2018/11/24

181124FC東京0-2川崎(J1 #33)

FC東京0-2川崎(味の素スタジアム, 14:00KO, 37,422人)

Jリーグ2連覇が決まったC大阪戦(J1 #32)から2週間。
代表ウィークを挟み、FC東京とアウェイでの第32回多摩川クラシコ。
川崎は守田、FC東京は室屋成(2)がフル代表に参加している。

すでに1位が確定しているため、残り2試合の目標は定めにくい。
総得点2位、総失点1位なので、両方ともに1位を目指す。
無理をする必要はなく、来シーズンに向けたテストも行いたい。














先発には、新たに知念、長谷川、田中碧が入る。
大島の欠場を受け、守田と組むボランチが下田でなく田中碧だったのは驚き。
ベンチには、阿部、登里が控える。

柏戦(J1 #31)で左眼窩底を骨折した小林は、11月21日に手術。
大島も11月20日の練習中、左ヒラメ筋肉離れで離脱した。
ともに今季中の復帰はできない。














FC東京は、J1リーグ5位。
シーズン序盤は好調だったが、徐々に順位を落とした。
とはいえ、ACL圏内の3位まで勝ち点2差の状況。
等々力での対戦(J1 #13)は、0-2でFC東京が勝利している。

■1st half
FC東京は8分のショートカウンターを皮切りに、攻勢に出る。
川崎のボールを奪取しては反攻し、FKやCKでゴール前を狙う。

15分あたりから川崎ペースになってくる。
19分、橋本拳人(18)のパスミスを拾った知念が、そのままミドル。
GK林彰洋(33)が戻る隙を突いた美しいゴールだった。

その後も川崎が攻め続ける展開。
FC東京はすぐに囲まれてボールを保持できなかった。

■2nd half
後半開始からFC東京はFW永井謙佑(11)を入れる。
ディエゴ・オリヴェイラ(9)に加えて攻撃の駒を増やしたが、主導権は川崎のまま。

50分。GKソンリョンから、守田、家長、エウシーニョとボールを運ぶ。
中村からのスルーパスを受け、エウシーニョがクロス。
知念の決定機はGK林が防ぐが、浮いたボールを長谷川が押し込んだ。
ソンリョンから流れるようなパスが続き、短い時間でゴールが決まった。

2点差となり、FC東京は58分にFWリンス(13)を投入。
右SBの室屋、左SBの太田宏介(6)がサイドをえぐる。
リスクを恐れず、攻撃に人数を掛けて1点を狙ってきた。














川崎はボールをつなげなくなると、登里、阿部を投入する。
2人がサイドを締めつつ、危な気なくリードを保った。

■summary
FC東京はこの敗戦で5位以下が確定した。
勝ち点が必要な状況だったが、自陣に引いて守ることなく、堂々と立ち向かってきた。
セットプレーやロングボールに頼らず、高い位置で奪ってショートカウンターを見せる。
ゴールに迫るチャンスは少なかったが、志を感じる良い内容だった。














川崎は比較的フリーでボールを持ち、サイドと中央を使い分けて攻撃。
守備を1か所にまとめてから、空いたスペースを使った。

田中碧は、ミスもあったが十分な出来。
守田や中村、家長のサポートを受けつつ、中盤でボールを散らした。
最後は足を攣らせていたが、プロ初先発でフル出場を果たした。

個人的には、2点を奪ってから守備的な選手交代を行ったのは残念。
もっとガンガン攻めていって、大量得点も見てみたい。
しかし、きっちり勝ち点3を確保するからこそ、2連覇できたといえる。

次は中6日で今季最終戦となる磐田戦(J1 #34)。
優勝の喜びを等々力で味わいつつ、シーズンを終わりたい。

■goal
19知念慶(20) 50長谷川竜也(16) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 多くのシュートをキャッチやパンチングで防いだ。落ち着いていた。
エウシーニョ(18) 6.5 55分、ディエゴの決定的なシュートをブロック。1アシスト。
奈良竜樹(3) 7.0 押される展開で守勢となっても、相手のチャンスを防ぎ続けた。
谷口彰悟(5) 6.5 45+1分、転んでディエゴに抜け出された。これ以外はミスなく守る。
車屋紳太郎(7) 6.0 左サイドを突いてクロスを上げた。58分、室屋を倒してイエロー。
守田英正(25) 6.5 18分、20分、52分と積極的にミドルを放つ。田中碧を見守る。
田中碧(32) 6.0 囲まれても早いタッチのドリブルで打開した。最後は動きが落ちる。
家長昭博(41) 6.0 54分、車屋のクロスをボレーシュート。今日は目立たなかった。
中村憲剛(14) 6.0 フリーになってボールを受ける。2点目の起点となるスルーパス。
長谷川竜也(16) 6.0 ゴール前に詰めて1ゴール。ボールに触る機会が少なかった。
知念慶(20) 7.0 2点目は自ら決めたかったが、2ゴールに絡む。ポストプレーでも貢献。

