広島2-1川崎(エディオンスタジアム広島, 14:00KO, 19,751人)
ミッドウィークの天皇杯3回戦京都戦(天皇杯 R32)を挟んで、アウェイ広島戦。
中2日と厳しい日程だが、先発は京都戦とまったく同じ。
GK西部はJ1リーグでは5月にケガして以来の復帰となる。
広島も天皇杯をこなしているが、ターンオーバーを行っていた。
ホーム(J1 #10)での対戦は、開始3分のFWドウグラス(9)のゴールで負けている。
先制して守りに入る広島を崩せないまま時間が経過した凡戦だった。
■1st half
連勝中の川崎は、引き続き攻撃が機能する。
大島、中村からバイタルに向けてパスが通る。
人数をかけて守る広島のペナルティエリア内に入り込む。
ミドルシュートなどで揺さぶりながら、21分の小林のヘッド、35分の大久保のGK1対1など、何度も決定機を作るが、ゴールは決まらない。
広島はカウンター主体の攻撃。
人数も掛けてこないので、怖さを感じなかった。
■2nd half
50分、広島のFKからの混戦で、MF柴﨑晃誠(30)が右足でミドル。
ゴール右上にすごいスピードで決まるゴラッソだった。
1点をリードされてから、川崎はゴールに向かうスピードが上がる。
トリッキーなプレーが多くなって、ボールロストが増える。
前に出ている中村が戻りきれず、残った大島の左右のスペースを使われた。
最終ライン3枚がゴールを許さなかったが、危ないシーンが続く。
前半のように落ち着いて組み立てれば、広島を崩せたと思うが、焦ってしまった。
敗色が強くなってきた80分、大久保がミドルシュート。
GK林卓人(1)がコースを見誤って、逆方向に動いてしまい、同点ゴールが生まれる。
さらに勝ち越しを狙うが、失点のリスクを考えない攻撃は変わらず。
連戦の疲れもあって、バイタルでスプリントを繰り返した大島が疲弊する。
ロスタイム。ゴール前の大島のクリアボールが小さくなる。
投入されたばかりのMF山岸智(16)が拾ってシュート。
土壇場でゴールを決められてしまった。
■summary
奇しくも川崎在籍経験のある2人にゴールされた。
川崎では出場機会が少なかった2人だけに、強豪チームでの活躍は嬉しい。
前半に多く作り出した決定機を決めることができなかった。
後半失点すると、自分からバランスを崩してしまった。
結果は出なかったが、内容は悪くなかった。
いつもなら崩すことができない広島の守備陣を打ち破っていた。
後半の戦い方には疑問が残る。
前半の攻め方を繰り返せばよかったのに、あえてバランスを崩した。
左サイドの選手を3人交代させたが、機能しなかった。
ケガ明けの田坂から杉本への交代はともかく、車屋の投入は意図が分からない。
中野を下げるのではなく、森谷を選ぶべきだった。
前に出たがる中村が守備に戻らない状況だったので、山本を入れることも良かったかと思う。
今年のJ1リーグも残り3試合。
年間3位の可能性も少しだけ残るので、勝ち点を積んでほしい。
■goal
50柴﨑晃誠(30) 90+1山岸智(16)
80大久保嘉人(13)
■judge
西部洋平(21) 5.5 果敢な飛び出しは良かったが、リスタートは不安定だった。
武岡優斗(17) 6.0 柴﨑にボールを持たれたが、カウンターを含めて凌いでいた。
谷口彰悟(5) 6.5 ボランチの支援が少ない中、何度もカウンターを跳ね返した。
小宮山尊信(8) 6.0 MFドウグラス(9)に対して粘り強い守備で仕事をさせなかった。
大島僚太(16) 6.0 前へのパスが積極的。ロスタイム、クリアが小さく山岸のゴールを許す。
中村憲剛(14) 5.0 後半、バイタルを空けてしまう。広島のカウンターを勢いづかせた。
エウシーニョ(18) 5.5 前半、ゴール前でボールに絡む。サイドでのプレーは今ひとつ。
中野嘉大(22) 6.0 ドリブルを警戒されてファウルで止められた。パスでも崩した。
小林悠(11) 6.0 21分の決定機は決めたかった。後半になると動き出しが少なくなった。
大久保嘉人(13) 6.5 パス、シュートで攻撃を牽引。ゴールはGK林のミスから生まれた。
田坂祐介(35) 5.5 53分のシュートは当たらず。動いてはいたがボールが来なかった。
■sub
64(35)杉本健勇(9) 5.0 トラップが大きく、ボールが収まらなかった。
77(22)車屋紳太郎(20) 5.0 左サイドの攻撃的な役割だったが、機能しなかった。
90(8)森谷賢太郎(19) 5.5 時間が短く、プレー機会が少なかった。
■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 山本真希(6) マイア(10)
■coach
風間八宏 5.0 左サイドで3人交代させたが、機能せず。後半、崩れたバランスを修復しなかった。
■referee
中村太 6.5 偏りが少なく、抑制の効いた良いジャッジだった。