2014/08/31

140830名古屋1-1川崎(J1 #22)

名古屋1-1川崎(瑞穂陸上競技場, 19:00KO, 15,312人)

マリノス戦(J1 #21)で登里が退場し、出場停止。
左WBに小宮山、3バックの左ストッパーには井川が入った。
井川は愛媛戦(天皇杯 R16)以来の出場で、J1リーグではケガからの復帰後初出場。

名古屋はFWケネディ(16)、MFレアンドロ・ドミンゲス(33)が欠場。
新潟から移籍してきたFW川又堅碁(32)が3試合目の出場となった。
テレビ塔60周年記念ということで、ゴールドのきれいなユニフォームで登場。

■1st half
1分、川崎がいきなり得点をあげる。
キックオフから左サイドに運んでいって、ファウルをもらう。
中村のFKを、GK楢崎正剛(1)の前で谷口がヘディングで決めた。

その後も川崎がボールを持って攻勢に出る。
3バックのパスワークも的確で、名古屋のプレスをかいくぐる。
ボランチが空いていて、パスを出すところが多い。

しかし、25分すぎから名古屋のフォアチェックが強くなる。
川崎は全体のバランスが悪くなって、ミスパスが増える。
圧力を受けた最終ラインがロングボールを蹴り、名古屋に拾われてしまう。

29分、MF永井謙佑(18)のクロスを川又が走り込んで同点。
MF矢田旭(20)からの永井へのパスはオフサイドに見えた。
旗は上がらなかったが、矢田や小宮山はプレーを止めていた。
諦めずにボールを追った永井が素晴らしかった。

■2nd half
井川に代えて田中を投入して4バックに変更。
ボールが回るようになって、きれいな攻撃を繰り返していく。
名古屋は中央の守備を固め、カウンターで応戦する。

75分あたりで、名古屋の足が止まってくる。
中村、大島がフリーでボールを持ってもプレスがかからない。
左サイドからは、レナトがドリブルでチャンスを作った。
CKをたくさん獲得して、多彩な美しい攻撃を繰り出す。
しかし、ゴールを割ることはできなかった。

■summary
名古屋はスペースを潰してGK楢崎を中心に守り切った。
守備が最後まで破綻せず、カウンターでチャンスも作れてもいた。

川崎はゴールが生まれなかったが、特に後半、優勢だった。
優勝を狙うためには、ドローは物足りない。
しかし、見ていてとても楽しい試合だった。
どちらに転んでもおかしくない展開で、時間が短く感じられた。

次は中3日でナビスコ杯準々決勝となる。
引き続き楽しいゲームを見たいが、トーナメントなので負けたら終わり。
決勝まで進むために結果を出してほしい。


■goal
29川又堅碁(32)
1谷口彰悟(15)

■judge
杉山力裕(1) 6.0 失点はチャンスなし。シュートストップでチームを救った。
實藤友紀(2) 5.5 右に開いて森谷をサポート。バタバタしながら1失点に抑えた。
谷口彰悟(15) 6.0 早い時間にプロ初ゴール。中央で名古屋のロングボールを跳ね返した。
井川祐輔(4) 5.5 前半で交代することとなったが、右サイドを押し上げた。
小宮山尊信(8) 6.0 左サイドから効果的な攻撃を繰り出した。矢野貴章(19)を止め切れず。
中村憲剛(14) 6.0 ロングボールを配球。53分、レナトへヒールパス。J1で300試合出場。
大島僚太(16) 6.0 シュートや縦パス、前へのドリブルの意識が高い。DFに引っ掛ける。
森谷賢太郎(19) 5.5 後半、時間が進むにつれて動けなくなる。ボールに絡めなかった。
小林悠(11) 5.5 トラップがずれてゴールなし。63分の小宮山のクロスは決めたかった。
大久保嘉人(13) 5.5 下がってボールを受けるがマークがきつい。プレーが遅くなった。
レナト(10) 6.5 ドリブルは好調だがシュートは枠を外す。後半の攻撃を牽引した。