■sub
67(16)登里享平(2) 5.5 左ウィングに入り、室屋を抑えた。良く走っていた。
77(14)阿部浩之(8) 5.5 攻撃になると上手く時間を使った。80分、右からシュート。
82(20)鈴木雄斗(27) 5.5 ボールホルダーを追いかけて、距離を詰めて守る。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 下田北斗(22) 齋藤学(37)

■coach
鬼木達 6.5 知念と長谷川の起用に成功。田中碧をフル出場させつつ、完勝に導く。

■referee
家本政明 5.5 毅然とした態度で選手を落ち着かせたが、判定の基準が曖昧だった。

■おまけ
試合後、梶山陽平(J2新潟に期限付き移籍中)の引退セレモニーが行われた。


 ゴール裏の青赤の10番コレオ。
 胴上げ。












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2018/11/11

181110C大阪2-1川崎(J1 #32)★

C大阪2-1川崎(ヤンマースタジアム長居, 14:00KO, 26,600人)

J1リーグ制覇に王手を掛けた柏戦(J1 #31)から中6日。
残り3試合で、2位広島と勝ち点7差。
川崎が勝つか、広島が負けるか、どちらもドローであれば今日優勝が決まる。
去年は最終節(2017 J1 #34)で逆転したが、今年は余裕ある展開となった。















先発は、柏戦から3人変更。
ケガで欠場していた車屋と大島が復帰する。
山形戦(天皇杯 QF)で退場し、柏戦で出場停止だったソンリョンも戻る。

小林は柏戦で左眼窩底を骨折(全治3週間程度)し、欠場する。
また、下田と新井がベンチスタートとなった。














C大阪は、現在J1リーグで8位。
川崎との対戦は、去年のルヴァンカップ決勝から次のとおり3連勝中。
 171104C大阪2-0川崎(YLC Final)
 180210川崎2-3C大阪(FXSC)
 180411川崎1-2C大阪(J1 #7)

■1st half
立ち上がり、川崎が猛攻を仕掛ける。
セレッソはボールに厳しく寄せず、見守る守備。
余裕のあるパス交換でスペースを突きながら、崩していった。
4分の中村、5分の守田、10分の家長と阿部と、序盤に多くのシュートを放つ。

川崎がペースを落とし、セレッソが守備を修正して、徐々にボールを持てなくなる。
1トップの阿部が動き回るため、サイドを崩しても中央にターゲットがいない。
36分には登里が負傷で退き、知念が1トップに入るが、攻撃は改善しなかった。

40分に柿谷曜一朗(8)が決定機を迎えると、セレッソの時間が続く。
ピッチを広く使いながら、長い距離のパスでシンプルに攻めてきた。
CKが続き、その流れから44分にソウザ(11)がミドル。
次いで杉本健勇(9)がゴール前でシュートを放った。

■2nd half
後半スタートは、また川崎がペースを握る。
しかし、55分。GKキム・ジンヒョン(21)のスローからカウンターを受ける。
田中亜土夢(32)が左クロスを入れ、杉本がトラップで谷口を華麗にかわしてゴール。
あっさりと失点してしまった。

川崎は1点を追って攻めていく。
しかし、動きが鈍く、ボールを失ってもプレスバックができない。
ボールを奪われると簡単にゴール前に運ばれ、ピンチを作られた。

敗色が濃くなった89分。
知念が頑張ってバックパスを追い、DFとGKよりも先に身体を入れてPKを獲得。
家長がPKを決め、同点に追いつくことができた。

しかし、90+4分。
齋藤がバックパスを相手に渡すと、そこからカウンターを浴びる。
戻りが遅くなり、福満隆貴(17)のクロスを山村和也(24)に決められた。

■summary
セレッソのカウンター2発に沈んだ。
終了間際に知念のPKで同点にすることができたが、その後の意思統一ができなかった。
攻撃に迫力なく、逆に守備では綻びが目立っていた戦況。
同点でも良かったが、齋藤の判断ミスから逆転を許した。

