2017/12/03

171202川崎5-0大宮(J1 #34)★

川崎5-0大宮(等々力, 14:00KO, 25,904人)

J1リーグ最終節はホームで大宮と対戦する。
1位鹿島とは勝ち点2差の2位。
得失点差は上回っているため、川崎が勝ち、鹿島がドロー以下であれば逆転できる。
3位C大阪とは勝ち点6差で、2位以上はすでに確定している。

ACL決勝のため変則日程となった浦和戦(J1 #33)から中2日。
先発はG大阪戦(J1 #32)、浦和戦と3試合連続して同じ。
ベンチも浦和戦と変わらない。














大宮はJ1リーグ17位で、J2への降格が確定している。
ただ、来シーズンからはJ1リーグ16位17位の降格チームもルヴァンカップに出場できる。
18位新潟と勝ち点で並んでいるため、YLC出場権がかかっている。

アウェイでの開幕戦(J1 #1)は0-2で勝利した。
その後、川崎OBの伊藤彰が監督となるが、等々力に凱旋する前に解任された。

■1st half
1分、川崎が先制する。
中村からボールを受けたエウシーニョが、ドリブルで持ち上がる。
中央でDFを引き寄せてから、左の阿部にパスを届ける。
奥井諒(19)が阿部に寄せ切れず、小さなモーションからミドルを決めた。

大宮はいきなり失点したが、落ち着いて攻めていく。
守備では自陣深く押し込まれるが、ボールを奪ってから素早く前に運ぶ。
7分に瀬川祐輔(44)、21分にマルセロ・トスカーノ(33)、30分に茨田陽生(40)がシュート。
いずれも大きく外れたが、CKも4本獲得していて、悪くはなかった。

川崎はリズムカルにボールを回していった。
ワンタッチで縦に入れることが多く、狭いスペースを攻略していく。

45+2分には追加点。
阿部が左サイドで家長に縦パスを送って、家長がマイナスのクロス。
ふわっとしたボールを中央で待ち受ける小林がヘッドで決めた。
PA内の大宮のDFは、クロスを眺めるだけで、小林をフリーにしてしまった。

■2nd half
後半になっても川崎は華麗なパスワークを繰り広げる。
次々に動きながら、簡単にシュートシーンを作っていった。
ボールを奪われてもプレスが早く、大宮に長くボールを持たせない。

60分、家長が再び左サイドから早いクロスを入れて小林がゴール。
GKとDFの間をきれいに通した美しいアシストだった。

3点差となり、川崎が少しペースを落とす。
大宮がパスをつなげるようになり、攻勢に出てきた。
69分、マテウス(16)のミドルは、ソンリョンがキャッチ。
70分、トスカーノのクロスを受けた和田拓也(22)のシュートはポストに当てる。
前半よりもゴールに近づいたが、決めることはできなかった。

80分、PA内の車屋が中村からのパスを受けたところを瀬川が倒してPK。
厳しい判定だったが、小林がPKを決めてハットトリック達成。
90+6分には長谷川がカウンターで5点目を決めた。

■summary
勝たなくてはならない試合。
体力的にも中2日で厳しい状況だったが、圧勝した。
パスワークも単につなぐだけでなく鋭く攻撃的。
ボールを失っても、すぐに戻ってプレスを仕掛けていった。
美しいサッカーを展開して、結果を出した。

3点差となってからは、ペースを落として大宮にボールを持たせる。
体力を温存しながら、うまく時間を進めていった。
状況に応じて緩急を付ける試合運びも素晴らしかった。

大宮は良いプレーがないわけではなかった。
しかし、PA内まで攻め込まれることが多く、簡単に川崎のFWにマークを外された。
正直にいえば、勝ち点を得ることは極めて難しかった。

J2から昇格した昨シーズンは、J1リーグ5位と健闘したが、2年間でJ2に降格。
最下位18位に落ちたことで、ルヴァン出場権も失った。

■champions★
首位鹿島がドローに終わり、年間勝ち点72で並び、得失点差で上回った。
最終節で逆転し、川崎はJ1リーグを初めて制覇した。
1999年、2004年のJ2リーグ優勝に続き、3度目のタイトルを獲得。















シーズン序盤、エウシーニョ、エドゥアルド、家長、舞行龍が長期離脱。
4月には甲府戦(J1 #6)札幌戦(J1 #7)清水戦(J1 #8)と3連続ドローのあと、C大阪戦(J1 #9)で敗戦。
戦力が整わない中、苦しみながらも勝ち点を拾っていった。

J1リーグでは4敗したが、最後に負けたのは7月29日の磐田戦(J1 #19)
8月以降の15試合は、11勝4分で終えた。
さらにルヴァンカップ決勝(YLC Final)の敗戦後、最後の3試合を3連勝。
34試合で得点71、失点32。
1試合当たり2点以上得点し、失点は1点以下だった。
小林がキャリアハイの23ゴールを決め、得点王となった。















天皇杯はすでに敗退しているため、今シーズンが終了。
2018シーズンは6度目のACLに加え、ゼロックス・スーパー・カップに初出場する。

■goal
1阿部浩之(8) 45+2,60,81PK小林悠(11) 90+6長谷川竜也(16) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 左足でのキックは安定。90分、カウエ(37)のヘッドを掻き出す。
エウシーニョ(18) 6.0 先制アシスト。攻撃は積極的だったが、守りは後手に回った。
奈良竜樹(3) 6.5 7分、フィードミスでシュートを許す。しっかり守り、ロングボールも供給。
谷口彰悟(5) 7.0 状況に合わせた守備の選択が素晴らしかった。もちろんパスも完璧。
車屋紳太郎(7) 6.5 左サイドからクロスを何度も供給する。70分、PKを獲得。
大島僚太(10) 6.5 プレッシャーが少ない中、ドリブルを交えて中盤を支配した。
ネット(21) 6.5 パスコースを作る動きを続ける。縦への突破は成功しなかった。
家長昭博(41) 7.5 左にポジションを移してクロスで2アシスト。右クロスも良かった。
中村憲剛(14) 6.0 周囲を走らせながら試合を握った。42分、車屋のクロスをヘッド。
阿部浩之(8) 6.5 久しぶりのゴールは価値ある先制点。72分の決定的なヘッドは外した。
小林悠(11) 7.5 3ゴールで逆転得点王。動き出しでDFを剥がしてフリーになった。

■sub
82(18)田坂祐介(6) 5.5 右SBに入り、引き気味にポジショニング。
84(21)森谷賢太郎(19) 5.5 中盤を駆け回ってスペースを引き締めた。
89(8)長谷川竜也(16) 6.5 90+1分のGK1対1ではパスを選択したが、90+6分にゴール。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 三好康児(13) 森本貴幸(9) 

■coach
鬼木達 6.5 完勝に導く。3点差となったあとの選手交代が遅かった。

■referee
家本政明 6.0 接触プレーの判断が的確でスムースに裁いていたが、PK判定は微妙か。