■sub
HT(4)田中裕介(3) 6.0 右SBに入ってレギュラーのときのようなプレー。攻撃は自重した。

■bench
西部洋平(21) 田中裕介(3) ジェシ(5) 中澤聡太(7) 稲本潤一(20) 山本真希(6) 金久保順(18)

■coach
風間八宏 5.5 後半のシステム変更がはまった。前線が疲れていたが、交代は1枚だけ。

■referee
岡部拓人 5.0 両チームともにファウルと判断するような、明白なファウルも流していた。

2014/08/23

140823横浜FM2-0川崎(J1 #21)

横浜FM2-0川崎(ニッパツ三ツ沢球技場, 19:00KO, 14,014人)

水曜日の愛媛FC戦(天皇杯 R32)に敗れて迎えるJ1リーグ第21節。
15,454人収容のニッパツ三ツ沢球技場での開催となった。

等々力(J1 #14)でも満員だったので、日産スタジアムではないのは残念。
日産の72,327人のキャパシティは埋まらないにせよ、多くの集客が見込めた。

先発メンバーは、3バックの谷口に代わりジェシが出場。
中2日だが、天皇杯ではジェシが90分、小林、大島が45分出場した。
その他のメンバーは休養をとっている。

横浜Fマリノスは、天皇杯で延長120分、ギラヴァンツ北九州に2-3で敗れている。
今日の先発メンバーでは、FW齋藤学(11)、DF栗原勇蔵(4)、DF下平匠(23)が120分フル出場。
MF藤本淳吾(25)が79分、MF小椋祥平(6)が30分出場している。
コンディション的には、若干川崎の方が有利な状況といえる。

■1st half
3分、左サイドからのクロスに登里が手を出してPKが与えられる。
登里にはイエローカードが提示されたが、決定的な場面ではなく、厳しい判定。
FWラフィーニャ(18)がPKを決めてマリノス先制。

マリノスは前からプレスを掛けてくる。
ボールを奪ってショートカウンターとなっても、後ろの選手は上がらない。
守りを固められても、川崎はプレスをかわしていい形を作っていた。

35分、ラフィーニャが中央をドリブルで突破する。
登里がショルダーで止め、2枚目のイエローで退場となった。
1枚イエローをもらっているので、安易なファウルは避けるべき。
しかし、このプレーはイエローに値するファウルではなかった。

これで1人少なくなったが、それでも川崎は攻める。
数的不利は否めず、精度は低いもののパスワークでゴールに迫った。
守備は余裕がなかったが、攻め込まれても失点は免れる。

GK榎本哲也(1)は、前半から時間稼ぎをスタート。
戻ってきたボールを足元で止め、相手FWが来るまで待っている。
榎本のこういった姿は見慣れてはいるが、悲しいプレー。

■2nd half
後半も、前半と同じような展開が続く。
マリノスに決定機を作られながらしのぎ、川崎は10人で攻撃を組み立てる。
ゴールは決まらなかったが、可能性はあった。

76分、川崎ゴール近くで混戦が続く中、笛が吹かれずプレーが止まらない。
こぼれたボールをMF兵藤慎剛(7)が抜け出してゴール。
2点差となったが、それでも怯むことなく同じようにゴールを目指した。
結局ゴールは生まれないまま、ゲームは終わった。

■summary
審判がゲームを壊してしまった。
登里の退場がなければ、密度の濃いゲームになったと思われる。
それを見ることができなくなったのはとても残念なこと。

天皇杯に続いて、連敗となった。
順位が2つ下がって、4位になったが、悲観することはない。
10人となっても、いつものように攻撃を続けたことは素晴らしかった。
次節以降も同じように攻撃的なサッカーを愚直に続けてほしい。


■goal
3PKラフィーニャ(11) 76兵藤慎剛(7)

