2017/03/24

170318FC東京3-0川崎(J1 #4)

FC東京3-0川崎(味の素スタジアム, 19:00KO, 36,311人)

広州恒大戦(ACL GL #3)をドローで終えて、中3日。
中国からの移動を挟み、続けてのアウェイ、第29回多摩川クラシコ。














J1リーグ戦での多摩川クラシコは、川崎が3連勝中。
天皇杯(2016 天皇杯 QF)でも対戦していて、川崎が勝っている。

フルメンバーだった広州戦の先発から、井川と板倉が外れる。
直前のケガで広州戦を回避した田坂と、出場停止だった奈良が復帰。
8日前の柏戦(J1 #3)と同じ先発に戻ったことになる。

サブにはハイネルが入り、狩野と知念が外れた。














FC東京はここまで2勝1敗。
川崎から移籍したFW大久保嘉人(13)を始め、FWピーター・ウタカ(9)、FW永井謙佑(15)、MF髙萩洋次郎(8)、DF太田宏介(6)、GK林彰洋(33)など、J1レギュラークラスを大量に補強している。

■1st half
前半は川崎がコンパクトにプレー。
2分、CKからニアで奈良がヘッド。
さらに田坂が押し込もうとしたが、いずれもGK林が防ぐ。
14分の小林、18分の阿部のシュートなど、川崎が優勢。
31分には登里がドリブルでCB2枚を中央から抜きさってシュート。
林にセーブされたが、切れ味鋭いドリブルだった。

FC東京は縦に蹴って川崎にボールを回収された。
FW阿部拓馬(44)と大久保、髙萩が早い攻撃からクロスを仕掛ける。

35分をすぎると、FC東京の時間が続く。
しかし、精度は高くなく、川崎を崩すことはできなかった。

■2nd half
後半は、お互いにミスが多くなる。
ショートカウンターの応酬。
選手の間隔が拡がって、中盤が省略される大味な展開。
60分あたりからは、FC東京がセカンドボールを支配する。

71分、ネットに代えて長谷川を前線に投入する。
ネットがいなくなると、FC東京のプレスが効き始める。
平凡なパスをつないで追い込まれ、FC東京に囲まれる。

76分、追われた大島が田坂にボールを預けると、田坂が単純なミスパス。
プレスに来ていて前掛かりになっていたFC東京のカウンターとなる。
左サイドからの阿部拓馬のシュートは、田坂とソンリョンに当たりオウンゴール。

その後は1点を追う状況となったが、攻撃の手段が限られた。
ボールを前につなぐことができず、FC東京のプレスの餌食となった。
86分にウタカ、90+2分に大久保に決められて、3失点。

■summary
両チームの交代策が明暗を分けた。
FC東京の篠田善之監督は、68分、MF橋本拳人(37)を交代させる。
橋本は50分にイエローを受け、その後もファウルを重ね、いつ退場してもおかしくなかった。
守備で後手後手になっていただけに、退場となる前に交代させる判断が奏功した。

逆に鬼木監督はネットを下げて、攻守のバランスを崩してしまう。
ACLを挟んだ連戦で、疲労による影響が出た試合。
ネットがいないと最終ラインでボールを持てなくなった。
厳しい状況でパスを出すこととなり、効果的な攻撃ができない。

ボランチにフレッシュなMF田邉草民(27)を入れたFC東京がルーズボールを回収する。
攻撃に出なければならない川崎が、守備に追われる時間が伸びた。

ネットを交代させるなら、板倉や森谷をボランチに投入するほうがよかった。
連戦、それも試合終盤の中村に守備を期待するのは酷。

ケガ明けの田坂もフル出場したが、その右サイドをFC東京に狙われた。
奈良がフォローのために引っ張り出され、中央を空けてしまう。

失点後のプレーも良くなかった。
3点目の大久保のゴールシーン。
谷口と奈良がウタカのパスで置き去りとなる。
しかし、2人とも大久保を追わなかった。
1対1となったソンリョンが必死に時間を稼いだが、誰も戻ってこなかった。
負けがほぼ確定したロスタイムであっても、諦めるべきではない。

