浦和1-1川崎(埼玉スタジアム, 14:00KO, 46,597人)
鹿島とG大阪のナビスコ杯決勝を挟み、2週間ぶりのJ1リーグ。
川崎は2連敗してタイトルやCSへの出場可能性を失い、消化試合となった。
1stステージで優勝した浦和は年間でも2位。まだまだシーズンが続く。
等々力(J1 #5)では、終了間際に追いつかれ、1-1でドローだった。
川崎は大久保を出場停止で欠き、船山が久しぶりの先発。
田坂もケガでベンチスタートとなって、森谷がボランチに入る。
小宮山に代って車屋、西部に代って新井が出場。
前節横浜FM戦(J1 #32)から4人が入れ替わった。
ベンチには田坂が入ったが、杉本、マイアが外れて、攻撃的な駒が少ない。
■1st half
浦和は川崎の最終ラインまで素早いプレスをかける。
パスコースをしっかり切り、追い込んでボールを奪う。
攻撃はGK西川周作(1)からのロングボールでサイドに展開。
三角形のダイレクトパスを駆使して崩してくる。
ボールを保持しながら、ハーフコートになるまで押し込んできた。
川崎はプレッシャーを受けるとパスをつなげない。
ただ、ボランチが前を向くことができれば、その先は自由にプレーできた。
大島と森谷がいい距離を保っていて、その前の中村とパスをつなぐ。
10分、MF関根貴大(24)の右サイドからのクロスがゴール前を流れる。
20分、DF槙野智章(5)がフリーでミドルシュートするなど、決定的な場面を作られる。
ただ、失点はあっけないミスから。
29分。GK西川からのロングボールをFWズラタン(21)が流して、FW興梠慎三(30)がゴール。
興梠をマークしていた谷口が、ボールに行くか人に行くか迷ってしまい抜け出された。
川崎も44分、同点に追いつく。
中村からのパスを大島が左足で止めて、ステップなしで右足でパス。
森谷がゴールに背を向けてボールを受けてからターンする。
ボールカットを狙った槙野を完全に抜き、美しいミドルがゴール右上に決まった。
■2nd half
後半開始から、船山を下げて田坂を投入する。
田坂がサイドや中盤でポイントを作り、攻撃の幅が広がる。
浦和は全体的にプレスが弱まってきた。
MF柏木陽介(8)がケアする範囲が広すぎて、川崎のパスを遮断できない。
攻撃の際にもボールを受けに顔を出す人が減ってきた。
お互いに速攻でゴール前までボールを運ぶ展開。
時間が進むにつれて、決定的な場面が増える。
83分、MF梅崎司(7)がバーを叩くミドル。
85分と90分の2回、田坂がGKと1対1になったが、ゴールは生まれなかった。
試合が終わると、浦和の多くの選手がピッチに倒れ込んだ。
疲れていたとも思うが、勝ち点1という結果の重みが両チームで大きく異なっていた。
■summary
ドローに終わった結果は妥当。
前半は浦和、後半になると川崎がペースを掴んだ。
全体的に見れば、川崎の方が多くの決定機を作り出せていた。
浦和の選手の疲弊を誘い、空いたスペースを使ってチャンスを生んだ。
ただ、興梠に対するマークミスで失点してしまうなど、試合運びの拙さは相変わらず。
どちらのチームも攻撃的な姿勢を最後まで貫いた。
西川、槙野、柏木のトラップとパスの技術が素晴らしく、見ていて飽きない。
終盤になり速攻が増えて、中盤での組み立てが省略されたが、楽しいゲームだった。
■goal
29興梠慎三(30)
44森谷賢太郎(19)
■judge
新井章太(30) 6.5 54分、MF武藤雄樹(19)のシュートを止める。配球のリズムが良かった。
武岡優斗(17) 6.0 PAの外まで吊り出されつつ、よく守った。50分に自陣でボールロスト。
谷口彰悟(5) 6.0 失点シーンを含め10分ほどミスが続くが、これ以外はカウンターを封じた。
車屋紳太郎(20) 6.0 攻撃でアクセントを付ける。26分、PA内での決定的なシュート。
大島僚太(16) 6.5 アシストを含め、高い技術で至近距離のマークを剥がして前に進んだ。
森谷賢太郎(19) 7.0 素晴らしいターンから同点ゴール。ボランチとして攻守に機能した。
エウシーニョ(18) 6.0 広い範囲をドリブルで進んでいく。78分のシュートは外した。
中野嘉大(22) 6.0 シュートチャンスを多く迎える。73分にはドリブルで中央突破した。
中村憲剛(14) 6.0 バイタルでボールを持てた。予測できない攻撃的なパスを繰り出す。
小林悠(11) 5.5 動きはよかったが、チャンスにあまり絡めなかった。負傷交代。
船山貴之(15) 5.5 前半のみ出場。37分、大島のラストパスをPA内でトラップできず。
■sub
HT(15)田坂祐介(35) 6.5 投入されてから攻撃が活性化した。2度の決定機を外す。
65(11)小宮山尊信(8) 5.5 小林の負傷により急遽投入される。浦和のカウンターをケアした。
■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 登里享平(23) 山本真希(6) 橋本晃司(7)
■coach
風間八宏 5.5 ベンチに置いた攻撃的な選手が少なかった。交代枠を1枚残す。
■referee
村上伸次 6.0 少しだけ判定がバラついたが、好ゲームをきちっと裁いた。