■judge
杉山力裕(1) 5.5 ビッグセーブで2失点目を遅らせる。足元が不安定だった。
實藤友紀(2) 5.5 イエローは受けたものの、しっかりと守っていた。
ジェシ(5) 4.5 ハードなタックルで貢献。セルフジャッジでプレーを放棄した。
小宮山尊信(8) 5.0 ミスパスで決定機を与えた。登里退場後は左SBに入る。
中村憲剛(14) 5.5 無謀なロングボールもあったが、比較的フリーでボールを持てた。
大島僚太(16) 5.0 プレスをよくかわしていたが、ゴールに向かう迫力が足りない。
森谷賢太郎(19) 5.5 豊富な運動量を見せる。右SBに入ってからは守りに不安。
登里享平(23) 3.5 厳しい判定だが、2つ目のイエローでは無理する必要がなかった。
小林悠(11) 5.5 動きは良かったが、いいボールが供給される機会が少なかった。
大久保嘉人(13) 5.0 中盤に下りることが多く、チャンスにゴール前にいなかった。
レナト(10) 5.5 左サイドからのドリブルで違いを見せた。惜しいゴールを放った。

■sub
81(19)山本真希(6) 5.5 ボランチでボールに触って動いていた。
86(2)田中裕介(3) 5.0 攻撃的なオプションとしては無理がある。機能しなかった。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 中澤聡太(7) 稲本潤一(20) 金久保順(18) 

■coach
風間八宏 5.5 退場によって選択肢は少なくなった。しかし、森島はベンチに置くべき。

■referee
家本政明 3.0 マリノスを勝利に導いた。プレーごとに判定がぶれすぎた。

2014/08/21

140820川崎0-1愛媛(天皇杯 R32)

川崎0-1愛媛(等々力, 19:00KO, 5,104人)

2回戦のYSCC横浜戦(天皇杯 R64)に際どく勝利して、天皇杯3回戦。

川崎は土曜日のC大阪戦(J1 #20)から中3日。
次の試合は中2日で横浜FM戦(J1 #21)を迎える。
リーグ戦の最中のカップ戦で、C大阪戦から先発メンバーを全員変える。
中村、大久保、レナト、實藤、登里などのレギュラー陣がベンチ外となった。

愛媛も日曜日の松本戦(J2 #27)から中2日。
こちらも大幅にメンバーを変えているとのこと。
なお、一平君(準マスコット)と伊予柑太君(公式マスコット)も来場していた。

■1st half
愛媛はコンパクトな陣形を敷いてきた。
川崎はジェシ、中澤、井川の3バックが大きく開いて攻撃を仕掛ける。
パウリーニョ、山本のボランチまではボールを持つことができた。
しかし、ゴールに近くなると、愛媛がきっちりとブロック。

愛媛は決定機を作れていなかったが、34分、先制に成功。
神戸ユース出身の18歳、FW表原玄太(24)が中央でボールを受け、DFを振り切ってきれいにゴール。
川崎は反撃の糸口も掴めないまま前半が終了する。

■2nd half
後半開始から、川崎は小林と大島を投入。
1点ビハインド、かつ攻撃が機能していない中、思い切った交代カードを切った。
愛媛はミスパスが少なく、フリーとなった選手にきちっとボールがつながる。

川崎は大島を中心に攻勢に出る。
愛媛はボランチに対するプレスが弱く、大島には余裕があった。
しかし、前線の選手に動きが少なく、探しても出しどころが見つからない。

左サイドの山越が、再三えぐってクロスを上げていく。
しかしワンパターンなので、中で跳ね返されてしまう。

76分、谷口を投入し、攻撃はさらにスムースになるが、ゴールは生まれず。
愛媛は的確に選手交代を行って、ジャイアント・キリングを達成。
守るだけではなく、きちんとしたパスワークを披露し、内容を伴う勝利となった。