今シーズン7試合目で初めての敗戦。
必ずしも悪い内容ではなかった。
しかし、こういった試合でも地道に勝ち点を拾っていきたい。

■goal
76OwnGoal 86ピーター・ウタカ(9) 90+2大久保嘉人(13)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 1点を失うまでは完璧だったが、次々とゴールを破られた。
田坂祐介(6) 4.5 右サイドで劣勢。簡単なミスから失点を招いた。クロスの精度がなかった。
奈良竜樹(3) 5.0 田坂のサポートもこなし、よく守っていた。最後に集中力を欠いた。
谷口彰悟(5) 5.5 バランス良くラインを上げる。ショートカウンターには苦しんだ。
車屋紳太郎(7) 6.0 49分、CKに合わせて惜しいシュート。守備でも永井を抑え込んだ。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 アンカーでパスをつなぎ、スペースを埋めてボールを回収した。
大島僚太(10) 5.0 14分、華麗なダブルタッチ。前に向かってパスを供給。後半は失速。
小林悠(11) 5.0 ポストプレーは悪くない。14分のシュートは左。パスが来なかった。
中村憲剛(14) 5.0 セットプレーもパスも冴えた。ボランチに移動するのは荷が重い。
登里享平(2) 6.0 左サイドから崩した。31分、50メートルをドリブルで駆け上がってシュート。
阿部浩之(8) 5.5 やや左目の1トップ。トラップ良く前線でポイントを作った。

■sub
56(8)ハイネル(22) 5.0 ドリブルを仕掛けるが、ボールロストが多かった。
71(21)長谷川竜也(16) 5.5 投入直後のシュートは上へ。80分、右クロスはGK林がキャッチ。
82(13)三好康児(13) 5.0 チームがボールを持てない時間が多く、活きなかった。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 板倉滉(28) 森本貴幸(9) 

■coach
鬼木達 4.5 ネットの交代とともにチームは失速。ドリブラーばかりを投入したのも疑問。

■referee
飯田淳平 4.5 軽い接触でも笛を吹いて試合を止める。アドヴァンテージも取らなかった。

2017/03/15

170314広州恒大1-1川崎(ACL GL #3)

広州恒大1-1川崎(天河体育中心体育場, 20:00KO(21:00JST))

ACLのグループリーグ第3節は、中国の広州恒大とのアウェイ。
4チームのうち、最も強豪と見られる相手。

イースタン戦(ACL GL #2)では、大きなターンオーバーを行った。
GL突破に向けて重要なこの試合はフルメンバーで臨む。

中3日となった柏戦(J1 #3)から先発は2人が変更。
田坂は広州遠征に帯同していたが、前日練習で負傷して欠場。
また、奈良が出場停止のため外れている。
代わりに井川と板倉が先発する。

ベンチには新たに長谷川と知念が入る。
愛知学院大学から新卒で加入した知念は、初めてのベンチ入り。
ハイネルも出場停止のため、ベンチ外となった。

広州恒大の監督はルイス・フェリペ・スコラーリ。
かつて監督として、磐田、ブラジル代表、ポルトガル代表を率いた。
現役ブラジル代表のパウリーニョ(8)が先発している。

■1st half
田坂が欠場したため、井川が右SBに入る。
最終ラインは右から井川、谷口、車屋、登里。
そして板倉がネットとボランチを組み、大島は前MFに配置された。

スタジアムの芝は深く、ボコボコで荒れている。
ボールが走らないため、パスが通らない。

25分、ルーズボールを板倉がヘッドでゴール前に落とす。
走り込んだ阿部がGKと1対1となるが、GK曾誠(19)がクリア。

26分、カウンターでMFリカルド・グラル(11)が左サイドを抜け出す。
パスを受けたFWアラン(7)が、詰めてきた谷口と車屋の間を抜くゴール。

先制されたあと、広州恒大の一方的な攻撃が続く。
28分、谷口を抜いたMF于漢超(20)の決定機をソンリョンが止める。
30分、パウリーニョが井川を抜いてクロス。
 于漢超の至近距離のシュートは登里がブロックしてバーに当たる。
31分、ソンリョンがスローで直接アランにパスミス。そのまま1対1となるが、自分で止める。
34分、左からのクロスをグラルがヘッド。
いずれも低い位置で簡単にボールを失って、多くの決定機を作られた。
追加点が生まれなかったのが不思議なくらいの状況。

