式戦。
天皇杯3回戦は、J2の水戸とケーズデンキスタジアムでの対戦となった。

中断中、大久保が磐田(J1)、ネットが名古屋(J1)に移籍。
また、ワールドカップに参加(出場なし)した大島が、休養のためベンチ外となった。

先発には舞行龍、齋藤が入る。
舞行龍は4月18日の蔚山現代戦(ACL GL #6)、齋藤は5月5日のFC東京戦(J1 #13)以来の出場。
ネットの移籍、大島の欠場で手薄なボランチは、森谷と守田が組む。

水戸はJ2で14位。
土曜日に讃岐戦(J2 #22)に5-0と快勝し、中3日。
ただし、先発11人全員を変えて臨み、41歳のGK本間幸司(1)が先発する。
かつて川崎に在籍した松井謙弥(50)と木村祐志(10)は、讃岐戦に先発し、ベンチ外。

■1st half
川崎がボールを握って攻める。
4分、右CKの流れから、中村のふわりとしたクロス。
中央の谷口がジャンプせずに頭に当てたループが決まった。

その後も川崎がゆっくりとボールを動かしていく。
車屋と齋藤を中心に、左サイドをえぐりながら攻めていった。
11分にはエウシーニョが決定機を迎え、バーに当てる。

水戸はボールを奪えず、引いて守る。
4バック4ボランチをきっちり組み、リトリートしながら耐えた。

■2nd half
後半は、水戸が逆襲に転じる。
ボールを回しながら押し上げて、前線でポイントを作った。
66分に船谷圭祐(7)、72分に岸本武流(40)、80分にジエゴ(6)を投入。
それぞれが持ち味を発揮して、攻撃に彩りを添える。
川崎のCB2枚の横のスペースを突き、ゴールに迫った。

川崎はボランチがプレスを受けたため、パスのリズムを失う。
全体の動き出しが鈍く、セカンドボールを拾えない。
55分、63分、75分、82分、89分、90+2分と水戸に多くのシュートを許した。
ソンリョンが安定して防いでいたが、危ない時間帯が続いた。

それでも1点リードを保ったまま、90+3分。
船谷の右CKを冨田大介(17)が頭で合わせ、同点ゴールが生まれた。

■extra time
延長になると中盤が間延びして、カウンターの仕掛け合いとなる。
水戸が引き続き優勢で、94分に永坂勇人(44)、102分に宮本拓弥(15)が決定的なシュートを放った。

川崎も103分、知念とのワンツーからエウシーニョが決定機を迎える。
しかし、シュートはわずかに外れてしまう。
スコアが動かないまま、延長が終わった。

■penalty shootout
今シーズンから採用されたABBA方式のPK戦。
水戸の3番目、4番目が外し、辛くも勝利した。

 水戸 ○冨田大介(17) ○岸本武流(40) ×船谷圭祐(7)  ×齋藤恵太(49)
 川崎 ○知念慶(20)  ○下田北斗(22) ○中村憲剛(14) ○長谷川竜也(16) 

■summary
4分と早い時間に先制して、前半は思うような展開となった。
ただ、追加点を挙げられず、後半はパスワークを封じられる。

森谷と守田のボランチへのマークが厳しくなり、停滞してしまった。
交代の結果、最後は下田と谷口がボランチに入ったが、改善できない。
個の力でプレスを剥がすことができず、大島とネットの不在の影響の大きさを感じた。

水戸は前半を耐え凌いでチャンスを待ち、狙い通りの試合となった。
後半から延長前半にかけて、多くのシュートを放ち、川崎を追い詰めた。
大きなターンオーバーを行いつつも、高いクオリティを示した。
PKでの敗退という結果は残念だが、賞賛に値する内容だった。

川崎は勝ち上がったとはいえ、不安が残る内容。
さらに中村や家長、エウシーニョなどが120分のフル出場を強いられた。
来週からJ1リーグが再開されるが、良い内容を取り戻し、結果を追いたい。