■summary
今年の天皇杯は3回戦で終わってしまった。
残念だが、川崎に勝ち抜く力はなかった。
しかし、ターンオーヴァーする以上、敗退という結果もやむを得ない。
追撃のためには中村、レナトの力も欲しかったが、ベンチ外とした監督の判断は尊重できる。


■goal
34表原玄太(24)

■judge
西部洋平(21) 6.0 失点はDFが振り切られたもので仕方がない。杉山より安定した動作。
ジェシ(5) 5.0 右に大きく開いてのビルドアップは機能せず。中央の方が適性があると思う。
中澤聡太(7) 5.5 失点時にかわされたが、守備は安定。セットプレーで決めてほしかった。
井川祐輔(4) 5.5 左サイドから山越にボールを供給した。守備もまずまず。
山越享太郎(25) 6.5 再三に渡って攻め上がり、クロスも上げる。とても良かった。
田中裕介(3) 4.5 ボールロストが目立つ。クロスの精度が低く、攻撃できなかった。
山本真希(6) 5.5 後半、ボールに触る機会が減った。80分に決定機を迎え、惜しくも外す。
パウリーニョ(34) 4.0 不要なイエローをもらい、パスミスを繰り返した。残念な出来。
可児壮隆(26) 5.5 足元の上手さを見せる。ショートパスでビルドアップに参加した。
森島康仁(9) 5.0 マークをはがせずパスを呼べなかった。もっと効果的に動きたい。
金久保順(18) 5.5 FKと右CKを担当。ボールに多く触るが、タイミングが合っていない。

■sub
HT(9)小林悠(11) 6.0 抜け出しでチャンスを作った。周囲とは呼吸が整わなかった。
HT(34)大島僚太(16) 6.5 ボールを集め、たくさんのパスを供給。決定機を編み出したい。
76(26)谷口彰悟(15) 6.0 ボランチに入った。ヘディングの強さを見せる。

■bench
杉山力裕(1) 中澤聡太(7) 稲本潤一(20) 福森晃斗(22)

■coach
風間八宏 5.5 結果は出せなかったが、ターンオーヴァーの必要がある以上、やむを得ない。

■referee
今村義朗 6.0 見ていてストレスが少ない判定を行った。

2014/08/17

140816川崎5-4C大阪(J1 #20)

川崎5-4C大阪(等々力, 19:00KO, 18,124人)

セレッソ大阪とは7月12日にアウェイ(J1 #12)で対戦し、勝利している。
第12節はACLのため延期していて、1か月と短いスパンでの再戦となった。

セレッソはFW柿谷陽一朗(8)がバーゼル(スイスリーグ)に移籍。
さらにMF山口蛍(6)が負傷中。
数試合を同じメンバーで戦っている川崎が少し有利な状況。

■1st half
川崎が主導権を握りかけるが、単純なクロスから失点する。
登里がマークをミスし、MF南野拓実(13)がヘディングでゴールを決める。

しかし、ここから川崎の時間が長く続く。
セレッソは強いプレスを掛けてくるものの、余裕を持ってボールをさばく。
川崎のフリーランにセレッソのマークが間に合わず、どんどんチャンスを作る。
中央からだけでなく、右サイド、左サイドからも攻撃を仕掛ける。
10分、13分、26分、45+1分と4ゴール。
逆転して4-1となったところで前半を終えた。

■2nd half
後半、セレッソが反撃に出る。
MF扇原貴宏(2)をアンカーに投入し、システムを4-4-2から3-5-2に変える。
選手が適切に配置され、セカンドボールも拾えるようになる。
扇原の配球がとてもよく、前半とはうって変わってチャンスを作り出していく。

49分、74分のゴールであっという間に4-3と1点差になる。
しかし、81分、小林がCKのクリアボールから2点目のゴールを決めて5-3。
劣勢の中で生まれたこのゴールはとても大きかった。
セレッソもFWフォルラン(10)が美しすぎるボレーを決めたが、最後は5-4での辛勝となった。