34分、早くも板倉を下げて森本を投入する。
併せて右SBに登里、井川がCB、車屋が左SBと最終ラインの構成を動かす。
これでパスがつながるようになり、カウンターへの守備も機能する。

■2nd half
後半になると、パスをつないで広州恒大を押し込んでいく。
中村がボランチの間に下りて、ボールを落ち着かせる。
ネットと大島と3人で、頻繁に顔を出す前線に縦パスを入れていく。

広州恒大はカウンター主体。
ただ、前半よりもボールを奪う位置が低くなり、効果的に仕掛けられない。

60分、井川が負傷し、長谷川を左SBに入れ、車屋をCBに戻す。
ボールを長く持って押し込みながら、決定機を作る。

61分、小林が大島のスルーパスでDFを抜き去ってシュート。
GKも触れず、決まったかと思ったが、ポストに当たって跳ね返った。
86分には阿部が中村のパスを受けてシュート。これはGK曾誠がセーブした。

90+2分、PA内で于漢超がハンド。
クリアボールを追いかけ、三好に競り勝つため体勢を崩して手が出てしまった。
もし三好がボールを拾っていても、防ぐチャンスはあっただけに残念なプレー。

90+5分、小林がPKを決めて同点に終わった。

■summary
試合前日のケガによる田坂の欠場が大きく響いた。
井川が右SBに入ったが、カウンターに対処できなかった。
森本が入り、井川がCBに動くと目に見えて安定しただけに、最初の配置が残念。
しかし鬼木監督は、劣勢の原因を見抜き、34分で選手交代を選択して状況を改善した。

前半の広州恒大の分厚い攻撃は圧巻だった。
逆に後半になると川崎がパスをつないで攻め込んだ。

広州恒大は後半になるとまったくプレスに来なくなった。
川崎は余裕を持ってボールを持ち、広州恒大の最終ラインはべったりと下がる。
サイドを警戒して絞ってこないため、中央への縦パスが通った。
スルーパスを狙い続けて、多くのチャンスを作った。

ただ、ゴールは単純なカウンターとPKから。
それほど見応えがある試合とはならなかった。

広州恒大のプレーはクリーンだった。素晴らしいこと。
また、パウリーニョは別格のプレーを見せた。
縦パスを読み切ってパスカットして、カウンターでラストパスを供給する。
ぜひ等々力でもすごいプレーを見せてほしい。

アウェイでのドローは悪くはない結果。
ただ、ACLではドローが3つとなり、グループリーグで3位のまま。
残りの3試合で勝利が必要となった。

右SBを支えてきた田坂の負傷はとても厳しい。
井川もケガで交代したが、それぞれ重症でないことを願う。
他の選手も負荷が大きくなっている。
長いシーズンを見据えて、適度に休ませながら選手を起用したい。

■goal
26アラン(7)
90+5PK小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 失点後、決定機をことごとく止めた。キックとスローは不安定。
井川祐輔(4) 5.0 右SBではスピードがなく何度も抜かれる。CBに移ると安定。負傷交代。
谷口彰悟(5) 5.5 ミスはあったが耐えた。16分にイエロー、30分に抜かれて決定機を与える。
車屋紳太郎(7) 6.0 CBでカウンターに対抗する。SBでは積極的に上がっていった。
登里享平(2) 6.0 左SBから右SBに動く。右でも左と遜色ない動きができていた。
板倉滉(28) 5.5 アンカーでパスを受ける。悪くはなかったが、交代後、チームは生き返った。
ネット(21) 6.0 ボールロストが多かったが、ピッチに馴れるとアイディア溢れるパスを見せる。
大島僚太(10) 6.5 マークに付かれても前を向いてスルーパスを出す。走ってカウンターを遅らせる。
阿部浩之(8) 6.5 25分、86分に決定機を迎えたが、決められず。ショートパスが周囲と噛みあう。
中村憲剛(14) 6.0 パウリーニョを避けてボールを握る。プレスが少なく考える時間に余裕があった。
小林悠(11) 6.0 71分、ポストに当てるシュート。PKは中央に。GKが先に動かなければ止められたかも。

