2017/04/08

170408川崎1-1甲府(J1 #6)

川崎1-1甲府(等々力, 14:00KO, 19,867人)

仙台戦(J1 #5)から中6日。等々力の桜は満開。
日程が詰まっている4月だが、今週は週中に試合がなかった。














仙台戦ではボランチ2人がケガで途中交代した。
大島は右ヒラメ筋肉離れで5週間の離脱となったが、ネットは出場する。
欠場した大島に代わって森谷がボランチに入った。

ベンチには発熱で離脱していた森本が復帰する。
ケガ人が相次ぐ中、朗報といえる。














甲府は2勝1分2敗でここまで11位。
ACLに出場する4チームとの対戦が続き、第6節の川崎が最後となる。

■1st half
甲府は伝統の5バック3ボランチで守る。
川崎の最終ラインにボールを持たせ、ボランチやサイドに入ると囲む。
追いかけすぎず、バランスを保ってスペースをつぶす。
GK岡大生(23)をはじめ、セットプレーでも時間を使ってくる。

川崎は早い攻めが少なく、長くボールは持つが、詰まり気味。
プレスは緩かったが中央は固められ、パスが前線に届かない。
左サイドにボールを預けることが多くなる。
しかし、車屋が前に位置取りをすると、登里のスペースが狭くなって窮屈となった。
右サイドは奈良が引いていて、ハイネルがドリブルで仕掛けていた。

甲府はカウンター主体だが、チャンスは少なかった。
43分にFWウイルソン(9)、44分にDFエデル・リマ(6)がシュートするが、ソンリョンが止める。

■2nd half
後半から川崎は4バックに変更。
登里を左WGから右SBに回し、車屋が左SBとなる。
左サイドのスペース不足が解消し、車屋がどんどん上がっていく。
右サイドもハイネルのドリブルが後半も引き続き効いていた。

63分、森谷の右CK。ハイネルがヘッドで落として、谷口がシュート。
谷口は難しい体勢でのシュートだったが、惜しくもポストに当たる。













68分、FWドゥドゥ(10)がソンリョンの顔面を蹴る。
オフサイドかつボールに触れないタイミングだったが、ドゥドゥは避けなかった。
イエローだったが、危険なプレーで退場に値する。
ソンリョンはプレーができず、新井に交代。

川崎が引き続きボールを長く持つが、甲府も粘り強く守る。
三好、知念を投入するが、いずれも機能しなかった。

退屈だったゲームがロスタイムに大きく動く。
90+1分、横へのドリブルで三好がボールを失って、甲府がカウンター。
右サイドのドゥドゥからのラストパスで、FW河本明人(13)が抜け出してゴール。
谷口がドゥドゥに吊り出され、1人残った奈良がオフサイドを取りにいって裏を取られた。

しかし、90+2分、ハイネルのミドルシュートで得た右CK。
中村の長いCKを奈良がループ気味のヘッドで決め、同点に追い付いた。

■summary
大島が欠場して、中盤の推進力が大きく落ちた。
森谷はタッチ数が多く、持ちすぎてパスが遅くなる。
相手の守備の逆を突くパスを出せず、サイドに追い込まれた。

小林と長谷川は甲府の5バックに挟みこまれて孤立した。
中央からの攻撃は、可能性の低いショートパスに頼らざるをえない。
ボールは握っていたが決定機は少なく、ゴールは生まれなかった。

甲府は最終ラインを高く保つことに成功して、バイタルを空けなかった。
スコアレスの前半から、時間を稼ぐプレーを徹底する。
体力を温存しながら、最後まで守備の集中力を切らさない。
勝ち点1を狙う現実的な戦術で、ロスタイムに先制したが、逃げ切ることはできなかった。

ドローは妥当な結果といえる。
見るべきものが少なく、正直にいえば退屈な試合だった。

次は中3日でACL広州恒大戦。
ACLはここまで3試合3分で勝ち点3に留まっている。
コンディションの低下が心配だが、フルメンバーで臨まざるをえない状況。
とはいえ、少しでも先発を入れ替えて、なるべく状態を保ちたいところ。

ハイネルとネットが3枚目となるイエローをもらった。
J1リーグではまだ6試合を消化しただけなのにハイペース。
ハイネルはACLでもイエロー2枚で退場していて、今後の2人にとって懸念材料となる。

■goal
90+3奈良竜樹(3)
90+1河本明人(13)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 前半終了間際に2本のシュートをストップ。顔を負傷して交代。
奈良竜樹(3) 5.5 失点はオフサイドを取りきれない大きな判断ミス。同点ゴール。
谷口彰悟(5) 6.0 63分のシュートはポスト。85分、MF松橋優(16)のミドルをブロック。
車屋紳太郎(7) 6.0 前半登里に近づきすぎたが、後半SBに移動すると左サイドを制圧した。
森谷賢太郎(19) 5.5 守備で奮闘していたが、ボールを持つと判断が遅く、縦に出せず。
エドゥアルド・ネット(21) 5.5 雑なプレーも見られたが、チームの中心として攻守に活躍。 
ハイネル(22) 6.0 ドリブルで仕掛けてチャンスを量産。球離れも早く、チームに馴染んできた。
登里享平(2) 5.5 左WGから右SBに回る。10分、55分とFKでキッカーを担当した。
中村憲剛(14) 5.5 マークが厳しくて自由がなかった。最後にCKでアシストを決める。
小林悠(11) 5.5 シュートは放ってはいたが、抑え込まれて決定機に絡めなかった。
長谷川竜也(16) 5.5 高い位置から相手ボールを追いかける。裏を狙ったがボールは入らず。

■sub
72(1)新井章太(30) 5.0 失点後のロスタイム、前に飛び出すがクリアが小さくピンチを招く。
75(16)三好康児(13) 4.5 ドリブルで何度も失ってカウンターを浴びる。パスすべき局面で持ちすぎ。
84(19)知念慶(20) 5.0 仙台戦よりもプレー時間は長かったが、ほとんど何もできなかった。

■bench
板倉滉(28) 狩野健太(25) 森本貴幸(9) 大塚翔平(27)

■coach
鬼木達 5.5 4バックへの変更は奏功したが、投入した三好と知念が活躍できなかった。

■referee
木村博之 6.0 若干不安定だったが、的確なイエローで試合を落ち着かせた。