2016/12/30

161229大宮0-1川崎(天皇杯 SF)

大宮0-1川崎(日産スタジアム, 15:00KO, 23,087人)

FC東京との準々決勝(天皇杯 QF)から中4日。
中立地開催となる準決勝は、日産スタジアムで大宮との対戦。
メインスタンド1階で観戦したが、角度が緩いため見にくかった。
見やすいのに閉鎖されていたバックスタンドの2階を開けてくれればと思う。

先発11人は、FC東京戦と変わらない。
サブは2人変更。大島、森本が入って、狩野、大塚が外れた。














大宮はJ1リーグ年間5位で、今季の対戦成績は1勝1敗。
熊谷でのアウェイ(J1 #29)は、大久保が一発退場して負けている。
試合前の選手紹介で、かつて川崎に所属したDF菊地光将(2)、GK松井謙弥(50)、MF横山知伸(18)に拍手。
来季、川崎への移籍が報じられているFW家長昭博(41)にも拍手が起きた。

■1st half
大宮は最終ラインを高く維持してコンパクトな陣形。
ボールを動かされてもバランスを崩さず、川崎のパスコースを消す。
FWムルジャ(8)とFW江坂任(7)がボランチをマークする。

そのため、川崎はパスをつなげない。
パスの出し手と受け手に余裕がなく、大宮にボールを奪われる。
ピッチも荒れていて、トラップも流れてしまっていた。

大宮は左のMF泉澤仁(39)と右のマテウスを走らせ、チャンスを作り出す。
11分にPA内でムルジャがシュート、13分にMFマテウス(16)がループする。

17分あたりで、川崎は3バックを4バックに変更する。
田坂が右SBとなって、谷口とエドゥアルドを左右逆に配置した。
システム変更で少しパスがつながるようになったが、劇的には改善しなかった。

■2nd half
後半は大宮がチャンスを多く生み出す。
49分、江坂のシュートは上に外れる。
50分、泉澤が左サイドを抜け出してのシュートはポストに当たる。
その跳ね返りをフリーのムルジャが合わせるが外してくれた。

61分、大島が投入されると、組み立てがスムースになる。
大島は読まれにくい方向へ展開することで、大宮のプレスを混乱させた。
フリーでボールを持てるようになってくる。

70分あたりから、お互いに戻りが遅くなって中盤が拡がってくる。
85分。三好が得たFKを中村が直接狙うが、GK塩田仁史(21)がセーブ。
続くCK。MF横谷繁(17)のクリアが小さくなり、エドゥアルドが落として谷口がゴール。
ジャンプして右足のアウトサイドで蹴り込む素晴らしいシュートだった。

最後はパワープレイを仕掛けてくる大宮の攻撃を防ぎきった。

■summary
大宮には決定機はあったが、いずれも決めることができなかった。
よく川崎の攻撃を抑えて、互角以上に試合を進めた。
しかし、大島が入ると中盤で劣勢になり、セットプレーから失点した。

川崎は苦しみながらも結果を出した。
ネットと中村がボールを持って前を向けなかった。
小林のポストプレーも成功率が低かった。
大宮の守備が機能していたし、先制されていれば逆の結果となったかもしれない。














天皇杯決勝は中2日。
市立吹田サッカースタジアムで鹿島と対戦する。

ネットがイエローカードをもらって、出場停止となる。
ボランチの組み合わせをどうするか。
疲労の蓄積をどう考慮してメンバーを組むか。
いずれにしても丁寧にパスをつなぎ、結果を出してほしい。

■goal
85谷口彰悟(5) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 安定したキャッチング。50分の2つの決定機でも、最善を尽くした。
田坂祐介(6) 6.0 大きくポジションを変える。主に右サイド。泉澤のドリブルには苦労した。
エドゥアルド(23) 7.5 鉄壁の守備を披露。決勝アシストに加え、決定的なシュートも放った。
谷口彰悟(5) 7.0 11分、マテウスに抜かれて決定機を与えたが、よく守った。決勝ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 FK、CKでは工夫があって面白かった。ロングボールを出せなかった。
ネット(21) 5.5 コースがなくなると集中力を切らしてパスミスを繰り返す。次は出場停止。
エウシーニョ(18) 6.5 粘り強く守備に取り組む。ドリブルはスペースがなく窮屈だった。
車屋紳太郎(20) 6.5 24分、強烈なミドルシュート。攻守の切り替えが早かった。
小林悠(11) 5.5 ポストプレーでうまく収まらず、ボールを失うことが多かった。
登里享平(2) 5.5 中盤に下りてもマークが厳しくパスを受けられなかった。
大久保嘉人(13) 6.0 ボールをキープするとファウルをもらって時間を作った。

■sub
61(2)大島僚太(10) 7.0 中盤の攻防を制してスペースを作り出した。守備でも効いていた。
78(11)三好康児(26) 6.5 ドリブルで仕掛けて時間を費やした。90分、ミドルシュート。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 森本貴幸(9)

■coach
風間八宏 6.5 システムを何度も組み替えて、大島の投入で勝利を手繰り寄せた。

■judge
木村博之 6.5 見ていてストレスの少ないジャッジだった。

2016/12/25

161224FC東京1-2川崎(天皇杯 QF)

FC東京1-2川崎(味の素スタジアム, 16:00KO, 29,378人)

CS鹿島戦(J1 CS SF)に敗退してから1ヶ月。
浦和戦(天皇杯 R16)をPKで勝ち上がっている天皇杯。
準々決勝は、味の素スタジアムでのFC東京戦。

先発には小林、中村が復帰して、登里も入る。
ケガの長谷川がベンチ外となり、三好と板倉はベンチに回る。
ベンチからは森本、橋本が外れて、狩野、中野が入った。

11月28日、飛行機事故でアルトゥール・マイアが亡くなって最初の試合。
何度もチャントが流れ、ベンチに去年の10番のユニフォームが飾られた。













J1リーグ年間9位に終わったFC東京とは今年2戦2勝。
いずれも完勝に終わっている。

■1st half
試合開始から川崎がボールをつなぐ。
1分、大久保がミドルシュート、続いて2分、登里が左からクロス。
6分には大久保からのスルーパスで、エウシーニョがGK1対1となる。
PA近くまで簡単にボールを運び、攻撃を仕掛けた。

FC東京は10分を経過したあたりで守備陣形を整える。
川崎のボランチへのマークを強めて、高い位置でパスをカットする。
FW前田遼一(20)のポストプレーとMF中島翔哉(39)のドリブルで仕掛けてきた。

しかし20分。久しぶりに川崎が攻撃を仕掛ける。
中央の中村が右サイドPA横まで田坂を走らせる。
田坂からのふわっとしたクロス。
DFの前に入り込んだ大久保が押し込んで先制する。

続いて28分。
カウンターから登里からネット、エウシーニョへと中央で横パスが続く。
エウシーニョは右にいた小林を囮に使う。
左にボールを動かしてからミドルシュートを決める。

■2nd half
FC東京は、後半開始から攻守に精彩を欠いたDF徳永悠平(2)を交代させる。
投入されたDF小川諒也(25)が左サイドを活性化して、エウシーニョを自陣に押し込む。
55分、MF水沼宏太(48)のループシュートがバーを叩く。

しかし、FC東京は前線と守備陣の距離が遠くなる。
間延びしてボールを失っても前線が戻らない。
中盤に大きなスペースが空いて、川崎の波状攻撃を受ける。
59分にネット、68分に小林、87分に大久保が決定的なシュートを放ったが、決められず。

ロスタイムは4分間。
FC東京が小川のFKから1点を返した。
ゴール前に走り込んだFW平山相太(9)がゴールした。

その後も勢いに乗ったFC東京にゴール前まで押し込まれる。
最終ラインが崩されかけたものの、なんとか逃げ切った。

■summary
FC東京は攻守のバランスが悪かった。
特にボランチのMF高橋秀人(4)とMF田邉草民(27)が機能しなかった。
そのため、攻撃は個人の力量に頼るばかり。
ロングボールが多く、後方からのサポートが少ない。
チームとして戦術的に攻めることができなかった。

川崎は最後の失点では脆さを見せた。
しかし、全体として素晴らしかった。
中央からの攻撃と、サイドへのボール展開をうまく混ぜる。
決定機をいくつも作り出してゴールを狙った。
守備も無理することなくバランスを保った。














次は中4日、日産スタジアムで準決勝大宮戦。
このままの勢いで、楽しいサッカーを見たい。

■goal
90+1平山相太(9)
20大久保嘉人(13) 28エウシーニョ(18)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 守備機会が少なかった。シュートキャッチに安定感があった。
田坂祐介(6) 6.0 先制点をアシスト。エウシーニョが中に動いて空いたスペースを使う。
エドゥアルド(23) 6.5 最終ラインでパスを左右に散らす。中央に君臨してクロスボールを弾いた。
谷口彰悟(5) 6.5 終始ミスがなかった。プレスを受けても果敢に前にボールをつないだ。
中村憲剛(14) 6.5 ボールをロストすることなく、縦パスを狙う。守備でもバランスを崩さなかった。
ネット(21) 6.5 高い位置まで進出してシュートを何度も放つ。最後には動きが鈍った。
エウシーニョ(18) 6.5 2点目のミドルシュートを決める。後半、小川の動きに手を焼いた。
車屋紳太郎(20) 6.0 DF室屋成(6)とマッチアップしてやや優勢。ドリブルでは相手を抜き切れず。
小林悠(11) 6.5 相手DFを引き付けるポストプレーで打開した。68分のシュートは決められず。
登里享平(2) 6.0 前線で走ってボールを受ける。70分、抜け出したがDF森重真人(3)にイエローで止められた。
大久保嘉人(13) 6.5 すすっとフリーになって先制点を決める。87分のシュートはポスト。

■sub
72(2)三好康児(26) 6.0 カウンターでゴールに向かうが、好機は作れなかった。
83(11)板倉滉(28) 6.0 スペースを埋めるべく何度も動き、中盤を引き締めた。
90(13)中野嘉大(22) 5.5 プレー機会が少なかった。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 6.5 攻撃のクオリティを取り戻す。少し早く選手交代に動きたい。

■judge
佐藤隆治 6.5 的確に判定した。ボールに近づきすぎでプレーに干渉してしまう。

2016/11/23

161123川崎0-1鹿島(J1 CS SF)

川崎0-1鹿島(等々力, 14:00KO, 24,209人)

J1リーグを年間勝ち点2位で終え、チャンピオンシップ準決勝。
 2015年に導入されたチャンピオンシップは、今年までの開催予定。
 川崎にとっては、最初で最後の出場となる。

準決勝は1試合制。
 年間勝ち点2位の川崎のホームで、年間勝ち点3位の鹿島を迎える。
 90分でドローの場合は、川崎が決勝に進むレギュレーション。

天皇杯浦和戦(天皇杯 R16)から中10日。
 先発は同じ11人となり、ベンチは2人変更。
  負傷していた中村がベンチに復帰し、大塚もベンチ入り。
  代わりに原川と狩野がベンチ外となった。
 大島や小林は、復帰できなかった。

鹿島は年間勝ち点3位、1stステージ優勝、2ndステージ11位。
 今季の対戦は、ホームでドロー(J1 #5)アウェイでは勝利(J1 #33)
 どちらも鹿島が押し込みながらも、決定機を外してくれた。
 今日は柴崎岳(10)が欠場している。

■1st half
鹿島はしっかり引いて、川崎を待ち受ける。
 MF永木亮太(6)を中心にパスコースを切ってくる。
 ネットと板倉にボールが入ると、早くプレスをかけた。

19分、ボールを追いかける長谷川が太ももを痛める。
 アウェイ鹿島戦の小林と同じく、ボールも相手もないところで負傷した。

21分、長谷川に代えて故障明けの中村を投入。
 フォーメーションを3バックから4バックにして、田坂を右MFに上げる。

川崎が中盤の高い位置でボールを失うこともあったが、鹿島は速攻を仕掛けてこない。
 失点をしないことを優先して、ゲームを進めてきた。

■2nd half
50分、DF山本脩斗(16)が左サイドからクロス。
 エウシーニョがマークしていたが、切り返されて振り切られる。
 中央のFW金崎夢生(33)がエドゥアルドの前に走り込んでヘッド。
 GKソンリョンが触れたものの、金崎の素晴らしいゴールが決まった。

1点を勝ち越すと、鹿島は自陣をさらに固めてくる。
 川崎のボランチにボールを持たせ、中央からの突破を人数をかけて食い止める。

67分、登里が投入されると、左サイドから何度も仕掛けていく。
 鹿島のクリアボールを拾って惜しい場面をいくつか作ったが、ゴールは決まらない。
 90+5分、エウシーニョのクロスを谷口がフリーで合わせるが、ヘッドは浮いた。

■summary
川崎は攻撃を仕掛け、鹿島は守る。
 面白い内容ではなかったが、結果だけを求めるサッカーが勝った。
 残念だけど、妥当な結果。

鹿島は金崎の決定力の高さを生かした。
 エウシーニョの守備を突いて、少ないチャンスでゴールを奪った。
 PA内に侵入されても集中力を切らさず、身体を投げ出して守り切った。
 時間をゆっくり使いながら、ゲームプランを完璧にこなし、CS決勝に進出した。


 川崎は前半早々に長谷川が交代し、前線でのチェイシングが減った。
 大久保の運動量は少なく、中村もケガ明けでミスが多かった。
 それでもPA内までボールを運び、決定機は作ったが、シュートが決まらなかった。

J1リーグはCS準決勝で終了した。
 年間勝ち点は2位だけど、最終的な年間順位は3位。
 来年のACLは、プレイオフから出場する可能性が高い。

残すのは、勝負弱いチームには難しい天皇杯。
 1か月間隔が空くので、ケガ人の復帰が見込まれる。
 次はFC東京、準決勝は湘南と大宮の勝者との対戦となる。

■goal
50金崎夢生(33)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 23分MFファブリシオ(11)、24分DF西大伍(22)、90+2分FW赤﨑秀平(18)のシュートを止める。
田坂祐介(6) 5.5 ポジションの移動が多く、埋没した。右サイドを活性化できなかった。
エドゥアルド(23) 6.0 良かったが、金崎に振り切られて失点。最後はパワープレイで上がる。
谷口彰悟(5) 6.5 45+1分、ゴール前でクリア。ロスタイムのヘッドは外してしまった。
板倉滉(28) 6.0 38分、53分にミドル。トラップが大きかったが、攻守とも十分に機能した。
ネット(21) 6.0 危険なロストもあったが、後半、ミドルパスで攻撃のスイッチを入れ続けた。
エウシーニョ(18) 5.5 緩慢な守備で失点に関与。攻撃ではトリッキーなプレーを見せた。
車屋紳太郎(20) 5.5 パスを受ける位置が低く、すぐに鹿島に囲まれて縦に突破できなかった。
三好康児(26) 5.5 ドリブルで積極的に仕掛けたが、シュートまでは持ち込めず。
大久保嘉人(13) 5.5 3分、22分にシュート。中村投入後もスペースを求めて下がった。
長谷川竜也(16) 6.0 前線で相手ボールを精力的に追いかけた。19分に負傷交代。

■sub
21(16)中村憲剛(14) 5.5 復帰戦。パスミスが目立つ。59分、67分のシュートは惜しかった。
67(6)登里享平(2) 6.5 ラストパスは通らなかったが、何度も突破して決定機を作り出した。
77(28)森本貴幸(9) 5.5 ボールに触る機会は少ないが、中央で引き付けてスペースを作った。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 森谷賢太郎(19) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 6.5 結果は出なかったが、これまで苦手だった途中交代も的確だった。

■referee
村上伸次 6.5 どちらのチームにも偏らない抑制された素晴らしいジャッジ。

2016/11/13

161112川崎3(4PK1)3浦和(天皇杯 R16)

川崎3(4PK1)3浦和(等々力, 19:00KO, 20,009人)

G大阪戦(J1 #34)から中8日で迎える天皇杯4回戦。
 11月中旬の土曜日、19時キックオフ。等々力での開催。
 観戦するには寒くて厳しい気候。

昨年の天皇杯4回戦では等々力の用意ができなかった。
 万博記念競技場での開催となり、G大阪(2015 天皇杯 R16)に敗れた。

代表ウィークだが、川崎からは選出なし。
 常連組の小林、大島、ソンリョンがそれぞれケガをしている。

先発はG大阪戦から3人変更。
 GKソンリョンとエドゥアルドが負傷離脱から戻り、板倉がボランチで先発。
 板倉はターンオーバーが敷かれた千葉戦(天皇杯 R32)に続く先発起用。
 先発から外れたGK新井と登里はベンチに入り、中村はベンチ外。
 ベンチからはGK安藤、中野が外れて、原川が入った。


浦和はJ1リーグ年間1位。
 勝ち点2差で年間2位となった川崎との上位対決。
 代表にはGK西川周作(1)とDF槙野智章(5)の2人が招集されている。

■1st half
浦和はワンタッチで三角形パスをつないで崩してくる。
 8分にMF武藤雄樹(9)、9分にFW興梠慎三(30)のシュートはGKソンリョンがセーブ。
 両サイドを広く使って、4本のCKを得るなど川崎を押し込んだ。
 MF柏木陽介(10)が中盤で組み立てるがロストも多く、ロングボールが多くなった。

川崎は高い位置でパスをカットするとショートカウンターを仕掛ける。
 板倉とネットが並ぶ2ボランチは高さがあって、効いていた。
 縦に蹴り込まれてもCBエドゥアルドと谷口が余裕を持って対処する。

攻撃は左サイドからが主体。
 車屋と三好、長谷川がパスとドリブルを組み合わせて攻め込む。
 ただ、PAに近づくと精度を欠き、密集して守る浦和を破れなかった。

■2nd half
浦和は58分、柏木を代えて、最終ラインから前線に蹴り込んでくる。
 前半、川崎にカウンターを多く浴びたため、リスクを軽減してきた。

川崎はいつものようにパスをつないで攻撃を仕掛けていく。
 中盤でロストすることもあっても、ひるまなかった。

71分、DF森脇良太(46)からのロングボール。
 ソンリョンの守備範囲だったが判断ミスで飛び出せず。
 興梠が素晴らしいトラップから抜け出してゴールを決めた。

残り10分となってから、試合は目まぐるしく動く。
 85分、大久保のミドルシュートを森脇がPA内でハンド。
 意図的ではないと思われるが、近くを通るボールに反射して腕で触ってPK。
 大久保がGK大谷幸輝(15)に触られながらも決めて同点。