■sub
34(28)森本貴幸(9) 6.0 1トップで最終ラインを押し下げ、味方の攻撃を引き出す。守備でプレスも掛ける。
60(4)長谷川竜也(16) 6.0 左SBに入る。1点を追いかける状況で積極的に仕掛け、ボールをキープした。
82(9)三好康児(13) 5.5 トップ下に入る。位置が良くなくボールをもらえなかった。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25) 知念慶(20)

■coach
鬼木達 6.5 最初は最終ラインの組み合わせに失敗したが、34分に修正して立て直した。

■referee
アブドゥルラフマン 6.5 ファウルを流しながら試合を落ち着かせた。PK判定は妥当。

2017/03/11

170310川崎2-1柏(J1 #3)

川崎2-1柏(等々力, 19:00KO, 18,608人)

開幕から2週間、ACLとJ1リーグで週2試合ずつあった。
今週はACLの試合がなかったが、それでも変則的な日程。
翌週火曜日のACL広州恒大戦を睨み、柏戦は金曜日のナイター開催となった。
日曜日の鳥栖戦(J1 #2)からは中4日となる。

先発には、鳥栖戦のメンバーから大塚が外れ、奈良が入る。
CBに奈良が入り、車屋が右SBへ、登里が右MFに動いた。
大塚はベンチ外となって、狩野がベンチに入った。

奈良はJ1リーグでは1度目の骨折をした去年5月の神戸戦(2016 J1 #12)以来の先発。
ただしこの間、天皇杯千葉戦(2016 天皇杯 R32)ACLイースタン戦(ACL GL #2)で1試合ずつ先発している。

週中に2日間、U-20日本代表候補合宿があった。
板倉は参加したが、三好はチーム事情により辞退している。
ただ、2人ともベンチスタートとなった。














柏はJ1リーグで1勝1敗。
開幕戦は2PKで鳥栖に勝ち、前節はG大阪に敗れている。

■1st half
柏は高い位置でのボール奪取を目指し、前線からプレスをかける。
1トップのFWディエゴ・オリヴェイラ(11)が川崎のパスコースを切る。
サイドにボールを出させ、MFクリスティアーノ(9)やMF伊東純也(14)が素早く取り囲む。

しかし、川崎は間合いを詰められても、ボランチにパスをつなぐことができた。
柏のファースト・プレスを切り抜ければ、次のプレスは緩く、ボランチが中盤のスペースを使うことができた。

サイドもほどよく使いながら、ショートパスをつなぐ。
特に左サイドでは、登里と車屋が交互にPA横まで入り込む。
柏の右SBは、J1初先発のDF古賀太陽(28)。ユース昇格1年目。
伊東のサポートが遅いこともあり、2人の連続攻撃に苦しんでいた。

6分、13分、34分と小林、20分には登里がシュート。
GK中村航輔(23)の好セーブもあり、ゴールは決まらない。
前半終了近くの42分。中村の6本目のCK。
谷口がニアサイドで高い打点のヘッド。
ゴール右隅を狙いすまして決めて先制する。

45+1分にはDF中山雄太(5)が低レヴェルのミス。
ゴール前で阿部に緩く迫られると、ターンでかわそうとして、ボールを残してしまう。
そのまま阿部に拾われ、中央の中村がゴールに流し込んだ。

■2nd half
後半になると、2点を追う柏が動きを強める。
逆に川崎は足が止まってきて、押される展開。
伊東やクリスティアーノがサイドに流れ、中に単純なクロスを放り込む。
奈良と谷口が難なくクリアするが、セカンドボールを拾われてしまう。

