2017/07/06

170705川崎4-1浦和(J1 #13)

川崎4-1浦和(等々力, 19:00KO, 22,561人)

ACLのラウンド16のため順延となったJ1リーグ第13節。
大勝した神戸戦(J1 #17)から中3日の水曜日開催。
J1リーグでは1試合消化が少ない中、首位C大阪と勝ち点6差の暫定6位。














試合開始前には雨が降り、蒸し暑く、濡れたピッチ。
先発はJ1リーグ4試合連続で同じ。
ベンチは神戸戦から1人変更。
奈良が外れ、板倉が入った。














浦和はここまでJ1リーグ暫定8位。
J1リーグでは3連敗したあと、前節広島戦は逆転で勝利した。
なお、川崎と浦和はACLラウンド16を勝ち上がっていて、準々決勝で対戦する。

■1st half
浦和は4バックでのスタート。
ペトロヴィッチ監督の代名詞ともいえる3-4-2-1のシステムを変更した。
DF遠藤航(6)とDF槙野智章(5)がCB。
いつもは3バックの一角に入るDF森脇良太(46)は、右SBに回る。

序盤6分ほど、浦和がボールを支配する。
川崎にボールが渡っても、浦和は素早く強いプレッシングで奪い返す。
攻撃は5トップ。
バイタルを広く空け、前線から落ちてきてポストプレーを展開する。
ただ、縦に入れるタイミングがつかめず、バックパスを繰り返した。

川崎はゆっくりボールを回しつつ、一瞬でスピードをあげる。
16分、右サイドでフリーの阿部から小林へ緩い縦パスが通る。
槙野と遠藤に挟まれていたが、小林はワントラップで2人を華麗に抜き去りゴール。
小林が個の力で突破するゴラッソが久しぶりに生まれた。

次いで29分。
大島からのパスを受けた中村が、ダイレクトで縦にスルーパス。
走り出す阿部の足元にぴたっと届き、遠藤と槙野に囲まれつつもゴール。
阿部のシュートはタイミングが早く、GK西川周作(1)に準備する時間を与えなかった。

浦和も多くのシュートを放ったが、ゴールは決まらない。
24分にFWラファエル・シルバ(8)、35分にMF興梠慎三(30)がシュートしたが、ソンリョンが止める。

■2nd half
2点を追いかける浦和は、後半からいつもの3バックに戻してきた。
右サイドの攻撃が活性化して、MF駒井善成(18)やFW武藤雄樹(9)がチャンスを作る。
登里が長谷川に交代したこともあり、車屋の守備の負荷が大きくなった。

71分、小林がGKとの1対1のシュートを外す。
決めていて3点差にしていれば、試合は終わっていたが、続く73分。
MF柏木陽介(10)の右CKを、槙野がバーに当てながらもゴール。

1点差となったが、体力的に厳しい浦和は川崎を追い込めない。
80分、ソンリョンのGKを、家長がヘッドで競って前に流す。
このボールを追いかけた小林が抜け出たところを、遠藤が背後からショルダーで倒す。
ボールに触れる意図のない決定機阻止で、PKとレッドカードが示された。
PAエリア内だったかは微妙だったが、レッドは妥当な判定。

自ら得たPKを小林が決めると、10人となった浦和はボールを追えない。
84分、長谷川がハーフライン付近からドリブルしても、浦和はずるずると下がるだけ。
パスを警戒しすぎて中央に入り込まれ、そのまま4点目を決められた。

なお、86分、エドゥアルドがFW李忠成(20)に悪質なタックルを見舞う。
ボールに触る可能性はなかったのに、高くスパイクを掲げて、李の左膝に蹴り込む。
提示されたのはイエローだったが、レッドカードが当然だった。

■summary
川崎は神戸戦に続いて攻撃が機能した。
前線の選手が相手のギャップに入り、きちっとボールを入れて攻略した。
1点目の小林も2点目の阿部も、個人技でのゴール。
ただ、崩すまでの展開は完璧だった。



浦和はポストプレーとダイレクトパスは機能していた。
決定機もいくつか作れていたが、シュートが枠内に飛ばなかった。
しかし、4バックでは川崎の攻撃を止められなかった。
2人のCBの真ん中を破られて、ゴールされていては失点は止まらない。
暑さのせいもあり、攻守の切り替えも遅かった。














川崎はこの日の勝利でJ1リーグ5位に浮上。
首位鹿島とは勝ち点4差となっている。

次はアウェイ鳥栖戦(J1 #18)。
今シーズン初めての中2日で、日程的には不利。
このところ先発が固定されていて疲労が心配だが、勝ち点を積み重ねたい。

■goal
16,82PK小林悠(11) 29阿部浩之(8) 84長谷川竜也(16)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 1失点はしたが、安定していた。53分、クロスに触ってから瞬間的に立ち上がってシュートストップ。
エウシーニョ(18) 6.5 左サイドを固く守りながら、何度も前線に顔を出した。
谷口彰悟(5) 6.5 浦和のダイレクトパスを防ぎ切った。ラインを高く統率する。
エドゥアルド(23) 5.5 ボールを持つと狙われた。力強く守る。86分、悪質なタックル。
車屋紳太郎(7) 5.5 37分、PA近くのファウルでFKを与える。後半、駒井と武藤に苦しむ。
大島僚太(10) 6.5 ボールを受けて積極的に前を向く。守備ではバイタルを埋める。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 味方のパスコースを作るために何度も動く。ロングパスで崩した。
小林悠(11) 7.0 1点目は完璧なゴール。PKをもらった場面もGKと1対1となっていた。
中村憲剛(14) 6.5 ダイレクトパスで阿部のゴールをアシスト。下がらずにボールを動かした。
登里享平(2) 6.0 9分、ドリブルで仕掛ける。36分、エウシーニョのクロスを決められず。
阿部浩之(8) 7.0 ゴールはタイミングでGKを外した。後半は左サイドで車屋をサポート。

■sub
46(2)長谷川竜也(16) 6.0 長い距離をドリブルで駆け抜け、そのままゴールを決める。
76(14)家長昭博(41) 5.5 左サイドを突破して2本のクロスを供給。90+4分にミドル。
88(7)田坂祐介(6) 5.5 いつもと逆の左SBに入る。身体を当てる守備で試合を終わらせた。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 森本貴幸(9)

■coach
鬼木達 6.5 浦和のシステム変更にも落ち着いて対応し、結果を出した。

■referee
家本政明 6.0 抑制的に裁いた。80分のPKは妥当。86分のエドゥアルドはレッドを出すべき。