89分には浦和がカウンターから興梠のクロス。
 FW李忠成(20)の至近距離のヘッドはソンリョンが弾くが、登里がオウンゴール。

90+1分には再びの同点ゴール。
 登里のクロスが森本の足元に流れて、GK大谷との1対1をループで抜いた。

■extra time
延長になって両チームともさらに間延び。
 中盤が省略されて、ゴール前からゴール前にボールが動く。

97分、川崎のCKから浦和が長い距離のカウンター。
 右サイドからの李のクロスをMF青木拓矢(16)がダイレクトで決める。
 川崎は戻りが遅くなって、森谷がチェックすべき青木をフリーにしてしまった。

その後、川崎はパワープレーで勝負をかける。
 浦和は5バックで自陣を固めるが、左のMF関根貴大(24)とDF宇賀神友弥(3)が狙われる。
 エドゥアルドと板倉が右サイドに張り出して、空中戦を仕掛ける。

107分、ロングボールをPA内で板倉が落とすが、三好の直前で森脇がクリア。
117分にも同じ形。
 三好からのハイボールを板倉が競り勝って折り返す。
 エドゥアルドがヘディングで浮き球をゴール右隅に入れ、3度目の同点となった。

■penalty shootout
浦和の2人目、FWズラタン(21)をGKソンリョンがセーブ。
 3人目の興梠もポストに当て、4-1で勝利した。

 川崎 ○大久保嘉人(13) ○三好康児(26) ○エドゥアルド(23) ○ネット(21)
 浦和 ○阿部勇樹(22)  ×ズラタン(21) ×興梠慎三(30) 

■goal
71興梠慎三(30) 89OwnGoal 97青木拓矢(16)
86PK大久保嘉人(13) 90+1森本貴幸(9) 117エドゥアルド(23)

■summary
J1リーグ年間1位と2位の対戦で、見ていて面白かった。
 3度リードされて3度追い付くという展開も劇的だったし、内容も悪くなかった。
 川崎はパスをつなぐサッカーを続け、手数を少なくして早くゴールに向かった。
 パワープレイを2度成功させ、PK戦で準々決勝ベスト8に進むことができた。

3点ともに先に失点したのは残念。
 カウンターで2点、ロングボールで1点。
 攻撃時に前後の距離が離れてバランスが崩れていた。

復帰したGKソンリョンは、1失点目と3失点目でプレーの選択をミス。
 それでも、PK戦でズラタンを止めたことは素晴らしかった。

浦和は後半から延長にかけ、中盤を省略してきた。
 前半、中盤でボールを失いカウンターを受けたため、カップ戦らしい現実的なプレーを選択。
 リードを3度奪うたびに守備を固めたが、川崎の攻勢を抑えることができなかった。
 GK西川と槙野の不在が大きく響いたともいえる。

次はチャンピオンシップの鹿島戦。
 長谷川と三好の2トップも機能し、板倉とネットのボランチは守備力が高い。
 小林、大島、中村と主力を欠いても、遜色のないプレーができた。

■judge
ソンリョン(1) 6.5 復帰戦。キックや飛び出しで不安定さはあったが、PKストップで勝利を呼んだ。
田坂祐介(6) 5.5 右サイドから攻め上がって攻撃にからむ。カウンターで戻りながらの守備は課題が残る。
エドゥアルド(23) 6.5 難易度の高いヘディングで同点ゴール。終了間際のシュートは浮いてしまう。
谷口彰悟(5) 6.0 後半、劣勢の時間帯でバタついた。パワープレイ時に後ろに残ってカウンターを防ぐ。
板倉滉(28) 7.0 足を吊ってもひたむきに最後まで走り続けた。ボランチで攻守に活躍。嬉しいサプライズ。
ネット(21) 6.0 76分にイエローをもらい、感情的になってパスミスが増える。冷静にコントロールしたい。
エウシーニョ(18) 5.5 40分、GK大谷との1対1を決められず。右サイドからは攻撃が少なく、見せ場がなかった。
車屋紳太郎(20) 5.5 左サイドでMF駒井善成(18)と対峙。押し込んではいたが、崩し切ることができなかった。
三好康児(26) 6.5 CKを担当。何度もシュートを放ってゴールに迫った。90+5分のミドルは大谷がスーパーセーブ。
大久保嘉人(13) 6.5 下がってボールを受けて周囲をパスで操る。PKをもらって、自ら決めた。
長谷川竜也(16) 6.0 1トップで激しくGKまでボールを追う。44分のヘディングシュートは浮いた。

■sub
53(18)森谷賢太郎(19) 5.0 右ウィングに入る。守備は頑張っていたが、パスを受けられず消えていた。
68(16)登里享平(2) 6.0 オウンゴールは仕方がない。直後に同点アシスト。95分、PA近くでFKを得る。
75(20)森本貴幸(9) 6.5 落ち着いてゴールを決める。ボールが来なくても何度もオフサイドラインで動き直した。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 原川力(15) 狩野健太(25) 

■coach
風間八宏 6.5 森本の投入とパワープレーで同点に追い付く。主力の離脱を感じさせなかった。

■referee
上田益也 4.5 不安定なジャッジ。荒れた局面で選手を落ち着かせることができなかった。

2016/11/04

161103川崎2-3G大阪(J1 #34)

川崎2-3G大阪(等々力)

広島戦(J1 #32)鹿島戦(J1 #33)と劣勢のゲームに連勝。
1位の浦和と勝ち点1差で迎えるJ1リーグ最終節。
2位以上は確定し、チャンピオンシップへの出場は決まっている。

先発は前節鹿島戦から3人が代わる。
左足肉離れで途中交代した小林は4週間の離脱となった。
エドゥアルドもベンチ外で、森谷はベンチに回る。

代わりに先発するのは、登里、三好、長谷川。
ベンチには新たに板倉が入った。














ケガ人が続出しているが、三好と板倉がU19代表から戻ってきた。
三好は日曜日のアジアユースの決勝戦に60分間出場。
バーレーンからの移動を挟んで、中4日で先発する。

ガンバ大阪はここまで年間5位。
チャンピオンシップへの出場は絶たれているが、年間4位の可能性は残している。

■1st half
ガンバはプレスをかけてくるが、川崎はかわしてボールをつなぐ。
左サイドからの攻撃が多く、登里と三好で崩していく。

6分、登里のクロスが相手DFに当たって大久保に入る。
シュートはGK東口順昭(1)が止めたが、こぼれ球を長谷川が押し込んで先制。
長谷川はJ1初ゴールとなった。

18分には大久保からPA内のエウシーニョにパス。
エウシーニョが落としたボールを三好がボレーで決める。
美しいゴールで2点をリードする。
その後も22分の大久保のバイシクルシュートなど、優勢に試合を進めた。

ガンバはボールを奪っても速攻できない。
川崎のプレスバックが早く、バックパスが多くなる。
守備陣形を固められて、攻める手段がなかった。

■2nd half
後半も最初は川崎がペースを握る。
46分、三好のループがポストに当たる。
57分、大久保のミドルシュートは東口が辛くも弾いて、バーに防がれた。

しかし、少しずつガンバに押され始める。
54分に2本のCKが続き、61分にもCKを与える。
中盤が間延びして、セカンドボールを拾えなくなる。

65分、田坂の背後のスペースにDF藤春廣輝(4)が走り込む。
PA内まで藤春に入り込まれて、そのままゴール。
谷口がカバーに向かうが間に合わず、新井が足元を抜かれた。

浮足立ったところを続けて66分。
ネットから縦パスを預けられた大久保が奪われて、MF倉田秋(11)がシュート。
新井がなんとか防いだが、こぼれたボールをMF井手口陽介(21)に蹴り込まれて同点。

67分に森谷、71分に中野を投入したが、リズムは取り戻せない。
ボランチがスペースを埋めきれず、ガンバが攻勢を強める。
76分にFWアデミウソン(9)が素晴らしいミドルを決めて、勝ち越された。

■summary
前半から後半10分あたりまでは、理想的だった。
大久保が下がってボールをさばき、三好と長谷川が積極的に前を向いて仕掛けていく。
ボールを失うことも少なく、多くの決定機を作り出した。
小林の欠場を感じさせない素晴らしい内容だった。

しかし、大宮戦(J1 #29)横浜FM戦(J1 #30)と同じように後半失速。
1点目をあっさり失うと、失点を重ねる。
奮闘していた谷口も、失点してからはラインを下げてしまう。
劣勢に陥ってから、守備を立て直せなかった。

ボランチも動けなくなり、バイタルが空いた。
交代出場した3人とも機能しなかったが、特に中野の投入は疑問。
鹿島戦と同じように攻守に活躍できず、チームの勢いを削いだ。

ガンバは派手な逆転劇。
チャンスがほとんどない状況で、1点目を取ってから畳みかけた。
サッカーとしては、これ以上ない面白い展開となった。

浦和が引き分けたため、もし勝っていれば年間1位になれた。
自らチャンスを逃し、年間2位でリーグ戦を終える。
川崎らしいといえば川崎らしく、徒労感も強いが、失ったものはない。

チャンピオンシップは鹿島との準決勝から出場。
その前には浦和との天皇杯も控えている。
チーム状況は厳しいが、ケガ人の復帰も含めて立て直したい。

■goal
6長谷川竜也(16) 18三好康児(26) 
65藤春廣輝(4) 66井手口陽介(21) 76アデミウソン(9)

■judge
新井章太(30) 5.5 最初の2失点のうちどちらかは防ぎたかった。74分にスーパーセーブ。
田坂祐介(6) 4.5 攻撃に絡めず。藤春に狙われ続け、最後に背後を突かれて失点してしまう。
谷口彰悟(5) 5.5 左右のCBをカバーし、ラインを上げて奮闘した。失点後は流れを止められなかった。
車屋紳太郎(20) 5.0 攻撃時のビルドアップは良かったが、守備で淡白さが散見された。
中村憲剛(14) 5.0 ボールに触れる機会が少なかった。後半は相手ボールを追いすぎてバランスを崩す。
エドゥアルド・ネット(21) 5.0 後半、走れなくなった。アデミウソンに余裕を与えてしまって決勝点を許した。
エウシーニョ(18) 5.5 18分にアシスト。37分に相手PA近くでパスカットしてのシュートは外した。 
登里享平(2) 5.5 攻守のバランスが良かった。ケガから復帰して初めてのフル出場。
長谷川竜也(16) 6.0 相手ボールを追い回した。プレスバックも早く、ドリブルも効いた。初ゴール。
三好康児(26) 6.5 2人を相手にしてもドリブルで負けなかった。素晴らしいシュートを何度も放った。
大久保嘉人(13) 6.0 中盤に下りて組み立てながら、長谷川と三好をうまく使って攻撃を牽引。

■sub
67(16)森谷賢太郎(19) 5.0 同点になって投入される。ボランチと距離が離れてパスを受けれなかった。
71(6)中野嘉大(22) 4.0 仕掛けるたびにボールを失う。場違いな起用となってしまった。
78(26)森本貴幸(9) 5.0 84分、CKからシュートするが浮いた。チャンスが少なかった。

■bench
安藤駿介(24) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 狩野健太(25) 

■coach
風間八宏 5.0 長谷川と三好の先発起用は当たる。しかし、交代出場の選手がいずれも機能しなかった。

■referee
木村博之 6.0 ストレスない判定を続けていたが、後半、イエローを簡単に出した。

2016/10/30

161029鹿島0-1川崎(J1 #33)

鹿島0-1川崎(カシマサッカースタジアム, 14:00KO, 24,000人)

年間首位の浦和と勝ち点1差で、J1リーグは残り2試合。
広島戦(J1 #32)に辛くも勝利して迎える鹿島戦。

大島が左ふくらはぎ痛で欠場し、森谷が先発。
森谷はトップ下で出場し、中村がボランチに回る。
新たに橋本がベンチに入った。
ベンチでDF登録は登里だけ。広島戦と同じく偏っている。

U19アジアユース出場のため、この試合まで三好と板倉は欠場する。














鹿島は1stステージで優勝したが、2ndステージで調子を落とし、年間3位。

2位以上になる可能性はなくっていて、4位大宮と勝ち点6差。
得失点差で16点のリードがあるので、事実上、年間3位が確定している。
なお、U19代表にはDF町田浩樹(28)が参加している。

柴崎岳(10)が欠場し、今季から10番を背負う選手が両チームとも不在。

■1st half
鹿島は強いプレスは掛けてこないが、パスコースを切る配置が秀逸。
特にFW鈴木優磨(34)の守備が素晴らしく、川崎の最終ラインを追いつめる。
高い位置でボールを奪い、ゴールに迫る。
セットプレーが多くなった。

川崎はボランチで余裕を持つことができない。
前線との距離も離れ、ボールを入れることができなかった。
田坂とエウシーニョで構成する右サイドからは攻めていたが、左サイドは手詰まり。

鹿島が立て続けに決定機を作る。
16分、MFファブリシオ(11)のシュートがバーを叩く。
20分には谷口のミスからFW金崎夢生(33)が抜け出すが、新井が1対1をストップ。
24分はCKからDF昌子源(3)のミドル。
強い弾道の素晴らしいシュートだったが、新井が触ってバーに逃れた。

31分、小林が太ももを痛めて倒れ込む。
プレー続行不可と判断されて、担架でピッチ外へ。
しかし、森本が入ったのは37分。
川崎はボールを奪ってもプレーを切らず、10人でのプレーが長く続いた。

前半、川崎の攻め手が少なく、パスをつなぐのも難しかった。
鹿島は高い位置でボールを奪って攻めたが、ゴールが入らなかった。

■2nd half
後半、4バックにして少し改善したが、それでも鹿島が優勢。
51分、MF遠藤康(25)のシュートを新井がセーブ。
PA内まで何度もボールを入れられ、最終ラインが崩されたがゴールは許さなかった。

64分、谷口がボールを持って前方に持ち上がる。
パスコースは切られていたが、谷口の前には大きくスペースが空いていた。
ファブリシオの背後から抜け出したエウシーニョへ、完璧なスルーパスが通る。
エウシーニョのシュートはGK曽ヶ端準(1)が弾くが、森本が押し込んで先制。

その後も新井と最終ラインの独壇場が続く。
71分、80分と遠藤が続けてシュートするが、どちらも新井がブロック。
81分にはFW赤﨑秀平(18)のボレーが、この試合3度目のバーに当たった。

引いて守って時間を稼ぎながら、なんとか逃げ切ることができた。

■summary
レヴェルが高く、最後まで面白かった。
鹿島は攻守に素晴らしかったが、ゴールが入らなかった。
逆に決定機を作ることができていなかった川崎は、少ないチャンスできちっと決めた。

広島戦に続いて、相手に圧倒された試合。
それでも、守備陣が奮闘して勝利を得た。
目指すべき美しいサッカーではなかったが、割り切って結果を出した。
思うようにいかない試合でも、勝ち点を確保するのは悪いことではない。

鹿島とはチャンピオンシップでの対戦も予想される。
前哨戦となったが、次も同じような展開となったら、勝機は少ない。

年間首位の浦和も勝利した。
勝ち点1差のまま、最終節ガンバ大阪戦を2位で迎える。
1stステージ最終節も同じ追う展開だったが、最善を尽くして結果を待ちたい。

■goal
64森本貴幸(9)

■judge
新井章太(30) 8.0 数多くのシュートをブロックした。素晴らしい活躍で勝利を導いた。
田坂祐介(6) 6.0 後半4バックに移行すると、ボランチからのパスを右サイドで受ける。
谷口彰悟(5) 6.5 20分、決定機を与える。スルーパスで先制点を生み、粘り強い守備で奮闘。
エドゥアルド(23) 7.0 鈴木優磨を抑え込む。シュートブロックも的確で、ゴールを守った。
中村憲剛(14) 6.0 プレスを受けて何度かボールを失っていた。守備ではバイタルを埋めた。
ネット(21) 6.0 追われる味方のパスの受け手となる。パスを出すタイミングが少し遅れる。
エウシーニョ(18) 6.5 押し込まれていても攻撃に絡んだ。先制点につながるシュート。
車屋紳太郎(20) 5.5 遠藤とDF西大伍(22)に苦しんでいた。サイド攻撃は不発に終わった。
森谷賢太郎(19) 5.5 よく走ったが、効果的でなかった。ボールに触れる機会が少なかった。
小林悠(11) 5.5 4分、ダイレクトボレー。オフサイドラインで動き出したが、負傷交代。
大久保嘉人(13) 6.5 シュートはなかったが、守備でボールを追う。動きにキレが戻った。

■sub
37(11)森本貴幸(9) 6.5 ゴール前に詰めて決勝ゴール。75分、90+1分にシュートを放った。
55(19)中野嘉大(22) 4.5 ボールロストを繰り返してしまった。56分、金崎に独走を許す。
90(22)登里享平(2) 5.5 ロスタイムだけのプレー。左サイドをドリブルで駆け上がった。

■bench
安藤駿介(24) 橋本晃司(7) 長谷川竜也(16) 狩野健太(25) 

■coach
風間八宏 6.0 中野の投入は奏功しなかったが、なんとか逃げ切りに成功した。

■referee
西村雄一 6.5 ファウルを少し取りすぎたが、試合をしっかりコントロールした。

2016/10/22

161022川崎2-0広島(J1 #32)

川崎2-0広島(等々力)

神戸戦(J1 #31)に負け、年間首位から陥落して3週間。
代表ウィークとルヴァンカップ決勝を挟み、間隔が開いた。

10月も下旬になって、だいぶ涼しくなった。
14時キックオフでも問題ない気候。

先発はケガが癒えた新井が復帰。
神戸戦で輝けなかった高木はベンチ外となった。

U19アジアユースに招集されていて、三好と板倉は欠場。
ベンチは小宮山が外れて、登里、長谷川、中野が入った。
DFは登里だけで、中盤の選手が揃ったバランス悪いサブメンバー。


試合前には陸前高田市長がスピーチを行った。

広島はここまで年間7位、2ndステージは10位。
昨年のチャンピオンだけど、今年はチャンピオンシップへの出場は絶たれている。
シャドーにアンデルソン・ロペス(44)、1トップには皆川佑介(22)が入った。
ピーター・ウタカ(9)と佐藤寿人(11)がベンチ。

■1st half
広島は前から積極的な守備を仕掛けてくる。
いつもは5バックで守りを固め、カウンターで勝負してくるが、今日は違った。
皆川がきちっとボールを追ってパスコースを消し、高い位置でボールを奪う。