セレッソに4連敗。
引いて動かない守備を攻めあぐね、縦に早い速攻で仕留められる。
有利な日程なのに、先に運動量が落ちてしまう。
同じスタイルに、何度も負けてしまうのは残念。

内容的には妥当な敗戦だが、最後にミスで失点したことも反省すべき。
もっと試合の流れを読み、劣勢でも勝ち点を得る盤石さを見せてほしい。


■champions★★
セレッソには負けたが、2位広島が負けた。
残り2試合で勝ち点7差のままとなり、J1リーグ2連覇が決まった。
1999年、2004年のJ2リーグ、2017年のJ1リーグに続く4度目のタイトル。















目の前の試合に負けたので、優勝した嬉しさは中途半端。
こういうシチュエーションも、川崎らしいのかもしれない。

2度目の優勝は、初優勝のときみたいな強烈な感動はなかった。
静かに、ゆっくりと、去年とは違った喜びを味わっていたい。














次節は代表ウィークを挟み、中13日のFC東京戦(J1 #33)。
今シーズン、J1リーグでは5チームに負けているが、FC東京もその1つ。
すでに、浦和とC大阪にシーズンダブルを許している。
消化試合だが、内容で圧倒してしっかり勝ちたい。

■goal
55杉本健勇(9) 90+4山村和也(24)
90PK家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 44分、ソウザのミドルをパンチング。78分、クロスに出るが触れず。
エウシーニョ(18) 6.0 右サイドから細かいパス交換で仕掛けた。何度もクロスを上げる。
奈良竜樹(3) 5.5 仕事は少なかったが、戻りながらの守備で、セレッソを止められず。
谷口彰悟(5) 5.0 55分、杉本に抜き去られて失点。CKからの攻撃ではヘッドで狙った。
車屋紳太郎(7) 5.0 ケガからの復帰戦。75分に左から鋭いクロス。もっと仕掛けたい。
大島僚太(10) 5.0 フリーで前を向き、縦にボールを入れる。攻撃を牽引しきれず。
守田英正(25) 6.0 5分、ゴール前でボレー。76分から右SBに入り、パスの起点となった。
家長昭博(41) 6.0 複数で囲まれてもドリブルで抜け出す。90分、落ち着いてPKを決める。
中村憲剛(14) 5.5 多くのCKとFKを担当したが、味方に合わせられなかった。
登里享平(2) 5.5 いろいろな位置に顔を出した。37分、負傷交代。
阿部浩之(8) 5.5 1トップで出場し、目まぐるしく動く。10分、右サイドからミドル。

■sub
37(2)知念慶(20) 6.0 1トップに入る。89分、粘り強くボールを追い、PKを獲得。
76(18)鈴木雄斗(27) 5.5 力強いドリブルで、右サイドの狭いエリアを打開する。
76(8)齋藤学(37) 4.5 90+4分、バックパスをミス。全力で戻らず、決勝点を許す。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 下田北斗(22) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 5.0 セレッソの守備を崩し切れなかった。同点後の戦術を統一すべき。

■referee
村上伸次 6.0 良いポジションで、しっかりプレーを見極めていた。

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2018/11/04

181103川崎3-0柏(J1 #31)

川崎3-0柏(等々力, 14:00KO, 24,487人)

山形戦(天皇杯 QF)に敗れてから中9日。
湘南が優勝したYBCルヴァンカップ決勝を挟み、J1リーグは2週間ぶり。
2位の広島と勝ち点4差の首位に立ち、残り4試合。









アルパカ。違和感あります。




山形戦で退場したソンリョンが出場停止。
新井、阿部、下田が新たに先発し、齋藤、大島がベンチスタートとなる。














柏は、ACLにも出場したが、J1リーグ17位と不調。
天皇杯は同じ山形に3回戦で敗れていたため、2週間ぶりの試合。
アウェイでの対戦(J1 #14)は、1-2で川崎が勝った。
この川崎戦の翌日、監督が下平隆宏から加藤望に変わっている。

■1st half
柏はいつもの4バックではなく、5バックの守備的な布陣。
1トップのオルンガ(26)へロングボールを入れる。
伊東純也(14)もドリブルで、右サイドを突破してきた。

川崎のパスは面白いように回っていく。
2ボランチの大谷秀和(7)と小泉慶(8)の脇でボールをもらい、CBを引っ張り出す。
CBが上がることで5バックが崩されても、柏はなかなか補修できない。
空いたままのスペースを使って、川崎がゴールに迫った。