川崎は前掛かりになった柏の背後を狙う。
55分、阿部がGKとの1対1となり、2度シュートするが決められない。

柏はセットプレーを中心にチャンスを作る。
60分、クリスティアーノの右CKをFW武富孝介(8)がヘッドで決めて1点差。
田坂が武富のマークを外し、ゴール前でフリーにしてしまった。

柏がますます勢いを増し、川崎のミスが目立つが、71分。
カウンターで抜け出した中村を、中山とDF中谷進之介(4)が挟みこんで倒す。
中村は2人の前に出ていたため、中山にレッドカードが出された。

柏は10人となっても、セットプレーで同点を狙う。
運動量も遜色なく、川崎のパスミスを誘ったが、ゴールは奪えなかった。

■summary
前半は終始押し込んだ。
柏は途中で手を打つべきだったが、下平監督は動かなかった。
無失点で耐え、後半勝負する戦略と思われるが、終了間際に2失点。

後半、柏は勝負を仕掛けてきた。
ロングボールで伊東やオリヴェイラを狙い、サイドのスペースを活かした。
人数をかけない単純な攻撃は徹底できていた。
クリスティアーノのセットプレーは脅威的。
得点力のある人材は揃っているので、守備を固めれば勝ち点を拾えると思われる。

2点目を招いた中山のプレーは、考えられないミス。
レッドカードも含め、試合を壊してしまったのは残念。
これがなければ、もっと緊迫した面白い試合を観ることができたと思われる。
中山には今日の失敗を糧にして、次も堂々と川崎の前に立ちはだかってほしい。













川崎は今シーズン5試合目。
舞行龍、家長、田中とケガ人が増える中、攻撃が嚙みあってきた。
阿部、ハイネルの動きも少しずつ周囲と合ってきている。
今日の得点はセットプレーと相手のミスからだったが、ボールを長く握った。
相手を押し込んでシュートすることが増えてきた。

ネットは81分、MF大谷秀和(7)にボールのないところで報復。
レッドに相当すると思われるが、イエローにとどまった。
報復のきっかけとなった大谷との競り合いは正当なもの。
何でもないプレーにもかかわらず、ネットは自分だけ熱くなってしまう。
後半になると集中力が欠けるところがあり、精神的なムラが大きい。
感情を制御できないネットをすぐに下げた鬼木監督の判断はとても良かった。













次は中3日の広州恒大戦。
グループリーグ突破のために大切な一戦となる。
奈良、ハイネルが出場停止。
最終ラインの構築も含め、きちっと結果を出したい。

■goal
42谷口彰悟(5) 45+1中村憲剛(14) 
60武富孝介(8)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 21分の武富、56分のオリヴェイラのシュートをセーブ。
田坂祐介(6) 6.0 右サイドでパスの受け皿となった。武富のゴールはマークミス。
奈良竜樹(3) 6.5 安全な選択で守備を固める。77分にイエローをもらったが、接触なし。
谷口彰悟(5) 6.5 完璧なゴール。35分にミスパス、56分にオリヴェイラに突破を許す。
車屋紳太郎(7) 6.5 登里と役割分担して左サイドを攻略。伊東をきちっと抑え込んだ。
ネット(21) 5.5 パスの選択も守備も素晴らしかった。81分、報復でイエロー。
大島僚太(10) 6.5 相手の間に入り込んでフリーになる。ラストパスを狙い、69分にミドル。
小林悠(11) 6.5 ゴールには絡まなかったが、多くのシュートを放った。好調を持続。
中村憲剛(14) 7.0 1アシスト1ゴール。70分に中山を退場に追い込む。守備の負担が少なく、攻撃で躍動。
登里享平(2) 6.5 守備も含め上下動を繰り返す。20分、車屋のスルーパスを受けた決定機を決められず。
阿部浩之(8) 6.5 1トップ。45+1分にアシスト。55分にはGKとの1対1を2度外した。

■sub
68(2)ハイネル(22) 6.0 73分にシュート、90分にカウンターから決定機。守備は粗い。
84(21)板倉滉(28) 6.0 ネットに代わって入る。バイタルを埋め、ハイボールも競り勝つ。
89(8)森本貴幸(9) 5.5 プレー機会は少なかったが、最前線でボールを追いかけた。