■summary
川崎は後半、思うようにプレーができなかった。
それでも、きちんと勝利をおさめた。
4失点しても、勝ち点3がとれたことはよい結果。
試合の内容が良くなくても、勝ち点をとり続けてきたい。


前半と後半で両チームの印象が大きく変わったゲーム。
ナビスコの決勝トーナメント1回戦で再び9月に対決する。
次回対戦がどのような展開になるか、楽しみ。


■goal
10,81小林悠(11) 13大久保嘉人(13) 26PKレナト(10) 45+1中村憲剛(14)
5南野拓実(13) 49丸橋祐介(14) 74藤本康太(4) 85フォルラン(10)

■judge
杉山力裕(1) 5.0 4失点は取られすぎ。キャッチしてからのパス配給が危うかった。
實藤友紀(2) 5.5 藤本の得点シーンではボールに触りたかった。
谷口彰悟(15) 5.5 ヘッドでクロスを跳ね返した。フォルランは止め切れなかった。
小宮山尊信(8) 5.0 CBなのにSBのような攻撃参加。守備では貢献できなかった。
中村憲剛(14) 6.5 ボール回しのリズムを変えるロングボールを繰り出した。
大島僚太(16) 5.5 前半は良かったが、後半になるとボールを展開できなかった。
森谷賢太郎(19) 5.5 ゴール前まで入りこんだ。守備に多くを求めるのは難しいか。
登里享平(23) 5.0 南野のゴールではマークを外す。サイド攻撃をたくさん仕掛けていた。
小林悠(11) 7.5 2ゴール。特に2点目は素早い反応だった。さらに2本、ポストに当てる。
大久保嘉人(13) 7.0 小林へのアシストは素晴らしかった。ミドルもまずまずの精度。
レナト(10) 7.0 PK奪取から1ゴール。2アシスト。PA内に切れ込むドリブルも戻ってきた。

■sub
61(19)稲本潤一(20) 5.5 相手に食いついて守備をまとめる。簡単なミスパスが目立った。
90(10)ジェシ(5) 5.5 最終ラインに仁王立ち。いるだけで安心感があった。
90+3(11)田中裕介(3) 5.5 終了間際に投入される。右ウィングに入った。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 山本真希(6) 金久保順(18)

■coach
風間八宏 6.5 交代策は当たらなかった。それでも結果を出した。

■referee
吉田寿光 6.0 抑え目のジャッジで試合をコントロールした。

2014/08/10

140809川崎2-1浦和(J1 #19)

川崎2-1浦和(等々力, 19:00KO, 18,378人)

前節柏戦(J1 #18)は、サイドをうまく使われて1-4の敗戦。
柏と同じようなスタイルの浦和に対して、今シーズン初めての3バックで臨む。
といっても、メンバーはほぼ同じ。
小宮山が右SBからCBへ、森谷が右WBとポジションを動かしての3バック。
また、レナトがワールドカップ中断後、初めての先発。
これまでポジションを埋めてきた金久保が、ベンチスタートとなった。

■1st half
浦和のキックオフから、そのままゴールが生まれる。
ロングフィードを谷口がヘディングでクリアしたが、MF梅崎司(7)がダイレクトボレー。
杉山が触ったものの、美しいゴールを決められた。

逆に川崎も、ゴール後のキックオフから、そのまま同点ゴール。
森谷が技巧的なシュートをポストに当て、こぼれ球をレナトが詰めた。
試合開始直後から、相手にボールを渡さないまま、慌ただしく2ゴールが生まれた。

浦和は、前線からアグレッシブな早いプレスを仕掛けてきた。
プレスを受け、川崎はボールを保持できず、低い位置でボールを失ってはピンチを招く。
浦和はセカンドボールを拾い、いい形で攻撃を続ける。

