2016/05/09

160508柏1-3川崎(J1 #11)

柏1-3川崎(日立台)

前節仙台戦(J1 #10)に引き分けて中3日。
1試合消化が少ない浦和と勝ち点1差(実質では4差)の2位。

13時キックオフ。
風はなく、屋根がない日立台は晴れて暑い。
ピッチにはたくさん水を撒いていた。

先発は仙台戦から3人が変わる。
柏からレンタル中のエドゥアルドは契約上出場できず、車屋が左CBに入る。
また、谷口、森谷がベンチスタート。
ネットが鳥栖戦(J1 #6)以来2度目の先発で、三好はJ1リーグ初先発。

柏はYNC2試合を含めて7連勝中で、J1リーグ4位。
直近の3試合はいずれも2対0で勝利している。
最後に失点したのは、4月20日のYNC川崎戦(YNC GL #4)。
ネットのヘディングでの同点ゴールまで遡る。

■1st half
柏はプレスに来るが、ボールを奪えない。
前線から中盤まで連動して追っても、ドリブルでパスコースを作られる。
川崎はゆっくりしたパスでプレスを誘っては、ダイレクトで外す。
個の力で少しずつ柏を剥がしていった。

ネットと大島のボランチがフリーでボールを持つ。
右SBの増嶋竜也(5)の位置取りが中途半端で、三好と登里に崩された。

15分、PA内からの増嶋のクリアをネットが拾う。
そのままドリブルで持ち込み、シュートフェイクでDF中山雄太(29)を滑らせる。
次のタイミングでは増嶋が寄せたが、中山が抜かれたので詰め切れない。
ゴール右隅に美しいゴールを決めた。

まったく攻撃できなかった柏は30分。
DF山中亮輔(6)のFKを、DF中谷進之介(4)が低い体勢からヘディングでゴール。
中谷はオフサイドのようにも見えたが、副審の旗は上がらなかった。
なお、この副審は、続く32分にもラインをまたいだロングスローを見逃している。

川崎は終始押し込んだが、セットプレーで同点に追い付かれた。
柏はプレスが効かず、全体的に間延びした状態を強いられ、守勢に立った。

■2nd half
後半開始から三好を交代させる。
谷口を左SBに入れて、登里を1列上げる。
仙台戦では交代策が奏功しなかったが、この試合では成功した。

48分、谷口が上がって左からクロス。
PA内中央で登里がフリーで待ち構えるが、滑ってしまう。
倒れてスルーした形となり、エウシーニョがシュートするがDFに当たった。

52分、中村がPA内に向かって縦にスルーパス。
エウシーニョがライン際で追い付いてマイナスのクロスを上げる。
ゴール前中央でフリーの大久保が頭で流し込んでゴール。
柏は完全に崩されていたものの、大久保のマークに誰も行かずに失点した。

続いて55分。
カウンターから中村が左サイドの大久保にパス。
大久保は2人のDFを引き付けてから、右サイドの小林に浮き球でパス。
小林がダイレクトで芸術的なボレーをゴールに突き刺した。
中央にいた中山は、マークに行かずに小林をフリーにしてしまった。

59分、柏は増嶋に代えてMF茨田陽生(8)を投入する。
ボールをもらうために下がっていたMF大谷秀和(7)の役割を茨田が担う。
大谷が前でプレーする機会が増えて、チャンスを作りだした。

2点差となって、川崎はペースを落とす。
両ボランチにマークが付くようになり、ボールをもらう動きが鈍る。
柏のプレスが効きはじめ、蹴らされることが多くなった。
ラインを上げられずに自陣に押し込まれたが、そのまま逃げ切った。

■summary
柏は全体的にプレスが緩かった。
気温が高く、走り続けることは難しく、川崎に翻弄された。
それでも茨田が入ると改善しただけに、2点差までベンチが動かなかったことが悔やまれる。
また、YNCで決勝ゴールを決めたMF武富孝介(15)が欠場したことも川崎に有利に働いた。

川崎はネットが積極的にボールを受けた。
持ちすぎることも少なく、シンプルに次のプレーにつなげていた。
大島はほとんどボールを奪われず、前に向かってボールを出せていた。
エドゥアルドの欠場も、車屋が十分に補った。

前半、セットプレーで同点とされたが、後半、たたみ込んで突き放した。
2点差での勝利という結果は、内容に見合ったものだった。

首位の浦和も勝ったため勝ち点差は同じまま。
次節は中5日でホーム神戸戦。
暑くなってきたため、きちっとコンディションを整えたい。

■goal
30中谷進之介(4)
15エドゥアルド・ネット(21) 52大久保嘉人(13) 55小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 59分、ゴール前の混戦でディエゴ・オリヴェイラ(11)のシュートを止めた。プレー機会は少なかった。
エウシーニョ(18) 6.5 積極的に攻撃に参加した。52分、完璧なクロスでアシスト。
奈良竜樹(3) 7.0 対人の強さを発揮し、ハイボールも対処。守備の中心となって奮闘した。
車屋紳太郎(20) 6.5 スピードを生かしてディエゴ・オリヴェイラをマーク。破綻なく守り切った。
登里享平(2) 6.0 左サイドで何度もいい形でボールを持ったが、クロスの精度を欠いた。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 何度も動き直してボールを受ける。15分、J1初ゴールを美しく決める。
大島僚太(16) 6.5 プレスを軽々とかわしてチャンスを作った。3分のミドルシュートはGK中村航輔(23)に弾き出される。
中村憲剛(14) 6.5 2点目3点目の起点となるパスを出した。74分のイエローは軽率。
小林悠(11) 6.5 55分のボレーは素晴らしい弾道だった。85分、PA内まで戻って守備。
三好康児(26) 5.5 J1リーグ初先発。30分までは良かったが、その後ミスが目立った。前半で交代。
大久保嘉人(13) 7.0 1ゴール1アシスト。DFとの駆け引きでフリーになるのが早かった。

■sub
46(26)谷口彰悟(5) 5.0 左SBに入る。62分にMF伊東純也(14)に1対1で抜かれるなど不安定だった。
77(2)森谷賢太郎(19) 5.5 短い時間だったが、走ってプレスをかけて時間を稼いだ。
90+4(13)原川力(15) 5.5 ケガからの復帰戦。ほとんどプレーに関与しなかった。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 7.0 仙台戦の停滞感を選手起用で払拭させた。特にネットと車屋が良かった。

■referee
佐藤隆治 6.0 的確なジャッジで好ゲームを導いた。イエローの判断はブレが見られた。