■bench
新井章太(30) 狩野健太(25) 森谷賢太郎(19) 三好康児(13) 

■coach
鬼木達 6.5 奈良のCB起用、そして3人の選手交代が絶妙だった。

■referee
今村義朗 6.0 カードの選択は微妙だったが、試合を中立にコントロールした。

2017/03/06

170305川崎1-1鳥栖(J1 #2)

川崎1-1鳥栖(等々力, 17:00KO, 22,705人)

アウェイのイースタン戦(ACL GL #2)のドローから中3日。
ACLとの試合間隔を空けるため、日曜日の開催となった。

イースタン戦では大きく選手を入れ替えた。
そのため、1週間前の大宮戦(J1 #1)のメンバーにほぼ戻した。
大宮戦の先発と異なったのは1人。
左足親指を痛めた家長が欠場し、代わりに大塚が入る。
ベンチには板倉、森谷が入り、長谷川、狩野が外れた。

イースタン戦から連続して先発するのは車屋のみ。
田坂、小林、ネットは途中出場している。
大塚は香港遠征には帯同したが、ベンチ外となっていた。














鳥栖は開幕戦、ホームで柏に負けた。
DF谷口博之(29)はCBで出場。
レンタル移籍中のMF原川力(4)はベンチスタートとなった。
GK林彰洋はFC東京へ移籍したが、新たにGK権田修一(33)を獲得した。

■1st half
鳥栖は守備で全体的にボールサイドに寄せてくる。
逆サイドは大きく空いていて、ここを使って川崎は攻めていく。

7分、中村のパスをDF吉田豊(23)がカット。
しかし、こぼれたボールを小林がさらって独走。
PA内まで進入して、GK権田のニアサイドを抜いてゴール。
スライディングに来た谷口博之に当たり、わずかにコースが変わった。

鳥栖は19分、ケガのためMF小野裕二(40)から原川に交代。
原川が左サイドに入ると、守備が大きく改善する。
サイドのスペースが埋まり、川崎のパスコースを消していく。
ボールを奪うと、すかさずロングボール。
川崎の最終ラインを下げ、バイタルを広げてセカンドボールを拾う。

34分、MF鎌田大地(7)のクロスをソンリョンがパンチング。
落ちてきたところをMF高橋義希(14)がダイレクトで蹴り込み、同点とされた。
難しいタイミングできちっと合わせた素晴らしいボレーだった。

■2nd half
後半開始から、大塚に代えてハイネルを投入する。
鳥栖の献身的なプレスも弱まって、川崎のショートパスがつながる。
ボランチでボールを握り、クサビのパスを狙っていく。
中央に守備が固まってくると、スペースが広がるサイドを使っていった。

鳥栖は引いて守りながら、FW豊田陽平(11)にロングボールを供給する。
谷口がハイボール、車屋がスペースを突くパスを担当して抑え込む。
そのため鳥栖の勝率は高くはなかったが、競り勝つとチャンスを作っていた。

65分をすぎると、中盤のスペースが埋まらない。
オープンな展開となるが、鳥栖の最終ラインは固いまま。
川崎はミドルシュートで打開を試みるが、枠内に飛ばなかった。

90+6分、小林のクロスを攻め上がっていた谷口がヘッド。
権田は飛び出していたが、高橋がゴールライン上でクリア。
そのクリアボールに三好がフリーで合わせたが、浮いてしまった。

■summary
鳥栖は守備を固めて縦ポン主体。
激しく走ってプレスを掛ける、いつものサッカーを展開してきた。
セットプレーでは、距離があってもゴール前に放り込んできた。










結果はドローだが、大宮戦より内容は改善した。
小林は相変わらずの決定力を見せた。
ポストプレーもラストパスもシュートも、すべて高いレベルでこなす。
大島とネットのバランスは良かったし、縦パスもしっかり狙っていた。
阿部もハイネルも、周囲と噛み合って持ち味を見せるようになった。