川崎はプレスの影響で、ネットと大島のミスパスが多かった。
なかなかセカンドボールも拾えず、自陣に押し込まれる。

7分、広島は2度の決定機を作る。
2つ目のMF柴﨑晃誠(30)のシュートは新井がセーブした。

10分過ぎから、川崎のパスが少しずつつながる。
広島のプレスに慣れて、ボランチでボールを持てる。
ただ、ボールを前線まで運んでも、シュートは少なかった。

35分すぎからは再び広島の時間帯となる。
39分、MFミキッチ(14)からのクロスが皆川の頭にぴたっと合う。
決定的だったが、皆川は身体が伸び切っていて、浮かしてしまった。

■2nd half
50分、アンデルソン・ロペスのシュートがポストに当たると、川崎がペースを握る。
ワンタッチを駆使して中央から攻めても、ひっかかることが多い。
それでもボールを失ってからすぐにプレスを掛けて、ボールを持てるようになる。

52分、エドゥアルドが意表を突いてミドルを放ち、攻勢を強めていく。
53分の大島のミドルなど、固められた最終ラインの手前で仕掛ける。

広島は押されながらもチャンスを作る。
66分、DF塩谷司(33)のFKはゴールに入ったが、オフサイド。
塩谷が蹴る瞬間、オフサイドポジションに何人もいたので、プレーに関与したと判定された。
72分には柴﨑がGKとの1対1となったが、新井が防ぐ。

直後に森谷が投入されると、前線が活性化する。
森谷は79分のシュートは当たらなかったが、84分に素晴らしいシュートを打つ。
浮き上がったボールがすすっと沈み、GK林卓人(1)が目測を誤ってゴールが決まった。

ロスタイムは5分。
同点を狙って林が上がったCKから、カウンターを仕掛ける。
登里のパスが弱く、チャンスをつぶしかけたものの、最後は中村がゴール。
林は急いで戻らず、中村と1対1となった際に余裕がなかった。

■summary
広島は多くの決定機を作ったが、ゴールは決められなかった。
66分の塩谷のFKで、オフサイドだったのは厳しい判定だったが、これ以外は自ら決定機を外した。
チャンスを作っても、あれだけ外してしまえば勝つのは難しい。

川崎は苦戦しながらも勝ち点3を得た。
2得点はどちらもGK林のミスに助けられたもの。
それでも森谷のゴールは滞空時間が長く、美しいゴールだった。

年間2位以上が確定した。
勝ち点1差で追いかける浦和は、ルヴァンカップも制して、充実している。
自力での優勝はなく、1stステージと同じような展開となっている。

J1リーグも残り2節。
鹿島、ガンバと強豪との対戦が続くが、1つずつ勝っていくしかない。

■goal
84森谷賢太郎(19) 90+5中村憲剛(14)

■judge
新井章太(30) 7.5 骨折からの復帰戦。今シーズン2試合目の先発。決定的なシュートを何度も防いだ。
田坂祐介(6) 6.0 後半、自陣でのミスパスが2つあった。攻撃ではスルーパスを果敢に狙う。
谷口彰悟(5) 6.0 3バックの中央で出場。29分に皆川に抜かれるなど、不安定な面もあったが守り切った。
エドゥアルド(23) 6.5 鬼気迫る守備はいつも通り。ミドルシュートで攻撃面でも活躍した。
大島僚太(10) 5.5 代表帰りでミスパスが多かった。ボランチでは危なっかしく、30分過ぎから前のMFに移った。
エドゥアルド・ネット(21) 5.5 プレスで慌てていた。落ち着いてくるとパスで攻撃を操っていく。
エウシーニョ(18) 5.5 守備は不安定。79分、PA近くでファウルしてFKを与える。攻撃は悪くなかった。
車屋紳太郎(20) 6.0 ミキッチと対峙。後半は少しずつ前に進出した。最後はCBに入った。
中村憲剛(14) 6.5 大島に代わってボランチに入るとリズムを作り出す。ダメ押しゴールは落ち着いて流し込んだ。
小林悠(11) 6.0 2トップで存在感を見せる。57分、くるっと回ってのボレーは美しかったが林に防がれた。
大久保嘉人(13) 5.5 神戸戦よりは良くなった。が、運動量は少なく、守備も走らず、何より思い切ったシュートが少なかった。

■sub
72(10)森谷賢太郎(19) 7.0 決勝ゴール。中盤でパスを中継する役割をこなしながら、ピッチを走り回った。
82(23)中野嘉大(22) 5.5 攻撃で見せ場はなかったが、守備ではしっかり頑張った。
90+4(13)登里享平(2) 5.5 結果的にゴールに関与することとなったものの、パスが弱すぎた。

■bench
安藤駿介(24) 長谷川竜也(16) 狩野健太(25) 森本貴幸(9) 

■coach
風間八宏 6.5 エドゥアルドを下げるギャンブルに出たが、成功させる。交代が的確。

■referee
村上伸次 6.5 笛を吹く回数が少なく、好ゲームを邪魔しないように試合を裁いた。

2016/10/03

161001神戸3-0川崎(J1 #31)

神戸3-0川崎(ノエビアスタジアム神戸, 19:00KO, 25,722人)

今年のJ1リーグも残り4節。
代表ウィークを挟む3週間の中断を控えたアウェイの神戸戦。
19時キックオフで、昼間は暑かったが、夜になると少し過ごしやすい。

ノエビアスタジアムはチケット完売。
神戸市営地下鉄海岸線の御崎公園駅から歩いて向かった。
道は広くスムースに移動できた。
コンビニもいくつかあるが、混雑している。
飲み物などは三ノ宮で調達してきた方がいい。














スタジアムは球技専用で見やすい。
しかし、ピッチは剥がれ気味で荒れている。
昨年は芝の不良で、川崎戦(2015 J1 #24)の次のホームをユニバー記念競技場で開催した。

先発は横浜Fマリノス戦(J1 #30)から3名変更。
出場停止だったネットと大久保が戻って、GKには高木。
狩野と三好がベンチに戻り、左頬骨骨折・脳震盪の新井はベンチ外となった。
新たにベンチには安藤が入り、奈良、大塚が外れた。
昨年、大久保は拍手で迎えられていたが、今年はブーイングが響いた。

神戸はJ1リーグの年間8位。
第1ステージは12位だったが、第2ステージは4位に付けている。

■1st half
川崎は小林が1トップ、大久保と中村がシャドーに入る。
田坂が右に入る3バックは変わらない。

キックオフ直後、小林がGKキム・スンギュ(18)と1対1となるが、GKに当ててしまう。
中央からスルスルとPA内まで入ったが、仕留めることができなかった。

お互いにコンパクトな陣形を保つ。
ネットがボールを持つと、神戸は大島へのパスコースを消す。
ボランチ同士の距離が遠く、パス交換が少なかった。
車屋とエウシーニョもサイドにスペースがなく、攻撃ができない。

神戸はカウンター主体の攻撃。
高い位置でパスカットして、チャンスを多く作り出す。
4分にFW渡邉千真(19)がポストに当て、20分すぎからは決定機が続く。
26分には高木のクリアミスから渡邉がゴール。
エドゥアルドがファーサイドへのコースを切っていたが、ニアに決められた。
高木はシュートに対する位置取りが悪く、止められなかった。

■2nd half
後半、田坂を右ウィングに上げて4バックに移行。
ボランチでボールを持てるが、全体的にが前掛かりになる。
サイドバックもボランチもポジションが高く、戻りが遅くなる。

神戸のカウンターに対して人が足りず、簡単にシュートを浴びる。
ボールのないところで動きが少なく、セカンドボールも回収できなくなる。

神戸は攻守に献身的な動きを続ける。
パスコースを作るために走って、フリーの選手にボールが届く。
守備ではゴール前とサイドを固めて、川崎の攻撃を待ち構えた。

59分、FWレアンドロ(11)が左サイドのゴールライン際からゴール。
角度がなくシュートコースは狭かったが、豪快に高木を抜いた。

2点差となって、三好、森本を相次いで投入。
しかし、前線に人数が多くなりすぎ、崩すことができない。
ネットの交代で中村をボランチに下げたため、守備は機能しなくなった。

76分、レアンドロがカウンター。
中盤で自ら攻撃を組み立ててから、渡邉とのワンツーで抜け出してゴール。

3枚目のカードは谷口に代えて板倉。
3点ビハインドでCBを交代。
大宮戦での森谷の交代のように、谷口に対する懲罰に思えたが、不要な采配。

板倉は高い位置取りでパスを供給し続けた。
エドゥアルドの1バックのような状態で攻撃を仕掛けたが、スコアは動かなかった。

■summary
神戸のカウンターで失点を重ねた。
内容がそのまま結果につながった妥当な敗戦。
昨シーズン、0-2だったアウェイゲームと同じように負けた。

ネットと大島の距離が遠く、最終ラインからのパスコースが少ない。
ボールを受けるためにバランスを崩してしまう。
神戸の守備ラインを押し下げることができないまま、縦パスを無理に入れてカットされる。
守備の人数に余裕がないまま、カウンターに対処する形が繰り返された。

1トップに小林が入ったため、これまで小林が担った中盤のプレスが弱くなる。
中村と大久保は動きが少なく、守備でほとんど機能しない。
2人はアンタッチャブルな存在だが、チームのために交代させる決断が必要。

神戸はボランチのMFニウトン(10)とMF藤田直之(14)が自由に前を向いた。
大島とネットが前に釣り出され、CBの前のバイタルが空いてしまう。
ボランチが剥がされた状態で、渡邉とレアンドロを防ぐのは難しかった。

7月までは守備意識が高かったが、変わってしまった。
ボールを失っても、プレスバックを仕掛けない。
相手チームのカウンターを遅らせることができず、スピードに乗ったままゴール前まで迫られる。
背走しながらの守備を、斜めのスルーパスで崩される。
昨シーズンまでよく見た光景が、今年も戻ってきた。

年間順位でも浦和に抜かれ2位に後退。
浦和はこのところ好調。
残り3試合で勝ち点を落としてくれるとは限らない。
1stステージ福岡戦(J1 #16)のドローで、鹿島に抜かれたような痛い敗戦となった。












残り3試合で年間3位の鹿島とは勝ち点7差。
直接対決(J1 #33)は残しているが、2位以上はほぼ確実。
しかし、年間1位を狙うには厳しいチーム状況。
守備の約束事を再構築しなければ、勝機は見いだせない。

■goal
27渡邉千真(19) 59,76レアンドロ(11)

■judge
高木駿(29) 4.5 クリアとポジションのミスで1点目を招いた。2点目も防ぎたかった。
田坂祐介(6) 5.5 高い位置取りを続けるが、前にパスを出せない。後半からMFに移動。
エドゥアルド(23) 5.5 力強く守るが、相次ぐ失点を止められず。最後は1バックで奮闘。
谷口彰悟(5) 5.0 ロングパスを供給。カウンターで背走するとマークを失いがちとなった。
大島僚太(10) 5.5 タイトなマークに苦しむ。パスを出せないとドリブルで突破を狙う。
ネット(21) 5.0 アンカーでボールを差配する。無難なパスが多く、攻撃は停滞した。
エウシーニョ(18) 5.0 自由に動き回るが、チャンスは少なかった。35分、シュート。
車屋紳太郎(20) 5.0 バックパスが多くなった。攻め上がる機会は点差が開いてから。
中村憲剛(14) 4.5 守備で走らず中盤を空けた。ミスパスもあって、チャンスを作れず。
大久保嘉人(13) 4.5 前半4本のシュート。MFでは守備が厳しくなる。攻撃でも走らず。
小林悠(11) 5.5 開始直後の決定機を外す。トラップでDFをかわしチャンスを作れていた。

■sub
59(6)三好康児(26) 5.5 投入直後はシュートチャンスが続く。森本投入後は徐々に消える。
74(21)森本貴幸(9) 5.0 85分、90分にシュート。ロスタイム、悪質なレイトタックル。
79(5)板倉滉(28) 5.5 右CBに入る。リスクを取って積極的に前に出た。パスの起点となる。

■bench
安藤駿介(24) 小宮山尊信(8) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 4.5 ネットと谷口の交代は人選に疑問。中村か大久保を外すべきだった。

■referee
今村義朗 5.0 結果には影響がなかったが、川崎寄りのジャッジだった。

2016/09/26

160925川崎3-2横浜FM(J1 #30)

川崎3-2横浜FM(等々力, 19:00KO, 25,017人)

等々力での千葉戦(天皇杯 R32)に勝利し、中2日で迎えるマリノス戦。
J1リーグは大宮戦(J1 #29)に負け、年間2位浦和に勝ち点2差に迫られた。

天皇杯千葉戦では大幅にターンオーバーし、連続して先発するのはGK新井だけ。
三好、エウシーニョ、車屋が天皇杯で途中出場して今日は先発。

大宮戦の先発と比べると、ケガでGKソンリョン、出場停止でネットと大久保がベンチ外。
 代わりに先発するのが新井、狩野、三好。
ベンチには新たにGK高木、小宮山、大塚が入っている。



マリノスも、天皇杯の東京ヴェルディ戦から中2日。
 ただ、高知での開催だったので、長距離を移動している。
 さらに、ターンオーバーをあまり行っていない。
 2試合連続して先発するのが6人、途中出場した2人が先発している。

■1st half
川崎は田坂、谷口、エドゥアルドの3バックでスタート。
ボランチには中村と大島が入る。
マリノスのプレスは緩めで、狩野のポストプレーが効果的。
PA近くまで簡単にボールを運び、左右に振って狙っていく。

14分、小林のPA右からのクロスに狩野が合わせて先制。
サイドでボールを持って、DF中澤佑二(22)とDF栗原勇蔵(4)を手前に引き出す。
その裏に入った狩野にはDF小林祐三(13)がマークしていたが、振り切ってゴール。
崩し切ってのゴールではなかったが、あっさり決まった。

マリノスは右サイドのMFマルティノス(20)による攻撃が主体。
左サイドのMF齋藤学(11)もドリブルで田坂に向かっていく。
35分すぎからは長くボールを持つが、中央から攻撃できず、攻め手が少なかった。

■2nd half
後半、マリノスはパスコースをしっかり切ってボールを奪う。
しかし、奪った後の攻撃のパターンが少ない。
徐々に中盤が間延びして前線へのサポートが遅くなり、齋藤のドリブル頼みとなる。
ただ、2人に挟まれても齋藤は軽々とドリブルで切り裂いていく。

川崎の最終ラインがマリノスのプレスを抜けると、中盤はぽっかり空いている。
縦に流れる三好と小林を使いながら、攻撃を仕掛けていく。

49分のCKで谷口と接触して負傷した新井が、66分にまた倒れ込む。
J1リーグ初出場となる高木に交代したのが69分。
2回倒れ込んだため、時計を止めた時間が長くなる。

何度も決定機を作っていくが、ようやく84分。
左MFにポジションを移した田坂から、三好にスルーパスが通る。
三好はしっかりループでゴールを決めた。

2点差となって、あとは試合を終えるだけだったが、ロスタイムは9分。
90+4分に中村のシュートがポストを叩くと、マリノスの反撃を浴びる。
90+6分にゴール前の混戦から押し込まれ、90+8分にもパスミスから失点して追い付かれる。

残り時間がない中、90+10分、右からCKが左に流れたところを田坂が拾ってクロス。
これを小林が頭で叩きこみ、ギリギリで勝利を得た。

■summary
大宮戦に続き、最後に失速してしまった。
退場者がいたわけでもなく、3バックの右に小宮山を投入していた。
にもかかわらず、食い止めることができなかった。

最後は奇跡的に勝ち点3を拾ったが、2-0で終えるべきゲーム。
コンディションの厳しさを抱えるマリノスに、2点を失った。

ただ、ネットと大久保の欠場の影響はあまりなかった。
代役の三好と狩野が活躍し、層の厚さは十分に感じられる。
ネットはそれでも欠かせないが、大久保はすぐに復帰させなくてもいいかもしれない。

マリノスは、天皇杯に注力したため、仕方がない敗戦。
エリク・モンバエルツ監督は、思い切った選手起用をしてくる。
ナビスコカップでの対戦(YNC GL #1)でも、大きなターンオーバーを行ってドロー。
それでも最終的には予選リーグを突破している。

年間3位以上が確定し、チャンピオンシップへの出場が決まった。
2位の浦和は、広島に勝利している。
苦しい状況が続くが、勝ち点を積んでいくしかない。

■goal
14狩野健太(25) 84三好康児(26) 90+10小林悠(11) 
90+6中町公祐(8) 90+8伊藤翔(16)

■judge
新井章太(30) 6.0 今シーズンJ1初先発。プレー機会は少なかった。谷口と接触し、負傷交代。
田坂祐介(6) 7.0 前線に移動してから2つのアシストを決める。1対1の守備では苦戦した。 
エドゥアルド(23) 6.0 きちっと中央を締める。相手に詰められる前に安全にパスを出した。
谷口彰悟(5) 6.0 左サイドからの攻撃をカバーする。ロスタイムにはチームをまとめたい。
大島僚太(10) 6.5 パスミスはほとんどなかったが、PA近くでの積極性が足りなかった。
中村憲剛(14) 6.5 パスを動かすが、最後は守備に戻れず。90+4分のシュートは決めたい。
エウシーニョ(18) 6.5 高いキープ力を示す。深くサイドをえぐってのクロスも効いていた。
車屋紳太郎(20) 6.0 20分にシュート、33分にFKを獲得する。後半は守勢に回った。
狩野健太(25) 6.5 先制ゴール。久しぶりの出場だがポストプレーもトラップも良かった。
三好康児(26) 6.0 縦の突破でチャンスに絡む。ゴールを決めたが、2失点目の原因となる。
小林悠(11) 6.5 大久保不在を感じさせない1ゴール1アシスト。惜しいシュートも多かった。

■sub
69(30)高木駿(29) 6.0 J1リーグ初出場。リスタート良くシュートも止めたが、2失点。
82(25)小宮山尊信(8) 5.5 守備固めで入ったが防ぎきれなかった。今シーズンJ1初出場。
90+9(26)森本貴幸(9) 5.5 同点となってから投入されるが、プレー時間はほとんどなかった。

■bench
奈良竜樹(3) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 6.0 ギリギリで勝利を導いた。ただ、3枚目の交代の遅さは相変わらず。

■referee
家本政明 5.5 不可解な判定が散見されたが、ゲームを壊さなかった。後半ロスタイム9分は妥当。

2016/09/24

160922川崎4-1千葉(天皇杯 R32)

