2017/07/09

170708鳥栖2-3川崎(J1 #18)

鳥栖2-3川崎(ベストアメニティスタジアム, 19:00KO, 12,401人)

3日前の7月5日、九州北部豪雨災害が発生した。
 福岡県朝倉市や大分県日田市で、10人以上が亡くなっている。
 鳥栖からも近く、試合開始前には義援金募金が行われた。


左からMF石川啓人(28)、GKファンティーニ燦(30)、MF太田徹郎(19)。

川崎のユニフォームを着た私に、太田徹郎は「ありがとう」と声を掛けてくれた。
 素晴らしい活動であり、これからも続けてほしい。


神戸戦(J1 #17)から中3日で浦和戦(J1 #13)を戦い、さらに中2日。
 ACLで順延した浦和戦が入ったため、日程が詰まったアウェイゲーム。

先発は浦和戦から2人変わる。
 中村、登里がベンチスタートとなり、三好と家長が入る。
 三好は浦和戦ではベンチ外だったが、先発で起用された。
 長谷川が出場するとの報道があったが、ベンチ外。

また、ベンチには奈良が入り、板倉が外れた。


鳥栖はJ1リーグで勝ち点24の10位。
 ホームでの対戦は、1-1のドローだった(J1 #2)
 前節から中5日で、条件的には川崎を上回っている。

6月にはMF鎌田大地(7)がドイツ・フランクフルトへ完全移籍した。
 レンタル移籍中のMF原川力(4)はボランチで先発し、FW豊田陽平(11)はベンチ。
 DF谷口博之(29)は左膝蓋骨骨軟骨損傷で手術し、全治5ヶ月で離脱中。


 踊るウィントス。

■1st half
川崎は全体的に動きは少ないが、ボールはつないでいく。
 前線の選手が中盤に顔を出して、ポストプレーでリズムを作る。
鳥栖はプレスが緩めで、ボールを奪えない。
 守りで長く走らされる味方を休ませるため、GK権田修一(33)が時間を稼ぐ。

25分あたりから、川崎が目に見えて動けなくなる。
 最終ラインで回していても、パスコースが足りなくなる。
 鳥栖の選手がボールを囲んで、ショートカウンターを仕掛けてきた。

37分、FW趙東建(9)のフリックで、左SB吉田豊(23)が抜け出す。
 追走するエウシーニョが手を掛けて、少しあとに吉田が倒れ込む。
 シミュレーションのように見え、さらにPA外側での出来事だったが、主審はPKの判定。
 原川がこのPKを決めて、先制される。

続いて42分、押し込まれて奪ったボールを車屋がパスミス。
 MF福田晃斗(6)がダイレクトでクロスを入れ、趙東建が高く美しいヘッドでゴール。

途中までは押し気味に進め、鳥栖の選手をよく走らせた。
 しかしガス欠となってから、何度も攻撃されて2失点を喫した。

■2nd half
後半スタートから、三好と家長に代えて、登里と中村を投入。
 浦和戦までの4試合、連続で先発していたセットに戻すと、見違えるようにボールが動く。

中村がボランチの2人と三角形を作り、ショートパスを重ねる。
 1本目2本目のパスまでは鳥栖もボールに向かったが、3本4本と続くと足が止まる。
 ボールホルダーに寄せられず、棒立ちでボールを眺めてしまった。

56分、左ショートコーナーから、中村がクロスを入れる。
 中央でネットが競って、こぼれたボールを谷口が蹴り込んで1点差。

58分、車屋がPA近くまで縦に突破し、低い左クロスをGKとDFの間に供給。
 エウシーニョが吉田のマークを外して、ゴール前で合わせて同点。

さらに62分。車屋が今度は早いタイミングで強い左クロス。
 小林が吉田と競り合いながらも、難しいヘッドを決めて逆転に成功する。

その後も追加点を狙っていくが、ゴールは奪えない。
 70分あたりからは前半と同じようにペースが落ちていく。
 鳥栖はシュートチャンスを何度も作ったが、ソンリョンが立ちはだかる。
 81分には奈良を投入して、3バックにして逃げ切った。