川崎の3バックは、最初はぎこちなかったが、徐々に落ち着いてくる。
狙ってオフサイドをとれるようになり、ロングボールに対応していく。

■2nd half
後半は、一進一退の攻防が続く。
71分、FW李忠成(20)のヘディングを杉山が好セーブ。
決定機も作られていったが、なんとか切り抜ける。

浦和の足がだんだん止まり、ボールホルダーへのプレスが弱まる。
川崎がボールを持てるようになり、決定機を作り出していく。
ペトロヴィッチ監督は疲れた選手を次々に交代させるが、機能せず。
守備が後手に回り、ファウルで止めることが多くなった。

78分、杉山のスローから、レナトがプレスをかわして左サイドを持ちあがる。
浦和の3人の選手がレナトに引き寄せられて、中央に大きなスペースができる。
中村がボールを受けると、多くの選択肢の中から大久保にラストパス。
大久保はフェイントでGK西川周作(21)を外し、きれいに左隅に決めた。

その後も川崎はカウンターで次々と決定機を作り出すが、追加点を奪えない。
浦和もサイドからのクロスで同点ゴールを狙うが、大きなチャンスは作れなかった。
川崎は落ち着いて選手交代を行い、逃げ切った。

■summary
埼玉でのアウェイゲーム(J1 #8)と同じように、見応えある素晴らしいゲームだった。
結果がどうであれ、レヴェルが高いサッカーを見ることができれば満足できる。
運動量が落ちる前に、浦和がゴールを決めていたら、違った展開になったと思われる。
紙一重の攻防を見るのはとても楽しかった。

16節で鳥栖(当時2位)に勝ったのに続いて、上位の浦和(2位)との対決を制した。
大きな成果だが、タイトルのためには引き続き、勝ち点を着実に積み上げていきたい。
川崎は3バックでも4バックでも、コンセプトは変わることがなかった。
相手のフォーメーションによって、どちらがよいか使い分けていくのがよいと思う。

■goal
3レナト(10) 78大久保嘉人(13)
2梅崎司(7)

■judge
杉山力裕(1) 7.0 71分、李のヘッドを片手で防ぐ。フィードミスはあったが、勝利の立役者。
實藤友紀(2) 6.0 前節で負った肩の脱臼の影響を感じさせなかった。が、足を痛めて交代。
谷口彰悟(15) 6.5 失点に絡んだが、それ以外は3バックの中心として奮闘した。
小宮山尊信(8) 6.0 馴れないCBで出場。よくピンチを防ぐ。攻撃ではレナトをサポート。
中村憲剛(14) 7.0 長短のパスを繰り出し、チャンスを作った。決勝アシスト。
大島僚太(16) 5.5 シュートチャンスでも味方を探してしまう。積極的にシュートしたい。
森谷賢太郎(19) 6.0 同点ゴールを生んだシュート以外は、守備に追われていた。
登里享平(23) 6.5 ミスパスでピンチを招いたが、ドリブルの好調は継続していた。
小林悠(11) 5.5 背後への動き出しを繰り返したが、ボールが入らなかった。
大久保嘉人(13) 7.0 フェイントを入れて決勝ゴール。キープ力でも貢献した。
レナト(10) 6.5 2人抜きのドリブルなど、登里と小宮山のサポートで左サイドを切り裂く。

■sub
82(2)稲本潤一(20) 6.0 實藤のアクシデントによる出場。守備に落ち着きをもたらした。
89(19)田中裕介(3) 5.5 守備に厚みをもたらす。
90+3(11)ジェシ(5) 5.5 最後の最後に投入される。ワンプレーでも存在感あり。

■bench
西部洋平(21) 中澤聡太(7) 金久保順(18) 森島康仁(9)

■coach
風間八宏 6.5 柏戦の敗北のあと、チームを立て直した。遅めだが、交代カードを3枚切った。

■referee
飯田淳平 6.0 前半は浦和、後半は川崎有利だったが、妥当な判定が多かった。

2014/08/03

140802柏4-1川崎(J1 #18)