川崎4-1千葉(等々力, 18:00KO, 8,078人)

天皇杯3回戦はジェフユナイテッド千葉(J2)との対戦。
 代表ウィークに開催された2回戦とは異なり、週中の木曜日開催。
 J1リーグ大宮戦(J1 #29)から中4日、次の横浜Fマリノス戦(J1 #30)は中2日となる。

大宮戦では大久保が退場し、ネットが累積警告を貯めた。
 この2名は次のマリノス戦が出場停止で、この天皇杯千葉戦に登場する。
 残りの大宮戦の先発9名は、エウシーニョと車屋はベンチ、7名がベンチ外となった。

GKは新井、最終ラインは右から長谷川、奈良、板倉、小宮山。
 ネット、原川、森谷、橋本が中盤を構成し、2トップに大久保と森本。
 長く負傷離脱していた奈良と小宮山の復帰戦。
 オリンピックから戻ってベンチ外が続いた原川も出場機会を得た。


千葉はJ2リーグで10位。
 プレーオフ圏内に入る可能性はまだ残されている。
 このため、川崎と同じように大きなターンオーバーを行ってきた。
 昨シーズン、川崎に所属したFW船山貴之(11)は先発出場する。
 長谷部茂利監督は、1997年に半年間の在籍だったけど、川崎OB。

■1st half
千葉は前線からプレスを仕掛けてくる。
 川崎はプレスをかいくぐると押し込んでボールを握った。
 ネットが別格の存在感で中盤を支配し、対となるもう1人のボランチは交代制。
 最初は原川だったがミスが多く、橋本、森谷が状況の応じてボランチに入った。

20分、ボールを奪ったネットから森本にパスが通り、そのままシュート。
 PA外、遠距離からのシュートは、GK岡本昌弘(1)のニアサイドを抜いて先制ゴール。

千葉の攻撃は散発のカウンターが主体。
 41分には原川のバックパスを拾った船山の決定機など、チャンスは多かった。

■2nd half
後半開始から、千葉が攻勢を仕掛ける。
 CK、FKが続き、川崎は押し込まれて波状攻撃を浴びる。

51分にはMF井出遥也(8)のニアへのクロスを船山がワンタッチで同点ゴール。
 昨シーズン、シュートをすべて外していた姿からは考えられない。
 松本山雅時代のような、自信に溢れる華麗なゴールだった。

同点となって、川崎は61分に三好、67分にエウシーニョを投入。
 この2人が前線で働き、70分すぎから動きが鈍くなってきた千葉を押し込む。

すると81分には千葉も2枚の交代カードを切る。
 今度は逆に千葉に押し込まれ、ロスタイムには2回連続してビッグチャンス。
 GK新井とCB奈良を中心に、失点しないで切り抜けた。

■extra time
延長に入ると、両チームともに中盤が間延びする。
 ゴール前からゴール前へとボールがせわしなく動く。

川崎はじっくりと押し込むが崩せない。
 逆に千葉はカウンターからシュートを放つ。
 94分、スルーパスに抜け出した船山のシュートは、GK新井が辛うじて防いだ。

96分、長谷川が太ももを痛め、車屋が入ると試合が動く。
 小宮山が背後に控えているため守備の負担が少なく、車屋は左サイドから自由に攻撃する。
 対面するDF北爪健吾(4)は何度も上下動を繰り返していたため、守り切れない。

105分、右サイドを深くえぐったエウシーニョからやわらかいクロス。
 GKと大久保の頭上を越えてファーに届き、車屋が頭でループシュートを決めた。

延長後半になると、千葉は足が止まってしまう。
 108分にはネットからのロングボールに抜け出した大久保がゴール。

続いて115分、小宮山とのパス交換で左サイドを独走した車屋から強いクロス。
 三好のシュートのこぼれ球を大久保が押し込んで、3点差となった。

■summary
千葉は良いゲームを展開した。
 前からの守備でボールを奪い、カウンターから何度もゴールに迫った。
 船山は1ゴールを決めたが、41分、94分の決定機はGK新井に止められた。
 112分にはMF町田也真人(14)がポストに当てるなど、勝機は十分にあった。

しかし、最後の交代枠を117分まで切らなかった。
 1点差で中盤にフレッシュな選手を入れていれば、もっと粘れたものと思われる。
 3点差となるまで動かなかった長谷部茂利監督の采配には疑問が残る。


川崎はネットがゲームを作った。
 原川のパスミスが目立ち、千葉のカウンターを浴びたが、最終ラインが持ちこたえた。

90分で仕留めることはできなかったが、延長で突き放した。
 その原動力となったのは三好、エウシーニョ、そして車屋。
 サブ組だけの時間帯で崩せなかったのは少し残念。
 ただ、長いケガから復帰した奈良と小宮山が120分プレーできた。

J1リーグでは年間首位に立つものの、負けが多くなっている。
 週中開催の天皇杯に力を注ぐ状況ではなかったが、勝利することができた。

次の天皇杯は、11月9日もしくは12日。
 J1リーグの最終節が終わり、チャンピオンシップの前に開催される。
 このタイミングで公式戦に出場できることとなり、負けなくてよかった。

■goal
20森本貴幸(9) 105車屋紳太郎(20) 108,115大久保嘉人(13)
51船山貴之(11)

■judge
新井章太(30) 7.0 41分、94分、116分に決定機を止める。雨でキャッチが少なく、波状攻撃を浴びた。
長谷川竜也(16) 6.0 右SBで出場。大きく開いてボールを呼ぶ。守備は淡白で粘れなかった。
奈良竜樹(3) 6.5 判断の早さで周囲をカバーして防ぐ。ケガ明けでも対人に強かった。
板倉滉(28) 6.5 カウンターに対処しつつパスワークの中心となる。84分に井出に抜かれた。
小宮山尊信(8) 5.5 復帰戦で動きは鈍かった。ポジションは良く、最後は車屋を走らせた。
原川力(15) 5.0 積極的な姿勢は悪くはないが、ミスが多く、カウンターの要因となった。
ネット(21) 7.5 ボランチの相方が何度も変わったが、攻守に渡って試合を支配した。
森谷賢太郎(19) 5.5 チャンスに絡むも決定的な仕事はできず。パスを受ける回数も少ない。
橋本晃司(7) 6.0 ボランチでさばく。FKでもチャンスを作る。3分のシュートは右に外した。
森本貴幸(9) 6.0 1トップで最終ラインと駆け引き。20分にミドルシュートを決める。
大久保嘉人(13) 6.5 消えている時間が長かったが、延長では2ゴールで試合を決めた。

■sub
61(7)三好康児(26) 6.5 ゴールはなかったが、前線で動き回ってドリブルで牽引した。
67(9)エウシーニョ(18) 6.5 中央でキープする。106分のシュートはGKにキャッチ。
96(16)車屋紳太郎(20) 7.5 決勝ゴール。4点目も含め、左サイドでチャンスを作り出した。

■bench
高木駿(29) デューク・カルロス(32) 狩野健太(25) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 7.0 最大限のターンオーバーを行いながら、結果を導き出した。

■referee
西村雄一 6.5 的確なジャッジ。79分に大久保の異議にイエロー。試合を落ち着かせた。

■おまけ

試合終了後に千葉サポーターに挨拶に行く、大塚、森本、高木。

2016/09/18

160917大宮3-2川崎(J1 #29)

大宮3-2川崎(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場, 18:00KO, 13,787人)

J1リーグも残り6節となり、年間順位2位の浦和とは勝ち点5差。
福岡戦(J1 #28)に勝利して、アウェイでの大宮戦。

Nack5スタジアム大宮ではなく、年1回開催される熊谷。
アクセスは熊谷駅からの臨時バス、駐車場も2時間前には満車。
ヴィジョンは1つ静止画のみで、ピッチが広い陸上競技場。
条件のいいNack5スタジアムと比べると、観客にとって厳しいスタジアム。



先発は福岡戦とまったく同じ。
サブから武岡が外れ、奈良が入った。
奈良は5月14日の神戸戦(J1 #12)で左脛骨骨折して以来の復帰となる。

昇格組の大宮は、ここまで年間7位。
前節でJ1リーグ残留を決め、年間上位が狙える位置。
1stステージでの対戦は、最終節にホームで勝っている(J1 #17)

■1st half
川崎は3バックで田坂を右CBに置く。
福岡戦と同じシステムで、ボランチだけでなく田坂からもパスが出る。
そのため、大宮は前線からのボールチェイスが難しい。
後方と連動した守備がなかなかできず、川崎のボランチには余裕があった。
ショートパスをつないでチャンスを伺い、ボールを保持する時間が長くなる。
15分過ぎからは大宮を自陣に押し込んでいく。

大宮は斜めのパスとクロスで打開しようとした。
しかし、FWムルジャ(8)の動きが鈍く、パスミスが相次ぐ。

36分、川崎が押していたゲームが崩れてしまう。
大久保がMF横谷繁(17)に頭突きしてレッドカード。
横谷はいつもの大久保のように、自力で派手に倒れて見せた。
この倒れ方を見ていれば、注意にとどめるべきところかとも思う。
だが、頭突きしたことは事実なので、レッドカードは当然。

数的不利になって、44分、ネットが詰められてボールを失う。
前掛かりになっている守備陣の間にムルジャがスルーパス。
抜け出したFW家長昭博(41)をソンリョンが倒してPK。
PKを家長がそのまま決めて、先制を許した。

■2nd half
1人多くなった大宮は、ボランチがボールを持てるようになる。
ピッチを左右に広く、フリーの選手を使って組み立てていく。
前半よりも多くチャンスを作り出す。

川崎は守備に奔走しながらも、ショートカウンターを狙う。
ボールを奪うとすぐにゴールに向かっていく。
63分に中村がゴラッソを決め、81分には小林が逆転ゴールを決める。

残り10分。
守り切ろうとラインを下げて大宮の攻撃を待ち受ける。
しかし、1人少ない分を走ってカバーしてきた川崎の疲労は濃かった。
シュートブロックなどの最後の一歩が遅くなる。
84分に家長、89分にはMF江坂任(7)に決められて逆転を許した。

■summary
大久保の退場で決まってしまった試合。
それまでは、川崎が仕掛けながらも大宮もよく耐え、見応えがあった。
しかし、数的不利となって内容も結果も台無しになってしまった。

後半、2点を奪ったのは素晴らしかった。
守備のリスクを抱えながらも、果敢に攻めてゴールを奪った。
ただ、リードを奪ってから、残り時間を耐える策がなかった。
疲弊したボランチの交代がなく、最終ラインがカバーする範囲が広くなる。
谷口が右サイドに吊り出され、薄くなった中央を突かれてしまった。

この敗戦で、年間2位の浦和に勝ち点2差に詰め寄られた。
2ndステージでは、首位から陥落して3位に。
8月以降に内容が悪くなり、接戦を勝ちきれない。
今後の対戦相手も強豪が続く。

次は中4日で天皇杯3回戦千葉戦。
その次には中2日でJ1リーグ横浜FM戦(J1 #30)がやってくる。
J1リーグに集中して、勝ち点を拾い続けていきたい。

■goal
44,84家長昭博(41) 89江坂任(7)
63中村憲剛(14) 81小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 3失点はしたが、多くの決定機を防ぐ。キックミスが散見。
田坂祐介(6) 5.5 攻守ともにそつなくこなしていたが、戦術的な交代となった。
エドゥアルド(23) 5.5 後半は守備に専念する。ギリギリの攻防を繰り広げていた。
谷口彰悟(5) 5.0 右サイドを広くカバーしたが、3失点目は大宮の圧力で冷静さを失った。
大島僚太(10) 5.5 相手をかわすトラップは美しかったが、チャンスにつなげらなかった。
ネット(21) 5.0 縦パスが狙われてしまう。イエローをもらったため次節出場停止。
エウシーニョ(18) 5.5 前線で駆け回った。カウンターでは積極的に前に飛び出した。
車屋紳太郎(20) 5.5 サイドからのクロスは不発。DF奥井諒(19)に守り切られる。
小林悠(11) 6.5 2トップでチャンスに多く絡む。1トップでは孤立しながらも逆転ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 ゴラッソで同点とする。最後の苦しい時間にチームを鼓舞したい。
大久保嘉人(13) 3.5 報復行為でレッドカード。ひとりでゲームを壊してしまった。

■sub
61(6)三好康児(26) 5.0 62分、エウシーニョの完璧なクロスを吹かす。家長の2点目をオンサイドに。
71(18)森谷賢太郎(19) 5.0 攻撃は良かった。MF泉澤仁(39)に右サイドを崩されてしまう。
90(19)森本貴幸(9) 5.5 攻め込まれる時間帯に1点を追って投入される。見せ場はなかった。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 

■coach
風間八宏 5.5 1人少なくても逆転したが、足が止まった守備陣の交代策が打てなかった。

■judge
扇谷健司 4.5 ゲームの流れをコントロールできず、荒れた試合を作ってしまった。

2016/09/11

160910川崎3-1福岡(J1 #28)

川崎3-1福岡(等々力, 19:00KO, 23,759人)

代表ウィークによる中断を挟んで2週間ぶりのJ1リーグ。
前節柏戦(J1 #27)で大敗を喫したが、2位浦和も負けて勝ち点差は5のまま。
フル代表の小林、大島、U19代表の三好、韓国代表のソンリョンがそれぞれの代表から復帰。

前週は天皇杯2回戦(天皇杯 R64)
代表組が不在の中、ブラウブリッツ秋田(J3)に逆転で勝った。

天皇杯秋田戦の先発から、5人が外れる。
新井、武岡、森谷はベンチに、大塚、中野はベンチ外となった。
代わりに代表帰りのソンリョン、大島、小林と、エドゥアルド、田坂が先発する。
ベンチからは高木、長谷川、デューク・カルロスが外れ、橋本、三好が入る。

柏戦の先発と比べると、森谷とケガの井川が外れて、エドゥアルド、田坂が入っている。


福岡とは今シーズン3試合目。
ナビスコカップで負け(YNC GL #2)J1リーグではドロー(J1 #16)
それぞれYNCグループリーグの敗退、1stステージで優勝を逸す大きな原因となった。

ここまで福岡はJ1リーグで年間18位。
この2週間でルヴァンカップ準々決勝2試合、天皇杯1試合を戦っている。
水曜日の天皇杯では延長120分プレーして、中2日の試合。

■1st half
川崎は田坂が右CBに入る3バックでスタート。
田坂にはぎこちなさも見えたが、ワンタッチパスで右サイドからリズムを作った。

福岡は自陣深くに引いてブロックを作る。
5バック4ボランチで、1トップにはFW金森健志(7)。
ボールホルダーにプレスを掛けず、ゴール前で待ち構える。
金森の位置が自陣ゴール寄りとなるほど、引いていた。

川崎はプレッシャーなくボールを長く持てる。
両サイドにはスペースが少なく、中央からの攻撃が主体。
ネット、大島、中村だけでなく、田坂からも縦パスが入る多彩な攻撃。
パスの出し手が多く、福岡が間合いを詰めても簡単にかわした。

大きなチャンスはCKから生まれる。
15分、谷口が中村の左CKをヘッドで斜めにシュート。
しかし、強い弾道はGKイ・ボムヨン(23)の正面だった。
29分にはまったく同じ形で、谷口が中村の左CKをヘッド。
今度は緩やかにボールが弧を描き、GKの頭上を越えてゴールに収まった。

福岡は攻撃の形をほとんど作れず。
守りに守ってなんとか1失点で済ませることができた。

■2nd half
後半開始直後の47分。
車屋のショートパスを中村がPA内からシュート。
至近距離のシュートをGKがストップし、転がったボールはMFダニルソン(6)がキープ。
ダニルソンはGKにキャッチさせたかったが、背後から中村にボールを突かれてしまう。
ボールはそのままGKの股も抜いてゴールに転がった。

ダニルソンの判断ミスを見逃さない中村の泥臭いゴール。
ゴールのすぐ近くでのプレーで、ダニルソンにクリアする時間は十分にあった。
攻撃の手段がほとんどない福岡にとって、ゲームは終わった。

55分に決定機を外していた大久保が、60分にゴール。
中村にボールを預け、小林からの足元へのパスに走り込んでダイレクトで決めた。

3点差となって、川崎はテストを開始する。
機能していた3バックから、4バックに移行。
右CBの田坂を左ウィングに配置転換するが、このテストは裏目となる。

74分にFWウェリントン(17)が投入され、福岡は最終ラインにプレッシングをかける。
エドゥアルドの球離れが遅いところを狙われ、チャンスを作られる。

85分にはFW平井将生(14)がミドルを決めて2点差。
ロスタイムにもウェリントンがヘディングするが、ソンリョンがセーブした。

■summary
福岡は前半、守備的なプレーに終始した。
プレッシングを仕掛けたくとも、120分プレーした天皇杯から中2日。
川崎に比べて試合間隔が詰まっていたため、走れなかった。

最終ラインは下がりっぱなしで、耐えるだけ。
セットプレーからの1失点で前半を終えることができたのは、内容を考えれば上出来。
後半、なんとか1点を奪えばドローで勝ち点を得ることができる状況だった。
しかし、ダニルソンの安易なプレーで2点目を失うと、試合は決まった。

川崎は中央から攻撃を続けて3点を奪った。
福岡のプレスがほとんどなく、余裕を持ってボールを動かした。
3バックに入った田坂は、長短のパスで右サイドを活性化した。
ハイボールの処理に懸念はあったが、谷口とエドゥアルドがカバーした。
福岡が田坂を狙って放り込んでくれば、違った展開があったかもしれない。

3バックから4バックに移行すると守備が停滞。
ロングボールへの対応は、3バックの方が安心できる。
今後の対戦相手は、川崎対策でロングボールを多用してくることも考えられる。
相手の攻撃の芽を3バックでしっかり摘んでから、圧倒的に攻撃を仕掛けたい。

