2024/07/14

240710川崎1-3大分(天皇杯 R32)

川崎1-3大分(レゾナックドーム大分, 19:00KO, 4,056人)

4戦連続のドローとなった磐田戦(J1 #22)から中3日。
 天皇杯3回戦のスタジアムは、下位カテゴリのチームが優先される。
 そのため、大分(J2)のホームスタジアムで開催される。
 なお、2023年から昭和電工の社名変更に伴い、レゾナックドーム大分と名称が変わった。


先発は、磐田戦から大きく9人を変える。
 連続して先発するのは、大南と遠野の2人のみ。
 新たにGK上福元、瀬川、車屋、田邉、ヒカルド、山本、家長、山田新、山内が先発する。
 車屋は、昨年9月24日の湘南戦(2023 J1 #28)での左膝負傷から復帰する。

先発を外れた佐々木旭、瀬古樹、小林悠、マルシーニョの4人がベンチに回る。
 GKソンリョン、VW際、高井、脇坂、大島の5人は、ベンチ外となった。

ベンチには、新たにGK早坂と負傷離脱から戻ったエリソンが入った。


大分は、J2リーグで6勝10分7敗の14位。
 天皇杯2回戦は、鹿児島(J2)に勝っている。
 今季から、片野坂知宏が3年ぶりに監督に復帰した。

川崎との対戦は、2021年の天皇杯準決勝以来。
 川崎はJ1リーグとの2冠となる天皇杯連覇を狙ったが、PK戦で敗れた。
 211212川崎1(4PK5)1大分(天皇杯 SF)

■1st half
川崎はゆったりとボールを持つ。
 久しぶりの復帰となる車屋が、工夫しながらビルドアップを担った。

大分は5バック3ボランチで、ブロックを組んだ。
 プレスは控え目で、2FW伊佐耕平(11)と鮎川峻(21)も低い位置に構える。
 そして、しっかり守ってから、伊佐と鮎川を狙ってカウンターを仕掛ける。
 9分、茂平(16)の右からのラストパスを、保田堅心(26)がシュート。
 15分、保田がカウンターからミドル。
 20分、保田がドリブルして中央からミドル。

川崎はブロックの外側でボールを回すが、その内側を攻められない。
 家長が右サイドでキープするが、次の攻め手を探せない。
 ヒカルドのトリッキーなプレーで前進できても、すぐに穴を塞がれた。
 45+2分、山本の右CKを大南がヘッドで合わせたのが、唯一の決定機だった。

■2nd half
後半も同じように川崎がボールを持ち、大分が待ち受ける展開となる。
 ただ、大分の速攻を途中で止められなくなり、多くのチャンスを作られる。
 54分、松岡颯人(36)の左クロスを伊佐がシュート。

61分、カウンターから松尾勇佑(27)が右クロス。
 佐々木旭が触ってコースが変わり、オウンゴールとなった。
続いて63分、保田が車屋に寄せられながら力強くドリブルで運ぶ。
 そのままPA内まで持ち込んで、ゴールを決めた。
78分、PAまで戻ったマルシーニョが相手を倒してPKを与える。
 このPKを鮎川が決めて、3点差とされる。

89分、エリソンが1点を返したが、追い付くことは困難だった。

■summary
大分はコンパクトに整えられた5バック3ボランチで、しっかり守った。
 川崎がミドルシュートを狙えば、素早く寄せてカットする。
 ブロック内に入られてもスライドしながら複数人で囲み、シュートを許さない。
 そして速攻から次々と決定機を作り、後半3ゴールを奪った。
 トーナメントらしい戦い方を徹底することで、快勝した。


川崎はボールを持っていても、有効な攻撃手段がなかった。
 FWのポストプレーやサイドからのクロス、ポケットへの走り込みなどを試みた。
 しかし、選択肢が少ない中での仕掛けだったので、大分を崩せなかった。
 ブロックの外側で戸惑い続けて、精度の低いプレーでボールを失った。

天皇杯3回戦敗退は、東京Vに敗れた2022年以来2年ぶり。
 2022年はJ1リーグ3連覇を狙って、最終的に2位となったシーズン。
 そのため、天皇杯というタイトルを失った喪失感は大きかった。

しかし、今年は天皇杯に注力する余裕はない。
 敗退で空いた日程を活かし、J1リーグ残留に全力を注がなくてはならない。
 欲をいえば、9月にYBCルヴァンカップが始まるまでに、残留争いから抜け出したい。
 そうなって初めて、ACLEを含めたカップ戦2つを狙うことができる。

次は中3日でC大阪戦(J1 #23)。
 天皇杯でのターンオーバーを活かし、内容は悪くとも勝ち点を確保したい。

■goal
89エリソン(9) 
61OwnGoal 63保田堅心(26) 78PK鮎川峻(21)

■judge
上福元直人(99) 6.0 9分、保田との1対1をセーブ。3失点ともに止めるチャンスは少なかった。
瀬川祐輔(30) 5.5 RSBながら家長を追い越しPA内にも進出。49分、ヘッド。58分、シュート。
大南拓磨(3) 5.5 45+2分、51分、69分にCKをヘッド。縦パスを狙った。74分、股抜きを許す。
車屋紳太郎(7) 4.5 復帰戦。後半は体力的に難しく、2失点目では保田のスピードに突破される。
田邉秀斗(15) 5.5 36分、CKの守りで接触して倒れる。ピッチに戻ったが、脳震盪の疑いで交代。
ヒカルド(6) 5.5 独特のリズムで縦パスを入れる。31分、ヒールで相手を抜いてからラストパス。
山本悠樹(77) 5.5 8分、ミドル。22分、29分に山田新への縦パス。CKでは大南を多く狙った。
遠野大弥(17) 5.0 トップ下で左右に動き回った。19分、ミドル。休養させるべきだったかも。
家長昭博(41) 5.0 敵陣でのキープはできたが、その先までは攻められない。15分、パスミス。
山田新(20) 5.0 良い形ではパスを受けることができなかった。47分、GK1対1でニアを狙った。
山内日向汰(26) 5.0 22分、左から横断して右の家長へパス。ドリブルするスペースがなかった。

■sub
HT(15c)佐々木旭(5) 5.0 オウンゴールは仕方ない。サイドラインに沿ったパスを出した。
(c:脳振盪の疑いによる交代)
59(26)マルシーニョ(23) 4.5 77分、自陣まで戻るがPKを与える。左からの仕掛けも不発。
59(17)橘田健人(8) 5.5 65分、右サイドをカバー。81分、85分にアーリークロスを入れる。
68(77)小林悠(11) 5.5 エリソンに頭でつなぎ1アシスト。89分、オフサイドだったがボレー。
68(20)エリソン(9) 6.0 動きは重そうだったが、1ゴール。89分、PA左で佐々木旭に落とす。
68(6)瀬古樹(16) 5.5 攻撃を牽引しようとするが、荷は重かった。76分、ロングシュート。

■bench
早坂勇希(22) 

■coach
鬼木達 4.5 大分のブロックを崩す方策を指示できず。2失点後の3人同時交代は効果がなかった。

■referee
岡部拓人 6.0 接触プレーは少なかったが、分かりやすい判定を続けた。

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AT+3+7