柏4-1川崎(日立柏, 19:00KO, 11,963人)

4連勝で3位、首位浦和と勝ち点差3まで縮めて迎えたアウェイ柏戦。
前節新潟戦(J1 #17)に続き、川崎市制90周年記念ユニフォームでプレー。

■1st half
柏はパスコースを遮断しながら緩やかなプレスをかけてきた。
川崎は低い位置からプレスを受け、ボールロストを重ねる。
素早くカウンターを浴びて、ピンチを招いた。

16分、實藤が肩を負傷してジェシに交代すると、パスの出し手が減った。
前にボールを運べない歯がゆい展開となる。

柏は断続的にカウンターから決定機を作り出す。
川崎の4バックに対して、左右のSBが高い位置取りで5トップ気味となる。
数的有利を作り、フリーの選手にパスを出し、クロスでチャンスを作る。

どちらかといえば、川崎の方が振り回されて体力を消耗する展開となった。
ロスタイム、サイドからのクロスをMF高山薫(13)が決めたが、直後に中村憲剛のミドルで追いつく。

■2nd half
後半開始から、川崎がペースを掴む。
ショートパスがつながり、長い時間をかけて攻撃を仕掛ける。
しかし、ゴールを割れないまま、55分あたりで主導権を渡す。
柏がサイドからのクロスで川崎の守備を揺さぶっていく。

62分、右SB藤田優人(2)がきれいなミドルシュートを決める。
その後、高山が2点目、さらにレアンドロが決め、3点差となった。
川崎の最終ラインは柏のカウンターからの早い攻撃に集中できない。
マークを見失っては失点を重ねた。

■summary
柏が川崎の良さを消し、面白いように優勢となった。
それでも川崎は、愚直にいつも通りのサッカーを継続した。
悲観するほど悪い内容でなかったと思う。

■goal
45+1, 68高山薫(13) 62藤田優人(2) 70レアンドロ(11)
45+2中村憲剛(14)

■judge
杉山力裕(1) 5.0 1つでもゴールを防ぎたかった。西部がベンチに控える中、厳しい結果。
小宮山尊信(8) 4.5 サイド攻撃にさらされて守りを強いられる。攻撃参加が少なかった。
實藤友紀(2) 6.0 悪くはなかったが、14分、右肩を痛めて交代。
谷口彰悟(15) 4.5 レアンドロに自由にボールを持たれる。パスミスも散見。
登里享平(23) 5.0 レナトと組んで、攻撃に参加した。が、1人では守り切れなかった。
中村憲剛(14) 6.0 45+2分、素晴らしいゴールで同点に追いつく。
大島僚太(16) 5.5 受け手が少なく、フリーでボールを持っても中村への横パスが多かった。
森谷賢太郎(19) 5.5 1点目をアシストする。全体的には躍動できなかった。
金久保順(18) 5.0 守備に追われる。スペースがない中、パスも出せなかった。
大久保嘉人(13) 5.5 49分のバー直撃シュートなど、惜しかったがゴールはなかった。
小林悠(11) 5.5 トラップからの抜け出しでチャンスを作ったが、単発に終わる。

■sub
14(2)ジェシ(5) 5.0 サイドからのクロスボールに対応できず。安定感がなかった。
HT(18)レナト(10) 5.0 前への突破は見せたが、守備で貢献できなかった。
73(19)稲本潤一(20) 6.0 ボールを散らして攻撃を支えた。

■bench
西部洋平(21) 田中裕介(3) パウリーニョ(34) 森島康仁(9)

■coach
風間八宏 5.0 劣勢を受けて早目に交代枠を使ったが、有効な対策とはならなかった。

■referee
高山啓義 6.0 及第点の判定。もっとアドヴァンテージをとってもよかったか。