■goal
29谷口彰悟(5) 47中村憲剛(14) 60大久保嘉人(13) 
85平井将生(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 73分にDF亀川諒史(18)、90+4分にウェリントンのシュートをセーブ。
田坂祐介(6) 6.5 CBで強い守備を見せ、新たなパスの起点となる。最後は左ウィングに。
エドゥアルド(23) 6.0 高く強い守備は鉄壁。ボールを持ちすぎて何度もボールを失う。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボールを処理。CKからの2本目のシュートで先制ゴールを決める。
大島僚太(10) 6.0 代表帰りの疲れも見えたが、フリーで受けて中央から攻め続けた。
ネット(21) 6.0 小さなモーションで縦パスを狙う。14分、小林へスルーパスを通す。
エウシーニョ(18) 6.0 亀川に抑えられた。45分に右から決定的なクロス。46分にミドル。
車屋紳太郎(20) 6.0 左サイドから仕掛けてチャンスを作る。47分に中村へラストパス。
小林悠(11) 6.0 最前線でボールを受けてトラップでDFを抜き去る。ゴールは決まらず。
中村憲剛(14) 7.0 47分、相手のミスを突いてゴール。勝利に必要不可欠なプレーだった。
大久保嘉人(13) 6.5 1ゴールの結果は少ないほど。フリーでのシュートを多く放った。

■sub
82(6)森谷賢太郎(19) 5.5 左ウィングで出場。カウンターを狙ったが、成功しなかった。
86(11)武岡優斗(17) 6.0 4バックの右SBに入る。福岡の左サイドからの攻撃を抑えた。
90+1(10)森本貴幸(9) 5.5 90+3分、森谷からのラストパスを引き出す。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 4バックのテストで福岡にチャンスを与える。3点差となっても交代が遅い。

■referee
廣瀬格 6.0 少し川崎寄りのファウル判定があったが、ストレスの少ないジャッジ。

■おまけ

川崎ものづくりフェアin等々力の一環で、ハーフタイムに山本昌が登場。
プロ野球で通算219勝のピッチャーが、フロンターレのユニフォーム姿で登場した。
ラジコンでも有名だが、この日はスタート直後、あえなくリタイアした。

2016/09/04

160903川崎3-1秋田(天皇杯 R64)

川崎3-1秋田(等々力, 19:00KO, 5,088人)

今年の天皇杯は、2回戦から出場することとなった。
 J3のブラウブリッツ秋田との対戦。
 代表ウィークで、J1リーグが開催されない週の土曜日の開催。
 久しぶりのカップ戦用ユニフォーム。

フル代表に小林と大島、U19代表に三好、韓国代表にGKソンリョンが招集されて不在。

大敗した柏戦(J1 #27)の先発から、ケガの井川も含めて4人が外れる。
 代わりにGK新井、武岡、大塚、中野の4人が先発する。
 大塚は鳥栖戦(J1 #25)以来、3週間ぶりの出場となる。

サブには新たにGK高木、板倉、森本が入った。
 森本は左膝外側半月板損傷による長期離脱から復帰。
 出場すれば、4月2日の鹿島戦(J1 #5)以来となる。


ブラウブリッツ秋田は、J3リーグで6位。
 天皇杯1回戦はヴァンラーレ八戸に勝利している。
 ベンチ入りは5人のみで、2人の枠を残している。

GK松本拓也(21)は、2011年に川崎に在籍していた。
 川崎での出場はなかったが、GK陣に故障が相次ぐ中、湘南から期限付きで来てくれた。

■1st half
秋田は前線から強くプレスを仕掛けてくる。
 川崎のボランチはもちろん、最終ラインがボールを持っていても詰めてくる。
 それも1人だけでなく、連携しながら全員で追いかけてきた。
 特に武岡がターゲットとなり、次のパスを狙われて奪われた。

秋田の攻撃には迫力はなかったが、28分。
 ネットの縦パスが奪われて、ショートカウンターを浴びる。
 FW呉大陸(9)が潰れたところから、FW前山恭平(7)がミドル。
 ゴールまでかなりの距離があったが、左隅にきれいに決まった。

川崎はボランチからのパスが前につながらない。
 大塚が下りてきてパスを受けるものの、前を向けない。
 中野と森谷はボールロストを繰り返した。
 秋田がハードに走って、コンパクトな陣形を保っていた。

■2nd half
後半開始から、中野を下げてエドゥアルドを投入する。
 最初は4バックだったが、50分ごろにピンチが続き、危ないシュートを打たれる。
 GK新井が中心となって、ゴールは許さなかったが、3バックへ移行。
 武岡、エドゥアルド、谷口を最終ラインに並べる。

秋田は前半のようなプレスを続けることができなくなる。
 コンパクトさは保っていたが、川崎のボールホルダーに余裕が生まれた。

67分、CKからの流れで車屋が左サイドをえぐり、マイナスのクロス。
 エドゥアルドがインサイドで蹴り込んで同点ゴール。

70分、76分と決定機を外した大久保が、77分にゴール。
 車屋が中央に流れて、空いた左サイドに入り込んだ森谷がアシストした。

82分には再び車屋が左クロス。
 田坂が豪快に蹴り込んで、試合を決めた。

■summary
秋田は前半、素晴らしい内容で川崎を圧倒した。
 しかし、90分走り続けることはできず、後半3失点を喫した。
 後半開始直後のチャンスで追加点を奪えれば、勝利できたと思われる。

もしくは、ゴール前を固めて1点を守り切る戦術も選択できた。
 しかし、堂々と川崎に勇敢に立ち向かった。
 賞賛に値する素晴らしいプレーだった。


川崎は代表組を除けば、現時点のフルメンバー。
 前半は、秋田のプレスに苦しみ、後手を踏んだ。
 武岡のパスの精度が低く、森谷と中野はパスをつなげなかった。
 後半、疲れの見えた秋田を突き放して、森本を起用することができた。

天皇杯の3回戦は、J2ジェフユナイテッド千葉との対戦。
 ただ、J1リーグの試合に挟まれた、9月22日の木曜日開催。
 主力を疲弊させて、J1リーグで勝ち点を失うわけにはいかない。
 秋田戦とは異なり、ターンオーバーが必要となる。

■goal
67エドゥアルド(23) 77大久保嘉人(13) 82田坂祐介(6)
28前山恭平(7)

■summary
新井章太(30) 6.0 49分のMF青島拓馬(20)のミドル、51分の前山のループを防いだ。
エウシーニョ(18) 5.5 不安定な守り。63分のミドルはDF浦島貴大(32)にブロックされた。
武岡優斗(17) 5.5 パスを狙われる。67分、車屋へスルー。足首を痛めたが最後までプレー。
谷口彰悟(5) 6.0 ハイボールを危なげなく処理。もっと最終ラインでボールをさばきたい。
車屋紳太郎(20) 7.5 復帰2戦目で2アシスト。左サイドから正確なクロスを多く供給した。
中村憲剛(14) 5.5 19分、中野へのパスで決定機を作る。ミスが多くカウンターを浴びた。
ネット(21) 5.5 縦に向かうパスをカットされていた。51分、PA近くでボールをロスト。
森谷賢太郎(19) 6.0 前半はパスをつなげず。左サイドに移ってから車屋と組んで活躍する。
大塚翔平(27) 5.5 前後に動いてボランチからパスを受けるが、前を向けなかった。
中野嘉大(22) 4.5 プレスがなくてもミスが目立つ。19分のGK1対1はトラップが流れる。
大久保嘉人(13) 6.5 決定的なチャンスを多く迎える。外していたが、77分に決勝ゴール。

■sub
HT(22)エドゥアルド(23) 6.5 最終ラインに安定をもたらした。同点ゴールを決めた。
58(27)田坂祐介(6) 6.5 気が効いたポジショニングで、攻撃を牽引する。1ゴール。
90+1(13)森本貴幸(9) 5.5 時間が短く、プレー機会はほとんどなかった。

■bench
高木駿(29) 板倉滉(28) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 6.5 左サイドの停滞を選手交代で払拭して逆転勝利。森本を早く入れたかった。

■referee
柿沼亨 5.5 ファウルの判定は抑制的。後半、大久保が倒れるたびにファウルを取った。

■おまけ


試合終了後、秋田のゴール裏。
 「この絆を胸にいつか必ずここに戻ってきます!!」との横断幕。
 天皇杯のカテゴリー違いのゲームの醍醐味といえる。
 しかし、秋田にジャイアント・キリングされそうになったのも事実。

秋田の次の関東での試合開催は、9月19日(月)、味の素スタジアムでのFC東京U23戦。
 GK松本拓也によれば、秋田のゴール裏に川崎のユニフォームで入ってもいいそうです。

2016/08/28

160827川崎2-5柏(J1 #27)

川崎2-5柏(等々力)

浦和戦(J1 #26)に勝って、年間では勝ち点5差の首位。
2ndステージでも勝ち点で並び、得失点差で首位に立った。
鳥栖戦(J1 #25)に負け、浦和に詰められた差を元に戻した。

鳥栖戦と浦和戦を欠場した車屋が復帰。
そのため、浦和戦で採用した3バックからいつもの4バックに。
そして浦和戦で決勝ゴールを決めた森谷が左ウィングに入る。
大島は、週中に練習を休んでいたが先発する。
武岡と中野がベンチスタートとなった。

ベンチには鳥栖戦で退場となり、浦和戦は出場停止の三好が復帰。
板倉と柏からのレンタル中で、契約上出場できないエドゥアルドが外れた。
2種登録のデューク・カルロスは2試合連続のベンチ入り。

柏はここまで年間6位。2ndシーズンでは7位。
今シーズンは2回、いずれも日立台で対戦している。
ヤマザキナビスコカップでは負け(YNC GL #4)、J1リーグで勝っている(J1 #11)。

■1st half
4分、柏がいきなり先制。
FWクリスティアーノ(37)の右CKを中央のFWディエゴ・オリヴェイラ(11)がヘッド。
ネットがマークしていたはずだが、完全にフリーにしてしまった。

続いて5分。
エウシーニョが自陣PA内でプレスを受けてボールを失う。
マイナスのクロスを再びオリヴェイラが決める。
安易なミスが続いて、いきなり2点差となった。

川崎は雨のピッチに苦しみ、パスがつながらない。
17分にエウシーニョのクロスを森谷がゴールするが、状況は同じ。
柏はしっかり自陣に引いて、FWがパスコースを切る。
縦パスを狙って、高い位置からショートカウンターを仕掛けてきた。

29分にはクリスティアーノのFK。
川崎の守備陣はゴール前に一列に並ぶ。
しかし、GKとの間に入れられたボールに走り込む柏の選手に追い付けない。
フリーのオリヴェイラのヘッドはバーが防ぐが、こぼれ球を蹴り込まれる。

32分には1失点目とまったく同じ流れ。
クリスティアーノのCK、そしてオリヴェイラのヘッド。
ネットが簡単に外されていて、4失点目を喫した。

川崎は30分あたりから3バックに移行。
井川が中央で、右が谷口、左に車屋。
これでカウンターには対応できるようになったが、セットプレーの守備は改善できず。
ロスタイムに井川が足を痛め、武岡が投入された。

■2nd half
柏は点差を考えてゲームをコントロール。
無理してボールを狙う必要がなくなり、バランスを重視する。
局面での勝敗にはこだわらず、コンパクトな陣形を保つことを優先する。
ボールを奪っても、カウンター主体で人数はかけてこない。

川崎はプレスが緩んだため、パスは回るようになる。
3バックにした守備も安定。
55分には森谷に代えて中野を投入。
中に入りがちだった森谷と違い、中野はワイドに張ったため、左サイドは活発に。

77分にはネットに代えて三好を投入。
再三のセットプレーで失点に関与したネットの交代は妥当。
しかし、ボランチの守備に目をつぶった結果は裏目となった。
85分、カウンターからMF中川寛斗(19)に決められてしまう。

■summary
川崎のセットプレーの守備が拙く、柏が決めきったゲーム。
カウンターへの対処も課題が多かった。
特に、左サイドのクリスティアーノをエウシーニョが止められなかった。
YNCでの対戦でも、谷口がミスパスを繰り返して失点した。
エウシーニョのミスによる2点目を含め、ミスから4点も与えては勝ち目はない。

追いかける展開となったが、攻撃は2得点。
決定機も作れていて、ゴールは2つにとどまったが、大きな問題はない。
ただ、いつもよりも低い位置でのパスミスが多く、守備の負担が高くなった。

鳥栖戦に続いて、2ndステージで2敗目を喫した。
8月は2勝2敗。失速してしまった。
浦和が神戸に負けてくれたため、首位のまま。
今シーズンの躍進を支えてきたのは粘り強い守備。
この試合ではまったくいいところがなかった。
ただ、セットプレーの守備という課題は明確。

9月は代表ウィークがあるため、J1リーグ3試合と天皇杯2試合のみ。
J1リーグは残り7試合。
今日の内容では、2位に勝ち点5差は心もとない。
コンディションをうまくキープして、勝ち点を積み上げたい。

■goal
17森谷賢太郎(19) 82三好康児(26)
4,5,32ディエゴ・オリヴェイラ(11) 29茨田陽生(8) 85中川寛斗(19)

■judge
ソンリョン(1) 5.0 決定機は防いだが、点差が開いてからは淡白なプレーも見られた。
エウシーニョ(18) 4.0 判断ミスで2点目を生む。クリスティアーノにやられ放題。アシストは素晴らしい。
井川祐輔(4) 5.0 浮足立った守備陣をコーチングで落ち着かせたかった。ケガで交代。
谷口彰悟(5) 5.0 カウンター対応でボールに意識が向き過ぎ。3点目、5点目はなんとかしたい。
車屋紳太郎(20) 5.5 MF伊東純也(14)に押し込まれて攻撃参加できず。ケガからの復帰戦。
大島僚太(10) 5.0 パススピードも動き出しも遅かった。無理せずコンディションを整えてほしい。
ネット(21) 3.0 何度もセットプレーでマークを外して大量得点を与える。プレーは悪くはなかった。
森谷賢太郎(19) 4.5 2試合連続ゴール。しかしパスミスでリズムを崩す。タイミングが周囲と合っていない。
小林悠(11) 5.5 狭いスペースの中でもチャンスに多く絡む。シュートは狙いすぎ。枠に飛ばなかった。
中村憲剛(14) 5.0 パスの中継点となったが精度を少し欠いた。守備でももっと頑張りたい。
大久保嘉人(13) 5.0 決定機もあったが決められず。50分、中盤でのパスミスでカウンターを招く。

■sub
45+3(4)武岡優斗(17) 5.5 3バックの右に入る。点差は開いていたが、クリスティアーノを自由にさせなかった。
55(19)中野嘉大(22) 5.5 ワイドでボールを呼び込みチャンスを作る。ただ、囲まれるとボールロストが多かった。
77(21)三好康児(26) 6.0 等々力での初ゴール。90+4分のミドルはGK中村航輔(23)に止められる。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 5.5 セットプレーの守備を修正できず。選手交代は効果的だったが5点取るのは難しい。

■referee
村上伸次 6.5 流すべきは流し、取るべきは取った。良いジャッジ。2人の副審のオフサイドの基準がずれていた。

2016/08/22

160820浦和1-2川崎(J1 #26)

浦和1-2川崎(埼玉スタジアム)

鳥栖戦(J1 #25)に敗れ、続けてのアウェイは浦和戦。
J1リーグでの敗戦は、ホーム浦和戦(J1 #8)まで遡ることとなる。

車屋は鳥栖戦に続いて欠場。
登里や小宮山も離脱していて、左SBをこなせる人材がいない。

左SBの不足を解決するために、3バックを採用。
急遽鳥栖戦で左SBに入った武岡は、3バックの右CBに入った。
今シーズン初めて先発する中野が左CBの谷口と左サイドを構成する。

リオ・デ・ジャネイロで予選リーグで敗退して戻ってきた大島が先発復帰。
帰国のための長い移動とインフルエンザ罹患があったが、ボランチでネットと組む。
中村が1列前に上がって、小林と大久保の3人の前線。

鳥栖戦と比べ、新たに大島と中野が先発して、長谷川はベンチへ、橋本はベンチ外となった。
ベンチからは大塚と出場停止の三好が外れ、田坂と森谷が入る。
さらに先週2種登録を済ませたばかりのデューク・カルロスもベンチ入りを果たした。

浦和は年間では勝ち点2差の2位、2ndステージは1位。
直近のJ1リーグで10戦負けなしと好調を維持。
オリンピック代表から興梠と遠藤が戻ってきたが、いずれもベンチスタート。

■1st half
浦和は2分、いきなりMF高木俊幸(13)が決定機を迎えるが、シュートを外す。
高い位置からのプレスで川崎のボールホルダーを追い込む。
DF森脇良太(46)とMF駒井善成(18)を軸に、右サイドから崩してきた。
この2人には中野が対応していたが、サポートが少なく荷が重かった。

川崎はボールを持つと愚直に中央から崩していく。
ボランチ2人と中村が三角形を作り、ボールを運ぶ。
車屋が欠場したこと、浦和が5バック気味に守ることから、サイドからの展開は少ない。

15分、小林が戻したボールをフリーの中村が蹴り込む。
GK西川周作(1)の逆を突き、狭いニアサイドを抜いて先制する。

浦和は失点後も攻撃を続ける。
27分、森脇のクロスがソンリョンと武岡の間に入り、こぼれ球をFW李忠成(20)が蹴り込む。
武岡は李に軽く押されて倒れてしまい、クリアできなかった。

■2nd half
後半開始直後の47分、MF武藤雄樹(9)のシュートをソンリョンがキャッチ。
至近距離から放たれた強いシュートだったが、難なく止めた。

浦和は54分にはスルーパスで打開し、MF宇賀神友弥(3)に決定機。
ソンリョンがゴールを空けていたが、シュートは浮いた。

川崎は前線3枚がむやみにボールを追いかけすぎない。
しっかり守って、攻撃は引き続き中央から。
中村が浦和の2ボランチのポジションを動かして、最終ラインとの距離を広げていく。

74分、大島がドリブルで3人を抜き去ってPA手前まで侵入。
6対4と数的有利を作り出して、エウシーニョの右からのクロスを森谷がゴール。
中野と71分に交代したばかりの森谷は、ゴール前に入るコースとタイミングが完璧だった。
浦和は戻りが遅く、マークできない選手を作ってしまった。

追いつくために浦和はDF槙野智章(5)を上げて攻める。
森脇も交代してしまったため、逆に川崎のカウンターが面白いように決まる。
82分の中村のシュートは西川がスーパーセーブ。
83分の大久保のゴールはハンドの判定。
追加点は奪えなかったが、低い位置でパスを交換して前を狙い、じっくりと時間を使っていく。

武藤が88分に決定機を外して、試合は終わった。

■summary
川崎が年間首位、2ndステージは勝ち点3差の2位。
浦和が年間で勝ち点2差の2位、2ndステージ首位。
前節鳥栖に川崎が敗れたことで、勝ち点差も狭まってこの試合を迎えた。