ただ、小林がサイドに流れると、ゴール前で待ち受ける選手がいない。
森本が入れば改善したと思うが、最後まで投入されなかった。
同点で奈良が投入されたが、状況を考えるとこの選手交代には疑問が残った。

守備では高橋にスーパーゴールを決められた。
しかし、鳥栖にPA内でボールを動かされても踏ん張ることができた。

■goal
7小林悠(11) 
34高橋義希(14)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 21分、1対1となった豊田のシュートをブロック。失点は仕方がない。
田坂祐介(6) 6.0 右サイドのスペースを突いてチャンスを作る。縦パスも狙う。戻りは遅くなった。
谷口彰悟(5) 6.0 ハイボールを跳ね返す。21分、豊田に独走を許した。90+6分のシュートはクリアされる。
車屋紳太郎(7) 6.5 ロングボールにスピードで対抗。登里のスペースをうまく作った。
登里享平(2) 6.5 左サイドを使って果敢にドリブルで攻め込んだ。クロスを何度も供給した。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 ロングパスでサイドに展開。42分、中村とのワンツーでPA内まで入ってシュート。
大島僚太(10) 6.0 動き出す小林や阿部をめがけてラストパスを狙う。87分のミドルは枠上。
阿部浩之(8) 5.5 守備に比重を置きながらも、前線での存在感が向上。80分、ドリブルで切れ込んでミドル。
中村憲剛(14) 5.5 相手が固めている中でもショートパスで崩す。ラストパスが少しずつずれてしまった。
大塚翔平(27) 5.5 顔を出してパスをつなぐ。20分を過ぎると動きが減る。前半のみで交代。
小林悠(11) 7.0 角度のないところからニアを抜く素晴らしい先制点。チャンスに多く絡んだ。

■sub
HT(27)ハイネル(22) 6.0 動き良くドリブルで抜いていった。守備は荒く、58分にはイエローを受ける。
84(8)奈良竜樹(3) 5.5 最後は谷口も攻撃参加したため、1バックとなったが守り切った。
87(2)三好康児(13) 5.5 90+6分、フリーのヘディングシュートを浮かせる。プレー機会が少なかった。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 森本貴幸(9) 

■coach
鬼木達 5.0 奈良ではなく森本を使うべき。家長の欠場を大塚、ハイネルで補う。

■referee
荒木友輔 6.5 スタートは吹かずに流し、徐々にファウルをとって試合を制御した。

2017/03/02

170301イースタン1-1川崎(ACL GL #2)

イースタンSC1-1川崎(モンコック・スタジアム,20:00KO(21:00JST))

ACLのグループリーグ第2節は、香港のイースタンSCとのアウェイ。
初戦の水原三星戦(ACL GL #1)は1-1のドローだった。














J1リーグ大宮戦(J1 #1)から中3日。
先発は大宮戦から10人が変わり、車屋のみが連続先発。

GKは新井、4バックは右から舞行龍、井川、奈良、車屋。
ボランチに板倉と森谷、前線はハイネル、狩野、三好、森本。
ベンチには小林、阿部、ネット、登里、田坂が控える。

ソンリョン、家長、中村、大島、谷口といった主力は、香港遠征に帯同していない。

イースタンのACL初戦は、アウェイで広州恒大に7-0で敗れている。
力の差はあると思われるだけに、勝ち点を稼いでおきたいところ。

■1st half
川崎は大きなターンオーバーを行ったこともあり、落ち着いた立ち上がり。
車屋や板倉を中心にパスでイースタンを押し込んでいく。
イースタンは引きながらも、ボールを持つとパスをつないだ。

13分、FWブレダ・ロドリゲス・マニュエル(9)にロングボールが入る。
奈良がPA内で競りあって、倒したところでPKの判定。
さらに奈良にはレッドカードが出された。
ノーファウルのようにも見え、奈良には酷な判定。
ただ、試合開始直後。レフェリーの判断基準が分からない状況。
PA内でブレダとの接触プレーを選択した奈良の判断は軽率だった。