■goal
4谷口彰悟(5) 
90+3冨田大介(17)


■judge
ソンリョン(1) 7.0 後半、シュートストップを繰り返した。失点は仕方がない。
エウシーニョ(18) 6.0 11分、103分と決定機を迎えるが、シュートは入らず。
舞行龍(29) 5.0 ミスから7分、55分に危ない場面を作る。寄せられる前にパスを出したい。
谷口彰悟(5) 6.0 4分に先制ゴール。大きなスペースを埋めてカウンターを防ぐ。
車屋紳太郎(7) 5.5 サイドからのクロス攻撃は不発。最後はCBに回った。
森谷賢太郎(19) 5.5 ポジションが周囲とかぶり気味。後半は運動量が落ちた。
守田英正(25) 6.0 前半はチームの中心となった。劣勢になったときこそ打開したい。
家長昭博(41) 6.0 フリーランとキープ力で牽引した。4分、119分にロングシュート。
中村憲剛(14) 5.5 1アシスト。ボールに触れる機会は少ないものの、ミスは少なかった。
齋藤学(37) 5.5 スペースがあればドリブルを仕掛けた。可能性は感じた。 
小林悠(11) 5.5 68分、中村のスルーパスを受けてシュート。見せ場は少ない。

■sub
58(37)長谷川竜也(16) 5.0 ドリブルで仕掛けようとはしていたが、抜けなかった。
70(11)知念慶(20) 5.0 ポストプレーで強さは見せたが、物足りなかった。
83(19)下田北斗(22) 5.5 素早く縦パスを供給した。114分、PA内からシュート。
98(25)登里享平(2) 5.5 守田の負傷で投入される。左サイドを落ち着かせた。

■bench
新井章太(30) 阿部浩之(8) 鈴木雄斗(27)

■coach
鬼木達 5.0 新戦力を試した。ただ、交代策は奏功しなかった。

■referee
飯田淳平 6.5 接触プレーが少ないこともあったが、適切に裁いた。

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2018/06/07

180606川崎3-2ソニー仙台(天皇杯 R64)

川崎3-2ソニー仙台(等々力, 19:00KO, 5,488人)

清水戦(J1 #15)から2週間半。
 J1リーグはワールドカップ中断期間に入っていて、その間に天皇杯2回戦が組まれた。


先発は清水戦から4人変更。
 GK新井、エドゥ、森谷、脇坂が先発し、GKソンリョン、奈良、大島、中村が外れる。
 日本代表に招集された大島を含めて、先発を外れた4人ともにベンチ外となった。

なお、脇坂はプロ初先発となる。
 途中出場した蔚山現代戦(ACL GL #6)に続き2戦目の出場。


ソニー仙台は、天皇杯1回戦でいわきFC(東北リーグ2部)に勝利した。
 JFLに所属して、今シーズンは5勝3分3敗で4位となっている。

■1st half
立ちあがりから圧倒的に川崎が攻めていく。
 ソニー仙台のプレスが緩く、すぐゴールに近づいた。
 1分に長谷川、10分に家長、15分に脇坂が決定的なシュートを打った。

ソニー仙台はチャンスを作れていなかったが、18分。
 丹代爽弥(27)がエドゥを吊り出して、右サイドの三浦祐希(2)に展開。
 三浦の早いクロスを、ゴール前で藤原元輝(17)が合わせて先制する。

さらに33分。
 森谷の緩いサイドチェンジを三浦が読み切ってインターセプト。
 そのままドリブルでゴールに迫り、新井のニアサイドを豪快に抜いた。

2点差となり、ソニー仙台に余裕が生まれ守りが安定する。
 川崎はタイトなパスを繰り返し、囲まれてボールを失った。
 39分に脇坂を下げて知念を投入するが、リズムは生まれなかった。