1stステージの対戦はミスの少ない攻防だった。
しかし、この試合はクオリティは下がった。
川崎にも浦和にもミスパスがあったが、それでもレベルの高いゲームだった。

浦和は5度の決定機(2分、27分、47分、54分、88分)を作り出した。
ダイレクトパスやスルーパスで川崎の守備のギャップを突く。
しかし、ゴールは1つだけ。
ソンリョンが立ちはだかり、シュートも枠に飛ばなかった。

川崎は中央からの攻撃で、きれいなゴールを2つ決めた。
ボランチを動かし、ショートパスのためのスペースをバイタルに作る。
後半リードしてから多くの決定機を迎えたが、決めきれなかったのは課題。

結果は妥当。ただ、ドローでもおかしくはなかった。
緊迫感があり、見るべき価値のある攻防だった。

次に浦和と対戦したら、勝てるかどうかは分からない。
チャンピオンシップで可能性がある。今から楽しみ。

■goal
27李忠成(20)
15中村憲剛(14) 74森谷賢太郎(19)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 47分の武藤の決定機を間一髪で止める。勝ち点3を呼び込む。
武岡優斗(17) 6.0 右のCBで落ち着いたプレー。失点シーンでは李に押されて倒れた。
井川祐輔(4) 6.0 前半はラインを上げられず。後半は改善。足をつって途中交代。
谷口彰悟(5) 6.5 カバーに奔走しながら中央を固める。サイドの中野へのフォローは足りなかった。
大島僚太(10) 6.5 74分の3人抜きのドリブルは圧巻。病み上がりで動きは少なかった。
エドゥアルド・ネット(21) 7.0 中央でバランス良くスペースを埋める。大島を力強くサポート。
エウシーニョ(18) 6.0 左サイドで劣勢になりながらギリギリで守る。完璧なクロスで決勝アシスト。
中野嘉大(22) 5.5 1対1のドリブルで2度抜かれる。守備の負荷が高く、自らのドリブルは活きなかった。
小林悠(11) 6.5 素早いトラップとシュートで高い技術を見せる。フリーの中村を見つけてアシスト。
中村憲剛(14) 6.5 1点目はゴラッソ。82分のシュートは逆に西川が素晴らしかった。パスミスも散見。
大久保嘉人(13) 6.0 ファウルをもらってポイントを作る。83分のゴールは、ハンドの判定。


■sub
71(22)森谷賢太郎(19) 6.5 投入直後に決勝ゴール。左サイドの局面を優位に持ち込む。
78(4)エドゥアルド(23) 6.5 積極的にボールホルダーとの間合いを詰める。試合を落ち着かせる。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 田坂祐介(6) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 7.0 車屋の不在を埋める解を3バックに見出した。ロスタイムに交代カードを切りたい。

■referee
西村雄一 6.5 適正なジャッジでビッグゲームをうまくコントロール。

2016/08/14

160813鳥栖1-0川崎(J1 #25)

鳥栖1-0川崎(ベストアメニティスタジアム, 19:00KO, 19,477人)

J1リーグも残り10節となった。
川崎は3連勝で迎えるアウェイ鳥栖戦。

先発は前節甲府戦(J1 #24)から2人が入れ替わる。
 ここまで好調だった車屋が肉離れで離脱。
 左SBには本職の右SBと逆になる武岡が入った。
 トップ下には大塚に代わって長谷川が先発する。
 ルーキーの長谷川は、YNCでは出場があるが、J1リーグでのデビュー戦となる。
ベンチには森谷が入った。

お盆の19時キックオフ。
風は少しだけあるものの、じっとしているだけでも暑い気候。

鳥栖はここまで年間11位。
2ndステージは5位と好調。

プロ野球の福岡ソフトバンクホークスとのコラボ「鷹の祭典2016」対象試合。
入場者全員にユニフォームがプレゼントされた。
アウェイ側のゲートでも配ってくれたが、試合中に着るわけにはいかない。
ありがたくいただいて、持ち帰ってきた。

■1st half
川崎は右サイドのエウシーニョと小林からの展開がほとんど。
車屋が欠場した影響は大きく、武岡と橋本が組んだ左サイドは選手間の距離が遠い。
鳥栖のプレスも武岡を狙っていて、ボールロストが多くなっていた。

鳥栖はいつものようなプレッシング。
ボールを奪うと前線のFW早坂良太(25)へとロングボール。
早坂が谷口と競り合って、FW豊田陽平(11)が井川と勝負していた。

30分過ぎからは少し鳥栖のプレスが弱まる。
ボランチがフリーでボールを持てるようになった。
しかし、大塚が外れた影響は大きく、中盤でパスを受ける選手が足りない。
鳥栖の最終ラインもきちっとラインを上げていて、決定機は作れなかった。

■2nd half
後半開始から、橋本に代えてトップ下に大塚を投入。
長谷川がトップ下から左サイドに動いた。

鳥栖のキックオフからMF金民友(10)がドリブルシュート。
谷口が向かってくる金民友をカバーしたが、かわされてしまう。
20秒ほどで最終ラインを破られてゴールが決まった。

1点リードして、鳥栖は引き続きロングボール戦術。
GK林彰洋(33)に早くプレーさせるため、大塚がPA近くまで出ていく。
そして林がロングボールを入れる。
単純なプレーだが、セカンドボールを鳥栖が拾う。
中村の運動量が少なく、ネット1人ではボールを回収できなかった。

54分にはエドゥアルドをCBに入れて、谷口を右SBへ移動。
しかし、投入直後の57分、エドゥアルドが肩を痛めてしまう。
2回、ピッチ外で治療を受けて戻ったが、肩を庇いながらのプレーとなった。

79分には三好を投入。しかし、5分後。
金民友がルーズボールを回収したところに足裏を見せて突っ込む。
状況判断ができない残念なプレー。
さらに、レッドカードに抗議して、すぐにピッチ外に出なかった。
同点に追い付くための時間を浪費してしまった。

■summary
鳥栖の走力は最後まで衰えなかった。
サッカーの美しさは捨てて、縦ポンでリードして守り切る。

等々力での対戦(J1 #6)は勝てなかったが、同じような展開となった。
マッシモ・フィッカデンティ監督らしい負けないサッカー。
FC東京の監督時代は、太田宏介のフリーキックと武藤嘉紀のカウンターが武器。
いいプレースキッカーを鳥栖が獲得すれば、もっと勝ち点を積めると思われる。

MF鎌田大地(24)のトラップとパスは素晴らしかった。
ただ、縦ポンサッカーでは頭上をボールが飛び交い、鎌田の技術は活かしきれない。
続けて起用されてはいるが、きちんと組み立てるチームでプレーを見てみたい。


川崎は車屋の欠場が大きく響いた。
このところ多くの決定機を生み出していただけに、攻撃力の減衰は明らか。
小宮山も骨折から復帰できておらず、左SBの人材不足は深刻。

また、大塚がベンチスタートだったことが間延びの原因となった。
長谷川もいい動きを見せたが、何度も継続して動き直すことができない。
そのため、ボランチからのパスコースが少なくなってしまった。

■goal
46金民友(10)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 12分に負傷。しかし、何度も決定機を食い止めて、1失点にとどめる。
エウシーニョ(18) 5.5 右サイドから仕掛ける回数は多かった。59分のシュートはGK正面。
井川祐輔(4) 5.5 ラインを上げきれず、ロングボールでチャンスを作られた。パスも出せず。
谷口彰悟(5) 5.0 失点シーンで抜かれる。ハイボールを早坂と競った。左SBでは良かった。
武岡優斗(17) 4.5 ミスやロストを繰り返した。本職である右SBに回っても不安定だった。
中村憲剛(14) 5.0 マンマークに付かれ、効果的なパスが少なかった。バイタルを空けがち。
ネット(21) 5.5 パスの出しどころが少なかった。ルーズボールの回収に奔走した。
小林悠(11) 5.5 狭いスペースでもチャンスを作り出したが、シュートを決められず。
長谷川竜也(16) 4.5 J1デビュー。動き直しが少なく、ボールも来ない。33分、シュート。
橋本晃司(7) 5.5 右サイドで待っても遠かった。41分、ルーズボールを追いかけて負傷。
大久保嘉人(13) 4.5 チャンスは51分のループくらい。最後はあきらめて走らなかった。

■sub
46(7)大塚翔平(27) 5.5 後半だけの出場。それでも運動量が多く、疲弊してしまった。
54(16)エドゥアルド(23) 6.0 投入直後に肩を負傷するが、最後までプレー。交代枠を残す。
79(17)三好康児(26) 3.5 84分、軽率なプレーで退場。せめて早くピッチから出てほしい。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 

■coach
風間八宏 5.5 長谷川の先発起用は奏功せず。交代選手が次々とアクシデントに見舞われた。

■referee
松尾一 6.5 試合の流れを妨げないジャッジ。三好へのレッドは的確。

■おまけ
19,477人が入ったベストアメニティスタジアム。
JR鳥栖駅は目の前だが、改札はスタジアムの反対側にしかない。
虹の橋(歩道橋)でJRの線路を越えなくてはならないが、試合終了後、虹の橋が混雑。
改札も、電車も同じように混雑していた。
電車に乗るまで30分ほどかかり、予定していた電車に間に合わなかった。

お盆で福岡のホテルが確保できず、佐賀駅前に宿泊。
しかし、福岡と違って夜遅くまで営業している飲食店が少ない。
試合前後の飲食は、アウェイ遠征の楽しみの1つ。
鳥栖駅からどちらも30分ほどだが、電車の本数も多い福岡に宿泊したいところ。

2016/08/07

160806川崎4-0甲府(J1 #24)

川崎4-0甲府(等々力, 19:00KO, 20,016人)

J1リーグで年間及び2ndステージの首位に立つ。
2ndステージは5勝1分で無敗。
浦和が2ndステージは同じ勝ち点、年間では勝ち点5差の2位で追っている。

甲府戦の先発は、FC東京戦(J1 #22)から3試合続けて同じ。
大島と原川がオリンピック代表に招集されてから固定できている。
エウシーニョは3日の練習を回避していたが、先発する。

ベンチは湘南戦(J1 #23)から森谷と田坂が外れ、板倉と長谷川が入る。
長谷川は、エウシーニョが欠場した場合は、右SBで先発の予定だった。
 J1リーグでは、5月21日の新潟戦(J1 #13)以来、久しぶりのベンチ入りとなる。
また、森谷と田坂が外れた理由が心配なところ。

甲府はJ1リーグで年間15位で残留圏ぎりぎり。
2ndステージは上位チームとの対戦が続いている。
前節は浦和に負けて、第21節では年間3位(当時2位)の鹿島とドロー。

1stステージでの対戦は、アウェイで0-4と大勝(J1 #4)
当時はFWクリスティアーノ(9)とFWニウソン(10)の2トップだったが、もう2人はいない。

19時のキックオフ。
川崎は漫画「宇宙兄弟」の小山宙哉氏デザインの「宇宙服ユニフォーム」を着用。

■1st half
甲府は予想通り自陣に引きこもる。
最終ラインは3バックとはいえ、両ウィングも並ぶので実質的に5バック。
2ボランチの左右にも、トップ下の2選手を配置する。
1トップのFWドゥドゥ(10)も位置が低く、5-4-1の陣形でハーフコートで守る。

川崎はいつものようにボールを回していく。
甲府のプレスがほとんどないため、ボランチに余裕があった。
中村とネットから、大塚や橋本、小林がバイタルでパスをもらうが、甲府が密集して守る。
ゴール近くになると、ショートパスが相手にひっかかることが多かった。

18分、中村のスルーパスを小林がシュートするが、GK河田晃兵(1)が素晴らしいセーブ。
20分にも中村のパスが大塚に届くが、河田がシュートに触り、ポストに当たった。

甲府の攻撃はカウンター頼み。
ドゥドゥが前でポイントを作ろうとするが、後ろからのサポートが少なく遅かった。
26分、30分とゴール前まで持ち込むが、良いシュートはできなかった。

43分に橋本の左CKを大久保がヘッドで決めて先制。
大久保をマークしていたDF松橋優(16)が、見失いフリーにしてしまった。

■2nd half
後半開始から、橋本に代えて三好を投入する。

48分、ゴールラインを割ろうとするボール。
CB新井涼平(8)がカバーしていたが、三好をブロックしきれない。
ボールを奪った三好がクロスを入れると、DF土屋征夫(41)に当たってオウンゴール。
新井にはクリアする時間はあったが、判断が甘く、残念なプレーとなった。

56分には中村が前線で動き出した小林にパスを送る。
小林は素晴らしいトラップから地面に叩きつけるゴール。
さらには69分にもエウシーニョにゴールが生まれた。

80分、ネットが土屋との接触で膝を痛め、板倉をボランチに投入。
板倉はJ1リーグでのデビューを飾った。
4点差となっていて、余裕ある采配となった。

■summary
甲府はゴール前を固めて失点を避けるプラン。
河田が18分、20分と2度のスーパーセーブを見せたが、前半終了間際に失点。
その後はずるずると失点を重ねる。
反撃する意欲も見られず、大敗を喫した。

引いた陣形でボールを奪っても、攻撃に出ることができなかった。
ドゥドゥが前線で奮闘したが、1人だけで局面を打開するのは困難だった。
川崎の最終ラインがすぐに集まってきて、チャンスを作れなかった。

60分に投入されたFWダヴィ(9)は、85分に大久保に手を出して一発退場。
敗戦は仕方がないにしても、もう少し気概を見せてほしかった。


川崎は最初の得点が43分と遅かったが、申し分のないゲーム。
引いた相手を崩すのは難しいが、何度も攻撃を繰り返してゴールを重ねた。
J1リーグの年間及び2ndステージ首位を守った。

ただ、この試合で大塚とネットが負傷交代。
特にネットはチームの中心となっているだけに、大島の復帰前に離脱されると痛い。

■goal
43大久保嘉人(13) 48OwnGoal 56小林悠(11) 69エウシーニョ(18)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 プレー機会は少ない。90+3分、ボール処理をミス。ユニはオレンジ色。
エウシーニョ(18) 6.5 守備の必要がない展開で、思うように攻撃参加。久しぶりのゴール。
井川祐輔(4) 6.5 スピードを生かしカウンターを防ぐ。ラインを思い切って上げる。
谷口彰悟(5) 6.5 セカンドボールを拾ってつなぐ。8分、ドゥドゥのカウンターを止める。
車屋紳太郎(20) 6.0 2人に守られると厳しい。クロスを供給したが、ゴールにつながらない。
中村憲剛(14) 7.0 最終ラインの裏への飛び出しに的確にボールを出す。決定機を多く演出。
ネット(21) 6.5 縦に強くボールを出す。ミスもあるが、攻守に活躍。膝のケガが心配。
小林悠(11) 6.5 次々にチャンスを迎える。56分、素晴らしいトラップで7試合連続ゴール。
大塚翔平(27) 6.0 バイタルに顔を出す。守備陣が集中するエリアでパスを出せなかった。
橋本晃司(7) 6.0 5分にイエローを受け前半で交代。43分、2戦連続のCKによるアシスト。
大久保嘉人(13) 6.5 下がってパスを出しながら前線で先制ゴール。4点目をアシスト。

■sub
HT(7)三好康児(26) 6.5 48分、新井のボールを奪ってオウンゴールを呼ぶ。試合を決める。
57(27)武岡優斗(17) 6.0 3点差で投入されて状況を踏まえたプレー。カウンターに備えた。
80(21)板倉滉(28) 5.5 J1デビュー。ボランチに入る。ぎこちなかったが前にパスを供給。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド(23) 長谷川竜也(16) 中野嘉大(22)

■coach
風間八宏 6.5 辛抱強く攻め続けて大勝に導いた。板倉を試す余裕のある展開となった。

■referee
木村博之 5.0 笛が多く、イエローも出し過ぎ。試合を妨げた。ダヴィへのレッドは的確。

2016/07/31

160730湘南2-3川崎(J1 #23)

湘南2-3川崎(Shonan BMWスタジアム平塚)

FC東京との多摩川クラシコ(J1 #22)に勝利してのアウェイ湘南戦。
J1リーグで年間及び2ndステージの首位に立っている。

先発はFC東京戦と同じ。
大塚は8試合連続、橋本は3試合連続で先発。
それぞれレギュラーを掴んでいる。
28日の練習で負傷したとの情報があったエウシーニョも出場。
サブもまったく同じ顔触れ。

湘南はここまで年間16位で3連敗中。
前節欠場したFW高山薫(23)が復帰。
特別な黒い「七夕記念ユニフォーム」で登場。
実際に見るのは初めてだったが、10シーズンを迎えるとのこと。

1stステージでの対戦は、3月5日、等々力で4-4(J1 #2)のドロー。
ボールをキャッチしたソンリョンへのチャージが流された影響で失点を重ねる。
柏から移籍してきたエドゥアルドが、終盤のパワープレー要員で川崎デビュー。
現在、長期離脱中の森本が最後に同点ゴールを決めるなど、かなり昔の印象。

■1st half
湘南は予想通り激しいプレスを仕掛ける。
1トップのFW端戸仁(17)、2シャドーの高山、FW大槻周平(19)が激しい勢いで走る。
前線と連動しながら、ラインを上げてコンパクトに戦う。

しかし、川崎は湘南のプレスを苦にしない。
絞られた狭いパスコースに向かってダイレクトパスを果敢に通す。
湘南は縦にパスを通されると、そのままゴール前まで運ばれて勝負されていた。

18分、MF石川俊輝(16)の右からのクロスに高山が合わせるが、ゴールは入らない。
湘南は前半だけで5本、CKを獲得する。
FKも含め、MF下田北斗(22)とMF藤田征也(14)の2人がボールに近づく。
トリックプレーなどいろいろな工夫が見られたが、決定機は作れなかった。

32分、川崎が右サイドから攻撃を仕掛ける。
右側に湘南の選手を寄せておいて、中央の中村が左サイドの車屋に展開。
藤田が車屋に向き合うが、藤田の背後には大きなスペースが空いている。
スピードに乗ったメイア・ルアで藤田を華麗に抜き去ると、GK村山智彦(1)と1対1。
村山はニアに寄りすぎてしまい、車屋は大きく空いたファーサイドに左足でゴール。
大久保が最後に触るが、車屋のゴールと認められ、プロ公式戦初ゴールとなった。