14分、ブレダがPKを決めて先制される。

川崎は板倉をCB、狩野をボランチにそれぞれ下げて10人で戦う。
1人少なくなり、中央突破は難しくなる。
両サイドへの配給が多くなるが、イースタンも人数をかけて守る。
パス、トラップなどのクオリティが低く、攻撃は機能しない。

■2nd half
後半開始から舞行龍をCBに戻し、田坂が右SBに投入。
田坂が何度もクロスを上げて、チャンスを作る。
49分、田坂からのループパスを三好がボレーシュート。
52分、中央のハイネルへ田坂が強いパスを入れる。
ハイネルが自らの頭上を越えるラストパスを板倉が流し込んだ。
板倉にとってはプロ初ゴールとなった。

イースタンは数的優位を活かし、ときおりカウンターを仕掛ける。
流れの中では井川と舞行龍に阻まれるが、セットプレーでチャンスを作る。
57分のFK、67分のCKからの展開では決定機を作り出していた。

川崎も69分に小林、81分にネットを投入して、勝ち越しを狙う。
ボールを運んで攻撃を仕掛けるが、10人で戦ってきた疲労の影響でミスも見られた。

90+4分にはハイネルが2枚目のイエローカードで退場。
両チームともにゴールは生まれず、ドローに終わった。

■summary
ACLは2戦2分となった。
10人で1点ビハインドを背負ったが、ドローに持ち込んだ。
広州恒大との対戦を控え、決勝トーナメント進出のためには物足りない結果。
ただし、悲観的になるほどの状況ではない。

主力を温存しながらも、勝ち点3を狙いにいく。
しかし、奈良の退場で目算が狂った。
前半での退場は、サッカーの面白さを著しく削ぐもの。
大久保が退場した去年の大宮戦(2016 J1 #29)、登里が退場した2014年の横浜FM戦(2014 J1 #21)戦も見ていてつまらなかった。
それだけに、奈良の判断ミスもレフェリーの判定も残念だった。

この日はハイネルの動きが良かった。
気性の荒さもあって退場したものの、独特なリズムのドリブルを見せた。
周囲との連携を深めていけば、活躍する日は近いかもしれない。

■goal
13PKブレダ・ロドリゲス・マニュエル(9)
52板倉滉(28)

■judge
新井章太(30) 5.5 プレー機会は少ない。67分、CKで飛び出すがボールに触れず。
舞行龍(29) 5.5 右SBでは距離感が掴めなかった。後半、CBとしては及第点。
井川祐輔(4) 5.5 ボールホルダーへのバックチャージが目に付く。ファウルを与え過ぎ。
奈良竜樹(3) 3.5 判定は酷だったが、PA内で接触プレーを選択し、PKを与えて退場。
車屋紳太郎(7) 5.5 スペースがなく、窮屈だった。35分、左サイドを上がってシュート。
板倉滉(28) 6.0 ボランチで顔を出し、ボールを受け続けた。プロ初ゴール。
森谷賢太郎(19) 5.0 パスもトラップも正確さを欠いた。81分、力強いシュート。
ハイネル(22) 5.5 イエロー2枚で退場。パスを受けてドリブルを仕掛ける。1アシスト。
狩野健太(25) 5.5 トップ下からボランチへ移動。パスを配給できず。前半のみで交代。
三好康児(13) 5.5 59分、決定機を迎えるがシュートはGKイ・ホンファイ(1)に弾かれる。
森本貴幸(9) 5.5 ポストプレーでは強いタックルを受けてボールを失った。

■sub
HT(25)田坂祐介(6) 6.5 右サイドのスペースにボールを呼ぶ。クロスでチャンスを作る。
69(13)小林悠(11) 5.5 88分にヘディングシュート。狭いスペースでのパス交換に苦労した。
81(28)ネット(21) 5.5 素早いサイドチェンジを見せた。試合結果は変えられず。

■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2) 阿部浩之(8) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 5.5 ターンオーバーは評価できるが、ベンチに手駒をもっと置いておきたかった。

■referee
モハナド・サライ 3.5 PK及びレッドカードは厳しすぎる。プレーごとに判断がぶれた。