■2nd half
後半も引き続きソニー仙台がペースを握る。
 川崎はパスを回せず、低い位置でボールを与えてカウンターを浴びた。
 守備は高いラインを保っていたが、背後のスペースを狙うパスに対応できなかった。
 負けているのに、攻めるどころか失点を免れるのが精一杯だった。

しかし、52分。
 エウシーニョのスルーパスを家長が右サイド深くで受ける。
 家長がクロスを上げると、ゴール前でフリーの長谷川がヘッド。
 劣勢の中からゴールが生まれ、1点差となる。

59分にはエドゥを登里に代えて、車屋を左CBに回す。
 明らかに川崎の選手の判断が早くなり、パススピードが上がった。

ソニー仙台は守備の狙いどころを失い、プレスが効かなくなった。
 ずるずるとラインを下げ、左右に揺さぶられて陣形が崩れてしまう。
 66分にエウシーニョのミドルで同点となり、89分に家長がニアに決めて逆転した。

■summary
ソニー仙台は守ることなく、正面から川崎に立ち向かった。
 ほどよい距離感でパスを回し、早いタイミングで縦パスを狙ってきた。

18分にリードして、59分にエドゥが下がるまでの時間は、互角以上だった。
 最後は足が止まってしまい、川崎に逆転を許した。
 結果は出せなかったが、称賛されるべきパフォーマンスを見せてくれた。

GK瀧本雄太(32)は、多くの決定的なシュートを阻止した。
 彼の活躍がなければ、もっと点差は開いていたはず。
 DF田中龍志郎(20)もゴールが決まると、熱いパフォーマンスで盛り上げた。


川崎は決定機を決めきれず、2点のリードを許す厳しい展開。
 大島や中村、ネットが不在の中、パスの起点が足りなかった。
 危うく負けるところだったが、エドゥを外す采配から勝利を呼んだ。

次は7月11日の水戸戦(天皇杯 R32)まで間隔が空く。
 十分に休養を取り、再開後は良い内容の試合を期待したい。

■goal
52長谷川竜也(16) 66エウシーニョ(18) 89家長昭博(41) 
18藤原元輝(17) 33三浦祐希(2)

■judge
新井章太(30) 4.5 2失点とも反応が遅れた。3分、35分にシュートストップ。
エウシーニョ(18) 6.0 守備機会少なく攻撃的にプレー。66分、技術的なゴール。
谷口彰悟(5) 5.0 ラインを上げられなかった。8分、13分にCKにヘッドで合わせる。
エドゥアルド(23) 4.0 クリアボールをつなげず。ビルドアップも機能しなかった。
車屋紳太郎(7) 5.5 SBではいまひとつ。CBに回ってからは、チームを牽引した。
森谷賢太郎(19) 5.0 低い位置で組み立てる。3分、33分にロストしてピンチを招く。
守田英正(25) 6.0 目立つ活躍はなかったが、攻守ともにきちっと効いていた。
家長昭博(41) 7.0 10分、13分の決定的なシュートはGK瀧本にセーブされる。決勝ゴール。
脇坂泰斗(28) 5.0 戦術的な交代だったが、寄せられるとパスミスが目立っていた。
長谷川竜也(16) 6.0 左サイドからの仕掛けは不発。52分のゴールでチームを救った。
阿部浩之(8) 6.0 周囲を活かしながらミドルを狙った。73分、ポストに当てる。

■sub
38(28)知念慶(20) 6.0 シュートを何度も放ったが、GK瀧本に防がれた。 
59(23)登里享平(2) 6.0 判断良くドリブルで積極的に持ち上がった。
86(8)鈴木雄斗(27) 6.0 89分、流れたボールを追いかけて家長につなぐ。

■bench
安藤駿介(24) 武岡優斗(17) 下田北斗(22) 赤﨑秀平(9) 

■coach
鬼木達 6.0 2失点を喫したものの、交代策で逆転に成功。

■referee
榎本一慶 5.5 判定が厳しく、軽い接触でもファウルと判断していた。

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