■2nd half
後半、高山はキャプテンマークを黄色から青色に変えた。

48分、中村が前方のスペースに向かって素晴らしいスルーパス。
走りこんだ車屋のクロスは、大久保の足元にぴたりと届き、そのままゴール。

2点差となると、湘南はプレスが鈍くなる。
前線を2枚交代して、フレッシュな選手で再び走り出そうとする。
しかし、60分。橋本の右からのCK。
中央で小林がヘッドで叩き付けて3点目が生まれる。
川崎にとってこの日唯一のCKだったが、決めきった。

3点差となって、ようやく湘南は反撃を始める。
余裕を持った川崎は、省力化を図ってラインを上げない。
そのためカウンター主体の攻撃となる。
選手間の距離が開いて、ボールを持つ時間が短くなった。
ボールを回そうとしても、湘南のプレスにひっかかる。
川崎は選手交代に伴って、システムを何度も変更したが、奏功しなかった。

湘南は63分にFW大竹洋平(7)、90分にDFアンドレ・バイア(4)がゴール。
あと1点まで迫ったが、足が止まった川崎を相手に同点にはできなかった。

■summary
湘南は3点を失うまでいいところがなかったが、その後は素晴らしかった。
63分に大竹のゴールが生まれると、チーム全体の活力が復活。
それまでもたくさん走っているのに、さらに精力的に走り続けた。
走行距離が短いはずの川崎の方が、先に動けなくなった。
称賛に値するハード・ワークを見ることができた。
見ごたえのある楽しいゲームを作り出した。

川崎は選手交代がうまくいかなかった。
武岡で守備を固めるのは良かったが、エドゥアルドの投入で最終ラインが混乱する。
最初は谷口をボランチに上げたが、ボールが持てないとみると谷口を下げて3バックに。
するとボランチに下がる中村がバイタルを空けるため、湘南の攻撃を受け続けた。

ロスタイムにはボールをつなぐことを諦める。
クリアボールを前方に割り切って蹴り出すだけ。
風間監督になってからは記憶にないスタイルで、1点差を守り切ることに専念した。

2位鹿島、4位広島が敗れ、それぞれ勝ち点差が8と17に広がる。
3位浦和は勝利。勝ち点5差を保ち2位に浮上した。
J1リーグは残り11試合。
第26節では浦和との直接対決がある。
次の甲府戦(J1 #24)、鳥栖戦(J1 #25)で勝ち点を積み上げ、大島の帰還を待ちたい。

■goal
63大竹洋平(7) 90アンドレ・バイア(4)
32車屋紳太郎(20) 48大久保嘉人(13) 60小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 大竹のゴールは触ったものの止められず。26分、バックパスの対応でミスあり。
エウシーニョ(18) 6.0 短いドリブルで攻撃のバランスをとった。きちっと戻って守備でも活躍する。
井川祐輔(4) 5.5 順調だったが、3点差となってからのシステム変更を統率しきれなかった。
谷口彰悟(5) 5.5 高い打点のヘッドで湘南のクロスを跳ね返した。ボランチでは生きなかった。
車屋紳太郎(20) 7.5 素晴らしいゴールとアシストで勝利を導く。攻守にスピードを生かした。
中村憲剛(14) 6.5 車屋へのパスを2本供給。13分、ミドルをポストに当てる。最後は動けなくなった。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 ハイボール処理で競り勝ちながら、縦に攻撃的なパスを繰り出した。
小林悠(11) 6.0 完璧なヘッドで6戦連続ゴールを決める。ボールを受ける機会が少なかった。
大塚翔平(27) 5.5 技術の高さは見せたが、特徴あるプレーができなかった。埋没してしまう。
橋本晃司(7) 6.0 小林のゴールをCKでアシスト。16分にFKをバーに当てるなど、キッカーとして光る。
大久保嘉人(13) 6.0 ワンタッチで、らしいゴールを決める。パスも正確だが、決定機に絡めなかった。

■sub
66(27)武岡優斗(17) 5.5 守備に奔走。77分にPA近くでファウルを与えるなど、不安定さも見られた。
75(18)エドゥアルド(23) 5.0 アンドレ・バイアに高さで78分、90分と競り負ける。ラインを上げられず。
80(7)田坂祐介(6) 5.5 88分、大久保のクロスをヘッド。ゴールラインを割ったように見えたが、判定はノーゴール。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 湘南の勢いに交代策やシステム変更で対抗したが止められず。しかし、勝利を得る。

■referee
家本政明 5.5 中立的だがファウルやイエローの判定が多い。88分の田坂のゴールの判定は難しい。誤審は技量的に当然。

2016/07/24

160723川崎1-0FC東京(J1 #22)

川崎1-0FC東京(等々力)

ドローの磐田戦(J1 #21)で連勝は4で止まった。
ただ、年間順位2位の鹿島、3位浦和も引き分けて、差は詰まらず。
4位広島、5位横浜Fマリノス(2ndステージ首位)、6位G大阪、7位大宮もドロー。
首位の川崎も含めて、上位陣が足踏みした第21節だった。

第22節はFC東京との第28回多摩川クラシコ。
オリンピック代表に大島と原川が招集されて最初の試合。
2週前の名古屋戦(J1 #19)で3~4週間のケガをした中村が早くも復帰。
大島の抜けたボランチに入った。
ベンチからは登里と原川が外れ、森谷と中野が入った。

FC東京はここまで年間10位。
DF室屋成(6)とMF中島翔哉(39)がオリンピック代表で抜けた。
1stステージ、味の素スタジアムでの対戦(J1 #7)は、2度リードされながらも4点を奪って逆転勝ちした。

■1st half
川崎がボールを持って押し込んでいく。
特に左サイドで、重層的なパスワークを構築する。
車屋がサイドライン沿いに張って、大塚と橋本が近寄っていく。
中村も加わり、ショートパスで攻撃していった。

FC東京は4バック4ボランチの守備的な布陣。
サイドは空けて、中央を2ラインで狭く締めてくる。
ただ、2トップのFWムリキ(11)とFWネイサン・バーンズ(16)は守備で追いかけない。
そのため、中村とネットが余裕を持ってボールを持てた。

4分には大塚がポスト、15分には橋本がバーに当てるシュート。
川崎は決定的なチャンスは多かったが、FC東京のブロックの動きが早く、決まらない。

35分、MF米本拓司(7)が右ヒザを痛める。
MF高橋秀人(4)が突然投入されたが、中盤のバランサーとして機能した。

■2nd half
後半もFC東京はしっかり守ってくる。
右MF河野広貴(17)と左MF東慶悟(38)がアップダウンを繰り返す。

60分、大塚に代えてエドゥアルドを投入。
CBに入れて、谷口をボランチに、中村をトップ下へとそれぞれ1列上げる。

井川とエドゥアルドのCBの連携が整う前の65分。
高橋から2人の間に出された長いスルーパス。
オフサイドを狙った井川の動きにエドゥアルドが遅れてしまい、ムリキが飛び出す。
絶体絶命の1対1となったが、ソンリョンが落ち着いて右手でブロックした。

この直後、谷口と中村を再び1列下げて、3バックとする。
中央のエドゥアルドを井川と谷口が挟んで、FC東京のカウンターを封じていく。

FC東京は両サイドの上下動が鈍くなり、バイタルも空いてくる。
67分、小林がバーに当てて、74分には大久保の決定的なシュートをGK秋元陽太(47)が防ぐ。
川崎が攻勢を続ける中、81分。
橋本のFKの流れから、車屋が左サイドからクロス。
小林がDF森重真人(3)に競り勝ってヘッドでゴールを決めた。

FC東京は85分にFW平山相太(9)を入れて同点を狙う。
ロスタイムに2回、平山がロングボールをさばいてチャンスを作ったが、ゴールは入らなかった。

■summary
川崎は中村が復帰したものの、大島が離脱。
大島はチームの中心として活躍していただけに、戦力ダウンは否めない。

それでも、引いてきたFC東京の守備を打ち破って勝利することができた。
バーやポストに3回当てて、最後は小林が決勝ゴール。
大久保の決定力が落ちているのは気がかりだが、悪くない結果。

FC東京の城福浩監督はこの試合の結果、解任された。
3年前まで指揮を執ったランコ・ポポヴィッチの攻撃サッカーは魅惑的だった。
ただ、結果を出せなかった。
そこで守備的なマッシモ・フィッカデンティを招聘。
フィッカデンティは、守備を整備して攻撃はカウンター頼り。
見ていて面白くはなかったが、J1リーグで4位になり、ACLプレーオフの権利を得た。
それなのにフィッカデンティと契約延長せず、城福を選んだ結果がこの7月の解任。
首尾一貫しない監督選びで、迷走を繰り返している。

■goal
81小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 7.0 65分、ムリキの決定機を止める。素晴らしいストップで勝ち点3を呼び込んだ。
エウシーニョ(18) 6.0 左サイドで東を抑え込みながら、きっちり攻撃にも顔を出した。
井川祐輔(4) 6.0 安定していたが、エドゥアルドとのペアは成熟が必要。77分、FKを与えるファウル。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボール処理やシュートブロックで守り切る。ロングボールも供給。
車屋紳太郎(20) 6.5 決勝アシスト。多くのクロスを供給。50分にはカウンターを防ぐ。
中村憲剛(14) 6.0 ケガ明けでの出場。運動量は少なかったがゲームをコントロールした。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 攻守に貢献度大。59分にバーンズを倒してイエローをもらう。
小林悠(11) 6.5 多くのチャンスに絡みながら、最後に5戦連続ゴールを決めた。
大塚翔平(27) 6.0 ショートパスの起点となる。ボールを持って前を向く機会が少なかった。
橋本晃司(7) 6.5 ゴール前に位置取りシュートを多く放つ。15分のバー直撃シュートは惜しかった。
大久保嘉人(13) 6.0 中盤に落ちてラストパスを供給。いいタイミングのシュートもあったが入らなかった。

■sub
60(27)エドゥアルド(23) 5.5 65分にムリキに決定機を与えてしまう。その後は鬼気迫る守備を見せた。
82(7)武岡優斗(17) 5.5 右ウィングに入る。ドリブルで時間をうまく使った。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 後半、めまぐるしくポジションを動かして、ついにゴールを奪う。3人目の交代枠を残した。

■referee
佐藤隆治 6.0 ファウルとイエローの判断が的確だった。

2016/07/18

160717磐田1-1川崎(J1 #21)

磐田1-1川崎(ヤマハスタジアム)

2ndステージは3連勝。
15,165人収容のヤマハスタジアムのチケットは完売。
海の日の3連休の中日、日曜日18時30分キックオフ。
前節新潟戦(J1 #20)が水曜日に開催されたため、中3日が2試合続く。

新潟戦の先発から三好が外れ、橋本が左MFに入った。
三好も橋本も新潟戦で良いパフォーマンスを見せた。
中村がケガで離脱したポジションを巡って、健全な競争が行われている。
福岡戦(J1 #16)でケガをしたエドゥアルドがベンチに復帰し、板倉が外れている。

磐田はここまで年間10位。
ホームでの対戦(J1 #14)は88分のオウンゴールで勝利している。

■1st half
磐田はカウンター主体の攻撃。
少ない人数でスペースを広く使いながら、MFアダイウトン(15)とFWジェイ(8)を走らせる。
ワンツーでDFを剥がしながら前に向かう。
4分にアダイウトン、45+2分にジェイがシュートするが、ソンリョンがセーブする。

川崎はボランチが長くボールを持てない。
ネットと大島にマークが付き、パスコースが消される。
そのため、パスのスピードとタイミングが速く、崩し切る前にボールが前に入る。
小林と橋本が抜け出しを狙うが、オフサイドトラップに多くかかる。

16分、ネットから小林にロングボールが通る。
きれいなトラップでGK志村滉(31)をかわしたものの、無人のゴールへのシュートはポストに弾かれた。

■2nd half
後半、湿度が高い中、疲れが見え始める。
しかし、動き出しは遅くなりつつもレベルの高さを保つ。

53分、DF中村太亮(2)からのパスにMF川辺駿(40)が走り込む。
左サイドからのマイナスの折り返しをジェイがきれいに合わせて先制。
サイドに振られたため、CBのポジションが中途半端になる。
中央に入り込んだジェイがフリーとなってしまった。

64分。大島が小林へスルーパス。
小林は何度もオフサイドになっていたが、ここはラインの内側で我慢することができた。
きれいなトラップで抜け出して、GKをかわして同点ゴールを決める。

両チームともに疲弊が強くなり、カウンターが増え間延びしてくる。
川崎は大島を中心に、ショートパス主体の攻撃を仕掛けていく。
しかし、磐田の守備も最後まで動きが止まることがなかった。

■summary
磐田の最終ラインは出色の出来。
DF森下俊(35)、DF大井健太郎(3)、DFパパドプーロス(44)の3バック。
果敢にラインを上げてオフサイドを狙う。
16分、64分と小林へのスルーパスが通るが、ひるむことがなかった。

また、ウィングバックの守備も良く、川崎の両サイドからの攻撃を封じた。
特に右サイドではパパドプーロスとMF太田吉彰(9)が車屋を抑え込んだ。

川崎は暑い中、いつもどおりのクオリティは保てなかった。
磐田がコンパクトな陣形を敷いたため、中盤にスペースがなかった。
サイドにもスペースがなく、攻撃手段が限られた。
ボランチから最前線にスルーパスを狙ったが、距離が長くオフサイドとなってしまう。
短いパスを増やすため、もっと中央でパスを回してもよかったかもしれない。

守備では中盤のサポートが十分ではなく、最終ラインはカウンターの脅威にさらされた。
それでも素晴らしかった磐田に対して優勢に試合を進め、結果はドロー。
暑さの中、両チームともレベルが高く、見応えのある内容だった。

■goal
53ジェイ(8)
64小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 安定したセービングで貢献。ジェイのゴールは止めるのが難しい。
エウシーニョ(18) 5.5 15分、CKからミドルシュート。パスもトラップもミスが目立つ。
井川祐輔(4) 5.5 カウンターを浴びるとバランスを崩して中央を空けがちだった。
谷口彰悟(5) 5.5 27分、ジェイを倒してイエロー。1対1でボールを奪取できなかった。
車屋紳太郎(20) 5.5 サイドにスペースがなく、内側に入り気味。橋本と合わなかったか。
大島僚太(10) 6.5 前線へのスルーパスを繰り返す。オフサイドも多かったが、得点を生んだ。
エドゥアルド・ネット(21) 6.0 マークが付きながらも正確なロングボールを供給。中央の守備を固める。
小林悠(11) 6.5 何度もDFラインの裏を狙う。チャンスの数を考えれば1ゴールは少なかった。
大塚翔平(27) 5.5 ボランチからボールを受けるが前を向けず。50分、大久保へスルーパス。
橋本晃司(7) 5.5 オフサイドが多すぎた。気の利いたセットプレーでチャンスを作る。
大久保嘉人(13) 5.5 81分、GKとの1対1を迎えるが決められず。シュートチャンスは多かった。

■sub
60(27)武岡優斗(17) 5.5 失点の可能性は少なくなったが、プレスを受けるとパスを繋げなかった。
76(18)三好康児(26) 5.0 投入直後にミスが続く。90+1分のシュートはブロックされる。
84(7)エドゥアルド(23) 6.0 復帰戦。CBの中央に座り、カウンターを抑えた。頼もしい守備。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 田坂祐介(6) 原川力(15)

■coach
風間八宏 6.0 磐田のカウンターを封じるために手を打ったが、三好の投入は成功しなかった。

■referee
上田益也 6.5 中立的なジャッジ。的確なイエロー提示で試合を落ち着かせる。

2016/07/15

160713川崎3-2新潟(J1 #20)

川崎3-2新潟(等々力, 19:00KO, 14,432人)

2試合アウェイが続いてのホーム新潟戦。
年間順位は首位。2位鹿島が勝ち点2差、3位浦和が5差で追ってきている。

水曜日の19時キックオフ。
J1リーグの水曜日開催は5月4日の仙台戦(J1 #10)以来となる。
試合前に雨が降り湿度が高く蒸し暑いピッチ。
風もなく、気温は下がっているものの、酷なコンディション。

前節名古屋戦(J1 #19)の先発から中村がケガで外れ、三好が入る。
三好は柏戦(J1 #11)以来、J1リーグで2度目の先発出場となった。
ベンチには登里、板倉、原川が入り、狩野、森谷が外れている。

新潟はここまで年間15位と調子が上がらない。
川崎とは今季アウェイで2試合を戦い、1勝1分の戦績。
 160406新潟0-5川崎(YNC GL #3)
 160521新潟0-0川崎(J1 #13)

■1st half
新潟はバランスを保ちながらプレスを掛ける。
パスコースを消したが、5分ほどで川崎がプレスを苦にしなくなる。
川崎はゴール前まで簡単にボールを運び、狭いエリアでショートパスを繰り返す。
アイデア溢れる攻撃を仕掛けるが、崩しきれずシュートが少ない。

35分、新潟がカウンター。
FW山崎亮平(9)がクロスボールを落とし、走りこんだMF野津田岳人(37)がミドル。
ゴール左隅に決まる素晴らしいゴールが生まれた。

しかし38分。左の車屋からのパスを受けた大島がミドルシュート。
腰を落として打った低い弾道がゴールに突き刺さる。
野津田のゴールもすごかったが、それ以上に美しいゴールで同点にする。

前半、新潟はワンチャンスを決めた。
川崎は多くのチャンスを作ったが1点止まりだった。

■2nd half
後半となっても暑さは変わらず、オープンな展開となる。
中盤のつなぎが省略され、ゴール前からゴール前へとボールが目まぐるしく動く。

54分、右サイドからの三好のクロスがDF大野和成(2)の手に当たる。
ただ、近い距離で当たったためか、ノーファウルの判定。

65分、新潟に押し込まれる。
川崎がようやくボールを奪ったが、大島のパスが主審に当たる。
拾ったMFレオ・シルバ(8)がFWラファエル・シルバ(10)とのワンツーで抜けてゴール。
新潟にとっては高い位置からのショートカウンター。
川崎はボールを失ったあと動きが止まってしまった。

1点をリードされた川崎は、圧倒的に攻撃を仕掛ける。
左の車屋が中心となった。
さらに79分に田坂が入ると右サイドからもクロスを供給。
84分、ショートコーナーから大島とのパス交換で抜け出した橋本がクロス。
小林の手に当たってコースが変わったボールをMF小林裕紀(6)が蹴りこんでオウンゴール。

