2018/01/03

180103シーズン回顧(2) 2017ランキング

シーズン回顧(2) 2017ランキング

2017シーズンの川崎フロンターレを2回に分けて振り返る。
公式戦はJ1リーグ34試合、ACL10試合、YBCルヴァンカップ5試合、天皇杯4試合の53試合。
2回目は、この53試合を通じての各種ランキングを見る。

■high player (season) 
 1,000分以上出場した17選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
 カッコ内は2016年、2015年の順位。在籍なしは(-)とした。
 2016年に1,000分以上出場したのも17選手だった。

1位(4位,-) ソンリョン(1) 46試合4311分出場 平均採点6.32 ベンチ1試合
2位(-,-) 阿部浩之(8) 40試合3185分出場 平均採点6.31 ベンチ2試合
3位(3位,1位) 大島僚太(10) 34試合2903分出場 平均採点6.25 ベンチ2試合
4位(1位,9位) 小林悠(11) 51試合4297分出場 平均採点6.16 ベンチ2試合
5位(6位,11位) 中村憲剛(14) 47試合3962分出場 平均採点6.07 ベンチ1試合

 守備の要であるソンリョンを最も高く評価した。
 仕事がなく及第点の5.5点となった試合もあったが、攻め込まれると活躍した。
 僅差の2位は阿部。攻撃だけではなく、バイタルまで戻る守備も効いた。

 2016年に上位だった小林は4位(1位)、ネットは12位(2位)、大島は3位(3位)。
 過去のMVPは、2016年小林、2015年大島、2014年中村。

■low player (season)
 逆に1,000分以上出場した17選手で、シーズン平均採点が低かったのは次の選手。

17位(2位,-) エドゥアルド(23) 20試合1674分出場 平均採点5.60 ベンチ6試合
16位(15位,2位) 田坂祐介(6) 33試合2000分出場 平均採点5.78 ベンチ15試合
15位(-,-) ハイネル(22) 26試合1490分出場 平均採点5.84 ベンチ6試合

 エドゥアルドはC大阪戦(YLC Final)の4.5点など、致命的なミスによる低採点があった。
 右SBが多かった田坂は、攻撃での貢献が少なく、高採点が少なかった。

■play time (season)
 53試合5,071分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
 カッコ内は2016年、2015年の順位。

1位(4位,7位) 車屋紳太郎(7) 50試合4478分出場 平均採点5.89 ベンチ0試合
2位(1位,1位) 谷口彰悟(5) 47試合4455分出場 平均採点6.03 ベンチ4試合
3位(6位,-) ソンリョン(1) 46試合4311分出場 平均採点6.32 ベンチ1試合
4位(8位,17位) 小林悠(11) 51試合4297分出場 平均採点6.16 ベンチ2試合
5位(7位,-) ネット(21) 48試合4085分出場 平均採点5.97 ベンチ1試合

 2年連続で出場時間1位だった谷口を抑えて、車屋がトップとなった。
 小林が51試合に出場し、出場試合数ではトップ。ベンチ入りも含めて全53試合に絡む。

■high game
 各試合ごとに出場選手の採点を、出場時間に応じて平均した。
 この平均採点が高かったのは、53試合のうち次の試合。

1位 171202川崎5-0大宮(J1 #34)★ 平均採点6.62
 優勝が決まったシーズン最終戦。1つの試合として見ても大宮を圧倒した。
2位 170701川崎5-0神戸(J1 #17) 平均採点6.60
 ケガ人を多く抱える神戸に圧勝。相手GKが活躍し、5得点に抑えられた。
3位 170909川崎3-0横浜FM(J1 #25) 平均採点6.59
 守備的な布陣を敷き、ショートカウンターで堅守のマリノスを仕留める。

 3位まですべてJ1リーグのホームゲーム。大量得点で無失点のゲームとなった。

■low game
 逆に平均採点が低かったのは53試合のうち次の試合。

53位 170729川崎2-5磐田(J1 #19) 平均採点4.84
 カウンター攻撃からの失点が続き、大敗を喫した。
52位 170430C大阪2-0川崎(J1 #9) 平均採点5.23
 ネットが出場停止、大島と中村をケガで欠き、力負けした。
51位 170604横浜FM2-0川崎(J1 #14) 平均採点5.25
 流動性と運動量が少なく、マリノスの守備ブロックを崩せなかった。
 
