2017/05/24

170523ムアントン1-3川崎(ACL R16 #1)

ムアントン1-3川崎(サンダードームスタジアム, 19:30KO(21:30JST))

ACLのグループリーグは勝ち点10、2勝4分。
グループGを1位通過して、決勝トーナメントが始まる。
2試合制のラウンド16は、タイのムアントン・ユナイテッドとの対戦。
1位通過のため、第1戦がアウェイ、第2戦がホームとなる。

金曜日の鹿島戦(J1 #12)から中3日。
タイへの長距離移動もあり、先発は鹿島戦から5人が変わる。
最終ラインに田坂と奈良、前線に森本、家長、ハイネルが入った。
10人を入れ替えたアウェイのイースタン戦(ACL GL #2)ほどではないが、ターンオーバーを行ってきた。

先発から外れた武岡、小林、長谷川、大島はベンチスタート。
エドゥアルドはACL登録外のため、ベンチ外となる。
ベンチには新たに狩野、森谷が入り、登里が外れている。

ムアントンはグループEを2位で通過。
グループ1位だった鹿島との対戦成績は、1勝1敗だった。
清水、横浜FM、甲府に所属していたDF青山直晃(5)がCBで先発する。

■1st half
気温・湿度が高いため、両チームともゆったりした立ち上がり。
ムアントンは守備ではプレスをかけず、引き気味にブロックを作る。
カウンターを仕掛けることができても、前のスペースをすぐに使わない。
走る距離をなるべく短くして、体力を温存していた。

川崎もゆっくりとしたプレーを選択。
ワンタッチでの早いパス交換を控え、キープできるなら長めにボールを持った。
ときおり両SBの田坂、車屋がサイドを深くえぐったが、その先は崩せない。
中央からショートパスで攻めても、ムアントンのDFに引っかかった。

無得点で前半が終わりそうだった45+3分。
バイタルへのパスをMFチャナティップ・ソンクラシン(18)がスルーする。
川崎のボランチを剥がして、FWティーラシル・ダンダ(10)がゴール。
ムアントンはチャンスを作れていなかったが、ワンチャンスを活かした。

■2nd half
後半開始から小林、59分には大島を投入する。
特に大島が入ると、目に見えて攻撃が早く、スムースになった。
ボールを受けると、ムアントンの守備を十分に引きつけてから逆を突いた。

66分、家長のロングボールを左サイドの車屋がヘッドで折り返す。
高く上がった弱いボールだったが、青山が目測を誤ってクリアできない。
そのまま落ちてきたボールを拾った中村が、GKとの1対1を制して同点ゴール。
両手を突き出してトラップしたため、中村のハンドにも見えたが、笛は吹かれず。

さらに69分。右サイドから家長が低い弾道のクロスを入れる。
難しい体勢だった小林だが、ダイレクトボレーでゴールを決める。
去年のアウェイ柏戦(2016 J1 #11)のボレーに匹敵する、驚愕を伴う美しいゴラッソだった。

その後はムアントンに押されていたが、89分に3点目。
森谷のスルーパスで抜け出した小林が、GKとDFの間に右からクロス。
阿部がゴールに蹴り込んで、貴重なアウェイゴールを積み重ねた。

■summary
ムアントンは暑熱のピッチで、体力を温存しながら戦った。
技術的にはパスもトラップも粗削りだった。
しかし、少ない人数でゴールを狙う戦術が機能して、先制に成功した。

川崎は小林、大島を温存して後半勝負。
5人のターンオーバーは大きすぎるかと思ったが、先制されつつも逆転した。

フル出場した家長は、周囲と意図が合ったパス交換を見せはじめた。
しかし、ゲームを劇的に動かした大島が、足を痛めて交代したのは残念。

3つのアウェイゴールを得た意味は大きい。
ムアントンとの第2戦は中6日。
大島のケガだけでなく、フル出場した中村や阿部、ネットの疲労も懸念される。
次もターンオーバーを織り込みながら、準々決勝に勝ち上がりたい。

■goal
45+3ティーラシル・ダンダ(10)
66中村憲剛(14) 69小林悠(11) 88阿部浩之(8)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 C大阪戦(J1 #9)以来となる失点を喫したものの、決定機を止めまくった。
田坂祐介(6) 6.0 右からのクロス精度が低かった。状況を見て守備に注力した。
奈良竜樹(3) 6.0 相手FWのポジションを掴み切れず、苦労しながら中央を固めた。
谷口彰悟(5) 6.5 背後を警戒してラインを上げずに耐える。30分のミドルは上に外れる。
車屋紳太郎(7) 6.0 66分にアシストしたが、何度もクロスを上げながらも成功しなかった。
中村憲剛(14) 6.5 同点ゴール。大島が入るまではボランチ。暑い中、少し厳しかった。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 パスミスもあったが、ボールを差配する。もっと集中したい。
ハイネル(22) 5.5 ドリブルでは抜けなかった。25分のシュートはGKに防がれる。
家長昭博(41) 6.5 パス交換に参加しながらキープ力やスルーパスを見せた。1アシスト。
阿部浩之(8) 7.0 深く戻って守りながらも、要所でゴール前に顔を出した。最後に1ゴール。
森本貴幸(9) 5.5 1トップ。中央でフリーになっていたが、ボールが入らなかった。

■sub
HT(9)小林悠(11) 7.0 動きは少なかったが、1ゴール1アシスト。56分、反転してボレー。
59(22)大島僚太(10) 7.5 ボランチに入り、大きな存在感で逆転を導く。15分間で負傷交代。
74(10)森谷賢太郎(19) 5.5 89分、小林へスルーパス。最後にイエローをもらった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 狩野健太(25) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 7.5 後半の選手交代で逆転を導き、5人のターンオーバーを成功させた。

■referee
アルマリ 6.5 ファウルの基準が明確で、どちらにも偏りなく判定した。