2017/03/24

170318FC東京3-0川崎(J1 #4)

FC東京3-0川崎(味の素スタジアム, 19:00KO, 36,311人)

広州恒大戦(ACL GL #3)をドローで終えて、中3日。
中国からの移動を挟み、続けてのアウェイ、第29回多摩川クラシコ。














J1リーグ戦での多摩川クラシコは、川崎が3連勝中。
天皇杯(2016 天皇杯 QF)でも対戦していて、川崎が勝っている。

フルメンバーだった広州戦の先発から、井川と板倉が外れる。
直前のケガで広州戦を回避した田坂と、出場停止だった奈良が復帰。
8日前の柏戦(J1 #3)と同じ先発に戻ったことになる。

サブにはハイネルが入り、狩野と知念が外れた。














FC東京はここまで2勝1敗。
川崎から移籍したFW大久保嘉人(13)を始め、FWピーター・ウタカ(9)、FW永井謙佑(15)、MF髙萩洋次郎(8)、DF太田宏介(6)、GK林彰洋(33)など、J1レギュラークラスを大量に補強している。

■1st half
前半は川崎がコンパクトにプレー。
2分、CKからニアで奈良がヘッド。
さらに田坂が押し込もうとしたが、いずれもGK林が防ぐ。
14分の小林、18分の阿部のシュートなど、川崎が優勢。
31分には登里がドリブルでCB2枚を中央から抜きさってシュート。
林にセーブされたが、切れ味鋭いドリブルだった。

FC東京は縦に蹴って川崎にボールを回収された。
FW阿部拓馬(44)と大久保、髙萩が早い攻撃からクロスを仕掛ける。

35分をすぎると、FC東京の時間が続く。
しかし、精度は高くなく、川崎を崩すことはできなかった。

■2nd half
後半は、お互いにミスが多くなる。
ショートカウンターの応酬。
選手の間隔が拡がって、中盤が省略される大味な展開。
60分あたりからは、FC東京がセカンドボールを支配する。

71分、ネットに代えて長谷川を前線に投入する。
ネットがいなくなると、FC東京のプレスが効き始める。
平凡なパスをつないで追い込まれ、FC東京に囲まれる。

76分、追われた大島が田坂にボールを預けると、田坂が単純なミスパス。
プレスに来ていて前掛かりになっていたFC東京のカウンターとなる。
左サイドからの阿部拓馬のシュートは、田坂とソンリョンに当たりオウンゴール。

その後は1点を追う状況となったが、攻撃の手段が限られた。
ボールを前につなぐことができず、FC東京のプレスの餌食となった。
86分にウタカ、90+2分に大久保に決められて、3失点。

■summary
両チームの交代策が明暗を分けた。
FC東京の篠田善之監督は、68分、MF橋本拳人(37)を交代させる。
橋本は50分にイエローを受け、その後もファウルを重ね、いつ退場してもおかしくなかった。
守備で後手後手になっていただけに、退場となる前に交代させる判断が奏功した。

逆に鬼木監督はネットを下げて、攻守のバランスを崩してしまう。
ACLを挟んだ連戦で、疲労による影響が出た試合。
ネットがいないと最終ラインでボールを持てなくなった。
厳しい状況でパスを出すこととなり、効果的な攻撃ができない。

ボランチにフレッシュなMF田邉草民(27)を入れたFC東京がルーズボールを回収する。
攻撃に出なければならない川崎が、守備に追われる時間が伸びた。

ネットを交代させるなら、板倉や森谷をボランチに投入するほうがよかった。
連戦、それも試合終盤の中村に守備を期待するのは酷。

ケガ明けの田坂もフル出場したが、その右サイドをFC東京に狙われた。
奈良がフォローのために引っ張り出され、中央を空けてしまう。

失点後のプレーも良くなかった。
3点目の大久保のゴールシーン。
谷口と奈良がウタカのパスで置き去りとなる。
しかし、2人とも大久保を追わなかった。
1対1となったソンリョンが必死に時間を稼いだが、誰も戻ってこなかった。
負けがほぼ確定したロスタイムであっても、諦めるべきではない。

今シーズン7試合目で初めての敗戦。
必ずしも悪い内容ではなかった。
しかし、こういった試合でも地道に勝ち点を拾っていきたい。

■goal
76OwnGoal 86ピーター・ウタカ(9) 90+2大久保嘉人(13)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 1点を失うまでは完璧だったが、次々とゴールを破られた。
田坂祐介(6) 4.5 右サイドで劣勢。簡単なミスから失点を招いた。クロスの精度がなかった。
奈良竜樹(3) 5.0 田坂のサポートもこなし、よく守っていた。最後に集中力を欠いた。
谷口彰悟(5) 5.5 バランス良くラインを上げる。ショートカウンターには苦しんだ。
車屋紳太郎(7) 6.0 49分、CKに合わせて惜しいシュート。守備でも永井を抑え込んだ。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 アンカーでパスをつなぎ、スペースを埋めてボールを回収した。
大島僚太(10) 5.0 14分、華麗なダブルタッチ。前に向かってパスを供給。後半は失速。
小林悠(11) 5.0 ポストプレーは悪くない。14分のシュートは左。パスが来なかった。
中村憲剛(14) 5.0 セットプレーもパスも冴えた。ボランチに移動するのは荷が重い。
登里享平(2) 6.0 左サイドから崩した。31分、50メートルをドリブルで駆け上がってシュート。
阿部浩之(8) 5.5 やや左目の1トップ。トラップ良く前線でポイントを作った。

■sub
56(8)ハイネル(22) 5.0 ドリブルを仕掛けるが、ボールロストが多かった。
71(21)長谷川竜也(16) 5.5 投入直後のシュートは上へ。80分、右クロスはGK林がキャッチ。
82(13)三好康児(13) 5.0 チームがボールを持てない時間が多く、活きなかった。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 板倉滉(28) 森本貴幸(9) 

■coach
鬼木達 4.5 ネットの交代とともにチームは失速。ドリブラーばかりを投入したのも疑問。

■referee
飯田淳平 4.5 軽い接触でも笛を吹いて試合を止める。アドヴァンテージも取らなかった。