21分、登里が左サイドで縦パスを入れ、守田を走らせる。
守田のマイナスの左クロスを、家長が優しくインサイドでゴール。
33分には中村の右CK。
谷口がフリーで高くジャンプして、完璧なヘッドで2点目を決めた。

この他にも決定機を量産する。
17分に家長、27分に中村、32分と43分に小林のシュートなど。
GK中村航輔(23)のビッグセーブもあって、2点にとどまった。















■2nd half
2点を追って、柏はプレスを仕掛けてくる。
しかし、5バックは連動せず、間延びしてバイタルが空いてしまう。
川崎にうまくスペースを突かれて、体力を失っていった。

それでも63分、瀬川祐輔(18)を入れ、伊東とともにプレスを強める。
さらに75分にはクリスティアーノ(9)を投入。
ここで4バックにして前線を厚めにして、PAに近づいた。

柏が前掛かりになったため、川崎には多くのカウンターのチャンスがあった。
その際、速攻するのか遅攻するのか、選手の判断がブレていた。
2点リードしているので、打ち合いは避けるべきタイミング。
阿部が攻め急がずバックパスを選び、チーム全体を落ち着かせた。

89分、知念のシュートをGK中村が弾く。
素早くボールに詰めた阿部が、滞空時間が長いループで3点目を決めた。

■summary
柏は慣れない5バックで守ってきた。
守り方にも課題はあったが、ビルドアップもうまくいかない。
追いかける展開なのに、バックパスで作り直すことが目立った。

両サイドも空けていて、エウシーニョと登里を止められない。
特に右サイドは伊東が前に出るため、登里に深く入り込まれた。

38分、伊東のシュートがポストに当たる。
58分には小池の右クロスからオルンガが決定機を迎える。
これらを決められない不運はあったが、それでも妥当な結果だった。










インタビューを受ける家長。




川崎は盤石の試合運びで完勝。
プレスを受けてもワンタッチで簡単に打開していく。
しっかり押し込みつつ、柏の攻撃を封じた。
阿部が戻ったことで運動量が増え、下田のパスを受ける動きが全体を助けた。

左足を痛めている大島を温存できた。
ただ、下田と守田が良かったので、大島がすぐに先発に戻れるかは微妙なところ。

2位の広島が負けたため、勝ち点7差となった。
残り3試合。
川崎があと1つ勝つか、広島があと1つ負ければ2連覇が決まる。
相当有利な状況だが、次のC大阪戦(J1 #32)もベストを尽くしたい。

■goal
21家長昭博(41) 33谷口彰悟(5) 89阿部浩之(8) 

■judge
新井章太(30) 6.0 45分にオルンガ、75分に小泉のシュートを防ぐ。飛び出しは不安定。
エウシーニョ(18) 6.5 フリーな状況で攻め上がった。後半はクリスティアーノに押された。
奈良竜樹(3) 7.0 積極的に前に出て守った。右サイドを含めて広いエリアをカバーした。
谷口彰悟(5) 7.0 オルンガとハイボールを競り合った。完璧なヘッドで1ゴール。
登里享平(2) 6.5 ドリブルやスプリントで縦に攻める。89分、知念へラストパスを供給。
下田北斗(22) 6.5 勤勉に動いてパスを受ける体勢を取り続ける。運動量も落ちなかった。
守田英正(25) 6.0 バランスを取りつつ、ボールを狩った。ただ、ミスパスも見られた。
家長昭博(41) 6.5 余裕ある展開で、終盤のスプリントは見られず。貴重な先制ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 CKで1アシスト。周囲に委ねながら、縦にロングボールを狙った。
阿部浩之(8) 7.0 周囲がバタついても、流れを落ち着いてコントロールした。1ゴール。
小林悠(11) 6.0 上手くターンしてシュートを多く放った。ヒジで顔を打たれて負傷交代。

■sub
76(11)知念慶(20) 6.0 前からプレスする。89分、登里の縦パスを受けてシュート。
80(14)鈴木雄斗(27) 5.5 右サイドを固め、クリスティアーノと瀬川を抑えた。
90+1(41)齋藤学(37) 5.5 90+3分、決定機を迎えるが、シュートは当たらず。

■bench
安藤駿介(24) 舞行龍(29) 大島僚太(10) 長谷川竜也(16)  

■coach
鬼木達 6.0 大島をベンチに温存し、下田と守田のボランチで快勝に導いた。

■referee
佐藤隆治 6.0 取るべきファウルをきちっと取った。スムースに試合を進めた。

77,400









ハーフタイム。
仲良さそうな長谷川と鈴木。