 最下位となった磐田戦の平均採点は他の試合を大きく下回った。
 50位のFC東京戦(J1 #4,平均採点5.32)まで、今季J1リーグでの4敗が揃った。

■high player (each game)
 各試合の採点で、最も高かったのは8.0点。7回あった。

8.0 ソンリョン(1) 170425水原三星0-1川崎(ACL GL #5)
 多くの決定機を止めまくった。ACL決勝トーナメントに導いた。
8.0 阿部浩之(8) 170701川崎5-0神戸(J1 #17)
 2ゴール2アシストで大勝に導き、無失点にも貢献した。
8.0 小林悠(11) 170823川崎3-1浦和(ACL QF #1)
 自陣に引き籠る浦和を、8本のシュートで2ゴールで攻略した。
8.0 阿部浩之(8) 170903FC東京1-5川崎(YLC QF #2)
 ハットトリック。チャンスを迎えると落ち着いてゴールを決めた。
8.0 大島僚太(10) 170909川崎3-0横浜FM(J1 #25)
 今シーズン唯一のゴールを決め、中盤でボール奪取を繰り返した。
8.0 森本貴幸(9) 170920川崎4-1清水(天皇杯 R16)
 中盤で組み立てにも参加しながら完璧な3ゴール。
8.0 小林悠(11) 171014川崎3-2仙台(J1 #29)
 家長の退場から2点ビハインドを負う。ボールを追い続け、逆転の2ゴール。

 3度あったハットトリックは、阿部と森本の2つが8.0点。
 大宮戦(J1 #34)の小林は、7.5点とした。

■low player  (each game)
 各試合の採点で、最も低かったのは3.5点。3回だった。

3.5 奈良竜樹(3) 170301イースタンSC1-1川崎(ACL GL #2)
 13分、PA内で競り合ってレッドカード。PKを与え、退場した。
3.5 車屋紳太郎(7) 170913浦和4-1川崎(ACL QF #2)
 38分、足裏を高く掲げてレッドカード。有利な状況からACL敗退に導く。
3.5 奈良竜樹(3) 171008川崎3-1仙台(YLC SF #2)
 14分、52分とイエローで退場。チームを窮地に追いやった。

 今シーズン、チームの退場は4回。いずれも採点は低くなった。
 そのうち、1発レッドが2回、イエロー2枚が2回だった。
 仙台戦(J1 #29)で退場した家長は、4.0点とした。

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2018/01/01

180101シーズン回顧(1) 2017選手別平均採点

シーズン回顧(1) 2017選手別平均採点

2017シーズンの川崎フロンターレを2回に分けて振り返る。
1回目は選手別平均採点。

公式戦はJ1リーグ34試合、ACL10試合、YBCルヴァンカップ5試合、天皇杯4試合の53試合。
ACLに出場したこともあり、2016年の47試合から6試合増えた。

■J1リーグ 優勝★
 勝ち点72 34試合21勝9分4敗 得失点差+39
 2016年と同じ勝ち点72。同勝ち点の2位鹿島を得失点差で上回る。
 クラブ史上初めてJ1タイトルを獲得した。
■アジアチャンピオンズリーグ(ACL) ベスト8
 グループステージGグループ 1位 勝ち点10 6試合2勝4分 得失点差+5
 ノックアウトステージ 4試合3勝1敗 得失点差+4
 準々決勝(ACL QF #1#2)で浦和に敗れた。
■YBCルヴァンカップ(YLC) 準優勝
 ノックアウトステージ 5試合3勝2敗 得失点差+5
 決勝(YLC F)でC大阪に敗れ、準優勝。
■天皇杯 ベスト8
 4試合3勝1敗 得失点差+8
 準々決勝(天皇杯 QF)で柏に敗れた。

合計では、53試合32勝13分8敗だった。

53試合のプレー時間の合計は、5,071分。
この時間には、前後半のロスタイムを含んでいる。
ロスタイムの時間は、www.football-lab.jpフロンターレ公式サイトを参考として独自に算出。

53試合ごとの各選手の採点から、出場時間に照らしてシーズンの平均採点を計算した。
チーム全体の平均採点は、6.036点(2016年6.028点、2015年6.014点、2014年5.870点)だった。

GK、DF、MF、FWのポジション別に、出場時間順に並べた。
ポジションはチームの登録のものではなく、実態に合わせた。
今シーズンは4バックが多かったため、サイドバックはDFに含めた。