最後は90+4分。
車屋のクロスをPA内でネットが触り、小林がヒールでゴールに流し込む。
小林は明らかにオフサイドポジション。
しかし、旗は上がらなかった。

■summary
審判が結果を大きく左右したゲーム。
54分のハンド、84分のハンド、90+4分のオフサイドと多くの転機があった。
また、65分のボールカットは誤審ではないが、ゲームを動かした。

間違った判定で勝っても負けてもうれしくはない。
もちろん、すべてを正しく判定するのは難しい。
しかし、誤審に思われる判定は、なぜその判断を下したのかを明らかにしてほしい。


内容的には川崎が押し込んでいた。
新潟も決定力を見せ、少ないチャンスを生かしてリードしたが、後半、逆転を許した。
右SB松原健(27)が車屋を止められず、最後は左SB前野貴徳(5)も田坂にやられた。
交代策で中央の守備を固めたが、両サイドで突破を許し、体力を消耗した。


川崎は判定に救われての逆転勝ち。
J1リーグで通算200勝となった。

中村が欠場する中、2度のビハインドを追い付き、逆転した。
後半、GK守田達弥(21)のビックセーブが続いたが、15位のチームから勝ち点を得た。

■goal
38大島僚太(10) 84OwnGoal 90+4小林悠(11)
35野津田岳人(37) 65レオ・シルバ(8)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 2点目はチャンスはあったが止められず。47分、山崎のシュートを止める。
エウシーニョ(18) 6.0 49分に井川をカバーするなど守備は良かった。攻撃は輝かなかった。
井川祐輔(4) 6.0 疲労の蓄積からか、動き出しが鈍かった。ラインを積極的に上げる。
谷口彰悟(5) 6.5 山崎をタイトにマークしながら、広い範囲を的確にカバーリング。
車屋紳太郎(20) 7.0 松原を苦にせず、左サイドで自由に躍動。クロスの精度も高かった。
大島僚太(10) 7.0 素晴らしいミドルシュートだけでなく、中盤でチームを操縦した。
ネット(21) 6.0 74分のミドルはGK守田に防がれる。守りで最終ラインを助けた。
小林悠(11) 6.5 後半、多くのシュート。オフサイドが見逃され、芸術的なヒールで決勝点。
大塚翔平(27) 6.0 走りまくって献身的に守備をしながらも、パスの交接点となった。
三好康児(26) 6.5 車屋と組んで何度も仕掛けた。後半はペースが鈍る。セットプレー担当。
大久保嘉人(13) 6.5 シュートは枠に飛ばなかったが、パス、ボールキープとよいプレーができていた。

■sub
55(27)武岡優斗(17) 6.0 1対1の強さで右サイドを引き締める。あまり仕掛けなかった。
63(26)橋本晃司(7) 6.5 トップ下に入って、同点オウンゴールを生むクロス。
79(18)田坂祐介(6) 6.5 停滞していた右サイドを活性化させ、逆転に導く。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 板倉滉(28) 原川力(15)

■coach
風間八宏 6.5 田坂の投入で両サイドから攻撃を仕掛けて勝利を手繰り寄せた。

■referee
榎本一慶 4.0 線審の判定も含めて、微妙な判定で試合を大きく動かしてしまった。

2016/07/12

160709名古屋0-3川崎(J1 #19)

名古屋0-3川崎(パロマ瑞穂スタジアム, 18:00KO, 16,780人)

仙台戦(J1 #18)で年間首位に立った。
中6日で名古屋とのアウェイ。

先発は仙台戦とまったく同じ。
2戦連続ゴール中の大塚は、すっかり先発に定着した。

ベンチは、原川が外れて、狩野が入った。

名古屋はここまで年間15位と低迷している。
シーズン途中、C大阪から獲得したMF扇原貴宏(31)、FC東京からのMFハ・デソン(8)をいきなり起用した。

■1st half
川崎はワンタッチで次々とボールを動かす。
名古屋は連動したプレスを掛けてこない。
ボランチの扇原とMFイ・スンヒ(15)がラインを守れず、ずるずると下がる。
ブロックを作ろうとはしていたが、PA近くまで運ばれて攻撃を仕掛けられた。

15分過ぎから、名古屋の守備バランスが改善する。
川崎の選手間の距離を遠ざけて、ボールを奪えるようになった。
しかし、名古屋の攻撃は単発。
FWシモビッチ(9)を目掛けた単純なクロスは少なく、効果的な攻撃ができない。
川崎は素早いプレッシングで、危ない場面になりそうな芽を摘んだ。

36分、エウシーニョのスルーパスを小林が受けて、グラウンダーのクロス。
DFとGKの間を抜けるボールに大塚は触れなかったが、左サイドの中村がボールを拾う。
あらためて逆サイドからのクロスを、小林がヘッドで決めて先制。

■2nd half
後半になっても名古屋は打つ手がなかった。
なすすべもなく攻撃を受けて、53分。
左サイドの車屋から鋭いクロス。
大久保がコースを動かすために少し足に当てるだけの技巧的なゴールを決める。

3点目は77分。
小林の右サイドからのクロスをネットがいったん受けて、ラストパス。
中村の足元に届いたボールをゴール。

84分、イ・スンヒが中村に対して足首にタックル。
ボールに触れることができないタイミング。
さらには接触前に避ける動作も見られなかった。
故意に狙ったように見える悪質なプレー。
扇谷主審が即座にレッドカードを提示し、中村は負傷交代。

10人となった名古屋に対して、川崎は積極的に攻撃を仕掛けない。
追加点は必要ではなく、これ以上ケガ人を出すことはなかった。

■summary
名古屋は前半途中、15分ほど悪くはない時間帯があった。
しかし、残りの時間はずっと悪かった。
攻撃は個人の力に頼るばかりで連携が少ない。
守備はボールを奪うポイントが絞れず、ずるずるとゴール前に入られた。

チームの力を考えれば、名古屋は単純な戦術で勝ち点を拾うことが現実的。
シモビッチ、あるいは今日は欠場したFW永井謙佑(11)へのロングボールで攻撃して、ガチガチに守る。
年間16位となったが、降格争いを勝ち抜くためには大きな改善が必要。


川崎は仙台戦に続いての完勝。
調子を落としているチームを相手に勝ち点を積み上げた。
危なげなく守り切り、美しい崩しを繰り返して3点を生んだ。

中村が3~4週間のケガで離脱することとなった。
ケガをした状況を見れば、短くて済んだように思える。
大島と原川が近くオリンピックに向けてチームを離れることを考えれば、厳しい。
福岡戦(J1 #15)では中村が欠場し、ドローとなっている。
攻撃のアクセントやリズムを誰が生んでいくのかが問われていく。


■goal
36小林悠(11) 53大久保嘉人(13) 77中村憲剛(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 42分シモビッチ、79分扇原のシュートを慌てずに防ぐ。
エウシーニョ(18) 6.0 MF野田隆之介(18)に狙われたが破綻せず守る。攻撃も良かった。
井川祐輔(4) 6.5 シモビッチを徹底して抑え込む。ラインコントロールも安定していた。
谷口彰悟(5) 6.5 ロングボールを正確に供給して局面を打開した。判断ミスがなかった。
車屋紳太郎(20) 7.0 縦へのスピードで左サイドを攪乱。DF矢野貴章(19)を抜きまくった。
大島僚太(10) 6.5 空いたスペースに素早くドリブルで入りこんでパスを出した。
ネット(21) 7.0 運動量多くハイボールを回収する。積極的に攻撃に顔を出した。
小林悠(11) 7.0 完璧な動き出しで1点目を決める。その直前のクロスも決定的だった。
大塚翔平(27) 6.0 顔を出す動きを続けてボランチと前線のリンク役となった。
中村憲剛(14) 7.0 アシスト、ゴールとも素晴らしかった。ケガが残念。
大久保嘉人(13) 6.5 コンディションが上がってきた。走り回ってボールをキープする。

■sub
78(27)武岡優斗(17) 6.0 3点差となってから投入。ゲームを落ち着かせた。
86(14)三好康児(26) 5.5 ロスタイムにチャンスがやってきたが、シュートせずパスを選択。
90(21)狩野健太(25) 5.5 第3節以来のJ1リーグ出場。ボランチに入り、CKを担当した。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 橋本晃司(7) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 6.5 内容を伴う快勝に導いた。交代は遅くなってしまった。

■referee
扇谷健司 5.0 ジャッジが川崎寄りで中立ではなかった。レッドカードは妥当。

2016/07/03

160702仙台0-3川崎(J1 #18)

仙台0-3川崎(ユアテックスタジアム仙台)

1stステージは鹿島に勝ち点1差の2位。
わずかな差で優勝を逃した。
優勝決定後の鹿島のメディアへの露出を見ると、大きなものを失ったように感じた。

2ndステージは中断期間がなく、大宮戦(J1 #17)の翌週スタート。
アウェイでの仙台戦は、大宮戦と同じ先発。
大宮戦で自ら途中交代を要求したネットも出場。
ベンチは6人が同じで、中野が外れ、橋本が入っている。

仙台は1stステージ10位。
川崎とは等々力での対戦(J1 #10)はドロー。
ヤマザキナビスコカップでも等々力で当たっている(YNC GL #6)。
大塚がレギュラーを掴むきっかけとなる2得点を決め、勝利した。

■1st half
川崎はボールを長くキープする。
仙台はプレスを掛ける意志はあったが、簡単にかわされる。
パスコースを限定できないため、大島とネットが前を向くことができた。
縦パスがどんどん入り、小林と大久保が最終ラインから飛び出していく。

17分、中央で大島がボールを保持。
仙台のプレスが遅く、ゆっくり考えてから右サイドの小林へロングボール。
DFの裏をとった小林が頭で折り返し、ゴール前に詰めた大塚があっさりとゴール。

続いて21分。
カウンター気味に小林、大久保、中村とパスがつながり、小林が右サイドに走り込む。
中村の絶妙なハイボールを、DFと競りながら小林が頭でゴール。
強いシュートではなかったが、GK六反勇治(1)が目測を誤ってしまった。

2点差となって、川崎は攻撃の手を緩める。
仙台は35分すぎからボールを回しながら押し込んでくる。
42分、MF野沢拓也(8)がGKとの1対1を迎えるが、ソンリョンにセーブされる。

■2nd half
顔を出す動きが少なかった大塚に代えて後半開始から武岡が入る。
右SBのエウシーニョが1列上がる。
2点差となっていたので、守備も重視した采配となった。

一進一退を繰り返しながら、ゆっくりと時間が進む。
仙台が押し始めるものの、決定機は作れない。

FWハモン・ロペス(20)がサイドでキープする。
囲まれてもボールを失わなかったが、中央でクロスを待つ選手が少なかった。

川崎はボランチから前にいいボールをつなげない。
前半は大塚がリンクマンとして機能していたが、後半は距離が開いてしまった。

87分、途中出場していた三好がドリブルから左足でゴール。
三好は去年、J3リーグでゴールを決めているが、川崎では公式戦初ゴール。

■summary
前半、2点を取った時点でゲームは決まった。
その後は川崎もペースを緩め、ゆったりとパスを回した。
緊迫する場面が少なく、余裕のある展開となった。

仙台はバイタルを大きく空けてしまった。
ボールへのチェックも後追いとなり、決定的なパスを出せる選手を自由にした。
大島、ネットだけでなく、中村、大塚がボールを操り、ゴールを決められた。
六反の出来が悪かったこともあって失点を重ね、攻撃の迫力も出せず、完敗だった。

鹿島が敗れたため、年間順位で首位に返り咲いた。
大島と原川がリオデジャネイロ・オリンピック代表に招集された。
今後、欠場が見込まれる。
まだまだ試合が続くが、ベストを尽くして勝ち点を重ねたい。

■goal
17大塚翔平(27) 21小林悠(11) 87三好康児(26)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 守備機会は少なかったが的確にプレー。42分、野沢との1対1を防ぐ。
エウシーニョ(18) 5.5 攻守に渡り調子は上がらず。トリッキーなプレーを活かしきれない。
井川祐輔(4) 6.5 トラップ良く、パスが安定。42分、クリアが小さく野沢の決定機を生む。
谷口彰悟(5) 6.5 49分、69分とCKをヘッドで合わせるが入らない。守備は落ち着いていた。
車屋紳太郎(20) 6.5 11分、ひとりで左サイドを駆け上がってCKを奪取。ハモン・ロペスを抑え込む。
大島僚太(10) 7.0 攻撃の中心となりながら、さらにカウンターの芽を摘んだ。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 低い位置取りからパスを大島につなぐ。12分、深いタックルでボールを奪う。
小林悠(11) 7.0 1点目も2点目もDFの背後を突いてPA内に侵入した。1ゴール1アシスト。
大塚翔平(27) 6.0 先制点は見事なゴールだったが、少しずつ存在感を消した。前半で交代。
中村憲剛(14) 6.5 小林と三好のゴールをアシスト。自由自在にボールを操る。
大久保嘉人(13) 6.0 中盤に下がらず、前線でスペースを作り続ける。48分の決定機はGKに当てる。

■sub
46(27)武岡優斗(17) 6.0 守備を固める。攻め上がりは抑制的だった。
75(18)三好康児(26) 6.0 右ウィングに入る。積極的にシュートを放ち、待望の初ゴール。
88(11)橋本晃司(7) 6.0 短い時間だったが、スルーパスを受けてのシュート、CKとFKを蹴った。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 原川力(15) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 6.5 交代も的確で、良い内容のサッカーで良い結果を導いた。

■referee
家本政明 6.0 落ち着いたジャッジ。30分のDF大岩一貴(27)へのイエローは厳しい。

2016/06/26

160625川崎2-0大宮(J1 #17)

川崎2-0大宮(等々力)

福岡戦(J1 #16)で勝ち点3を逃してドロー。
2位になって迎える1stステージ最終戦。
首位鹿島とは勝ち点1差。
鹿島が勝てば追い抜くことができない。

先発には福岡戦を欠場した中村が復帰。
ケガの登里とエドゥアルドが外れ、井川がCBに入った。
先発の入れ替わりは2人。
ベンチには森谷が戻ってきた。

大宮はここまで7勝5分4敗の5位。
J2で優勝して昇格したシーズンで、上位に入っている。
FWドラガン・ムルジャ(8)は5月14日以来出場していない。

■1st half
立ち上がりは両チームともコンパクトな陣形を保つ。
大宮はきちっと守ってきた。
最終ラインは高く、引き過ぎではない。

ただ、大宮はボールを奪っても、早い攻撃を仕掛けてこない。
FW家長昭博(41)がキープするが、他の選手に迫力がなかった。
19分、家長がカウンターからチャンスを迎えたが、トラップが流れてしまう。

川崎はタッチ数の少ないショートパスで組み立てる。
大塚とネットが動いてボールを引き出し、中央から攻撃する。
大宮が間合いを詰める前にパスを出して崩していく。

22分、家長のポストプレーを中村が奪ってカウンター。
中村からPA右側に走り込んでフリーとなった大塚にスルーパス。
トラップが少し大きくなったが、詰めてきたGK加藤大(1)をループ気味に抜いてゴール。
左側には大久保がいて、DFを引き寄せて大塚のためのスペースを作っていた。

■2nd half
後半、大宮はコンパクトさが失われて間延びしてしまう。
前線がカウンターを仕掛けても、最終ラインは引いたまま。
守備の局面では前線が戻らずに中盤に大きなスペースが空いていた。

56分、中村が右サイドからドリブルしてPA内に入り込む。
大宮は警戒してパスコースを消したが、中村のシュートは予測できず。
寄せが甘いまま、サイドネットにゴラッソを決められた。

2点差となってから、大宮もチャンスを作る。
58分、MF沼田圭悟(5)がシュートを放つが、ソンリョンがセーブ。
80分過ぎからは、川崎の足が止まってくる。
大宮はボールをつないでシュートまで持ち込んでくる。
88分、家長のパスからFWネイツ・ペチュニク(9)がシュートするが、サイドネット。

■summary
大宮は鋭い攻撃が少なく、川崎のプレスに遭うと簡単にボールを失った。
FW江坂任(7)やMF泉澤仁(39)は、いいところが少なかった。
家長のキープ力で打開したかったが、その家長が失点につながるミスをしてしまう。
ムルジャや出場停止のMF横谷繁(17)がいれば、効果的な攻撃ができたのかもしれない。

川崎は2位になって、思ったとおりの試合を展開した。
多彩な攻撃を見せながら、守備でもカウンターに的確に対応する。
等々力での過去最多となる26,612人の観客を満足させることができる内容だった。

しかし、鹿島が勝利したため、1stステージは2位に終わった。
前節福岡戦のドローを挽回することはできなかった。
首位のプレッシャーを感じつつ結果を出してほしいが、まだまだ。

■goal
22大塚翔平(27) 56中村憲剛(14)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.5 活躍する場面は少ないが、19分の家長、59分の沼田のシュートを止めた。
エウシーニョ(18) 5.0 攻撃は魅力的だが、上がりすぎて守備バランスを崩す。サイドで1対1になると簡単に抜かれた。
井川祐輔(4) 6.5 エウシーニョをカバーしながら最終ラインを統率。パスも適切につないだ。
谷口彰悟(5) 6.0 安易なパスミスは散見されたが、粘り強い守備で無失点に貢献した。
車屋紳太郎(20) 6.0 高い位置取りで攻撃に参加しながら、左サイドを固く守った。
大島僚太(10) 6.5 ドリブルしながら前を向いてパスを出した。守備にも奔走する。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 パスコースを作るため愚直に動き続ける。左足だけだが、正確なキック。
小林悠(11) 6.0 トラップで相手を抜き去るところは良かったが、シュートが少なかった。
大塚翔平(27) 6.5 中央でパスを呼び込む。狭いスペースでもボールを失わない技術を見せた。
中村憲剛(14) 7.0 左サイドで出場した。自由に動いてリズムを生んだ。1ゴール1アシスト。
大久保嘉人(13) 6.0 積極的にシュートを狙うが、ゴールはなかった。

■sub
61(27)原川力(15) 6.0 間延びして空いたスペースでボールをさばいた。
79(21)中野嘉大(22) 5.0 あまりボールに触れなかった。攻撃で機能せず。
84(13)武岡優斗(17) 6.0 右SBに入る。大宮にボールを持たれる時間帯だったが、しっかり守った。

■bench
新井章太(30) 田坂祐介(6) 森谷賢太郎(19) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 完勝を導く。ケガ明けの中村をフル出場させたのは残念だった。

■referee
佐藤隆治 6.0 落ち着いて抑制されたジャッジ。イエローはやや多かった。