広島0-1川崎(エディオンスタジアム広島, 14:00KO, 18,120人)
2016シーズンのJ1リーグ開幕戦はアウェイ広島戦。
エディオンスタジアムでは、2年連続でロスタイムに決勝ゴールを決められている。
140308広島2-1川崎(J1 #2)
151017広島2-1川崎(J1 #31)
広島にとっても、J1リーグの開幕戦。
ただ、G大阪とゼロックス・スーパー・カップ、山東魯能とACLを戦っていて、公式戦3試合目となる。
天候は雨。
午前中は降っていなかったが、試合開始前に激しくなった。
エディオンスタジアムの屋根は、メインのみで小さい。
2月開幕の影響で寒く、観戦するには厳しい環境だった。
先発メンバーは沖縄キャンプ終盤の主力組のまま。
新戦力では、GKチョン・ソンリョン、奈良、狩野が先発。
昨年の後半は3バックだったが、4バックとなった。
サブには原川、長谷川、森本が入る。
なお、ベンチ外だったが、三好が帯同していた。
■1st half
川崎は縦に早い攻撃を仕掛けていく。
広島が固く締めていた中央から、愚直に突破を図る。
中村と大島へのプレスが遅いため、フリーでボールを持てた。
森谷と狩野が受け手となって、縦パスで打開する。
PA内に侵入し、何度もいい形の攻撃ができた。
広島はMF森﨑和幸(8)とMF青山敏弘(6)から両サイドハーフにボールを供給。
川崎のSBはライン際に引っ張られるが、間延びせず対応できていた。
前線のチェイスに合わせて最終ラインを上げ、スペースを与えなかった。
広島は前半だけで7本獲得したCKからチャンスを作る。
19分、MF茶島雄介(25)のCKをDF佐々木翔(19)が頭で合わせる。
至近距離からの決定的なシュートだったが、ソンリョンが落ち着いてセーブした。
40分すぎからは、広島が立て続けに攻撃。
42分にMF柏好文(18)、43分に森﨑、44分に佐々木、45分にFW佐藤寿人(11)がシュート。
いずれも危なかったが、失点せずに前半を終える。
■2nd half
後半、広島は大島と中村へのプレスを強める。
自由が失われるが、56分には車屋とのワンツーから大島がPA内でシュート。
58分、車屋がオーバーヘッドでループシュートするも、GK林卓人(1)にかき出される。
大久保が下がってボールを受け、何本もミドルを放つなど、チャンスを作った。
ただ、決定機は広島が多く作り出す。
61分、MFミキッチ(14)の右クロスをフリーでMF柴﨑晃誠(30)がシュート。
72分には、MF清水航平(16)の左クロスをFW浅野拓磨(10)がヘッド。
いずれも外れたが、サイドへの展開が早く、最終ラインが崩された。
川崎は両SBが同時に上がり、後ろにスペースが大きく空いていた。
風間監督は早い交代を仕掛ける。
68分に狩野から中野、72分には森谷から森本を投入する。
そして84分。森﨑からのパスをトラップした青山から、中村がボールを奪う。
森本、大島、大久保とボールがつながって、左の中野へ。
中野がPA内でドリブルを仕掛け、マイナスのクロス。
小林がその場にとどまることでマークを外してゴール。
ロスタイムを含め、残り10分を危なげなく過ごし、開幕戦での勝利を飾った。
■summary
広島はサイド攻撃で決定機を作るが、シュートを外した。
1週間で3試合をこなし、後半は最終ラインの運動量が少なくなった。
川崎は決定機を作れない中、小林が決めた。
内容的には紙一重で、逆の結果でもおかしくはなかった。
それでも、昨年のJ1王者広島と互角にプレーできた。
守備では奈良が谷口と一緒に最終ラインを統率した。
どちらかがボールに向かえば、残った方が指示を出す。
ハイボール対応も含め、谷口がカバーするエリアが限定され、守備の安定性は増した。
GKチョン・ソンリョンは素晴らしかった。
カウンターを仕掛けられているときのポジションが適確。
押し込まれる時間帯でも落ち着いていた。
シュートへの反応も良く、強く正確なパスも出せる。
ワールドカップに2回出場している能力を感じさせた。
もしかすると、最高の補強となるかもしれない。
■goal
84小林悠(11)
■judge
ソンリョン(1) 8.0 19分の佐々木、49分の柴﨑と至近距離のシュートを止める。43分の森﨑のループをはじく。すべてに素晴らしかった。
エウシーニョ(18) 6.0 右SBで攻撃は自重して守りに戻った。交代出場の清水への対応は後手に回った。
奈良竜樹(3) 7.0 巧みなラインコントロールと球際の強さを見せる。パス出しも悪くはない。
谷口彰悟(5) 7.0 奈良と相互に助け合い負担が軽減された。ビルドアップでボランチを助ける。髪色が白くなり、目立った。
車屋紳太郎(20) 6.0 ワイドに開くミキッチに苦しむが、効果的なクロスを出させなかった。
大島僚太(10) 6.5 前への意識が強く、走り回った。56分、車屋とのワンツーからシュート。
中村憲剛(14) 6.5 前半はマークが緩く自由にプレー。守備ではバランスを崩さなかった。
森谷賢太郎(19) 6.5 献身的にスペースに走り込んだ。27分には右から小林にクロスを供給。
狩野健太(25) 6.0 ボランチから引き出して組み立てる。CKも含めて十分な内容だった。
大久保嘉人(13) 6.5 中盤に下り、ボールをもらって何度もミドルシュートを放った。
小林悠(11) 7.0 27分、ヒールで技巧的なシュート。84分、GK林の顔に当てて決勝ゴール。
■sub
68(25)中野嘉大(22) 7.0 中に向かって仕掛けるドリブルは効果的だった。決勝アシスト。
72(19)森本貴幸(9) 5.5 相手DFとガチガチやりあう。先制点はニアに入りDFを引き寄せた。
90+3(11)田坂祐介(6) 5.5 先制点が入って交代がいったん見送られる。ロスタイムに投入。
■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 原川力(15) 長谷川竜也(16)
■coach
風間八宏 7.5 交代枠を効果的に使って結果を導いた。
■referee
西村雄一 6.5 必要最小限の笛でレヴェルの高いゲームを適確にコントロール。
ふろん太も広島遠征。旅費を借りたカブレラのお財布を首から下げて。
後半途中から、雨は上がった。試合後には晴れ間も。