■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 46試合4311分出場 平均採点6.32 ベンチ1試合
 2シーズン目も卓越したセービングを披露しつづけた。平均採点1位。
 ソンリョンのおかげで得た勝ち点も多く、J1リーグ優勝の立役者となった。
新井章太(30) 9試合760分出場 平均採点5.96 ベンチ44試合
 第2GKとして控え、ソンリョンのケガやターンオーバーで出番を得る。
 良いパフォーマンス。天皇杯は4試合ともに出場した。
安藤駿介(24) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ6試合
 出場はなかったが、第3GKとして控える。
ポープ・ウィリアム(31) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ0試合
 東京ヴェルディ(J2)から期限付き移籍。
 出場、ベンチ入りともになかった。
 (2018 東京V(J2)から完全移籍)

■defender
車屋紳太郎(7) 50試合4478分出場 平均採点5.89 ベンチ0試合
 ベストイレブン(初)。左SBとして欠かせない存在に。序盤はCBにも入った。
 日本代表に初選出され、YLC仙台戦2試合を欠場するが、チーム最多の出場時間。
 ACL浦和戦(ACL QF #2)の退場でチームを敗退させた。
谷口彰悟(5) 47試合4455分出場 平均採点6.03 ベンチ4試合
 J1リーグ34試合にフル出場し、7得点。ネットが欠場するとボランチでも活躍。
 背後を狙うロングボールに戸惑うことが減り、穴が少なくなって安定した。
奈良竜樹(3) 44試合3573分出場 平均採点6.07 ベンチ6試合
 2016シーズンの2度の骨折から復帰。パスワークの向上も見せた。
 エドゥアルド復帰後は一時レギュラーを譲るが、夏以降に奪い返す。
 ACLイースタン戦(ACL GL #2)YLC仙台戦(YLC SF #2)で2度の退場。
エウシーニョ(18) 28試合2541分出場 平均採点6.04 ベンチ1試合
 ベストイレブン(初)。シーズン直前の練習試合で右脛骨を骨折して、長期離脱。
 6月17日の広島戦(J1 #15)で復帰し、右SBで攻撃力を発揮した。
田坂祐介(6) 33試合2000分出場 平均採点5.78 ベンチ15試合
 シーズン前半、エウシーニョと武岡が不在となった右SBを支える。
 後半はベンチが多く、複数のポジションで役割を果たす。
エドゥアルド(23) 20試合1674分出場 平均採点5.60 ベンチ6試合
 オフシーズンに右肩脱臼を手術し、5月5日の新潟戦(J1 #10)で復帰。
 C大阪戦(YLC F)など失点につながるミスもあって、安定感に欠けた。
板倉滉(28) 15試合723分出場 平均採点5.90 ベンチ15試合
 YLCではU23枠で出場するなど、2016年(7試合474分)から出場時間を伸ばす。
 イースタンSC戦(ACL GL #2)ではプロ初ゴールを決める。
 (2018 仙台(J1)へ期限付き移籍)
武岡優斗(17) 4試合211分出場 平均採点5.95 ベンチ3試合
 左膝の故障で長期離脱を続けた。2016年11月の手術で全治4ヶ月。
 5月に復帰するが、6月に再度の手術で全治6ヶ月。シーズンを終えた。
舞行龍ジェームズ(29) 2試合189分出場 平均採点5.50 ベンチ0試合
 新潟(J1)から完全移籍。開幕からACL2試合に出場した。
 しかし、3月に右膝半月板を手術し、全治5ヶ月。復帰できなかった。
井川祐輔(4) 2試合156分出場 平均採点5.30 ベンチ0試合
 広州恒大戦(ACL GL #3)で右膝副靭帯を負傷し、全治4ヶ月。
 川崎での12シーズン目は、ACL2試合の出場に留まった。
 (2018 イースタンSC(HKG)へ移籍)
タビナス・ジェファーソン(26) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ1試合
 桐光学園高校から新規加入。
 栃木U戦(天皇杯 R64)で唯一のベンチ入り。

