2016/07/12

160709名古屋0-3川崎(J1 #19)

名古屋0-3川崎(パロマ瑞穂スタジアム, 18:00KO, 16,780人)

仙台戦(J1 #18)で年間首位に立った。
中6日で名古屋とのアウェイ。

先発は仙台戦とまったく同じ。
2戦連続ゴール中の大塚は、すっかり先発に定着した。

ベンチは、原川が外れて、狩野が入った。

名古屋はここまで年間15位と低迷している。
シーズン途中、C大阪から獲得したMF扇原貴宏(31)、FC東京からのMFハ・デソン(8)をいきなり起用した。

■1st half
川崎はワンタッチで次々とボールを動かす。
名古屋は連動したプレスを掛けてこない。
ボランチの扇原とMFイ・スンヒ(15)がラインを守れず、ずるずると下がる。
ブロックを作ろうとはしていたが、PA近くまで運ばれて攻撃を仕掛けられた。

15分過ぎから、名古屋の守備バランスが改善する。
川崎の選手間の距離を遠ざけて、ボールを奪えるようになった。
しかし、名古屋の攻撃は単発。
FWシモビッチ(9)を目掛けた単純なクロスは少なく、効果的な攻撃ができない。
川崎は素早いプレッシングで、危ない場面になりそうな芽を摘んだ。

36分、エウシーニョのスルーパスを小林が受けて、グラウンダーのクロス。
DFとGKの間を抜けるボールに大塚は触れなかったが、左サイドの中村がボールを拾う。
あらためて逆サイドからのクロスを、小林がヘッドで決めて先制。

■2nd half
後半になっても名古屋は打つ手がなかった。
なすすべもなく攻撃を受けて、53分。
左サイドの車屋から鋭いクロス。
大久保がコースを動かすために少し足に当てるだけの技巧的なゴールを決める。

3点目は77分。
小林の右サイドからのクロスをネットがいったん受けて、ラストパス。
中村の足元に届いたボールをゴール。

84分、イ・スンヒが中村に対して足首にタックル。
ボールに触れることができないタイミング。
さらには接触前に避ける動作も見られなかった。
故意に狙ったように見える悪質なプレー。
扇谷主審が即座にレッドカードを提示し、中村は負傷交代。

10人となった名古屋に対して、川崎は積極的に攻撃を仕掛けない。
追加点は必要ではなく、これ以上ケガ人を出すことはなかった。

■summary
名古屋は前半途中、15分ほど悪くはない時間帯があった。
しかし、残りの時間はずっと悪かった。
攻撃は個人の力に頼るばかりで連携が少ない。
守備はボールを奪うポイントが絞れず、ずるずるとゴール前に入られた。

チームの力を考えれば、名古屋は単純な戦術で勝ち点を拾うことが現実的。
シモビッチ、あるいは今日は欠場したFW永井謙佑(11)へのロングボールで攻撃して、ガチガチに守る。
年間16位となったが、降格争いを勝ち抜くためには大きな改善が必要。


川崎は仙台戦に続いての完勝。
調子を落としているチームを相手に勝ち点を積み上げた。
危なげなく守り切り、美しい崩しを繰り返して3点を生んだ。

中村が3~4週間のケガで離脱することとなった。
ケガをした状況を見れば、短くて済んだように思える。
大島と原川が近くオリンピックに向けてチームを離れることを考えれば、厳しい。
福岡戦(J1 #15)では中村が欠場し、ドローとなっている。
攻撃のアクセントやリズムを誰が生んでいくのかが問われていく。


■goal
36小林悠(11) 53大久保嘉人(13) 77中村憲剛(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 42分シモビッチ、79分扇原のシュートを慌てずに防ぐ。
エウシーニョ(18) 6.0 MF野田隆之介(18)に狙われたが破綻せず守る。攻撃も良かった。
井川祐輔(4) 6.5 シモビッチを徹底して抑え込む。ラインコントロールも安定していた。
谷口彰悟(5) 6.5 ロングボールを正確に供給して局面を打開した。判断ミスがなかった。
車屋紳太郎(20) 7.0 縦へのスピードで左サイドを攪乱。DF矢野貴章(19)を抜きまくった。
大島僚太(10) 6.5 空いたスペースに素早くドリブルで入りこんでパスを出した。
ネット(21) 7.0 運動量多くハイボールを回収する。積極的に攻撃に顔を出した。
小林悠(11) 7.0 完璧な動き出しで1点目を決める。その直前のクロスも決定的だった。
大塚翔平(27) 6.0 顔を出す動きを続けてボランチと前線のリンク役となった。
中村憲剛(14) 7.0 アシスト、ゴールとも素晴らしかった。ケガが残念。
大久保嘉人(13) 6.5 コンディションが上がってきた。走り回ってボールをキープする。

■sub
78(27)武岡優斗(17) 6.0 3点差となってから投入。ゲームを落ち着かせた。
86(14)三好康児(26) 5.5 ロスタイムにチャンスがやってきたが、シュートせずパスを選択。
90(21)狩野健太(25) 5.5 第3節以来のJ1リーグ出場。ボランチに入り、CKを担当した。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 橋本晃司(7) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 6.5 内容を伴う快勝に導いた。交代は遅くなってしまった。

■referee
扇谷健司 5.0 ジャッジが川崎寄りで中立ではなかった。レッドカードは妥当。