■summary
中3日、中2日と続く連戦で、ターンオーバーもできない状況。
 中村、登里の2人をベンチスタートとしたが、足が止まってしまった。
 家長は悪くはなかったが、周囲が疲れたときに率先して動いてほしい。
 三好も消えてしまう時間が長く、存在感がなかった。
 この2人がもっと走ってくれないと、チームを上向かせることは難しい。

後半、中村と登里を入れて、3点を奪って逆転に成功。
 コンディションの差は明白で、鳥栖に攻められる時間もあったが、耐え凌いだ。


鳥栖は後半、川崎の攻勢を止められなかった。
 1点を返されて、すぐに選手交代したものの、奏功しなかった。
 とはいえ、前半に2ゴールを奪い、善戦していた。

しかし、ゴール裏からはブーイングが響いた。
 川崎のパスに何度も走らされて疲弊し、それでも同点を目指した選手たち。
 拍手を贈るべきパフォーマンスだったと私は思うが、悲しい光景だった。

次は天皇杯3回戦で、ザスパクサツ群馬と中3日で対戦する。
 油断できる相手ではないが、栃木ウーヴァ戦(天皇杯 R64)と同じくサブメンバーで結果を出したい。
 なお、U-20代表に選出された板倉と三好は出場できない。
(2017/7/13追記 合流日を延ばし、板倉は交代出場した。三好はベンチ外)

■goal
39PK原川力(4) 42趙東建(9)
56谷口彰悟(5) 58エウシーニョ(18) 62小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 2失点ともにノーチャンス。後半、怒涛のセービングでゴールを許さず。
エウシーニョ(18) 6.5 2失点に関与してしまった。後半、今シーズン初ゴールで取り戻した。
谷口彰悟(5) 6.5 1ゴール。相手に抜かれてしまうこともあったが、粘り強くクリアする。
エドゥアルド(23) 5.5 45+2分、焦ってドリブルを仕掛けるが、奪われてイエローで止める。
車屋紳太郎(7) 6.5 パスミスで2点目を招いた。縦への突破から2アシストを決めた。
大島僚太(10) 6.5 積極的にミドルシュートを放つ。守備ではボールに喰らいついた。
ネット(21) 6.0 前半、CKを蹴った。ラストパスを供給したが、味方に合わなかった。
小林悠(11) 6.5 消えている時間が長かったが、難しいクロスに合わせて決勝ゴール。
家長昭博(41) 5.5 クロス、ドリブル、シュートで攻撃に絡んだ。パスを呼びこみたい。
三好康児(13) 5.0 ボールロストは少なかった。もっと動き回ってほしかった。
阿部浩之(8) 6.5 流れを良く把握して、節目では戻ってバランスを取った。

■sub
HT(41)中村憲剛(14) 7.0 ゲームを変えた。ボールを深く追って味方を鼓舞。
HT(13)登里享平(2) 6.5 左サイドで吉田を翻弄。車屋を縦に走らせる。
81(7)奈良竜樹(3) 6.0 3バックの左に入る。ボールホルダーをケアした。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19) 森本貴幸(9)

■coach
鬼木達 7.0 厳しい日程で2人を休ませながら勝利を飾った。

■referee
山本雄大 5.0 至近距離で見ていたはずのPK判定でミス。これ以外は妥当だった。

■おまけ
昨年のアウェイ(2016 J1 #25)では、虹の橋(歩道橋)の混雑が激しかった。
 鳥栖駅まで1時間以上かかって、深夜となった佐賀駅前でお店を探して彷徨った。

今年は観客が少なく(19,477人→12,401人)、虹の橋(歩道橋)もスムースに渡れた。
 30分ほどで電車に乗れて、福岡のホテルからもつ鍋屋さんに出かけた。
 試合帰りに来店していたアビスパ福岡(J2)サポーターともお話しすることができた。
  来年、ぜひ博多の森に遠征させてくださいとお願いした。


天神でもつ鍋をいただいた。