■midfielder
エドゥアルド・ネット(21) 48試合4085分出場 平均採点5.97 ベンチ1試合
 周囲のサポートを受けて、落ち着いて余裕を持てば、申し分なかった。
 反面、J1リーグでイエロー9枚を集めるなど、荒々しさもあった。
中村憲剛(14) 47試合3962分出場 平均採点6.07 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年連続7回目)。
 5月に腰痛で2試合欠場しただけで、フルシーズン稼働を続ける。
 夏季には出場時間を限定し、シーズン終盤まで好調を維持した。
阿部浩之(8) 40試合3185分出場 平均採点6.31 ベンチ2試合
 G大阪(J1)から完全移籍で加入。川崎のサッカーにすぐに溶け込んだ。
 J1リーグ10得点、ACL1得点、YLCはFC東京戦(YLC QF #2)でハットトリック。
 3月と9月に膝のケガで離脱。12月には日本代表に初選出される。
大島僚太(10) 34試合2903分出場 平均採点6.25 ベンチ2試合
 凄みを増したパスはもちろん、守備でもボール奪取を増やした。
 4月、9月に筋肉系のケガで離脱すると、チームに大きな影響を与えた。
 シーズン終了後、代表戦でも負傷してしまった。
家長昭博(41) 35試合2592分出場 平均採点6.04 ベンチ3試合
 大宮(J1)から完全移籍で加入。3月に右足を骨挫傷して離脱する。
 復帰後もフィットするまで長くかかったが、終盤はチームを牽引した。
登里享平(2) 31試合2060分出場 平均採点5.97 ベンチ6試合
 開幕から左の攻撃的MFとして出場を続け、ゴールは少なくとも活躍。
 9月、腹直筋肉離れでの1ヶ月離脱した。
森谷賢太郎(19) 29試合1654分出場 平均採点6.04 ベンチ20試合
 大島とネットのサブとして、2人と遜色のないプレーを見せた。
 C大阪戦(J1 #28)のドライブミドルは美しかった。
三好康児(13) 20試合874分出場 平均採点5.72 ベンチ11試合
 ユースからの昇格3年目。背番号を26から13に変更。
 7月から9月までベンチ外が続き、2016年(27試合1421分出場)よりも出場時間を減らす。
 (2018 札幌(J1)へ期限付き移籍)
狩野健太(25) 8試合260分出場 平均採点5.69 ベンチ11試合
 出場時間が限られた。清水戦(天皇杯 R16)が唯一のフル出場。
 11月に右足骨棘を手術し、全治8週間。
 (2018 徳島(J2)へ移籍)
田中碧(32) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ0試合
 ユースからトップ昇格。
 3月に左膝副靭帯を手術して、全治4ヶ月。

■forward
小林悠(11) 51試合4297分出場 平均採点6.16 ベンチ2試合
 J1リーグ23得点。ACL6得点。J1優勝に導く。
 ベストイレブン(2年連続2回目)、最優秀選手(MVP)、得点王を獲得。
 大久保嘉人が去ったチームでエースとして十分に活躍した。
長谷川竜也(16) 35試合1779分出場 平均採点5.89 ベンチ13試合
 J1リーグ5得点、ACL2得点、YLC1得点、天皇杯1得点。
 スプリントと正確なシュートで、得点を重ねていった。
ハイネル(22) 26試合1490分出場 平均採点5.84 ベンチ6試合
 4人目のブラジル人としてAAポンチ・プレッタ(BRA)から期限付き移籍で加入。
 縦にドリブルで仕掛け、パス偏重のチームのリズムを変えた。
 (2018 ECヴィトーリア(BRA)へ移籍←トンベンセFC(BRA)からの期限付き移籍)
森本貴幸(9) 22試合763分出場 平均採点6.10 ベンチ23試合
 J1リーグ3得点、天皇杯4得点。清水戦(天皇杯 R16)ではハットトリック。
 スーパーサブでの起用が多く、積極果敢にシュートを放った。
 (2018 福岡(J2)へ移籍)
大塚翔平(27) 5試合331分出場 平均採点6.12 ベンチ7試合
 ケガ人が多かった4月に出場のチャンスを得る。
 良い出来だったが、その後は出場機会がほとんどなかった。
 (2018 相模原(J3)へ移籍)
知念慶(20) 9試合234分出場 平均採点5.89 ベンチ4試合
 愛知学院大学から新規加入。YLC仙台戦(YLC SF #1)で初ゴール。
 柏戦(J1 #31)でのゴールも勝利に結びつかなかったが、貴重だった。

(特別指定) ※出場なし
脇坂泰斗(33) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ0試合
 ユース出身。阪南大学4年生。
 (2018 新規加入)
守田英正(34) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ0試合
 流通経済大学4年生。
 (2018 新規加入)
三笘薫(35) 0試合0分出場 平均採点0.00 ベンチ0試合
 ユース出身。筑波大学2年生。

■coach
鬼木達 平均採点6.12
 風間前監督よりも柔軟な起用が見られた。
 3人の交代枠もほとんど欠かさず使った。

■referee
平均採点5.72
(2016年5.69、2015年5.61)